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教育トランスクリプション
00:01兵庫県では元県民局長の指摘情報を漏えいした 県職員に対する処分が検討されるなど混乱が続いています
00:09誹謗中傷を受けた末自殺した竹内秀明元県議 4ヶ月を経た遺族の思いを取材しました
00:17未だ混乱が続く兵庫県 昨日県職員の処分を検討する後期委員会が開かれた
00:30対象となったのは元総務部長の男性 県関係者によると停職3ヶ月とする案が示されたという
00:40なぜ処分が検討されているのか 元総務部長は去年4月県議らにある文書を見せて回ったという
00:52中身は斉藤知事の疑惑を告発した 元県民局長を貶めるプライバシー情報だったという
01:13人間性でありますとかそういったことを貶めるというか こんな人物なんだということを印象付けるためのものしかなかったですね
01:28別の県議は元総務部長から目の前で文書を読み上げられたと話す
01:38それは元県民局長のプライバシー情報だった 目的は告発文書作成者はこういったことをする
01:49信用できない人間だと印象付けることだったと思う
01:54県は去年10月 元総務部長の問題を調査する第三者委員会を設置
02:04今年3月に調査は終了したが 結果は公表していない
02:11一昨日元総務部長に聞くと
02:16今月18日 自殺した竹内元県議の自宅をある人物が訪ねた
02:32今年1月に亡くなった 兵庫県の竹内秀明元県議
02:52竹内県議がよーさん デマ流しとるわ
02:57ワンルーやっちゃわねあいつら
03:00誹謗中傷やデマが相次いだ末 自宅で命を絶った
03:08その2ヶ月後 竹内元県議の妻が取材に応じ
03:14生前 夫が苦しんでいた様子についてこう語った
03:21自分の存在意義みたいなものを否定して
03:26苦しい無様っていうのは 本当に見るに絶えなかったです
03:32全身全念をかけてやってきたことを失って
03:37それまで気づいてきたものも 人間関係であるとか
03:42そういった社会との繋がりであるとかも 断たれて
03:47なんとも孤独な思いでいたのは
03:53それは主人も私も思ったことです
03:59夫の死から4ヶ月が経った 今月18日
04:08訪れてきた女性がいる
04:11こんにちは 初めまして
04:16ありがとうございます 来てくださって
04:20はい
04:22森友学園に関する公文書を改ざんさせられ
04:27自殺した赤木敏夫さんの妻 政子さん
04:32竹内さんの妻に自らの姿を重ね
04:36力になりたいと申し出てきたという
04:41お酒お月だったんですか?
04:44そうなんです
04:46じゃあ一緒に飲みたかったな
04:50この日は4ヶ月目の月明日
04:54竹内さんの妻はようやく夫の死を実感できるようになったという
05:01いよいよ本当に戻ってこないというか
05:08ずっと現実のものと
05:12どこか思えてないところがあったんですけど
05:15生活が落ち着いてきて
05:19本当に家族がいないということを
05:23改めて思い知らされるというか
05:27なんでこうなったのかなっていうのは
05:30常に考えてしまって
05:35主人は仕事も特にこの1年というか
05:39ものすごく忙しくなって
05:41私も一緒になって
05:44仕事を手伝ってやってたので
05:48何かこう半身がこう死んだような
05:55夜寝れてます?寝れないでしょ?
05:59まだ何が分からないのかも分からないというか
06:04とにかく気が付いたら一日終わってて
06:101週間を過ぎてて
06:141か月たって
06:174か月ね
06:194か月になったなって
06:21政治家が中傷されたぐらいで
06:25死ぬなポケ
06:27竹内中傷してましたよ
06:29はい
06:31死後も続く誹謗中傷
06:34竹内さんの妻は深く傷ついていた
06:41主人は政治家だったから
06:44誹謗中傷と批判はされて
06:46叱るべきだっていうふうに
06:49ただ
06:51弱かったから
06:55追い込まれたっていうふうに
06:59言われるのは非常にね
07:01私もそれ一番嫌だったの
07:04すごい悔しかったんです私も
07:06友達に言われてね
07:08ご主人はね
07:10弱かったんやねって言われた
07:12違うんですよ、強かったんですよ
07:14強いからね
07:17やっぱり追い詰められたんだと思いますよ
07:20弱い人だったらね
07:22逃げてますよ
07:24逃げなかったんですよ
07:27夫はなぜ死を選んだのか
07:31竹内さんの妻は
07:33知事選の期間中
07:35夫を中傷した投稿の数々に
07:39目を通し始めたという
07:41本当にそれまで怖くて
07:47中身までは見てとか知ってとか
07:51っていうことをできずにいたんですけど
07:54再度こう
07:57精神がこうね
07:58痛めつけられるような感じも
08:01覚えながらですけど
08:03落ち着かない状態がね
08:05収まることは
08:07いつになるのかという
08:09思いで
08:11常にそれも
08:13答えがまだ分からないままですけど
08:16時間経つと絶対ね
08:18光は見えてくるし
08:20私がそうだったからね
08:22自分のやっぱ7年前のことを思い出すし
08:24亡くなったことのショックもあるんだけど
08:28その亡くなる前の苦しんでる姿がね
08:31一生消えないんですよ
08:33そこが私の生きる力になってるなと思ってて
08:37だって悔しいんだもんね
08:39そういうふうに
08:41そういうふうに
08:43強さに変えれるときが
08:45来るのかなってね
08:47来るんですよ
08:49すっごい味方いますから
08:51うーん
08:53本当に心強いし
08:55いっぱい味方いると思うので
08:57だから今その悔しさとか
09:01自分の中で
09:03消化もできずに
09:05でもなぜこうなったのかを
09:07考えていくうちに
09:09このことを
09:11無駄にしたくないっていうか
09:13何か意味を
09:15持たせたいというか
09:17やっぱりもうね
09:19二度とあってはならないっていうふうに
09:22思いますよね
09:23誹謗中傷を拡散したNHK党の立花隆氏
09:34愛人なのか交際してたのか無理矢理なのかそれは分かりません?
