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  • 一昨日

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教育
トランスクリプション
00:00作詞・作曲・編曲 初音ミク
00:30岡山市の高齢者住宅で暮らす岡田忠夫さん、99歳。実は、岡山を拠点に活動する劇団の看板俳優です。
01:00あるきっかけで88歳の時に本格的に演劇を始め、いつしか生き甲斐に。
01:14命の限り我々はやる。役者で丁寧はないもの。
01:21しかし、老いは確実に岡田さんからできることを奪っていきます。
01:27それでも…。
01:3499歳で迎える2年ぶりの舞台。
01:43できなくなることを受け入れて手にしたものとは?
01:50よーい、スタート!
02:09劇団老いぼっけ師は老いや認知症をテーマに2014年から活動しています。
02:20すごいなぁ。
02:21この作品は、おかじいこと、看板俳優岡田忠夫さんの実際の介護生活を演劇にしたもの。
02:3120代の女性が演じているのは、岡田さんが介護している認知症の妻。
02:39自身が20代と思い込み、夫のことも忘れています。
02:46マサオさんと言ったなぁ。
02:48うん、マサオさん迎えに来るけ。
02:50待ちなさいよ。これ誰?
02:53バイトのおじいちゃんじゃろ。
02:55もういいか。
02:57寿司屋の皿洗いショール、バイトのおじいちゃんじゃろ。
03:01いいか、便利にしなさい。
03:03ちょっと。
03:04なんだクソジジイよ。話せよ。
03:07岡田さんは当初、妻の変化を受け入れられませんでした。
03:14ほら、寝たらせんが。何しよう。寒いのに。
03:23今何しよう。
03:25もう、帰るよ。帰らない。
03:28帰るん?
03:29帰るよ、いい。
03:31同い年で、認知症の妻、一子さんを自宅で介護していました。
03:38でも、どこへ帰るん?
03:40どっちさん、家がないん?うちに。
03:42は?
03:43うちの家がないん?
03:44うちの家がないん?
03:45ないんか、ないんで。
03:47ああ、ないんかな、言うて。
03:49明日帰ろう。
03:51はい、寝ましょう。
03:52ええねん、どっちさん。
03:54我が家に帰るの、どうしそうなきゃいけんの。
03:57明日にしよう。
03:59ええね、恐ろしいの。誰か来ても恐ろしい。
04:04どっちなんですか。
04:07ああ。
04:11ご飯を作るなど、身の回りの世話を15年以上していました。
04:22それでも理不尽な言動に、岡田さんの日記には、当時の怒りや戸惑いが書かれています。
04:30ボケババアが大爆発した。
04:34鍋の蓋を投げ捨てられた。
04:36パンも玄関へ投げ捨てられた。
04:39今日こそ殺してやろうかと、身が震えた。
04:44この介護の苦しみを救ったのは、劇団の主催で、介護福祉士の菅原さんとの出会いでした。
04:57岡田さんは88歳の時に、菅原さんが開くワークショップに参加し、介護に演技を取り入れました。
05:07認知症の方の、こちらからすると、おかしな言動に対して、つまりいわゆるボケですよね。
05:13を受け入れるのか正すかっていう時に、今、受け入れた方がいいんじゃないか。
05:18ご視聴ありがとうございました。
05:48あなたは、年はまあでもいい。
05:50年より健康だね。
05:53あ、そう。
05:54あ、そう。
05:55あ、そう。
05:56ええこと言おうかな。
06:00だから、自分の年も気にせるの。
06:02あ、自分の年を気にせるの。
06:05あははははは。
06:06あははは。
06:09あれ、何してんだよ。
06:13まさおさんとはぐれたんよ。
06:15かわいい彼氏を探したの
06:27はいどうも
06:31妻が見ている世界を否定せず
06:36演技で受け入れることで
06:38再び笑い合えるように
06:40岡田さん夫婦の現実が
06:43そのまま作品になりました
06:46はるばる北で熊本
06:5774年ぶり
07:02劇団には県外から公演の依頼が
07:07舞い込むようになりました
07:08岡田さんどうぞ
07:12苦しい介護を救った演劇が
07:20観客の笑いと涙を誘いました
07:24置いた自分として奥様を見ている
07:28岡田さんの思いを想像したりとか
