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トランスクリプション
00:001972年東京羽田空港
00:07一人の元日本兵の帰国を国民はカタズを飲んで待っていた
00:15男の名は横井翔一 当時56歳
00:30太平洋戦争の終結を知らされないまま
00:47戦地となったグアム島で28年間潜伏していた
00:51筋金入りの陸軍軍曹だった男だ
00:55そもそも島のジャングルを流れる川で食料となるエビを取っているところ
01:03現地の漁師に見つかり大騒ぎが始まった
01:08横井が帰国した日本は万国博覧会が開かれ
01:15世界第2位の経済大国に
01:17横井の目にその変化はどう映ったのか
01:23東京から名古屋に帰ってきた横井
01:35奇跡の生還を遂げた残留日本兵の姿にふるさとは
01:43一流芸能人をもしのぐ日本のニューヒーローであるかのごとく
02:12すぐに身を寄せた名古屋の実家は観光バスのルートになった
02:18ここ中川区の富田町と申しますと
02:23喉から田園風景に囲まれたお家でございます
02:26周囲の方々もそっとしておいてあげましょうということで
02:31このように今日は中の方には入っていただくことはできませんけれども
02:36どうぞ外の方から
02:38そんな横井の生涯を綴った絵本が
02:44今年6月に出版された
02:46タイトルは横井翔一さん
02:52作者は愛知県の主婦亀山英子さん47歳
03:15横井がグアム島から帰国した翌年に生まれた
03:20戦争を知らない世代
03:22紙を切り抜いて作る白と黒の世界
03:27横井の生い立ちから戦争そして晩年までを描いた
03:34亀山さんは戦後70年の2015年に
03:39新聞記事で初めて横井翔一を知った
03:43想像していたよりもずっと大変な思いをされていて
03:49横井さんのことを調べてみようって思って
03:53さらに思ったら今度は人にも伝えたくなって
03:58近所の子供たちに読み聞かせするために
04:03趣味の延長で作った手作りのこの一冊が
04:07プロの目に留まった
04:08名古屋市の出版社ゆいぽうと
04:13編集者の山本直子さんは
04:17戦後75年の今年の出版に間に合わせた
04:21あの横井の帰国のニュースは鮮明に覚えていると話す
04:27恥ずかしながら生きながらえて帰ってまいりました
04:31ニュースにもなったんですけど
04:33恥ずかしくないのになって
04:37すごく不思議だった
04:39そういう時私は高校生だったんだけどすごく不思議で
04:42横井翔一さんっていう人を知れば
04:46なぜ戦争がいけないかっていうのが
04:49深く分かると思うので
04:51それでいいと思うんですよね
04:54お出迎えに対し
04:58私横井翔一
05:00心から感謝しております
05:02恥ずかしながら
05:05生きながらえておりましたけど
05:06彼は何を恥じていたのか
05:11年間70万人の日本人が訪れる人気の観光地グアム島
05:28今は静寂に包まれている
05:32世界で猛威を振るう新型コロナウイルス
05:36この島でも感染が拡大し一時ロックダウンされた
05:41ビーチの一角には忘れ去られたように残るコンクリートの塊
05:49日本軍が作ったものだ
05:53グアム島が占領されると
05:56ここを拠点に
05:57敵の日本本土への進行が容易になるため
06:01死守しなければならなかった
06:04しかし
06:061944年7月
06:15アメリカ軍は上陸作戦を開始した
06:19愛知県出身の横井翔一は
06:25満州からこの島の守備を担う
06:28歩兵第38連隊に配属されていた
06:31当時28歳
06:345万5千人のアメリカ軍は
06:38容赦ない攻撃を浴びせた
06:40そのため2万人の日本軍は
06:44わずか3週間で壊滅状態に
06:461万9千人が亡くなった
06:50途中
06:52ジャングルに逃げ込んだ日本兵は
06:54少なくとも2500人
06:56その中に横井もいた
06:58しかし
07:00アメリカ軍に見つからないよう
07:02生きていくだけで精一杯
07:04階級の上も下もなくなり
07:07食料を調達できるものが上
07:10過酷なジャングル生活は続いた
07:13横井さんは洋服を作る
07:18絵本横井翔一さんの中で
07:21作者亀山英子さんは
07:23横井の類稀な能力を紹介している
07:27ここは木から洋服の糸を作っているところです
07:34日本にいた頃洋服の仕立てを
07:40なりわいにしていた横井は
07:42ジャングルの木から糸を作り
07:45ジャングルの木から糸を作り
07:45服にした
07:46これが実際のものだ
07:53ボタンまで丁寧に付けられている
07:58これも木を削ったものだ
08:02横井は他にも
08:04あらゆるものを生きるための道具に変えた
08:07これはウナギやエビを捕獲するための仕掛け
08:12地上に安心できる場所はなく
08:16深さ2メートル
08:18奥行き6メートルの穴を掘り
