プレイヤーにスキップメインコンテンツにスキップフッターにスキップ
  • 2025/6/29

カテゴリ

🎥
ショート
トランスクリプション
00:00ただいまより大丸マサト氏と松本忍さんの婚約発表を記者会見
00:12マサトと忍の婚約を知って自暴自棄となった千鶴子は
00:18銀行強盗を自発的にやったと辞去し
00:22少年判別書へ送られた
00:24そこで生理学、教育学、心理学などの観点から
00:28様々な調査を受けるためである
00:30そして千鶴子を処分するための家庭裁判所の審判の日が
00:44日一日と迫ってきた
00:46マサトの名を呼び求めても虚しい
00:49千鶴子の心にはもはや絶望しかなかった
00:58ゴーゾーは退院し自宅療養をしていた
01:13心臓神経症はまだ完全に治癒していなかったが
01:17南部開発会長としての義務を放置してはおけなかったのである
01:21あなたと私に両親として出席するようにってことなんですけど
01:28あなたはこの体ではご出席は無理ですし
01:33私も千鶴子をどうやって弁護したらいいか
01:37奥様
01:38私は審判に出席する資格はございません
01:43千鶴子のためにどうか明日は力を尽くしてかばってやってくださいませ
01:48そう言われても
01:49弁護士さんは千鶴子が自白した以上は少年は免れないとおっしゃってるのよ
01:57他に助ける方法はもうないのよ
02:00いや
02:00たった一つあります
02:03マサト
02:05なんだそれは
02:07言えません
02:08言えない
02:10かなり無茶な方法なんで
02:13お父さんは反対なさるに決まってるからです
02:15でも僕はそれをやります
02:18何をするつもりか知れないけど
02:20あなたが千鶴子のために動くことは反対よ
02:23あなたは忍さんの婚約者じゃありませんか
02:27私はまだ忍とマサトの婚約を認めてもおらん
02:32いや
02:34それが喜ばしくないというのではない
02:38ただ不幸のどん底にいる千鶴子を差し置いて
02:43到底岩浮きにはなれんのだ
02:46千鶴子も幸せになり
02:49二人の婚約を心から喜んでくれる
02:52その日が訪れた時こそ
02:55私はお前たちの婚約を認めよ
02:58しのぶ
03:00不満かもしれんが
03:02私の気持ちは分かるな
03:04はい
03:10何をする気なの
03:12私にだけ教えて
03:14これを見てくれ
03:16銀行から借りてきたものなんだけどね
03:18これを見てくれ
03:20銀行から借りてきたものなんだけどね
03:22警察の話では
03:26千鶴ちゃんは当初眼鏡に主張していたそうだ
03:30たけしの命令で
03:32これには映っていないが
03:34デンと男が千鶴ちゃんを銃でおどして
03:36強盗まで強制したって
03:38だから
03:40デンを追求して
03:42その事実さえ忘れことができたら
03:44千鶴ちゃんは無罪になるはずだ
03:48でもデンは今留置所でしょ
03:50ああ
03:52調査所だ
03:54僕は今から留置所に乗り込む
03:56何か軽い犯罪を犯したふりをしてね
03:58本気なの
04:00何もそこまでしなくちゃって
04:02しのぶさん
04:04これは千鶴ちゃんのためばかりじゃないんだ
04:06君のためでもあるんだよ
04:08私の
04:10ああ
04:12お父さんだっておっしゃってたじゃないか
04:16千鶴ちゃんが不幸な限り
04:18僕らの幸せもありえはしないんだ
04:21でも私
04:23マシトさんにはもう千鶴子さんのことを忘れてほしいの
04:26
04:27行かないで
04:28何を言ってるんだ
04:29君だって千鶴ちゃんの無実は信じてるはずだ
04:32そうじゃないのか
04:34そうね
04:36そうだったわ
04:38そうだったわ
04:50裏切るもの
04:51裏切りもの
04:52お前は千鶴子を裏切ってしのぶと婚約した
04:54裏切りものじゃねえか
04:56君を相手にしてる暇はない
04:58マジな
04:59ぶっ飛ばしてやりてえとこだが一つだけ教えてやろう
05:02お前は城西所の留置所にもぐり込むつもりらしいが
05:06あそこの棒は2つ
05:08うまく伝のいる棒に入れてもらえるとは限らない
05:10余計なお世話だ
05:12僕は運にかける
05:42ああれ
