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教育トランスクリプション
00:00:00こんばんは、高畑由里子です。
00:00:08政府は米政策に関する2回目の関係閣僚会議を開きその中で石破総理は不安なく増産に取り組める新たな米政策に転換すると強調しました。
00:00:25消費者の皆様が安定的にお米を買えるようにするとともに、意欲ある生産者の皆様の所得が確保され、不安なく増産に取り組めるような新たな米政策へと転換をいたします。
00:00:42政府は米政策に関する2回目の関係閣僚会議を開催し石破総理は生産者が不安なく増産に取り組める新たな米政策に転換すると強調しました。
00:00:57その上で、ことしの生産分から米を増産することや、農家の所得確保を実現していく方針を掲げています。
00:01:05全国のスーパーでの米の平均価格は5キロ当たり3801円と5週連続で値下がりしましたが石破総理は引き続き手を緩めることなく米価格のさらなる安定へ対応を進めてほしいと述べています。
00:01:23一方、アメリカのトランプ大統領は自身のSNSに各国がいかにアメリカに甘やかされているかを示したい、私は日本をとても尊敬している、しかし大規模な米不足が起きているにもかかわらず日本は我々の米を輸入しないと強い不満を表明しました。
00:01:45トランプ関税をめぐる交渉では今月9日が期限の目安となっていますがトランプ氏はそれまでに合意できなかった国には交渉を打ち切って一方的に手紙で関税率を通知すると話していて日本に対して交渉を打ち切る可能性を示し強い圧力をかけた格好です。
00:02:12アメリカのトランプ減税延長を盛り込んだ大型法案を巡り実業家のイーロン・マスク氏は法案に賛成した議員らを来年の選挙で落選させると警告しました。
00:02:57共和党の議員を念頭に対抗馬を資金面で支援する姿勢を示して賛成票を投じないよう強く牽制した格好です。
00:03:06また、別の投稿では国民が実際に声を上げられるような政党が必要だとして大型法案が成立すればその翌日に新たな政党が結成されるだろうとも書き込んでいます。
00:03:21マスク氏は5月に政権を離れたあと大型法案を激しく批判し親密だったトランプ大統領と罵り合う展開になっていました。
00:03:33それでは今日のテーマに移りましょう。まずはイランの最新の動きから見ていきましょう。まずはこの写真からご覧いただきましょう。これは衛星写真なんですね。アメリカのマクサー社というところの衛星写真でこれバンカバスターで攻撃されたところ何度も何度かお見せいたしました。
00:03:51これが22日の映像そして29日最新のものではここがどうやらですねまあこのあたりに土砂災運搬機や採掘機がどうもいるということのようで肉眼ではちょっとなかなかわかりにくいんですが確かに形状は変わっているように見えます。
00:04:09これ専門家によりますと数日前にこの損傷を修復したことを確認しているというふうにXに挙げているということであります。
00:04:18さて高橋さんこれイランはどんな動きをしていることが考え得るというふうに思われますか。
00:04:24はいあのおそらくトランプさんが言うように完全に施設は壊れてなくて修復可能だと見ててとりあえず入り口を塞がれた形になっているのでそれを排除して出入りできるようにしようということだと思います。
00:04:40問題はこの見えているところはいいんですけど見えていないところでイランが何をやっているかというのはなかなか見えないというのがやっぱり心配ですよね。
00:04:49このまあこれは誰も見たことがないのかもしれませんがこの地下に浦縫施設という地下に部屋があって埋まっていてこれが例えば通路なんかがずっと地下でありまかされているなんてこともあり得るということですか。
00:05:03そうですねあの地下の形状はだいたいわかっている。
00:05:06だいたいわかっているんですか。
00:05:07あの国際あの原子力機関のあの札札がずっと入ってますから。
00:05:13この中にも入ってやっている。
00:05:14はい。
00:05:15このなんかお根沿いにあるなんて話もありましたがどういう感じなんですかねこの下というのは。
00:05:20あのかなり深く掘ってあってしかも上に山があると本当に爆撃消しにくいとでもうアメリカ側自体も本当に破壊したのかという議論がありますから。
00:05:33イランとしてはあの少なくともあの言葉の上では大丈夫だよとそんなに大した被害ではないという言い方をしてて。
00:05:40あのでまああのイランの技術力そしてまあ激しい衝撃がありましたから遠心分離機が壊れた可能性はあるんですけどもちろんあのイラン遠心分離機自分で作れますから。
00:05:52予備もあるでしょうしだからイランとしてはあのやるつもりになればやれるという状況はあると思いますね。
00:05:59そうですか。さてじゃあイランはやるんでしょうか。見ておきましょう。高畑さん。
00:06:03はい。イランの核施設について数ヶ月で再びウランの濃縮が可能だと言われているんです。
00:06:09こちらご覧ください。
00:06:11先ほどの衛星写真にあったようにフォルドゥの核施設は修復が始まっていると見られているんです。
00:06:17またCNNはアメリカ軍が攻撃した3つの核施設のうち中部イスファハンにだけ大型のバンカーバスターを使用しなかったのは地下施設が深すぎて効果が薄いと判断したためだと報じました。
00:06:32アメリカの当局者らはイスファハンに濃縮ウランのおよそ6割が備蓄されていると見ているということなんです。
00:06:39またIAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長はCBSテレビのインタビューで数ヶ月以内にウラン濃縮活動を再開する能力があると指摘しました。
00:06:52トランプ大統領は27日記者からイランがウラン濃縮活動を続けるなら再び爆撃を検討するかと問われたところ、もちろん疑問の余地はない絶対にと再び空爆を行うと表明しているんです。
00:07:08一方、イランのラバンチ外務副大臣は30日、BBCのインタビューで、アメリカが外交交渉の再開を望むなら、今後我々イランを攻撃する可能性を排除しなければならないと述べています。
00:07:23そんな中、来週の月曜日、アメリカのトランプ大統領とイスラエルのネタニアフ首相はワシントンで首脳会談を行うと報じられているんです。
00:07:34このようにイランは数ヶ月でウランの濃縮が可能だという見方があるんですけれども、高橋さんはどうご覧になっていますか。
00:07:40いや、指摘の通りだと思います。イランの技術力で、たくさんの科学者が殺されたと言われていますけど、イランは人口9000万の大国ですから、犠牲はあるんですけど、
00:07:52それを乗り越えてできる力は十分にあるんですね。だから問題は政治的決断ですよね。
00:07:59再開すればまた罰撃されるかもしれない。それでもやるのかやらないのかということですね。
00:08:04高橋さん、イランは3000人、4000人、このくらいの単位で核の技術者がいるとも言われますが、そのくらいいるものなんですか。
00:08:13例えば日本の文部科学省が出している科学技術論文ですね、引用数の多い論文の世界ランキングというのがあるんですけど、
00:08:24一昨年イランが世界で12位に入ったんですね。一昨年12位から13位に脱落した国が日本なんですね。
00:08:32だから論文数では既に日本を余っているというので、日本人は何か、依然として自分たちが技術大国であってという意識はあるんですけど、世界が着実に追いついてきて、あるいは追い抜いているというところですね。
00:08:46今回、殺害された科学者の大規模な葬儀が行われましたけれども、やはり原子物理を勉強している学生たちが敬意を持って、自分たちの先生を送るという儀式をやっていて、イランという国家のこの問題に懸ける決意というのを示した形でしたね。
00:09:06牧野さん、ウランの濃縮を再開する能力があると。ウランの濃縮については遠心分離器も作ればいいではないかという話がある。これは可能なんだと思われますか。
00:09:17どのくらいの逆に言うとスピードでできるものなのか、いかがですか。
00:09:22私もこれまでの取材では、いわゆるマルエイジングとか、いわゆる遠心分離器に必要な高強度の金属を自分たちで確保しているというふうに聞いていますから、
00:09:36あと、高橋さんがおっしゃったように、作るためのノウハウも持っていますので、新しい遠心分離器、当然予備のものも持っているでしょうし、攻撃されることに備えて、そういったものをすぐセットアップすることはすぐ可能だと思いますね。
00:09:54これはよくプルトニウム型のものは原子炉でと、例えばこのウランの遠心分離器、こちらの方が修復が簡単だと思っていいんでしょうか。
00:10:04簡単という言い方はあれですけど。
00:10:07やっぱり、素人の我々が見ても、原子炉を建設するには相当な時間がかかりますから、それに関して、遠心分離器というのは数千個単位とか、数は必要ですけれども、
00:10:22準備しておいてセットアップするのはそんなに大変じゃないと、あと電力供給をきちんとやるとか、そういった方に問題があるわけで、破壊されて、そのレジリエンシーというのは非常に高いと思います。
00:10:35高橋さん、いかがですか。このイランとの交渉なんですが、アメリカが攻撃の可能性を排除しなければ、テーブルにはつかないと言っているようにも聞こえます。
00:10:46今後の交渉の行方は、どうかなりますか。
00:10:48前回、交渉しようと設定されていて、その2日前、イスラエルが攻撃を始めて、だからイランとしては、交渉のテーブルに着こうとして待っていたのに、テーブルを吹き飛ばされた気持ちで、とてもアメリカがまた爆撃するかもしれないと思ったら、交渉しても意味がないじゃないかという、やはり国内の強硬派の突き上げは相当厳しいと思いますね、お前らが交渉なんかしてだまされたから、こんなざまでたくさんの科学者が殺されたという、そういう国内の反発を考えると、
00:11:18ハメリ最高指導者も、じゃあ行きましょうかと、白旗を挙げていくというわけにはいかないと思いますね。
00:11:24そんな中で、来週月曜日ですか、ワシントンでトランプ・ネタニオフ会談が行われる、これはもう攻撃を直接会うのは初めてだと思うんですが、どうご覧ですか、何を話すんでしょうかね。