07:32すごいラブロマンスに見えました
07:34私はすごく
07:36また来てくださいね
07:42来ますよ
07:43先生のお声があれば
07:46その頃を向けて
07:48飛んで参ります
07:50この2ヶ月後
08:01岡田さんは脳梗塞で倒れ
08:27入院となりました
08:29一刻も早く脱出したい
08:33ここ
08:33生きるのに疲れた
08:39ただし一つの生きがいは
08:42追いぼっけし
08:45この舞台
08:47岡田さんは無理のない範囲で
08:50できるお芝居を今考えていますから
08:56無理のないと言われるけど
09:00無理しますよ
09:02そうですか
09:04無理がなくちゃダメじゃないですか
09:06なるほど
09:07入院から1ヶ月ほどで退院し
09:16育子さんを施設に預けたまま
09:19自身が介護を受ける立場となりました
09:22まずは退院おめでとうございます
09:27ありがとうございます
09:28後遺症として残っているのが
09:32左側が見にくかったり
09:36注意力が欠ける障害が残っている
09:39デイサービスに週に1回でも行ってもらって
09:43運動をする機会をね
09:46デイサービスに行くと
09:48必ずね
09:49もう四季が近いんですよ
09:52そしておととし
10:01はい
10:09いくちゃん
10:12ねえ
10:14今の顔の方がいいが
10:17なあ
10:18あの時に喧嘩をしたのを
10:21映してくれたよ
10:23この映さ
10:25ねえありがとう
10:26言うて
10:27ねえ
10:28はい
10:31信じられない
10:32もう
10:33頭が真っ白
10:35感情というものがなかったね
10:38出なかった
10:39本当に言ったら
10:41寂しさとあれで
10:43ねえ
10:45まあ感度というか
10:47あれで泣くんだけども
10:49そんな気持ちもね
10:51ただもう真っ白だった
10:54岡田さんと幾子さんに子供はなく
11:00これまで夫婦2人で70年近く暮らしてきました
11:07一人になった岡田さん
11:11老いはさらに深まります
11:19大丈夫かな出れんのかな
11:22なんか手術するらしいから
11:24石取るんですよね
11:25菅原君にメッセージが来て
11:27手術する舞台は出ないっていうのが来たらしいんだけど
11:31え?
11:32でも福原君が言うには
11:34退院したらやっぱ出るって言うんじゃないか
11:36確かに
11:37はい
11:38なるほどね
11:39ちょっとねおかじどうなるか
11:41全体的に稽古していこうかなと
11:45公園の1か月前に単肝炎で倒れ交番となりました
11:51老いは生き甲斐までも奪い始めました
12:10ああ
12:11誰かもあった
12:16退院後入居したのは高齢者住宅
12:20もう一人では自宅で暮らすことができなくなりました
12:43一人で用を足すこともご飯を作ることも
12:49できることが次々と砂のようにこぼれ落ちていきます
12:58あっ
13:00どう?
13:01どう?
13:02
13:03
13:04
13:05あ、どう?
13:07あー!
13:09なんでいいって、これ買ったんや。
13:13ごめんなさい、ちょっと待った待ったして、忙しくて申し訳なかったです。
13:17わかる。わかるけどね。
13:19降ろされたと思う。
13:21それを素直にね、受けるべきだとは思った。
13:25一生懸命に考える。
13:29すられるのがいい。
13:31そしたら、くちっと諦めがつく。
13:34だけどね、舞台は絶対。
13:39いや、下手なのに、資格はないよ、俺、ほんとに。
13:45新作に向けて僕は台本書きますので、よろしくお願いします。
13:50今書いてる?
13:51今書いてる?
13:52今書いてる?
13:53そう。
13:54それで?
13:55はい。
13:57それから半年、台本が届きました。
14:02そんな場合だな。
14:13あれ?どっちだった?
14:15どっちだった?
14:16あれ?
14:17声、ほぼ聞こえてない。
14:21あ、そうですか。
14:22あ、すごい。
14:23だから、たぶんこう。
14:24いいで。
14:25元気ですか?
14:26金貞です。
14:28は?
14:29あ、金ちゃんだ。
14:34あれ?