08:21ここを住処に身を隠し
08:23生き続けた
08:24そして
08:26アメリカ軍はジャングルに残る日本兵に
08:43ビラや包装で投降を呼びかけた
08:46しかし横井は応じなかった
08:49日本兵としてどうあるべきか
08:5228年
08:54その思いが揺らぐことはなかったのか
08:57国民よりも一歩高い存在としての兵士という形がありますので
09:05彼にとって高い倫理を求められて
09:08まさに天皇に直属する存在として
09:11あるべき姿というのを求められたものとして
09:15先人君というのが求められたわけですね
09:17基本的には負けたところで
09:22捕虜になってはいけないというような形になっているわけですね
09:25そうすると彼自身は
09:27兵士としてはですね
09:30逃げとにかく逃げなきゃいけないというような状況になっているということになると思います
09:35先人君
09:40軍人の後期粛清のため作られた教えだ
09:44生きて履修の恥かしめを受けず
09:49死して財下の汚名を残すことなかれ
09:54つまり捕虜になるくらいならば
09:58自ら命を絶てという意味
10:01横井は何が恥ずかしかったのか
10:06陛下様に対しては
10:08私は
10:09十二分に
10:12ご奉公ができたらなかったことを
10:14私としては
10:16恥ずかしい次第でございます
10:17岩手県 柴町
10:24横井と同じく
10:29終戦後
10:30グアム島のジャングルから帰還
10:32最後の生き残りと言われている人がいる
10:35星和夫さん
10:3890歳
10:3914歳で海軍の第4気象隊に配属され
10:44グアム島の戦いを経験した
10:46あの日
10:48アメリカ軍を目にした時の気持ちを語ってくれた
10:52あれじゃ勝ち目ないよ
10:56びっくりした
10:58あの物の量にとか
10:59あの船の量には
11:00あんなに真っ黒になる左右に
11:04埋まっているのが船で
11:05こういう人国だったのが
11:09こんなとことく戦ったのかと思ったった
11:11ばっかじゃないかと思ったった
11:13星さんは横井のいたところからは離れたジャングルに逃げ込んだ
11:24潜伏生活は常に死と隣り合わせ
11:29毎日のように迫ってきたアメリカ兵
11:33そして何よりも激しい上との戦い
11:40空腹に耐えきれず自ら命を絶つ仲間もいたという
11:45次第に目にするものは何でも食べるように
11:50ネズミも食べたし
11:54コウモリも食べた
11:56大変だったんですよ
11:57みんなねあの網刃石入りにかかって
12:01いや面白いんだね
12:03大勢ね
12:04もうダメなんだよね
12:06やっぱり慣れてないしね
12:07食うものはないし
12:09水はないし
12:10汚い水でも何でも
12:12雨降った時
12:13木の葉っぱに溜まった水飲んだりね
12:15かぼちゃ畑に行くとね
12:20ゴロっとかっけ
12:21クナッとかぼちゃだと思うと
12:23頭を流れにしちゃった
12:25日本兵のほ音が
12:28ガイコツいえいんだろう
12:31やっぱりいつ見ても気持ち良くないね
12:34だけど頭もね
12:37例えば自分と一緒に暮らした人とか
12:40いつもいる暮らした人も
12:42駄目で死ぬでしょ
12:44白骨になってバラバラになるんですよ骨もねガラガラね
12:47でも頭見ればそっくりその人の顔だわね分かるもんね
12:51白骨になってもこれは誰だこれは誰だって
12:55目の前で死んでいく仲間たち
13:02あの日帰国した横井は潜伏中に亡くなった仲間2人を連れて帰っていた
13:08いつまで逃げ続けるのか
13:22終戦の知らせを聞いていない日本兵たちは翻弄され
13:27多くが命を落とした
13:34元気になりました
13:36何をやりたいとお考えのだろうか
13:39大きい英霊の供養をさせていただきたい
13:43それが私の信念でございます
13:45それがためにそして各遺族の方が
13:50私の知っている範囲内の遺族の方の訪問をさせていただいて
13:56遺族の方にガム島であんたの息子さんはだいたいこういうところで
14:03だったから餓死したんだろうということを報告したいと思います
14:08今一人暮らしの保守さん
14:17帰国のきっかけは終戦から8年経った時のことだった
14:26ジャングルでの潜伏生活を続けていた中で思わぬことが
14:31海岸沿いの洞窟で寝ているところをアメリカ兵に見つかってしまった
14:38殺されてもいいと覚悟したが
14:42アメリカ軍の施設に行くと食事とベッドを用意してくれた
14:47見つかるまで何を思いながら暮らしていたのか
14:53終わったというのは負けだなと思っていた
14:59負けだなって
15:00だってかけてられるような何にもないんだもん
15:04一つもその兆候はないんだもん
15:07いつか日本が来ると思ってた
15:09それを期待したんだから
15:11とても来るような状態じゃないもんね
15:15そんな余裕はないな日本は
15:19その星さんの目に