00:11:35もちろん一つは、イランに対する対応をどうするかということなんですけれども、もっと大きいのは、トランプさん、最近ガザの停戦をやってくれということをしきりに言っていて、ネタニオフさんの論調も、イスラエル軍の論調もちょっと変わってきて、文はもう作戦目標の大半は達したんだというような、なんとなくイスラエルの世論に対して停戦をする、世論工作を始めたという印象を与えているので、それがやっぱり最大の課題で、その次がイランの問題だと思います。
00:12:05高橋さん、トランプ氏はですね、またウラン濃縮を継続なら爆撃をするというふうに言っていますが、また平和利用なら始めると言っているわけですね。濃縮をもし始めた場合、再びの攻撃があり得るというふうに思われますか。
00:12:18少なくともイラン側はそう思って身構えていますね。ただトランプさん、実はやりたくないのかなと思わせているのは、もう完全に破壊したんだと何度も言って、だから破壊したから攻撃する必要はないんだと、トランプさんはそれで話を進めたかったんですが、みんなが壊れていないじゃないかと言い始めて、ちょっと困っているというところだと思いますね。
00:12:37そうですか。吉永さん、このイランの情勢はどうご覧になっていますか。
00:12:41イランの情勢、これ軍事的に見ていきますと、空爆というのは戦果の評価が非常に難しいんですね。戦果というのはどれだけ成果を上げたかというのが非常に難しいと。
00:12:52ですのでトランプ大統領は現状としては自分たちがやった作戦というのは成功したと言っていますけれども、実際に本当に成功したのかどうか、多分アメリカ側としてもはっきり分かっていないですし、イランとしてはやはり自分たちの被害という意味を同情集める的には大きくしたい。
00:13:09ただ国内的には小さくしたいと。やはりそこでさまざまな情報が交差をしていますので、一概に一面的な見方だとちょっと難しいのかなというのは感じます。
00:13:23それではさらに進めましょうか。
00:13:25イランの核開発をめぐってさまざまな動きが出ております。
00:13:30そこでちょっとこれをご覧いただきましょう。
00:13:32世界の核弾頭数なんですが、黄色いところ、五大国、これはものすごい数なんですが、この五大国以外にも赤いところで示した北朝鮮、インド、パキスタン、イスラエル、イスラエルも事実上の核保有国と言われています。
00:13:48さてこの4カ国は核を事実上保有しているということになっているわけであります。
00:13:54ただこの4カ国以外にもですね、実は核を持とうとしていろんな形で断念をしたりということが、いろんなことがこの歴史上起きております。
00:14:05その分け目というかですね、どこで持った国と断念した国のが分かれたということになるんでしょうか。
00:14:14そのあたりをやっていこうと思うんですが、まずはこの北朝鮮であります。ご覧いただきましょう。
00:14:19北朝鮮実はですね、ちょっと次に行ってください。
00:14:23北朝鮮実はこの1993年の時点で核を持とうとしているという疑いが世界中に広がりまして、
00:14:32アメリカのクリントン大統領は実はこれ攻撃をして核の開発を食い止めようという計画を立てました。
00:14:42それではもし攻撃を行った場合、これを止めることができたのか。
00:14:47今ではですね、もしこれを止めていれば止められたんじゃないかという見方がかなりあります。
00:14:53ただ本当にそれは当時可能だったんでしょうか。
00:14:56当時その渦中にいた人物に話を聞いてあります。まずはそれをご覧いただきましょう。
00:15:02問題はまず北朝鮮がアメリカの先制攻撃にどう反応するかという点でした。
00:15:09その中には北朝鮮が第二次朝鮮戦争を始めるという可能性も含まれていました。
00:15:15そう語るのはクリントン政権時代にアメリカ国務省の高官として北朝鮮との交渉に携わったジョエル・ウィット氏。
00:15:261993年、核兵器開発の疑惑の下中にあった北朝鮮は、IAEA、国際原子力機関の特別査察を拒み、
00:15:39NPT核兵器不拡散条約からの脱退も表明。その翌年、実際原子炉からプルトニウムを含む燃料棒を取り出し、核兵器開発の一歩を踏み出します。
00:15:54クリントン政権が先制攻撃の準備を始めたのは、北朝鮮が燃料棒を取り出す4ヶ月前でした。
00:16:041994年1月から、静かに追加の軍隊と兵器を、朝鮮半島及び周辺地域に派遣し始めました。
00:16:22これは非常に静かに行われ、ほとんどの人は気づきませんでした。
00:16:28当時、クリントン政権側の関心は、北朝鮮に先制攻撃した場合、この戦争に勝てるのかどうかだったといいます。
00:16:41ウィット氏が印象に残るエピソードとして挙げたのは、クリントン大統領と在韓米軍司令官のラック将軍とのやりとりでした。
00:16:53ラック将軍はこう言ったのです。我々は戦争に勝てます。
00:16:58マッカーサー将軍のように、応力校まで進軍することだってできます。
00:17:04勝利は確実だと答えたラック将軍。しかし、続けてこうも言ったといいます。
00:17:13そのためには代償が伴うでしょう。それは100万と1兆の代償になりますと。
00:17:19それに対してクリントン大統領が、100万と1兆とはどういう意味だと尋ねると、
00:17:25ラック将軍は100万人の犠牲者と1兆ドルの損失ですと答えました。
00:17:31ラック将軍のこの一言で、クリントン大統領は、
00:17:37先制攻撃の代償を明確に認識したといいます。
00:17:44その後、攻撃をするのかやめるのか、議論は続いたといいますが、
00:17:49クリントン大統領の判断にダメを押したのが、
00:17:53カーター元大統領の北朝鮮への電撃訪問でした。
00:17:59ちょうどその頃、クリントン大統領と側近たちは、
00:18:04ホワイトハウスで先制攻撃を実行するかどうか、
00:18:08大規模な追加部隊を朝鮮半島に派遣するかどうかについて議論していました。
00:18:14しかし、カーター元大統領とキム・イルソンの会談によって、
00:18:20そのプロセスは遮られることになりました。
00:18:25結局、クリントン政権は北朝鮮への攻撃を回避。
00:18:311994年10月には、アメリカが支援をする代わりに、
00:18:36北朝鮮が4秒の核関連施設の凍結や、
00:18:40NPTにとどまることを柱とする米朝枠組合意が結ばれました。
00:18:48しかし、歴史が物語るように、この合意は破られ、
00:18:539年後にはNPTを脱退、
00:18:56北朝鮮は核を持つ国となりました。
00:18:59もし、クリントン政権がこの時、
00:19:04北朝鮮の核施設を先制攻撃していたとしたら、
00:19:09ウィット氏に、トランプ政権による、
00:19:12イランの核施設への攻撃をどう見ているのか尋ねると、
00:19:17明らかな違いは、1994年当時は、
00:19:24北朝鮮が2つの主要同盟国に
00:19:27甚大な被害を与える危険性が現実的だったという点です。
00:19:33でも現在のイランには、そうした脅威は存在しません。
00:19:38イランがアメリカ本土を攻撃することもありません。
00:19:41あの時、北朝鮮に先制攻撃をしていれば、
00:19:46おそらく北の核計画に深刻な損害を与えることができ、
00:19:51ともすると、完全に終わらせることができたかもしれません。
00:19:56もし、韓国や日本が壊滅的なことになるというリスクを
00:20:00受け入れるのであれば、ですが。
00:20:04はい、整理しておきましょう。
00:20:06はい、こちらにまとめました。ご覧ください。
00:20:08ご覧ください。
00:20:38この時、クリントン大統領に、戦いに勝つことはできるが、100万人の犠牲と、1兆円の損失が代償になりますと言ったといいます。
00:20:50結局、先制攻撃を検討中に、カーター元大統領が北朝鮮を訪問し、
00:20:57キム・イルソン主席と会談を行って、北朝鮮が核施設を凍結することで合意、危機は回避されました。
00:21:04しかし、2003年、北朝鮮は再びNPT脱退を宣言し、2006年には初めて核実験、そして2012年には憲法に核保有国と明記するようになりました。
00:21:18クリントン政権時、ウィット氏は、あの時、北朝鮮を先制攻撃していれば、完全に核開発を終わらせられたかもしれない。
00:21:27ただし、韓国と日本に壊滅的な損害を与えるリスクを受け入れるのであればと、番組の取材に答えているんです。
00:21:37これについてちょっと質問したいんですけれども、このようにウィット氏が、当時、北朝鮮を攻撃していれば、
00:21:43北の核開発は止められていたかもしれないですが、今回のイランの攻撃とは異なって、
00:21:48日本や韓国に壊滅的な損害を与えたんだと話しているんですけれども、
00:21:53吉永さんは、この時のクリントン大統領の判断をどう評価されますか。
00:21:58私は今から振り返ってみますと、結論で言うと、あの時に北朝鮮の核施設を米軍が先制攻撃していれば、
00:22:06現在のような、現在のような北朝鮮が核保有国になることは私はなかったと思いますので、
00:22:12政策的には誤った判断をしたんじゃないかとは思います。
00:22:16誤った判断だった。
00:22:17そうですね。まず軍事的なものの考え方で言うと、3つ考え方があるんですね。
00:22:231つ、適合性というのがあって、それは北朝鮮の核を持たせないようにする、そのための軍事作戦は合致している。
00:22:31可能性で言うと、米軍はものすごい大きな部隊を持っているので、攻撃もできる。
00:22:35ただ、最後の需要性というところが、この100万の死傷者と1億円の経済的な損失だと。
00:22:421兆ドルの、そこの最後の需要ができないというところで、作戦を行わなかったんですけれども、結果として、核保有国が核を放棄するということは、基本的にない状況を考えますと、ここでやらなかったので、この現在の北朝鮮の核の脅威というのが、未来永劫に続いていく、これが果たしてよかったのかどうかと考えると、私は、これが、これが、これが、
00:23:12決して正解じゃなかったと思います。
00:23:15ごめんなさい。でも、100万人の犠牲が出たとしても、日本にも含めてということですか?