05:55
05:57
05:59でも
06:02高め
06:04まあそう
06:06お前に暴力を振るつもりはない
06:14お前を締め上げたところで監視が飛んでくるだけだから
06:17お前がデタラメを言ってのおかげでチルちゃんが苦しんでるんだ
06:22本当のこと言え
06:23だとさ
06:28どうぞ
06:31この野郎が急に殴りかかってけなかったよ
06:34なんとかしてくれよ
06:36嘘だこの男の芝居ですよ嘘じゃない
06:39これ見てくれよ
06:41よしお前のボールをする
06:44お前ここだ
06:46これ以上暴力を振ると許さない
06:50お前野郎
07:01俺もさっき喧嘩沙汰で来たばかりでな
07:19団長さん助けてくれ
07:23団長さん助けてくれ
07:27またか
07:28やっぱり芝居らしいな
07:30
07:31ハケ
07:35抜かせ
07:36千鶴子を銃で脅かしたってことをよ
07:39なこと言えるか
07:41なこと言ったら俺の罪が増やる
07:43混臨罪に何に迷うか
07:45この野郎
07:46千鶴子のためならお前をぶっ殺すぞ
07:49翌日は千鶴子の審判の日であった
08:03豪像は病苦を押して赴いた
08:06千鶴子のためだ
08:09何としてでも弁護してやらねば
08:13さあ参りましょう
08:14ハンジさん
08:17この事件の発端は
08:19娘の千鶴子が
08:21不良たちに誘拐されたことであります
08:24どうぞお座りください
08:30日頃の千鶴子は
08:34どんなに脅迫されても
08:37銀行強盗に加わるような娘では決してありません
08:41その娘が脅迫に屈したのは
08:44私に対する絶望と不審からとしか考えられません
08:50娘をそうさせたのは
08:53全て私にあります
08:57お気持ちは分かりますが
08:59本人に確認したところ
09:01強盗は脅迫によるものではないと申しております
09:05これは少年院に送知するほかは
09:08春の嵐のその夜中
09:13二人の緑も生まれたり
09:17同じ海辺のその里に
09:20一人は広き別荘に
09:22一人は狭き静谷に
09:26この物語は初遇の決定を申し渡します
09:32大丸内の
09:37待ってください
09:37君ここは審判中は立ち入り禁止だよ
09:43すいません
09:43殿下
09:44向井殿下何もかも剥除したもんですか
09:47ああ 俺はたけしに頼まれてよ
09:50銃で千鶴子を脅迫してたんだ
09:53もし千鶴子が逃げたら
09:55撃ち殺すつもりだった
09:57ハンジさん
10:00これでも千鶴ちゃんは有罪ですか
10:03詳しく読んで検討させていただきますが
10:07ここに書かれていることが事実だとすれば
10:11少年院ということはありえないでしょうね
10:15大丸さん
10:18よかったですな
10:20千鶴子
10:24やがて千鶴子は民間歩道施設を経営している和歌山に身柄を託され
10:32試験観察処分となった
10:35釈放されたのである
10:36だが千鶴子の心はあくまでも暗かった
10:39言うまでもなく正人と忍の婚約によって
10:43あまりにも深く心が傷ついていたのである
10:46千鶴子くん
10:57保護観察というのは
10:59君の今後の様子を見て処遇を決めるということだ
11:03万一君が何か事件を起こせば
11:07家庭裁判所はいつでも君を少年院送りする権利を留保している
11:12これは君にとって
11:14寛大な処置であると同時に厳しいテストでもある
11:19君も頑張らない
11:22お前さっきから何を書いてるんだ
11:25勘別書では私の真理を調べるとかでよく絵を描かされたわ
11:31こんな絵よ
11:34何だそれは
11:39いくら忍が憎いと言っても程がある
11:43長い間隣内城に入れられて
11:49帰ってきたら正人さんは忍の婚約者だなって
11:58私はこれから何を支えに来たらいいの
12:01怖い
12:03怖い
12:04怖すぎるわよ
12:10チズちゃん
12:12悪いのは僕だ
12:14忍さんとの婚約も僕が言い出したんだ
12:18汚い心がありだと僕を下げすんでもいい
12:21だけど
12:23忍さんを憎むのだけはやめてくれ
12:26チズちゃん
12:27頼む
12:29いや
12:30責任は私にある
12:32正人も忍も私の命を救おうと思って婚約したんだ