15:2328年もの間潜伏していた横井が帰国したニュースは
15:28どう映っていたのか
15:30やっぱりこの人も我々と同じね
15:34命死にたくないと思ったんだなって
15:37今までこれを言いたのはね思ったって
15:39しかしもう少し早く出てくるってやってしたじゃないか
15:45出てこれないんですよ
15:47機械そういうのがないと
15:48捕まるかなんかしないと
15:50だからもう少し早く見つかればよかったな
15:54捕まればよかったなとそう思っただけだね
15:56自分では出てこれない
15:58そういうもんです
16:02横井さんが帰ってまいりました
16:06玄関まであと5メートルです
16:08お帰りなさい
16:09彼は最後まで目だけはすると
16:15横井翔一の発見
16:21この第一報を日本に届けた
16:24京面則明さん
16:26今回テレビカメラを前に初めて語ってくれた
16:30当時29歳で東急航空のグアム駐在所長だった
16:37これが記者会見の模様のアルバムです
16:47日本語を話すそういう人がいると
16:56それが簡単には保護されたと
17:00ついてはこの人は日本人なのかどうかを
17:04簡単には確かめてくれと
17:06当時日本の政府機関はまだ置かれておらず
17:12京面さんは現地当局から身元の確認を依頼され
17:17病院に向かった
17:18ピョンピョンと歩く
17:22だから猿のような歩き方
17:23何歩か歩かれた時に
17:26私たち囲んでじゃないですけど
17:28口々にですね
17:29ご苦労様ですっていう言葉をかけたんですよ
17:32そしたらどうもどうもって言葉
17:35どうもどうもなんて普通
17:38日本人じゃなければありえない言葉でしょ
17:41この出来事を東京の本社に国際電話で伝えたことが
17:58日本への第一報となった
18:03当時のグアムは年間10万人もの日本人観光客が訪れていた
18:09戦争の匂いは消えていた中での発見
18:14非常に怖い顔ですよ
18:25いずれにしても
18:26決してにこやかな顔っていう顔ではないです
18:30それはそれにはね意味があるんですよ
18:34彼は絶対にね無事には済まないと
18:37本来ならねそこで
18:43まあこの世からね
18:45お別れしててもおかしくない状態だったはずなんですよ
18:50要はその処刑されてたりとかそういうようなこと
18:54そうです
18:55ふるさとでは戦死したとされていた横井
19:01母親は息子横井の墓を建てることに最後まで反対していたが
19:08お祝いちゃんの出しようけど
19:25親子を頑張ってくれんなくなっています
19:27このままやばいよ
19:31行くならないこうこうしたんですから
19:34ごまんがんしてください
19:36帰国の14年前に亡くなっていた
19:43その後も横井はカメラに追われる日々が続いた
19:49帰国から9ヶ月後
19:53京都の女性と宮井で結婚
19:56それからの横井は
20:08グアムでの生活を伝える講演活動をしながら
20:13筆を取り土をこね多くの作品を残した
20:17そして1997年
20:2382歳で旅立った
20:25横井の生きた戦後は25年
20:29ジャングル生活よりも短かった
20:32横井さんの奥様との約束がありまして
20:46全国の図書館にこの本を置いてもらって
20:50長く読んでもらいたいっていうのが
20:52一番強い気持ちというか目標でした
20:57亀山さんの書いた絵本は
21:03全国550の図書館に寄贈された
21:06子供たちに横井の戦争を知ってもらう
21:11それが約束だった
21:13横井の妻美穂子さんは京都の実家にいた
21:29今年92歳
21:35戦争の悲惨さを伝える機会がなくなってはいけない
21:39常々そう訴えてきた
21:42戦争から遠ざかるというか
21:49みんながコロナが大騒ぎされるぐらいで
21:56戦争というものは
21:59人類から全部横が返ってから
22:04どんどんどんどん平和が続いて
22:07戦争が起きるかもしれないという
22:13憂いの方が
22:15戦争の悲惨さを伝えたように私は感じています
22:17今日
22:22無事
22:23横井が好んで書き残した言葉の一つ
22:32何事も起きない一日
22:36それが夢のようなこと
22:39やっぱりどこかで
22:44横井もあの戦争をね
22:47あの戦争を忘れないでほしい
22:49忘れたらまた戦争が起きることになるから
22:54忘れないで平和を守ってほしいっていう
22:57願いがあるんだと思う
22:59横井は妻にだけ語った
23:07潜伏中の思いがあった
23:10本人はあの海が沈まないんで
23:17歩けるものなら
23:18一足一足海の上を歩いて
23:21でも日本へ帰ったから
23:23恥ずかしながら
23:41生きながら歩いておりましたけど
23:43生きて帰った
23:45それを恥ずかしいと言う
23:49戦争は無語い

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