00:23:20それが、100万人の犠牲というのが、どれくらいかというと、朝鮮戦争の時の犠牲というのが、国連軍で15万、民間人で大体朝鮮後で100万人死んでいるんですね。
00:23:31それは、北朝鮮から先制攻撃をされて、韓国がほとんど軍隊がない時代に先制攻撃をされ、かつ中国の援軍が入ってきた時に、それくらいの規模。
00:23:41だから、この規模というのは、おそらく最悪の状況を全て考えた時でしょうけど、基本的に先制攻撃でやるんだれば、本当にそこまでのリスク、犠牲というのが起こったかというのは、どうなのかなと思いますね。
00:23:57牧野さん、いかがですか。確かに、この時、まだ北朝鮮は核を持っていない。しかも、通常兵器もおそらく、そこまででも、今でもそこまででもないと言われますので、
00:24:09そういうことを考えると、本当に100万と1兆ドルということが、代償として見積もったものが、これが正しい数字というか、見積もりとして良かったのか。
00:24:19牧野さんは、この代償と攻撃すべきだったかどうか、測りにかけるとどうご覧になりますか。
00:24:24私はですね、多分攻撃しても、北朝鮮は多分反撃しなかったと思うんですね。
00:24:33しなかった。
00:24:34過去、ポプラ事件とかですね、あと2015年の木箱地雷の爆発事件とか、ものすごく緊張が高まると、北朝鮮って最後は情報するところがあるので、
00:24:46要するにそれは大事なので、アメリカに攻撃されて、それで本当に刃向かうということは、やっぱり彼らはやらないので、
00:24:58それは今回のイランのように、ある程度需要する部分があるんですね。
00:25:03ただし、もうこの1994年ですけれども、1991年ぐらいにパキスタンのベナジール・ブット首相がですね、
00:25:13原爆の父と言われている永久艦案博士を連れて、北朝鮮に行ってるんですね。
00:25:19でも、94年ぐらいにいわゆる納品型の開発を始めてますから、
00:25:24多分、要するに4秒が爆撃されて、いやいや残念だったけど、
00:25:29とりあえず、委任辞聴するんだと言いながら、陰ではそのグラン濃縮をやるだろうと、私は思いますね。
00:25:35あと、先ほどおっしゃった、
00:25:37もし攻撃をしていたとしても、また始めただろうから止められなかったんじゃないかと、攻撃してもということですか?
00:25:45攻撃しても多分止められなかったと思います。
00:25:47北朝鮮は、別に当時のロシアとか中国の核の傘に入っているわけでもないですから、
00:25:53彼らはやっぱり、各しか自分たちの体制を守る手段はないと思ってますから、
00:25:58それは多分止められなかったと思いますね。
00:26:01高橋さん、どこになりますか?
00:26:02いや、私、何回かソウルに行ったことがあるんですけど、
00:26:05皆さんの方が詳しいですけど、
00:26:07ソウルに行くとね、北に行けば行くほど土地が安いんですよね、
00:26:11北朝の戦争をみんな考えますから。
00:26:14当時、もちろん北は核兵器なんか持ってないんですけど、
00:26:17ソウルって日武装置隊とすぐですよね、
00:26:20その日武装置隊のすぐ北には北の長距離砲部隊が展開していて、
00:26:25もう何もしなくても、そこから撃てばソウルに届くんですよね。
00:26:29だから、あの頃の北朝鮮側の洞窟のやり方が、
00:26:33いや、ソウルは火の海ですよ、皆さん、核はいいですかって聞かれて、
00:26:36やっぱり韓国の人はソウル火の海、嫌だなというので、
00:26:39アメリカにやめてよと言ったんだと思いますけどね、
00:26:41ですから、北朝鮮は当時、今の我々の言葉で言う核抑止は持ってないんですけど、
00:26:46ソウルを人質に取るということで、
00:26:50通常兵器による抑止を持っていたんだと思うんですよね。
00:26:54アメリカの今、中からもこの時止めていればという声は正直超えてきますよね。
00:27:00そうなんですね。
00:27:01ただ、じゃあソウルが燃えてもよかったのかというと、
00:27:05韓国の人の意見は多分違うと思いますよね。
00:27:07だから、良い悪いような別として、
00:27:11ソ連という国家がアメリカに次いで核兵器を持って、
00:27:14決してアメリカ人はソ連の人を信じているわけじゃないけど、
00:27:18核戦争をするわけにいかないからって、
00:27:20ずっと生きてきたわけじゃないですか。
00:27:24もう北朝鮮もその段階に来ているんですよね。
00:27:29おそらく皆さん専門ですけど、
00:27:31トランプさんが前の政権の時も北朝鮮攻撃という議論は、
00:27:35これほど盛り上がってはいませんとありましたけどね。
00:27:39でももうとても遅いということですよね。
00:27:44それでは続いて、今北朝鮮を見てまいりました。
00:27:47ちょっと見ておきましょう。
00:27:48北朝鮮を見てまいりました。
00:27:50今度はインドとパキスタンです。
00:27:52インドとパキスタン、戦争し合っている国同士が、
00:27:56なぜこれだけの核を持つことになったのか、
00:28:00なぜ途中で国際社会は止めようとしなかったのか、
00:28:04ご覧いただきましょう。
00:28:05広大な大地に空いた巨大な穴。
00:28:11これは1974年、インドが初めて核実験を実施し、
00:28:16成功した際の写真です。
00:28:191962年に中国との戦争に敗れ、
00:28:22核開発に踏み出したインドは、
00:28:25平和利用を目的に、
00:28:27アメリカ、カナダの支援を得て、
00:28:30核の技術を獲得。
00:28:31兵器への転用にも成功し、
00:28:35核保有国となりました。
00:28:37なぜインドは、核保有国になれたのでしょうか。
00:28:42パキスタンの核抑止の専門家、
00:28:45タンジーラ・カリル氏は、
00:28:47アメリカの存在を指摘します。
00:28:48当時の時代背景として、
00:28:53アメリカはインドを、
00:28:55地域における共産主義の拡大、
00:28:58特に中国やソ連の影響力に対抗し得る、
00:29:01志を同じくする国家として捉えていました。
00:29:07当時は、米ソ冷戦の時代、
00:29:10アメリカは、
00:29:11中国とソ連に対抗する戦略的な思惑から、
00:29:14インドの核開発を黙認したのだといいます。
00:29:18アメリカの機密解除文書の中には、
00:29:221962年の中印戦争時に、
00:29:25アメリカがインドの核兵器保有を検討していたことを示すものもあります。
00:29:33このインドに対する脅威から、
00:29:35核兵器を持とうとしたのが、
00:29:37隣国のパキスタンです。
00:29:401971年に、
00:29:42インドとの戦争に敗れたことをきっかけに、
00:29:45核開発を開始。
00:29:46通常戦力では敵わない相手に、
00:29:50対抗する狙いがあったと話します。
00:29:54インドがパキスタンに対して攻撃的な意図を持つ限り、
00:29:58その脅威にさらされ続けるという危機感がありました。
00:30:01したがって、核兵器はそうした力の不均衡を是正するための、
00:30:06戦略的均衡手段として認識されたわけです。
00:30:09当時、隣り合うインドとパキスタンが、
00:30:14同時に水面下で核開発を進めていたことになります。
00:30:19パキスタンの核開発に大きく貢献したのが、
00:30:23核開発の父と呼ばれるカーン博士。
00:30:26オランダのウラン濃縮機器製造会社で働いていたカーン博士が、
00:30:32核技術を自国に持ち帰り、
00:30:341998年に核実験を成功させます。
00:30:40インドの場合と同様に、
00:30:42ここでもアメリカの意向が関係したといいます。
00:30:45ソ連がアフガニスタンに侵攻すると、
00:31:07アメリカは反共勢力を支援する拠点として、
00:31:10パキスタンを利用していました。
00:31:12そのため、パキスタンの核開発に目をつぶったと、
00:31:17カリル氏は話します。
00:31:20当時のアメリカ大統領たちは、
00:31:22パキスタンに軍事的な核開発の明らかな兆候があったにもかかわらず、
00:31:28パキスタンを孤立させないために、
00:31:30意図的に無視することを選択しました。
00:31:351988年にソ連がアフガニスタンからの撤退に合意すると、
00:31:40アメリカにとってパキスタンの利用価値は低下。
00:31:45アメリカは核開発の中止を再三要求するようになりましたが、
00:31:50パキスタンの核保有の意思は揺るがず、
00:31:531998年に初の核実験を成功させました。
00:31:57カリル氏は、核保有への強い意思を持ち続け、
00:32:03核開発の実力を実証することが、
00:32:05核保有国になるためには必要だと指摘します。
00:32:08北朝鮮が核兵器の能力を実際に実験で示したことが、
00:32:18アメリカが北朝鮮を攻撃しない一因となったと私は思います。
00:32:23一方、イランはその能力を実証しておらず、
00:32:28それゆえにアメリカやイスラエルにとって攻撃しやすい標的となっているのです。
00:32:34インド、パキスタはなぜモテたのか、高田さん。
00:32:50中国が初の核実験に成功したのは1964年です。
