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ニューストランスクリプション
00:001998年 九州はサミットの誘致に盛り上がっていました
00:082年後にすなぐサミットは初めての地方を開催
00:198つの候補地が名乗りを上げていたのです
00:23その一つが沖縄県
00:26イベントは沖縄での開催を強く推したのが小渕総理でした
00:35そこには沖縄経済の底上げと沖縄の自然を世界にアピールする狙いがあったのです
00:44けれど沖縄の反米感情を理由にアメリカが難職
00:49開催地の発表日になってもアメリカの態度は変わりませんでした
00:55本日ここに発表するに至りませんでしたことをお断りを申し上げる次第であります
01:03政府はやむなく発表を1日延期します
01:08中日アメリカ大使を通じ藁を掴む思いで
01:14クリントン大統領に直接判断を仰ぐことにしました
01:18徹夜で切符を待った小渕総理のもとに明け方駐日大使から連絡が入ります
01:27クリントン大統領に異論はありません
01:35そして沖縄サミットの開催が発表されました
01:49沖縄県民は歓喜します
01:55けれどこの時
01:58アメリカには密かな思惑があったのです
02:02その事実を語る一通の機密文書があります
02:07文書はサミットの沖縄開催が決まった直後
02:14アメリカ国務省かクリントン大統領に送られたものでした
02:19そこには驚くべき文言が
02:23サミットは沖縄の基地問題
02:29特に普天間飛行場の移設を前進させる機会となる
02:33小渕氏に対して今後数ヶ月が正念場だと明確に言うべきだ
02:41アメリカはサミットの沖縄開催をきっかけに
02:47普天間問題を決着させようとしていました
02:50機密文書を入手した琉球大学講師の山本明子さんは
02:59沖縄サミットが移設先の決定に利用されたと指摘します
03:04まさにこの文書に書いてあるとおりに
03:09物事が進展しています
03:11クリントン大統領がサミットを利用して
03:15下級速やかに普天間飛行場の辺野古移設を進めろと
03:19沖縄サミットと普天間基地の移設問題
03:27沖縄の今を読み解く一つの鍵がここにあります
03:31沖縄サミットが決まった2ヶ月後
03:42クリントン大統領は沖縄サミットへの出席と引き換えに
03:57普天間問題の解決を迫ったのです
03:59普天間問題の発端は1995年に起きた事件でした
04:07アメリカ軍基地の兵士3人が小学生の女子児童を暴行
04:16県民の怒りは爆発し基地反対のうねりが高まります
04:22平和な島を返してください
04:28翌年日米両政府は次のような合意を発表しました
04:34ところが全面返還の実情は県内移設でした
04:465年から7年以内に沖縄の東海岸に新たな基地を作るというものだったのです
04:54日本政府が目をつけた最有力の移設先は
04:59名護市辺野古
05:01普天間の舞台を移せばキャンプシュア部の海兵隊にも近くなり
05:07アメリカにも好都合でした
05:09これに対し名護市は環境破壊などを理由に猛反発
05:16移設は解決できないまま3年が過ぎていました
05:215を煮やしたアメリカは沖縄サミットを
05:28いわば人質に普天間問題の解決を図ったのです
05:32サミットの成功はクリントン大統領の出席があってこそ
05:39日本政府は準備期間を考慮し
05:421999年内の決着を目指します
05:46残された期間はわずか6ヶ月でした
05:52なんとか辺野古で
05:58政府は躍起になって沖縄県を説得します
06:02沖縄県は基地としての使用期限を15年とすること
06:09空港を軍民共用とすること
06:13この2つの条件を突きつけます
06:15基地の定着を防ぎ返還後には
06:18民間空港として利用しようという狙いでした
06:22政府と渡り合った当時の県知事
06:25稲見慶一氏
06:27県としての問題はむしろ
06:31軍民共用の方がはっきり政府が認めるから
06:34それから使用期限
06:35それを認めない限り私の方は
06:37うんと言いませんから
06:38クリントン大統領を沖縄サミットに招きたい
06:43日本政府はアメリカと話し合うことを
06:46沖縄県に約束します
06:48事態は動きました
06:51普天間飛行場の移設候補地を
06:57名護市辺野古沿岸域に決定いたしました
07:01この発表を受け名護市でも
07:05私はこの度の普天間飛行場の
07:09代替施設の受け入れについて
07:11これを容認することを表明いたします
07:15こうして普天間基地の移設先は年内ギリギリで辺野古に決まりました
07:22ところが
07:24ここで番組の途中なんですが緊急のニュースをお伝えします
07:28脳梗塞で倒れた尾淵総理がそのまま帰らぬ人となったのです
07:34脳梗塞で帰らぬ人となった尾淵総理
07:43基地移設の条件をめぐるアメリカとの協議は
07:47公認に託されることになりました
07:49尾淵総理から森総理へ
07:542000年7月
07:59沖縄サミットの幕が上がります
08:04森総理とクリントン大統領の間で
08:10移設条件が話し合われ
08:12誰もが期待を寄せました
08:15ところが
08:17その協議は先送りされたのです
08:22当時から名護重を務めている大城義民氏は怒りを隠せません
08:29日米でそういうことについて思っていたという話をしないということ自体は
08:36やっぱり沖縄県民を無視したと
08:39強い怒りがあったんですよ
08:41そして沖縄が求める条件はあっけない結末を迎えることになります
08:51森総理から小泉総理へ
08:592006年小泉総理の下で
09:04在日アメリカ軍の再編を受けた新しい移設案が閣議決定されました
09:09その瞬間沖縄が求める2つの条件は一方的に破棄されたのです
09:16当時防衛事務次官として交渉に当たっていた森谷武正
09:22その条件は日米両政府にとって初めから実現できないものだったといいます
09:2915年の使用期限を認めるなんていうようなことはね
09:35断じてありません
09:36それはできないんですよ国と国との約束で
09:39国際情勢が15年後に安定的なものになるなんていうの保障は推測できませんからね
09:45サミット成功の陰で基地移設を受け入れた沖縄は結局裏切られたのです
09:54普天間問題は今も迷走を続けています