12:37千鶴子
12:39それを分かってやってくれ
12:41マサトさん
12:50私たって立ち直りたいわ
12:52これからも力を貸してくれる
12:55ああ
12:56僕にできることがあったら何でもするよ
12:58ありがとう
12:59ありがとうマサトさん
13:02こんにちは
13:04お姉さん
13:07何しに来たの
13:09お父さんのお見舞いよ
13:11それがどうかして
13:17そう
13:18千鶴子さん帰ってきてるのね
13:21ダメよ
13:22今言ったらダメ
13:23何で私が逃げなきゃならないの
13:25私はマサトさんの婚約者なのよ
13:28お姉ちゃん
13:35忍さん
13:39来たね
13:42泥棒猫
13:51マサトさん
13:53そんな人は相手にしないで向こうに行きましょう
13:55コーヒーでも入れるわ
13:56ちょっと
13:57マサトさんがいつも使ってるあのコーヒーカップ
14:01どこで買ったものか知ってて
14:03コーヒーカップ
14:05あれは3年前に私が選んであげたのよ
14:09そんなことも知らないで勤まるとは
14:11婚約者も楽ね
14:12愛は順番じゃないわ
14:14順番
14:15私はあなたよりも遅れてマサトさんを愛してだけよ
14:19でも愛の強さはどうかしら
14:21強い方をマサトさんは選んだわ
14:23シノブ
14:27いい気になるんじゃないよ
14:29殺してやる
14:31やろう
14:33やろう
14:37しずちゃんやる
14:42ゆずに
14:43離せよ
14:44しずちゃん
14:45やめて
14:46しずちゃん
14:47しずちゃん
14:48しずちゃん
14:49しずちゃん
14:50しずちゃん
14:51しずちゃん
14:52しずちゃん
14:53しずちゃん
14:54しずちゃん
14:55しずちゃん
14:56病気の中を
14:58頻繁にまで行ったお父さんのことを忘れたのか
15:01ひらむ
15:04お前もお前だ
15:06苦労して帰ってきた千鶴子に
15:09なぜおかえりなさいの一言ぐらい
15:12ねぎらってやれないんだ
15:14あんたたちは兄弟同様の生まれじゃないの
15:18何がどうなろうと
15:20悲し争いだけは良しとくれ
15:22人類皆兄弟かい
15:24人類を愛するのは簡単だけど
15:26目の前の奴を愛するのは難しいよ
15:29特にこいつはね
15:31しのぶ
15:33マサトさんはきっと取り返してみせるよ
15:36しずちゃん
15:39あ、マサトさん行かないで
15:41このままではまたちずちゃんは自分をめちゃめちゃにしてしまう
15:44ほっとくわけにはいかないんだよ
15:46マサトさん
15:48お姉さんがいけないよ
15:50マサトさんの愛を奪ったことを先にわびるべきなのよ
15:53何とでも言いなさいよ
15:55人が人を好きになってなぜいけないの
15:58苦手だよお姉さん
16:01どうしてそう変わっちゃったの
16:05何だよ俺に見せたいものがあるって
16:10何だよ俺に見せたいものがあるって
16:24あれさ
16:32千鶴子
16:34さすがは大丸のとこで育った娘だ
16:37店に来たと思ったらあっという間にナンバーワンさ
16:40一応
16:42早くしないと売れちゃうよ
16:44何がだ
16:46ほかぼれなんだろう
16:48何するなら早いとこしないと他の客に売れちゃうってことさ
16:52お袋
16:53俺と千鶴子をくっつけて大丸から金を引き出したいんだろ
16:56バカ
16:57あの子が自分で勝手に来たんだよ
17:01私をあんたの母親とした上でね
17:05お袋の魂胆は読めてる
17:09お断りだわ
17:10話にならないね
17:12さっさとおかえり
17:22今日は愉快だな
17:24キルちゃん
17:27何度言ったらわかるんだ
17:30先にタバコに男
17:31そんなものに首輪で使った生活が君には楽しいのか
17:35帰るんだ
17:36とにかく一度お父さんのところに帰るんだ
17:41そんなに長々言わなくたって
17:44マサトさんが一言言えば私は帰るよ
17:48何をだ
17:51愛している
17:53その一言さ
17:57言えないよね
18:01言えるわけないよね
18:04忍ぶを悲しませたくないもんね
18:09帰ってよ
18:11千里ちゃん
18:14帰ってよ
18:18え?