00:32:59その中国と対立するインドは、1974年に初めて成功、
00:33:051998年にも実施しています。
00:33:08そのインドに対抗するパキスタンは、
00:33:121998年の同じ月に初の実験を行いました。
00:33:16なぜ、このインドとパキスタンは核兵器を保有することができたのでしょうか。
00:33:22それについて、パキスタンのイスラマバード政策研究所のタンジーラ・カリル氏は、
00:33:28インドについては、冷戦の時代だった1970年代、
00:33:33アメリカは中国・ソ連への対抗勢力としてインドを位置づけて、
00:33:37反共産主義の思惑からインドの核開発を黙認したと指摘しています。
00:33:42そして、パキスタンについては、
00:33:47ソ連のアフガニスタン侵攻で、
00:33:49アメリカは反共勢力を支援するため、
00:33:52パキスタンに拠点を置いた活動、
00:33:541980年代、
00:33:56パキスタン側に明らかな核開発の兆候があったが、
00:34:00アメリカは意図的に無視したと述べています。
00:34:03これ、牧野さんに伺いましょうか。
00:34:05結局、パキスタンもインドも、
00:34:09いろんな事情からアメリカが政治的に黙認したと。
00:34:14後でパキスタンは、
00:34:15やめさせようとしたようですが、
00:34:17時既に遅しだったのか、
00:34:19含めて少なくともアメリカが黙認した、
00:34:21あるいは無視したと、
00:34:24見ないふりをしてくれたということのようでありますが、
00:34:27これ、どうご覧になりますか、牧野さん。
00:34:29国務省とか国防総省の人間がそれなりに走り回って、
00:34:38例えばパキスタンの核開発なんかは、
00:34:41永久化案が、
00:34:43例えばヨーロッパのウレンコという会社で、
00:34:47いろいろ核技術を進んで、
00:34:50いろんな物資を輸入しているという情報を得て、
00:34:53かなり驚愕して情報を集めて、
00:34:56阻止しようとはしていたんですね。
00:34:59ところが、先ほどいろいろ説明があったように、
00:35:03大きな政治的な判断において、
00:35:07それをいろいろ政治的に圧力をかけるとか、
00:35:11そういった点に非常に弱さがあったと思うんですよね。
00:35:15だからインドとも、
00:35:16インドが復元した後も、
00:35:18一応ファイティングポーズは取りましたけど、
00:35:20数年経ってから、
00:35:21ブッシュ、
00:35:23要するにブッシュ後政権ですよね。
00:35:25その時にインドと平和的な原子力協定も結びましたし、
00:35:31基本的にパキスタンとインドの核兵器は、
00:35:35インドとパキスタンの間でだけ使うんだという、
00:35:38強いナラティブを作って、
00:35:41それで事実上、
00:35:42ブッシュという形を作っちゃったんですよね。
00:35:45牧野さん、
00:35:46インドとパキスタンは確かに争っています。
00:35:49使うならこの2カ国だけだから、
00:35:50我々には影響ないよねという理屈をつけて、
00:35:53原子力協定を結んだということですか、
00:35:56インドと。
00:35:58そうですね。
00:35:59だからもちろんインドは、
00:36:01インドはパキスタンなんて相手にしていなくて、
00:36:04インドが持っている核兵器というのは、
00:36:05対中国に対する抑止ですから、
00:36:08当然、
00:36:09中国に対する抑止ですから、
00:36:11でもそれは別にアメリカにとって都合の悪いことではないので、
00:36:14そこは、
00:36:16でも中国を抑止しているからいいよねとは言えないので、
00:36:20あくまで限定的な地域で使う核兵器なんだという、
00:36:24ナラティブを作って、
00:36:25それで事実上、
00:36:26黙認しているという格好ですね。
00:36:28高橋さん、
00:36:29これを見ても、
00:36:30中国がまず64年に核実験をやる、
00:36:3274年にインドがやる、
00:36:34パキスタン98年にやる、
00:36:36ドミノ倒しのように、
00:36:37こちらに来ているように見える、
00:36:39そしてイランが戻ろうとしているのかどうか、
00:36:41今議論になっている、
00:36:42こんな風に流れてきているのか、
00:36:44見えちゃうわけですね。
00:36:45このインドパキスタンについては、
00:36:46高橋さんはどうご覧になっていますか。
00:36:49私、
00:36:49この直後にインドに行って、
00:36:52インド外務省の偉い方に聞いたんですよね、
00:36:55パキスタンよりインドは遥かに強いので、
00:36:56核兵器を持つ必要がないじゃないかと言ったら、
00:36:58やっぱり、
00:36:59わっはっはっと笑われましたよね。
00:37:00別にパキスタンに対して作っているわけじゃないんだよって、
00:37:04やっぱり中国を意識しているんですよね。
00:37:06中国はソ連が怖いから核兵器を持ったんですね。
00:37:09ソ連はアメリカが怖いから核兵器を持ったんですよね。
00:37:12だからアメリカが怖いからソ連、
00:37:13ソ連が怖いから中国、
00:37:14中国が怖いからインド、
00:37:15インドが怖いからパキスタン、
00:37:16こういう風に流れてきて、
00:37:18ずっとアメリカからこう流れてきているということですね。
00:37:20そういうことですね。
00:37:23このドミノみたいなのは止められないもんなんですかね。
00:37:25途中でもアメリカから走っているとしても、
00:37:28アメリカはこれを止めようとしなかったわけですね。
00:37:30国際的な事情でと。
00:37:32特にパキスタンの場合はやはり、
00:37:34アフガニスタンでソ連軍と戦うための拠点でしたからね。
00:37:38アメリカには国内法があるんですよ。
00:37:39核兵器の開発しているような国には援助してはならない。
00:37:43国内法があるからパキスタンが開発していると知っていたんですけど、
00:37:47それをパキスタンに抗議したら、
00:37:50国内法的にパキスタンに対する援助ができなくなりますから、
00:37:53みんなでこのことは見ないふりにしようという、
00:37:57そこで動いてきたわけですよね。
00:37:59そこもある意味でダブルスタンダードであると、
00:38:02今となって思うわけですが、
00:38:04当時はこれは問題にされなかったんですか。
00:38:06いや、問題視はもちろんしている人はいたんですけど、
00:38:10でも問題はアフガニスタンからソ連軍を追い出すことだろうと、
00:38:13冷戦を我々は戦っているんだからという、
00:38:16そういう論理ですよね。
00:38:17だから目の前の自分の政治的な利害で、
00:38:21結局核保育国を増やすという人類にとって、
00:38:24ものすごい大変なことを引き起こしたとか、
00:38:27黙認したということになるわけですよね。
00:38:29そうなんですね。
00:38:30ただ、核不拡散体制というのは、
00:38:34持っている国は持っていてよくて、
00:38:36持っていない国は持ってはいけないという。
00:38:38だからインドに寄せれば、
00:38:39核のアパルトヘイトだと、
00:38:41なんでこんなものに我々が縛られないといけないんだ。
00:38:43核のアパルトヘイト。
00:38:44しかも、持っている国の義務というのは、
00:38:50持っている核兵器を減らすための努力をしますというのが、
00:38:53一応建前なんですね。
00:38:54とてもそれがなされてきたとは言えないというので、
00:38:57インドに寄せれば、
00:38:59お前たちに言われる義理はないよと、
00:39:01お前たちこそ偽善者だろうと、
00:39:02こういうことですよね。
00:39:04もう一つ理解しないといけないのは、
00:39:06やっぱりインド系の原子物理学者って、
00:39:09すごく多いんですよね。
00:39:10私もアメリカの大学に行いましたけど、
00:39:12アメリカの大学で原子物理学をやっている人というと、
00:39:15中国系の人か、
00:39:16ユダヤ系の人か、
00:39:16インド系の人みたいな境ですよね。
00:39:19とても技術的、
00:39:20科学的な水準の高い人たちで、
00:39:22なんで我々が持っていけないんだという議論は、
00:39:25インドからすれば当然のことですよね。
00:39:28インドは、
00:39:29中国は怖くて、
00:39:30パキスタン、インドと緊張関係があるからと、
00:39:33こういうふうに来ているわけですが、
00:39:35イランはイスラエルとということがありますが、
00:39:38この隣国までずっとパキスタンまで、
00:39:41核保育が来ているということ、
00:39:42つまり、
00:39:43イランは隣を持っているなら、
00:39:44自分たちもと、
00:39:45こういうメンタリティはないんですか。
00:39:47メンタリティはありますよね。