09:41こういうことをお仕事中にしてる人の内部告発って信用できますか?
09:47立花氏らがネットで流布した元県民局長のプライバシー情報
09:56この漏洩について兵庫県は1月に別の第三者委員会を設置し調べるとしてきた
10:05ところが調査が終結した3月になって県が週刊文春の記事も調査の対象にしていたことが判明した報道機関の情報源も調査するよう依頼していたことが分かりました
10:24対象になっていた記事は県が告発や探しを組織的に行ったことを裏付ける内部音声について報じたものなどいずれも県の対応を批判するものだった
10:43調査に問題はなかったのか第三者委員会の工藤良次委員長が報道特集の取材に応じた
10:53データにアクセスが可能だった人事課の職員など合わせて47人のメールやパソコンの操作履歴を告発があった去年3月までさかのぼって調べたという
11:11相当期間のデータ数十万行から130万行
11:18相当1人当たりですよそれが47人ですから相当な量ですよね
11:25週刊文春の情報源の調査は報道の自由への侵害ではないか
11:34流出した経路経過についての調査をしているのであって
11:41その週刊誌なりに誰が持ち込んだのかと
11:46そういう観点からの調査をしたつもりはありませんし
11:50私どもはですね報道の自由というのはね
11:56本当に今おっしゃったように国民の知る権利に寄与する本当に重要な原則だと
12:05それはもう否定しません
12:07ただ一方で人事管理上の機密というものもですね
12:12これもやっぱり組織運営していく上には必要なものだと思うんですね
12:19我々あくまでこの要項に基づいた依頼を受けて
12:23その内容について調査を粛々と行ったと
12:28第三者委員会は立花市への情報も週刊文春への情報も
12:36情報提供者が保護されるべき公益通報に該当しないと結論付けた
12:43またその情報が出た経路も調べたが
12:48救命にはいたらなかったとした
12:50これを受け県は公務員の主婦義務違反で
12:58容疑者不詳のまま刑事告発したのだ
13:02現役職員の間には衝撃が広がっている
13:08刑事告発という極めて強い対応に出たことの
13:14そのメッセージというのはどういうふうに受け止めていらっしゃいますか
13:18報道機関に余計なことをしゃべるのよの一言でしょうね
13:23どこまでが主婦義務の対象になる情報なのかというところの
13:29線引き難しいところもあると思うんですけれども
13:33なされないまま刑事告発というのはすごく乱暴なやり方だなと思います
13:38公益通報者保護法に詳しい
13:43常治大学の奥山俊博教授に見解を聞いた
13:48第三者委員会の弁護士は私たちの番組の取材に対してですね
13:54報道機関への情報提供を調査する意図はなかったと
13:58県からの情報漏洩と報道機関が情報を得たということは
14:04表裏一体の表裏の関係になっているということは明らかですので
14:10それとこれとは別というふうにはなかなか言いづらい話だなというふうに思います
14:15その上で立ち話と週刊文春への情報提供の違いをこう語った
14:25きちんとした報道機関であるのならば
14:29受け取った情報についてその中身が正しいのか正しくないのか
14:34実際に取材をして裏付けを得て報道するというのが
14:38おそらく真っ当な報道機関のやっていることであるというふうに思います
14:44ちゃんとした審査をした上で情報を出すということの
14:48取捨選択が橘さんにおいてなされているのかどうなのかという点について
14:52考えると疑わしい
14:54なされていないのではないか
14:56斉藤知事はどう考えているのか
15:02このような報道に対して権力の座にある側が
15:09刑事告発という権力の使い方をすることは
15:15私は民主主義の社会の中ではあってはいけないことだと思うんですけれども
15:20知事はこの点、どのようにお考えですかそうですね、今回の対応というものは、表現の自由や報道の自由を決して介入や侵害しようという意図は全くありません。
15:33そもそも混乱の発端は、告発した元県民局長が、公益通報者として守られなかったことにある。
15:45公益通報者保護法は、自治体などに通報者を保護する体制の整備を義務づけている。
15:55今年3月、元県民局長の告発については、第三者委員会が外部への公益通報と認定、県の告発者探しを違法と結論づけたが、
16:10斉藤知事は、これと異なる見解を示し続けている。
16:17これは内部通報に限定されるという考え方もあります。
16:21違法性の認定については、やはり非常に専門家でも意見が分かれているというところでして、