18:20千里ちゃんに当分会うな
18:23どうして千里子があんなに連れなくしたか
18:26その気持ちがわからねんな
18:27お前を忘れようとして苦しんでるからじゃない
18:33会えば会うほど千里子が傷つく
18:36しばらくの間そっとしておいてやったほうがいいんじゃないか
18:39断る
18:41何?
18:43お前忍ぶと婚約しながらまだ千里子に未練があるのか?
18:45違う
18:48千里ちゃんがこうなったのは僕の責任だ
18:51千里ちゃんのことは僕に任せてくる
18:53大きな口叩きやがった
18:55龍智女でだって俺がいなきゃお前なんぞに何ができた
18:59そのことの礼なら言ったはずだ
19:01そうか
19:03何だ?
19:04こんなことは言いたくないが
19:06君は千里ちゃんが好きだ
19:08千里ちゃんのそばに僕がいれば
19:10君には目ざわりな
19:12アウナとかなんとか言って
19:15僕を遠ざけるつもりだろ
19:17君も結構汚いな
19:19汚いとは何だ
19:21この野郎妙な勘ぐりしやがって
19:24好きか
19:26行きか
19:40佐藤さん
19:43佐藤さん
19:47佐藤さんしっかりして
19:49大したけがじゃねえ
19:51手加減はしといた
19:53これで手加減?ひどすぎるわよ
19:57なんだやっぱり忘れられねえのかマサト
20:02忘れるさ
20:04こいつとは今から道であっても赤の足りだよ
20:07じゃあそこまで付き合ってもらおうか
20:08おふくろの悪口は言いたかねえが
20:24あれは金のためならあんたに何をするか分からねえ女だ
20:27今すぐやめたほうがいい
20:29今すぐやめたほうがいい
20:31レネーと辛いことになるぞ
20:33ありがとう
20:35でもやめないよ私
20:38その方が胸のつらさが紛れるか
20:41静子
20:45無理するな
20:47お前の顔には悲しみがたまりすぎてる
20:50思いを全部吐き出ししない
20:53俺に言うんじゃねえよ
20:54あの月に向かって言うつもりでよ
20:57私ねえ
21:10昔マサトさんと一緒にいた頃は
21:13そばにいるのが当たり前だと思ってた
21:19だけど
21:21遠く離れて
21:23あの人とシノブが婚約してから
21:25恋しくてたまんないんだ
21:28変だよね
21:34
21:36人を間違えたのかな
21:42もしかしたらマサトさんよりあなたのほうが優しいのかもしれない
21:46バカ野郎
21:48俺が優しかったら今まで生きちゃいねえよ
21:51本当に優しい奴は赤字にするんだ
21:53分かってる
21:56こないだだってみちおさん
21:58私のために留置場にまで入ってくれたんだってね
22:01だけど私は
22:03そうまでしてもらえるほどの女じゃないんだ
22:04私が今何考えてるか分かる?