00:39:49我々の方が教育水準も高いのに、
00:39:52なんで、
00:39:53インドやパキスタンが、
00:39:55核兵器まで持って、
00:39:56我々は裏濃縮さえ許されないんだという、
00:39:58メンタリティはありますよね。
00:40:00ありますか。
00:40:02吉沢さんは、
00:40:03このパキスタン、
00:40:04インドが許されてしまったこと、
00:40:06どう見ますか。
00:40:08簡単に言うと、
00:40:09やはりアメリカが興味がなかったと思うんですね。
00:40:13興味がない。
00:40:13なんで興味がないかというと、
00:40:15アメリカに対して直接的な脅威になっていない。
00:40:18脅威というのは、
00:40:19意図と能力ですので、
00:40:21アメリカに対して、
00:40:23何か敵対的な軍事行動をするか、
00:40:25経済的な敵対行動に出るかとか、
00:40:27例えばそういう意図がないような国であれば、
00:40:29核を持っても、
00:40:30アメリカからすると脅威ではなくなる。
00:40:33となれば、
00:40:34根本的なところでは、
00:40:35大きな脅威が持っていなかったというのが、
00:40:37やはり最大のところだと思います。
00:40:40でも、
00:40:40吉沢さん、
00:40:41アメリカの判断で、
00:40:42アメリカが脅威がないと、
00:40:44目をつぶれば持てるのであれば、
00:40:46いろんなところで、
00:40:47じゃあ、
00:40:48うちも持とうかなということになりかねないですよね。
00:40:50ですので、
00:40:52それが、
00:40:52インドの専門家の方が最後に言われたように、
00:40:57それが国際社会の現実になっていると。
00:41:01また、
00:41:02坂井さんがおっしゃったように、
00:41:03やはり、
00:41:04このNPT体制というのは、
00:41:06第二次世界大戦の戦勝国が、
00:41:09自分たちの権益を守るために、
00:41:11他の国の権利を抑えつけているというような風にも、
00:41:15非常に不公平なんですね。
00:41:16これが核だから、
00:41:17みんなそれでも納得ができているんですけど、
00:41:20同じ兵器で考えたときに、
00:41:22例えば、
00:41:23空母とか潜水艦は、
00:41:245大国しか持ってダメです。
00:41:26他の兵器は、
00:41:27空母とかは、
00:41:28他の国持っちゃダメですとなったときに、
00:41:30当たり前の話で、
00:41:32他の国も、
00:41:32なんで俺たちが持っちゃいけないの?
00:41:34というふうに出てくるんですね。
00:41:35核なので、
00:41:36みんなそれは納得をしているところがあるんですけど、
00:41:39兵器として見た場合には、
00:41:41なんで5大国だけなんだ?
00:41:42俺たちが持っちゃダメなのか?
00:41:44おかしいだろうというのは、
00:41:45出てきて当然ですので、
00:41:47今それが、
00:41:48だんだん表面化してきているんじゃないかと思いますね。
00:41:51そうですか。
00:41:52先ほどの牧野さん、
00:41:54北朝鮮は、
00:41:55攻撃をされても、
00:41:57核開発を続けたんじゃないかとおっしゃった。
00:42:00確かにパキスタンの専門家も、
00:42:03やはり核を持ちたければ、
00:42:06強い意志を持ち続けることと、
00:42:07早く能力を自称して外に出すことだと、
00:42:11結論で言えば、
00:42:13持ったもん勝ちだということを言ったんですね。
00:42:15これを聞いて何を感じられますか。
00:42:17確かにおっしゃったとおりだと思いますよね。
00:42:23北朝鮮にとって、
00:42:26いわゆるアメリカとか韓国を抑止する力っていうのは、
00:42:30やっぱりなかったわけですよね。
00:42:32経済競争で敗れて、
00:42:35しかも冷戦が崩壊して、
00:42:37ソ連とか中国からの支援を、
00:42:39ガタベリしましたから、
00:42:41そういう中で、
00:42:42体制を維持していくためには、
00:42:44もう核しかないっていうふうに、
00:42:45思い定めたわけですから、
00:42:47今でこそ、
00:42:48ロシアや中国と少し関係改善の、
00:42:51兆しが出てますけれども、
00:42:53北朝鮮としては、
00:42:54もうそれしか方法がなかったんだと思いますね。
00:42:57この後は、
00:42:58事実上の核保有国と言われている、
00:43:01イスラエルですね。
00:43:02今回もイランへの攻撃したイスラエル。
00:43:05イスラエルがどのようにして、
00:43:06核兵器を持ったのかというのは、
00:43:07あまり知られていない、
00:43:09語られないんですね。
00:43:10果たして、
00:43:11ブタルで何があったのか、
00:43:12この後やりましょう。
00:43:13再び世界の核弾頭数を見ていきましょう。
00:43:18先ほど見てきた北朝鮮、
00:43:20そしてインド、パキスタがなぜ持てたのか、
00:43:22この3カ国をやってきました。
00:43:24さて、それではイスラエルですね。
00:43:26今はイランの核開発を止めようとして、
00:43:28攻撃をしているイスラエル。
00:43:29イスラエルはなぜ持てたのかということを、
00:43:33考えていきたいと思います。
00:43:34高田さん。
00:43:35ここまでの流れなんですが、
00:43:37まずこちら。
00:43:39イスラエルは2007年に、
00:43:41シリアの原子炉を空爆しました。
00:43:43そのシリアのアサド政権は、
00:43:452024年に崩壊しています。
00:43:48このイスラエルは、
00:43:50イラクに対しても、
00:43:511981年に原子炉を空爆していて、
00:43:552003年に、
00:43:56フセイン政権は崩壊しました。
00:43:58今回、イスラエルは、
00:44:00イランの核施設を含む軍事施設を空爆、
00:44:04さらにアメリカがバンカーバスターなどで、
00:44:06イランの核施設3カ所を攻撃しました。
00:44:10こちらをご覧ください。
00:44:11現在、核弾頭が90発あるといわれるイスラエルなんですが、
00:44:18核兵器の保有を肯定も否定もしない、
00:44:22あいまい政策というのを長年取っていて、
00:44:25中東で最初に核兵器を持ち込む国にはならないとしているんです。
00:44:30これは、高橋さんにもちろん伺いましょう。
00:44:33この中東で最初に核兵器を持ち込む国にはならないという物言いなんですね。
00:44:39これ、大使もよく使いますし、
00:44:41いろんなところで、まさにこの決まり文句のようにこれを言うんですね。
00:44:45これ、つまり、持ち込む国にはならないというのは、
00:44:48外に持っているのかなとか、いろんなことを考えちゃうわけですね。
00:44:50これ、何を意味して、なぜこういう物言いをするんでしょう。
00:44:54それには続きがあって、中東で最初に核兵器を持ち込む国にはならないと。
00:45:00でも、2番目に持ち込む国にもならないというので、
00:45:04やっぱり同じことですね。
00:45:05一番、我々は持っているんだぞと。
00:45:07それを皆さん、分かってくださいよと。
00:45:10アメリカとの関係とか、いろいろ考えて、
00:45:13持っていると言わない方がいいという判断で、
00:45:17ただ、持っていないとも言わないということですね。
00:45:19なぜ、じゃあイスラエル。
00:45:21イスラエルがですね、例えば北朝鮮の核開発はよく語られる。
00:45:24パキスタン、インドもだいぶ語られるんです。
00:45:26ただ、イスラエルはどうやって開発したのかが、
00:45:29なかなか見えてこないんですが、
00:45:31なぜ可能だったんですか。
00:45:33あるいは、いつ頃から逆に可能だった。
00:45:35イスラエルという国ができた段階から、
00:45:37もう核兵器を持ちたいという気持ちはあって、
00:45:40かつてはフランスとの関係が良かったですから、
00:45:43フランスとの共同の開発というのもありますし、
00:45:46アメリカからいろんなもの、
00:45:47情報なんかを盗み出したとも言われていますし、
00:45:52もう一つは、要するに実際に爆発するか実験したいですよね。
00:45:56それをやらないとできないですね。
00:45:58イスラエルはやったことにはなっていないんですけど、
00:46:01かつてイスラエルと南アフリカは非常に密接な関係があって、
00:46:05イスラエルはアラブ諸国で孤立していると、
00:46:07南アフリカはアパルトヘイトでアフリカで孤立していると、
00:46:10その孤立感もあって、
00:46:12双方どちらも南アフリカはユダヤ系の人たちの力も強いですから、
00:46:16協力関係にあって、
00:46:18南アフリカの所有する、
00:46:21領有する南極に近い島で、