16:27我々としては、これまで会見や議会でも申し上げたとおり、今回の対応については適切だったと。
16:36斉藤知事の発言の根拠は何なのか。
16:40神戸学院大学の上垣博士教授は、県に対しそれを示す文書の開示請求を行った。
16:51すると。
16:52専門家の意見を収集しているかどうかをね、情報公開請求の中の一つとしてやったんですが、これがね、不存在だったんですよ。
17:05つまり、第三者委員会の結論をひっくり返すような、それに反対するような意見を、当時やっぱり持ってないにもかかわらず、意見が分かれている。
17:22公益通報者保護法に関する専門家の意見が書かれた文書は、作成・保有していないため、不存在だった。
17:34さらに上垣博士教授が追加で開示請求すると、斉藤知事が参考にしているのは、公益通報の専門家ではない弁護士の意見だということが分かった。
17:50著書とか論文を書いた専門家の意見ではないんです。悪い方向での解釈を認めてしまうと、それによって結果的には守られない人たちが今後も生まれてしまうわけですよね。
18:09第2、第3の犠牲者が出る可能性が出てくると。
18:13先月、制度を所管する消費者庁は、斉藤知事の発言は、公式見解と異なると指摘するメールを県に送っている。
18:29しかし、斉藤知事はその後も見解を変えていない。
18:34消費者庁の法改正に関する一般論としての見解ですね、ここはしっかり受け止めていくということが重要だと思っています。
18:46重く受け止めると言いながら、見解は決して変えない、自らに誤りはなかったという主張をずっと貫かれているんですけれども。
18:54消費者庁や、さまざまなご指摘というものは、やはり真摯に受け止めるということは大事だと思いますけれども。
19:03真摯に受け止めるのであれば、県の対応は適切でなかったというふうになるのが、普通のロジックだと思うんですけれども。
19:09いや、これまでいろんな場で申し上げてきたとおりですね。
19:13あの件の対応については適切だったという考えに変わりはあります。
19:18今週、国会では
19:22これ、法令に違反した発言がずっと続いているわけですから、兵庫県に対して何らかのさらなる対応を求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
19:37公益通報者保護法の内容やその解釈について、地方自治体含めて全ての事業者に正しく理解されることは重要であると考えております。
19:48消費者庁において、どのような対応ができるのか、今検討しているところでございます。
19:56奥山教授は、斉藤知事の誤った法解釈に危機感を持っている。
20:04行政機関の長としてそれを言うのだとすれば、それはいろんな矛盾が生じることになる。
20:10自分たちの行為を正当化したいから、そういうふうに述べているのではないかなというふうに思うのですけれども、
20:16私利私欲のために、県の行政をゆがめているといって、過言ではない言動だなというふうに思います。
20:26この兵庫県の問題は、告発者が公益通報者として保護をされるのか、立ち話や報道機関への情報提供をどう評価するのか、このように論点が複数あるので複雑化していますよね。
20:42一体何が起きているのか、本質が見えづらくなっている一方で、民主主義が脅かされているんじゃないか、その点に関しては大きな不安を感じてしまいます。
20:51そもそも民主主義というのは、さまざまな自由ですとか、多様性を担保するために、人々の良心とか理性に委ねる部分がかなりあるわけですよね。
21:03ですから、それぞれが法律に書いていないからとか、勝手な法解釈に固執したら、民主的な制度というのは、あっけなく崩壊してしまうんですよね。
21:13公益通報者保護について、政府が公式見解と異なると指摘しているにもかかわらず、斉藤知事が対応は適切だと言い張ることは、制度の破壊につながりかねないんだということを、斉藤知事はどの程度まで認識しているんでしょうか。
21:31私はですね、週刊文春への情報提供を告発したことも、草加部さんがおっしゃる、この法に書かれていない良心や理性の問題に関わっていると思うんです。
21:44これまでスクープと言われてきたような、権力の不正を明らかにした報道のほとんどは、形式的には秘密の漏洩がその前提にあるわけですね。
21:55しかし、それらの報道は国民の知る権利に応える重要な意義がありました。
21:59報道の自由は、そうやって社会の健全さとか活力に貢献してきた面があるんだと思うんですね。
22:06でも、世界に目を向ければ、報道のもろさを示す例はたくさんあります。
22:11だからこそ、日本の政治リーダーには、特に自らに批判的な報道に対峙するときには、抑制的であってほしいと思います。
22:19それでは、ご視聴ありがとうございました。