22:08しのぶがぽっくり死んじまえばいいと思ったら
22:11そしたらマサトさんは私のところに帰ってくるって
22:13静子
22:14もっとも
22:16向こうも同じだろうけどね
22:18でもたぶん
22:20私の負けだよね
22:22だって向こうは公約までしてるんだもん
22:23向こうも同じだろうけどね
22:27でもたぶん
22:29私の負けだよね
22:31だって向こうは公約までしてるんだもん
22:34死にたいよ私
22:36
22:56静子元気だぜよ
22:59俺はな
23:01お前をずっと
23:25どうかしたの
23:27何でもねえ
23:28一走りしたくなっただけよ
23:31俺は来たねえ
23:36忍にマサト奪われて
23:38落ち込んでる千鶴子の弱みにつけ込んで抱こうとするなんてよ
23:43俺は来たねえ
23:48忍にマサト奪われて
23:51落ち込んでる千鶴子の弱みにつけ込んで抱こうとするなんてよ
23:54男のすることじゃねえ
24:00俺が好きなのは
24:03誰よりもシャキッとした千鶴子なんだ
24:05お前は千鶴子さんとは一緒になれないよ
24:12
24:14男と女は
24:16大抵寂しさとか心ぼしさとか
24:20お互いの弱みにつけ込んで一緒になるもんなんだよ
24:22お前にはそれができない
24:25そんな勝負んだよ
24:27じゃあ俺にどうしろって言うんだよ
24:30どうすれば千鶴子を忘れられるんだ
24:33お前にはこれがあるじゃないか
24:37ゴールドラッカー仕上げのこのペットで
24:38お前の魂の音色を響かせるがいいよ
24:42さあ
24:44むごい注文だぜ
24:46ペットを捨てた俺に魂もヘチマもあるかい
24:50ライブで吹くんじゃないよ
24:52自分で自分を励ますために吹きな
24:55ライブで吹くんじゃないよ
24:57自分で自分を励ますために吹きな
25:22おっ
25:25どうしたよ
25:29ペットが思い出させてくれたぜ
25:32俺は所詮悪だ
25:35悪に戻れってよ
25:37道よ
25:39生地千鶴子のためにと人助けをしてきたばかりに
25:42俺はどっかで道を間違えたんだ
25:46俺の定めは一人で生きて
25:48雨の夜裏待ちのどっかの道具で一人くたばれはあるよ
25:51そんな女に惚れられようと
25:57つい寒しい根性を出したばっかり
26:00お笑い草じゃねえかよ
26:03フフフフフ
26:07フフフフフフフフフフフ
26:10人助けなんて俺の柄じゃねえ
26:12コンディンザイ千鶴子がどうなろうと知ったことか
26:16それでいいんだ
26:18me
26:33マスコさん しのぶさん
26:37また 静子さんに会いに行くのね
26:42いったはずじゃない 今引き戻さなければ
26:46チズちゃんはこの薄え覚えれたネオンのドラ沼から這い上がれないんだ そんなことになったらたとえ僕らがチズちゃんを忘れて一緒になったところで後でずっと
26:55後悔する 地図ちゃんの幸せがないか
26:59僕らの幸せもまたないんだよ そうだろう
27:07何のために婚約したのかしら シナブさん
27:12婚約したからといって 誰一人心から祝福してくれる人はいない
27:18みんな私が 静子さんからマスとさんを奪ったと
27:22腹の中では非難しているのよ
27:26そのあなたまでが 毎日毎日静子さんが会いに行く
27:31ねえ もう会うのはやめてちょうだい
27:35シナブさん 今君に思い合ってほしいのは
27:39チズちゃんの心の傷の深さなんだよ
27:42僕らはチズちゃんの心に
27:44死ぬほど深い傷を与えてしまったのには違いないんだ
27:48ほっとくわけにはいかないじゃないか
27:50じゃあ私の心の傷はどうなるのよ
27:53いっそくチズ子さんを殺して 私も死にたい
28:02シナブさん
28:05待てよ 待てよ
28:07待てよ 待てよ
28:08待てよ 待てよ
28:09待てよ 待てよ
28:10待てよ 待てよ
28:11待てよ 待てよ
28:13シナブ
28:14良かった 助けてくれ
28:15なあ 声援一回してくれ
28:17お父さん
28:18なあ
28:19俺もなんとかマジに働こうと思ったんだけどよ
28:22この年やあおいすると雇ってくれるとこなんかありやしねえ
28:25それでもうとんになく腹がいちまってよ
28:27ついその無精神ってことに
28:29おめえマサトさんと婚約して
28:31幸せな小身分だそうじゃないか
28:33え?なあ
28:35千円なんとかしてくれよ 頼むよ
28:37お父さん
28:38私今それどころじゃないの
28:40それどころじゃ
28:41あ?