00:46:23実際に核実験をやったのではないかと言われていて、
00:46:27その爆発を衛星でアメリカは捉えたんですけど、
00:46:33イスラエル支持者に気を使って、
00:46:37それはあまり表沙汰にしないということで、
00:46:40これまで来ているということで、
00:46:43やはりイスラエルが持っている欧米における支持層の力の強さが、
00:46:48イスラエルを守ってきたということだと思います。
00:46:50これつまりアメリカも容認した、
00:46:52逆にヨーロッパも容認したと考えていいんですか。
00:46:55そうですね。
00:46:56正式に認めますよとは誰も言っていないですけど、
00:47:00フランスと深い関係にあったのも事実です。
00:47:04例えばフランスからの技術なんてことはあり得たかもしれない。
00:47:06そうですね。
00:47:06あと高橋さん、ぜひ伺いたかったのは、
00:47:11例えばシリアにも空爆をし、
00:47:13イラクにも空爆をし、
00:47:15今回もイランがやろうとしたら空爆する。
00:47:18そしてアメリカも協力するように見えるわけですね。
00:47:23まさにこれ、自分は持っている、認めないけれども。
00:47:27他の国、敵が作ろうとすると必ず阻止する。
00:47:32そしてこれはアメリカにも通告したと言われているし、
00:47:35空爆前に。
00:47:35アメリカもそれに協力しているように見える。
00:47:37それはもうその通りですか。
00:47:39そうですね。
00:47:41最初にイラクですよね。
00:47:44サダム・セインに核兵器を持たせるわけにはいかない。
00:47:47国際的にはみんな避難したんですが、
00:47:49やれやれというところがあって、
00:47:51シリアの場合は見つけて、
00:47:53イスラエルは自分ではやりたくなくて、
00:47:55ブッシュさんにやってくれよと頼んだんですけど、
00:47:57ブッシュさんが今はもうイラクでこれだけ戦争して、
00:47:59新たにやりたくないというので、
00:48:01じゃあということでイスラエルがやったんですね。
00:48:04今回はアメリカとの協力でやっているということですよね。
00:48:10さっきお話に出たんですけど、
00:48:12インドの核もパキスタンの核も、
00:48:13アメリカに対する脅威じゃないじゃないかと、
00:48:15だから容認したんだということになるんですけど、
00:48:18中東諸国の核は、
00:48:20アメリカに対する脅威ではないんですけど、
00:48:22イスラエルに対する脅威で、
00:48:23それゆえにアメリカ国内のイスラエル支持者の声もあって、
00:48:28アメリカが容認できなかったということだと思うんですね。
00:48:31イランの核がアメリカを脅かすとか思っている人はあまりいないと思うんですよね。
00:48:37そうなると牧野さん、
00:48:39結局アメリカが黙認する、
00:48:42認めれば核が持てると。
00:48:44同時にアメリカへの脅威がない国ならもっといいと。
00:48:48結局アメリカ次第だというふうに見えるんですね。
00:48:50どうですか、これは。
00:48:51これまでのようにアメリカ一極支配の世界であれば、
00:48:57そういうことだったんでしょうね。
00:48:58でも、今回のイランに対する攻撃なんかもですね、
00:49:04非常にトランプ政権でいろんなインテリジェンスの情報を緻密に考えて、
00:49:11国際的な影響はどうなるのかとか、
00:49:13そういうことをあまり考えている様子がないので、
00:49:16攻撃した直後に全部抹殺したといって、
00:49:19いやいや、そんなことありませんという情報が出てきたりとかですね、
00:49:22そういう状況で果たしてアメリカの言う通りに世界が動くかといえば、
00:49:28多分そういうことにはならなくて、
00:49:30私はだからNPI生ってこれから大きな曲がり方を迎えると私は思っています。
00:49:35そうですか。
00:49:36つまり牧野さんはアメリカの一極支配というか、
00:49:39アメリカが世界の警察官でアメリカがコントロールしようとしてきた。
00:49:43しかも他の国も頼ってきた部分があった。
00:49:46それがトランプ政権を見ていても力が弱ってきているなと、
00:49:50そんな現れじゃないかとも言われているわけですが、
00:49:53それがつまりアメリカの支配、アメリカのコントロールが弱まってくればくるほど、
00:49:59この核の世界も変わってくるんじゃないかと、
00:50:00そういうことですか。
00:50:02そうですよね。
00:50:03だからNPT体制の時も、
00:50:05例えば1962年のキューバ危機だとか、
00:50:0864年の核実験とかで、
00:50:11みんな自分たちで核を持たなきゃいけないんじゃないかという議論があった時に、
00:50:15アメリカが国としてNPT体制を作ったわけですよね。
00:50:19その時みんな自分で核を持つよりは、
00:50:22やっぱりアメリカの核の傘に入って、
00:50:25守ってもらう方がいいんだという判断で、
00:50:27今のNPT体制が維持されているわけですから、
00:50:30それをちゃんと守ってくれるだろうと思っていたアメリカとかが、
00:50:34グラグラしているわけですから、
00:50:36そうなるとアメリカの核の傘に頼るよりは、
00:50:39自分で自分の身を守らないと、
00:50:41誰も助けてくれないと、
00:50:42いわゆる北朝鮮のような考え方というのが、
00:50:45これからどんどん流行していくんじゃないでしょうかね。
00:50:47つまり核を持とうとする国が出てくるんじゃないかということですか。
00:50:53そうですね。
00:50:53当然イランが、
00:50:54例えばイランだって、
00:50:56要するにアメリカと外交交渉をしていたのは、
00:51:00外交交渉をして、
00:51:01IAEAの殺殺を受けている間は、
00:51:03攻撃されないだろうという、
00:51:04そういう考えがあったでしょうし、
00:51:06さらには制裁を解除してもらえるという、
00:51:09そういう気持ちもあったでしょうから、
00:51:10そういったものが今回の攻撃で吹き飛んでいるわけですから、
00:51:14逆に言えば、
00:51:15これ以上NPTにいてもしょうがないよねって話になるでしょうし、
00:51:19イランがそういう考えを持っていれば、
00:51:20今度はサウジアラビアは、
00:51:21俺たちも持った方がいいんじゃないかと考えるでしょうから、
00:51:24当然そういった核ドミノというのは、
00:51:26起きやすくなると思いますね。
00:51:27吉田さんどうですか。
00:51:29まさに今牧野さんがおっしゃったように、
00:51:31NPT体制が大きく曲がり角になっていると思います。
00:51:35それで、
00:51:36一つ重要なのは、
00:51:38今韓国の実は動きが、
00:51:39そこの一つの現れだと思うんですね。
00:51:42北朝鮮が核保有国になりました。
00:51:45アメリカがもう北朝鮮を直接攻撃もできないような、
00:51:48そういう不可逆的な状況になって、
00:51:50韓国で今何が起こっているかというと、
00:51:53アメリカの核の傘が自分たちを守れないんだったら、
00:51:57じゃあもう自分たちで今、
00:51:58核持ちましょうと。
00:51:59核保有論というのが、
00:52:00実は非常に高まっていまして、
00:52:02これは一部の過激な人が言っている話ではなく、
00:52:05政府系のシンクタンクの中で、
00:52:07核保有論というのを、
00:52:08かなり真剣に議論して、
00:52:10その核保有の機運を盛り上げるために、
00:52:13じゃあ子どもたちにどういう教育をしていくかとか、
00:52:16そういうところまで来ていると。
00:52:18ですので、
00:52:18核保有国ができてしまうと、
00:52:21例えばイランがもし核を持ったとか、
00:52:24北朝鮮が核を持ったとなったら、
00:52:26その持った国だけの問題じゃなくて、
00:52:28やはりそこの近隣にある国で、
00:52:31また同じような形で、
00:52:33核保有の議論が出てくる。
00:52:34これまではどちらかというと、
00:52:36いわゆる中心国ですよね、
00:52:39先進国じゃない、
00:52:40地域大国だけど、
00:52:41先進国じゃないようなところが、
00:52:44核を持つということになってきましたけれども、
00:52:46韓国が持つとなると、
00:52:47G20の中、
00:52:50もうG11ぐらいのところにいる、
00:52:52いわゆる先進国が核を持つ、
00:52:54それもアメリカと非常に同盟関係が強い国が、
00:52:57核を持つというふうな動きが出てくるというのは、
00:53:00もう全くNPTが想定していなかった、
00:53:02新たな動きになってきますので、
00:53:04これからどういうふうに発球していくかというのは、
00:53:07やはり非常に注目すべきだと思います。
00:53:10ただ、
00:53:10韓国が持つとなると、
00:53:11アメリカがこれを許しますか?