14:35あんたはプロじゃわ。
14:37ちょっと。
14:38あんたはプロじゃわ。
14:40ちょっと忘れないでください。
14:41あんたはプロになってるから。
14:432年ぶりの舞台に向けて、稽古が始まりました。
14:50出演するのは、1年前、岡田さんが交番した、恋は水色。
14:58この作品には、演劇の経験がなかった人たちが、多く出演しています。
15:09菅原さんは、役者それぞれの個性に合ったセリフや特徴を考え、台本を作ります。
15:18岡田さんが今回演じるのは、父親。
15:23娘の夢に反対し、仲互いしたことを後悔し続けている役です。
15:31高校生の佐代子と、喧嘩のシーンをしてください。
15:35そう、ありがとうございます。
15:37で、もう、出て行けって言って。
15:39ちょっとしたら、後悔をして。
15:42佐代子、戻ってきてくれ。すまなかった。
15:46佐代子、行かないでくれ。
15:48ああ、そう。
15:49東京に行く。
15:50ああ、もう一度行ってねえ。
15:56お父さんと暮らすのが嫌。
15:59東京に行く。
16:03出て行け。出て行け。
16:08この1年で環境は変わったり、新対面でできないことって増えてきてるんですよね。
16:14なので、演劇をとてもしづらい状況にはなってるんですけども、
16:21でも岡田さんの演劇にかける思いっていうのは、なんかどんどんどんどん高まってきている。
16:26待ってくれ。
16:28佐代子。
16:30この役だったら自分しかないというようなね、誰にもできないね。魅力をね、それを発揮すること。舞台というものがあるから、生きる。
16:47命。最後は。
16:56本番前日、岡田さんは最後の稽古にやってきました。
17:03じゃあ、説明をお願いします。
17:05岡田さんの登場は劇のラストシーン。
17:10最初。
17:11最初は人はいません。
17:13はい。
17:14一人で芝居する。
17:16はい。
17:17はい。
17:18明かりがついたら、清流。
17:21お前が歌手になるわけがない。
17:25ライトが当たったら、娘の幻と喧嘩する父親を一人で演じます。
17:32最初。
17:33最初。
17:34最初に出て行け。
17:37はい。
17:38中学生の登場されます。
17:40これ最初は最初が出るの。
17:43私、中学生がやってくるの。
17:45なるほど。
17:47最初は人はいません。
17:49一人でしまえば。
17:50流れを、なかなか覚えておくことができません。
17:57菅原さんは、岡田さんの出演シーンを、車いすからベッドに変えました。
18:08スタート。
18:09スタート。
18:36スタート。
18:37たまらず、菅原さんが合図を出します。
18:44こっち行こう。
18:48岡田さん。
18:50ん?
18:51これからやります。
18:53あ?
18:54明かりがついたら、演技スタートで行きます。
18:57はい。
18:59ああ、早く。
19:02はい、はい、はい、はい。
19:03大丈夫です。
19:04はい。
19:05大丈夫です。
19:07じゃあ、一度暗くして明るくなるところ。
19:09はい。
19:11岡田さん、覚えてます?
19:14うん。
19:15うん。
19:17岡田さん、そしたら着替えをして、ご飯食べましょう。
19:20不安の中、本番を迎えます。
19:32本番を迎えます。
19:33本番を迎えます。
19:34本番を迎えます。
19:35吉田さん、観てます。
19:39片方向こうへ、ゆっくり前へ、お進みください。
19:43ゆっくり前へおすすめください。
19:47会場は満席となりました。
19:52はい。
19:55この2年、待ち望んでいた出番が近づいてきました。
20:23ああ!
20:53はい。
20:56はい。
20:59はい。
21:02はい。
21:05はい。
21:09はい。
21:24はい。
21:39はい。
21:42はい。
21:43はい。
21:45はい。
21:47はい。
21:49はい。
21:52はい。
21:55はい。
21:57はい。
21:58はい。
21:59はい。
22:00はい。
22:01はい。
22:03はい。
22:04はい。
22:05はい。
22:06はい。
22:07はい。
22:08はい。
22:09はい。
22:10はい。
22:11はい。
22:12はい。
22:13はい。
22:14はい。
22:15はい。
22:16はい。
22:17はい。
22:18はい。
22:19はい。
22:20はい。
22:21はい。
22:22はい。
22:23はい。
22:24はい。
22:25はい。
22:26はい。
22:27はい。
22:28待ってくれ
22:41待ってくれ
22:45最後
22:47落としてきてくれ
22:50最後
22:58最後
23:00何か
23:00最後
23:01戻ってきてくれ
23:08ありがとう
23:10ありがとう
23:20ボケも
23:23老いも
23:25できなくなることを
23:26全て受け入れた
23:2899歳
23:29最後に残った
23:34輝ける場所
23:36当日もちまして
23:4123歳になりました
23:45また次の芝居もあるんで
24:04準備を始めましょう
24:05本当に寂しいね
24:12全くのサイズに
24:15ありがとう
24:24宮田さんありがとうございます
24:28よろしくお願いします
24:29ありがとう
24:31引き上げまた会いましょう

お勧め

1:20:03