00:53:13これはですね、
00:53:14韓国はまだそこまでアメリカの動きというのは、
00:53:19多分真剣には考えてはないとは思います。
00:53:21私はおそらくアメリカは絶対に許さないと思うんですけれども、
00:53:25ただそのような状況は考えれば分かると思うんですが、
00:53:28それでもやはり韓国の中では、
00:53:29かなり真剣に核保有を議論されて、
00:53:33どちらかというと推進する動きになってきている。
00:53:36アメリカが反対するのは大前提だけど、
00:53:38それでも自分たちを守るには核保有しかないんだというのが、
00:53:42かなり強くなってきている。
00:53:44実は他にも核を持とうとして断念した国、
00:53:47そして計画を捨て去った国があります。
00:53:51どんなことがあったのか、
00:53:52そしてNPT体制が今後どうなるのか、
00:53:54これをこの後見ていきましょう。
00:53:55核兵器を持った国を北朝鮮、インド、パキスタン、
00:53:58イスラエルと順番に今見てきました。
00:54:01この4カ国以外にも実は持とうとした、
00:54:04しかし放棄断念した国々があるんです。
00:54:07見ておきましょう。
00:54:08核兵器保有と断念を分けたものは何なのでしょうか。
00:54:13それぞれの事情です。
00:54:15まずこちら、NPTに加盟せず核を保有している国は、
00:54:19北朝鮮、イスラエル、インド、パキスタンです。
00:54:22そして、核兵器を開発しようとしたものの断念した国があります。
00:54:30上から見ていきますと、
00:54:32イラクやシリアはイスラエルから原子炉を攻撃されました。
00:54:37そして、リビアや韓国、台湾はアメリカの圧力で断念。
00:54:42こちら、スウェーデン、ブラジル、アルゼンチンは、
00:54:45国内や国際社会の声などが圧力になりました。
00:54:49そして、ベラルーシ、ウクライナ、カザフスタンは、
00:54:53ソ連崩壊時、国内にあった核を放棄し、
00:54:56ロシアへ移転させました。
00:54:59こちら、南アフリカは、
00:55:01自発的に核放棄した初めての国となっています。
00:55:04これ、マキノンさん、こんなにいろいろ、
00:55:09スウェーデン、ブラジル、アルゼンチン、
00:55:11スウェーデン、ブラジル、アルゼンチンなんかも、
00:55:13このベラルーシ、ウクライナなんかは、
00:55:15ソ連が崩壊したときにということでしょうが、
00:55:18このあたりも持とうとしたんだなというのを、
00:55:21意外に持つ方も、思った方もいらっしゃるかもしれません。
00:55:24この国々を見て、何を感じられますか。
00:55:28やっぱり、いわゆる安全保障体制を考えたときに、
00:55:35運営関係を持っているだとか、
00:55:38あるいは地域内で抜きに出た経済力を持っているとか、
00:55:42そういったものがあればいいんでしょうけれども、
00:55:44やっぱり自分たちの安全保障に自信がない国ですとか、
00:55:48あるいは将来的に脅威となる国がある場合とか、
00:55:54もちろん国際的な世論をなかなか読み切れていない、
00:55:58国内的な内部事情もあるでしょうけれども、
00:56:01そういったことが一時的に、
00:56:03核保有の誘惑ということになったんだと思うんですね。
00:56:07木野さん、南アフリカも知られてはいますが、
00:56:10自発的に放棄した、唯一の国だと言われている。
00:56:14これは人種的ものが大きかったと考えていいんでしょうか。
00:56:18南アフリカの場合は、
00:56:20そうですね、いわゆるアパルトヘイトをやっていて、
00:56:27やっぱり白人、いわゆるヨーロッパだとか、
00:56:32欧米社会との協力というのが必要不可欠ですから、
00:56:35そういった国との協力関係を維持するためには、
00:56:39核兵器を捨てた方が、
00:56:41自分たちのコストとして見合うものになるという計算があったんだと思うんですね。
00:56:46高橋さん、いかがですか。
00:56:48いろいろな国が核を起き、核計画を断念しているということになります。
00:56:53アパルトヘイトをやめるときに、
00:56:55南アフリカが核兵器を放棄したんですね。
00:56:58だから白人の支配のときは持っていたんですけど、
00:57:03人種がみんなで平等に支配していこうというときに、
00:57:09放棄したと。
00:57:11それは白人がコントロールしていない時代になると、
00:57:13危ないという思いがあったということですか、
00:57:15どこか人種差別的なことが、ごめんなさい、
00:57:17あるかもしれませんが。
00:57:19放棄したほうは、白人たちはそう思ったかもしれないですね。
00:57:22ただ、南アフリカという国は、
00:57:24評価はいろいろあるんですけど、
00:57:27一応、アパルトヘイトが終わっても、
00:57:29白人に報復をしなかったという和解をしてきたという、
00:57:33ある意味、道徳的なリーダー的立場を取っていますから、
00:57:38核兵器を持っているよりは持っていないほうがという気持ちはあったと思いますね。
00:57:43要するに南アフリカの白人が持っていたのは、
00:57:45自分たちは少数派で脅かされているという気持ちがあったからですけど、
00:57:49そういう時代ではなくなったので、
00:57:50必要がなくなったということはあると思いますね。
00:57:53このスウェーデンなんかが、
00:57:54もともと計画があったんだというのを見て、
00:57:56踊れとかでもいらっしゃるかもしれない。
00:57:58これはどう思いますか。
00:57:59スウェーデンは中立国だったんですよね、
00:58:01NATOに入るまではね。
00:58:03中立をどうやって守るかというので、
00:58:06非武装中立という考え方と武装中立という考え方があって、
00:58:10スウェーデンはなかなかそれなりの軍事産業を持った国家ですよね。
00:58:15ちなみに、
00:58:17衛星中立国として知られているスイスでも、
00:58:20将来必要なら核兵器持っていい?どう?という国民投票をやって、
00:58:24国民は必要ならば持ってもいい?という投票を一度していますから、
00:58:28そういう意味では、中立を守るためには、
00:58:31自らの核兵器を持つんだという考えがあっても、
00:58:35おかしくはないですよね。
00:58:36私、これ見てて、やっぱり一番残念なのは、
00:58:39ウクライナは核兵器を持っていたわけでしょ。
00:58:41アメリカとロシアに説得されて、
00:58:45お前の安全は絶対守ってやるからということで、
00:58:49ロシアに核兵器をみんなに移転しちゃって、
00:58:52お前の安全は絶対守ってはくれなかったですよね。
00:58:56だから、核兵器を放棄するのは大変な決断だったんですけど、
00:59:00その決断をやった結果が、
00:59:03これで核兵器さえ持っていれば、
00:59:04今みたいなことにならなかったのではないかと思っている方は、
00:59:08内外に多いでしょうね。
00:59:09高橋さん、もう一つだけ、
00:59:11過去有国、この中でですね、
00:59:14北朝鮮はNPTに帰っていたけど、
00:59:16脱退した。
00:59:18イスラエル、パキスタン、インドは、
00:59:20最初から入っていなかったんでしょうかね。
00:59:22だから、北朝鮮が唯一のというか、
00:59:23入っていて、出て、
00:59:24そして核を持ったという国になった。
00:59:28ということは、高橋さん、
00:59:29イランがもしですね、
00:59:30NPTはじゃあ脱退しようじゃないかということに、
00:59:33そういう話も今出ていますが、
00:59:35なった場合、
00:59:36事実上、核を持とうとして、
00:59:37意思を持っているという宣言に等しいことになりますか。
00:59:41そうですね。
00:59:42イランの人はどう思うかは別として、
00:59:44アメリカやイスラエルはそう思うでしょうね。
00:59:47その前の段階として、
00:59:49技術的にはまだNPTに入っているんだけど、
00:59:52もう左札は受け入れないと。
00:59:54だから、今まで左札を受け入れたから、
00:59:57内部情報が漏れて、
00:59:58今回、見事に爆撃されてしまったと。
01:00:02科学者がどこに住んでいるかまで、
01:00:04イスラエルは知っていたと。
01:00:05IAEAを疑っているわけですね。
01:00:06IAEAを疑っているわけですよね。
01:00:08ですから、IAEAへの協力はやめる。
01:00:11でも、テクニカルにはNPTにいるという、
01:00:14そういう前段階があるかもしれないですね。
01:00:18確かに、先ほど吉永さん、
01:00:19NPT体制が変わっていくんじゃないかと崩れる。
01:00:22確かに、昔から言われていますが、
01:00:24五大国だけ持って、
01:00:26後はダメだよという、
01:00:27もともと不平等であり、
01:00:30しかも核運縮を進めるというのが、
01:00:32義務付けられているはずなのに、
01:00:34どんどん核を増やしている中国なんか。
01:00:36こうなると、確かにイランは、
01:00:38ああいう目にあっていますが、
01:00:40イランはもちろん核を持たない方が、
01:00:43もちろんいいと思うし、
01:00:44そうしなければいけないと思いますが、
01:00:46でも、今の状況を見ていると、
01:00:47なんだ、持ったもん勝ちじゃないかと、
01:00:49先ほどありましたが、
01:00:50下の国が増えるんじゃないかという、
01:00:52今回のイランを見ても、
01:00:54持っていれば攻撃されなかったんじゃないかと、
01:00:56この辺りをどうご覧になりますか。
01:00:57まさにその通りだと思いますね。
01:00:59核抑止力というのは、
01:01:00大原則として、
01:01:02お互いに核を持っている国同士は、
01:01:04戦争しないというのが、
01:01:05基本的な認識の土台にありますので、
01:01:08だから北朝鮮も、
01:01:09アメリカに侵攻されないために、
01:01:11絶対に核を作ると言って、
01:01:13持った。
01:01:13それは絶対に彼らをなくすことはないわけなんですね。
01:01:17あともう一つ、
01:01:19核で大事なことというのは、
01:01:21核を持ったら、
01:01:22先ほど言ったように、
01:01:23核同士が戦わないというのもありますけれども、
01:01:26もう一つ、核保有国というのは、
01:01:29国際的にかなり高い位相になるわけですね。
01:01:32そうなってきますと、
01:01:33それだけ外交上の発言力があったり、
01:01:36それに伴って、
01:01:37経済的な活動力も出てくるということで、
01:01:41核を持つということは、
01:01:43やはり国家の位相が高まり、
01:01:45発言力が増していって、
01:01:46最終的にそれで、
01:01:48経済的にも潤っていくというような、
01:01:50やはり流れもありますので、
01:01:52そう考えると、
01:01:53地域大国からすると、
01:01:55なんで5大国だけなんだというのが、
01:01:57やはり、
01:01:58ずっと出てきているのは間違いない。
01:02:00北朝鮮のように、
01:02:01出て行って、
01:02:03持ってしまった。
01:02:05最新のミッションインポッシブルという映画でも、
01:02:08北朝鮮というのは、
01:02:09アメリカとか他の国の、
01:02:11核保有国と同じような描かれ方をされているでしょうね。
01:02:14ですので、
01:02:15政治だけじゃなくて、
01:02:16一般の市民からしても、
01:02:18北朝鮮というのは、
01:02:20核保有国で、
01:02:21侵せない国、
01:02:23自分たちと本当に対等で緊張関係がある国なんだと、
01:02:26そういう認識を作った。
01:02:28ですので、
01:02:28他の国がそこに追随しようとしていくというのは、
01:02:31道理にかなっているんだろうなと思います。
01:02:33だから、
01:02:33そこを維持していくのが、
01:02:34これからの課題じゃないかと思います。
01:02:36それでは、
01:02:37イランの核開発をどうしたら止められるのか、
01:02:39そして、
01:02:40核の拡散を防ぐには、
01:02:42どうしたらいいんでしょうか。
01:02:43この後、
01:02:43伺いましょう。
01:02:44今日は、
01:02:45この図を軸に、
01:02:46皆さんと議論してまいりました。
01:02:48これだけの国が、
01:02:49核を持っているということ、
01:02:51そして、
01:02:51イランが、
01:02:52いかなる状況下でも、
01:02:54核開発の権利を、
01:02:55維持する決意だということであります。
01:02:57確かに、
01:02:58核保有国を、
01:02:59それを目指す国は、
01:03:00これから出てくるだろうという話でしたが、
01:03:02一方で、
01:03:03制裁とか、
01:03:04いろんなもののリスク、
01:03:05あるいは、
01:03:06イランのように攻撃を受けるリスク、
01:03:08こういうものも、
01:03:08つきまとうわけですね。
01:03:09その中でも、
01:03:10それでも持とうという国がいた場合、
01:03:12どういうふうになるのか。
01:03:14さて、
01:03:14皆さんに伺えればというふうに思います。
01:03:16吉田さん、
01:03:16まずいかがでしょうか。
01:03:18核兵器というものも、
01:03:19実は、
01:03:20徐々に高度化しているんですね。
01:03:21だから、
01:03:22最初、
01:03:23NPTが作られた時のように、
01:03:24広島、
01:03:25長崎のように、
01:03:26民間人を大量に
01:03:27削減するというような核兵器から、
01:03:32使える兵器になってきたというものが、
01:03:35出てきています。
01:03:36それに合わせて、
01:03:37かつ、
01:03:38韓国のようなG20の国も、
01:03:41核保有議論が出てくるということになると、
01:03:44今の現状のNPTで、
01:03:45当初考えられていた、
01:03:46この敷居がだいぶ下がってきていますので、
01:03:49これからそこを、
01:03:50どういうふうな形で、
01:03:52管理をしていくのか、
01:03:53現状のままやるのか、
01:03:55現状のままですと、
01:03:56不公平感が出てくる。
01:03:57そこをどうやって、
01:03:57国際社会が乗り越えていくか、
01:03:59これからの課題だと思います。
01:04:01ただ、吉田さん、
01:04:01不公平感をなくすって、
01:04:04なかなか難しいですよ。
01:04:05他の国も認めますかとなりますよね。
01:04:08どうですか、そこは。
01:04:09ですので、
01:04:10不公平感があり、
01:04:11そこを乗り越えられるだけの、
01:04:13実力なり強い意思があるような国は、
01:04:16北朝鮮のように持っていくんでしょうな、
01:04:17と思っていくと思いますね。
01:04:20牧野さん、
01:04:21ただ核は、
01:04:23我々、
01:04:23広島、長崎という、
01:04:25本当に経験をしました。
01:04:27ただ、
01:04:27北朝鮮の核も、
01:04:28例えば、
01:04:29広島、長崎、
01:04:30100倍ぐらいの、
01:04:31とてつもない規模になっている。
01:04:33持てば持つほど、
01:04:35いろんなリスクも高まってくるわけですね。
01:04:37これを含めて、
01:04:37どうお考えですか。
01:04:38おっしゃるように、
01:04:41今年は、
01:04:42広島、長崎から80年ですから、
01:04:44また、
01:04:44核廃絶の世論も、
01:04:46メディアも、
01:04:47たくさん報道するでしょうし、
01:04:49世論的にも、
01:04:50浴びると思うんですよね。
01:04:51でも、
01:04:52日本も世界も、
01:04:54そうですけど、
01:04:54核廃絶と、
01:04:55核抑止の議論って、
01:04:57両方とも、
01:04:58アンビバレントな関係で、
01:05:00お互いに議論したことが、
01:05:01なかったんですけど、
01:05:02でも、
01:05:03今日いろいろ見てきたように、
01:05:05やっぱり、
01:05:06核抑止が、
01:05:07非常に揺らいでいて、
01:05:08アメリカのパワーも落ちているし、
01:05:10そういったところは、
01:05:11核廃絶の道を、
01:05:13遠くしているわけですよね。
01:05:14だから、
01:05:15核廃絶の人も、
01:05:16核抑止だとか、
01:05:17そういう同盟だとか、
01:05:18そういったことに、
01:05:19関心を持たなきゃいけないし、
01:05:21核抑止論者も、
01:05:22核廃絶の理想っていうのを、
01:05:24今一度、
01:05:25心に留めてですね、
01:05:26お互いが、
01:05:27その垣根を越えて、
01:05:28議論しなきゃいけない都市になっているんだと、私は思いますね、確かに、広島、長崎から80年の都市でも、もちろんあるわけですね、高橋さん、いかがでしょう、一つは、イランが使用しているのは、核兵器を作る権利じゃなくて、核の平和利用の権利なんですね、そうですね、ですから、それは認めてあげるということで、やっぱり落としどころを探すしかないと思うんですね、
01:05:58そもそも核関連施設を爆撃すること自体が危険で、許されないことだという、タブーが全く無視されたということですね、放射性物質が、放射性物質が、放射性物質が出るということでしょう、そう、で、一つだけ、今回、私は明るい面を見ますとね、イランは、イスラエルの核関連施設は爆撃しなかった、攻撃しなかったんですね、だから、それはやっぱり見ておかないといけない、核関連施設の攻撃がタブーなんだって、日本は言うべきですよね、それが正しいことですし、これだけ原発を抱えてくる、
01:06:28放送につながると思いますね、はい、皆さん、今日どうもありがとうございました
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