28:42おい シナブ
28:44おい
28:45おい
28:46おいしてくれんだよ
28:47早いよ 何とか
28:48警察 警察
28:49警察
28:50警察
28:51警察
28:52警察
28:53警察
28:54警察
28:55警察嫌いなんだよ
28:56待て 助け
28:57あ 静子
28:58あっ
28:59これだけあれば足りるでしょ
29:02この人は話してやってくれない
29:04はい
29:05どうも
29:06おいか
29:07これから気をつけろよ
29:08おい
29:09静子
29:10おめえなんて俺を
29:12憎いからさ 忍が
29:16憎い奴とは反対のことをしたくなるものよ
29:21ああ
29:27だいぶいいようだな
29:30ああ だが心が晴れ
29:33あの子たちがいつそういう事件を
29:39あの二人が恋にうつつを抜かして
29:43自分を見失うとは何とることだ
29:47しかし 青春時代の恋が愚かだと笑えるか
29:53俺たちだって今思い出しても思わずわーっと声を上げ出したくなるような
29:59愚かな恋の思い出があるはずだ
30:01じゃあ 憎み合ってる千鶴子と忍を放っておけていいのか
30:06いや 俺は二人を合わせようと思う
30:10それも毎日だ
30:11冗談じゃない
30:12あの子たちは ついこの間も俺の目の前で
30:17浅ましい殴り合いをしたんだ
30:18下手に顔を焦れば 相手を殺しかねえ
30:23会わなければ 憎しみは減るか
30:27いやそれは 会わなければ憎しみは募るものだ
30:32俺は合わせることの方にかけてみたい
30:36そして人生には 恋以外に大切なことがあることを示して
30:41それに打ち込ませたい
30:42大丸 二人のことは俺に任せてくれないか
30:48分かった 若山 頼む
30:56こんなところに用はないわよ
31:00どうしたんですか 先生 これ
31:06前に信者の人に寄贈してもらったんだからね
31:09教会には不似合いなもんだから ずっと倉庫にしまったんだ
31:12ああ 君も来る
31:19来なさい
31:22いいかね
31:27私は今日から暇を見て 君たち二人に太鼓の修行をしてもらう
31:35先生はこのエリカ君だ
31:38エリカ君のお父さんは 若くして亡くなられたが 和太鼓の名刺でな
31:43エリカの稽古は厳しいぞ
31:45一つだけ約束してください
31:47約束?
31:48私が先生の命令に従っても その間 千鶴子さんが増田さんと会っていたら
31:54千鶴子さんも会わないと約束しなければ 私は太鼓以内に打ち込めません
31:58私だってそうだよ
31:59よし 約束だ
32:02二人とも増田君のことは忘れて お互いの憎しみを太鼓にぶつける
32:07私も心を鬼にしてしごいてしごいて しごきまくるぞ
32:12よーん
32:17ほー
32:19よっ
32:21よっ
32:22よっ
32:23よっ
32:26ゆう
32:30これが勝負よ
32:36さあ 千鶴子さん やってみて
32:38さあ 構えて
32:45よーす
32:49なんだよ
32:54さあ 今度は君の番だ
32:58和歌山は和太鼓という手段を通じ
33:04憎しみ合いの曲にある二人の心を
33:06なんとか結びつけようとしていた
33:09だがその試みは容易ではなかった
33:11よーす
33:14だめだめ
33:16もっと息を合わせて
33:17聞こうが悪いんだよ
33:19何言ってんだ 気に合わせられるか
33:22何へ
33:23何遍言ったらわかるんだ
33:25相手を責める前にまず自分を振り返れ
33:28自分に至らない点がないかどうか
33:31聖書にもあるじゃないか
33:33何時の敵を愛せとな
33:36そんなの不可能だよ
33:37イエス様もバカなこと言ってるよ
33:40じゃあなぜそのバカな言葉がこの2000年
33:43人類に感動を与えてきたんだ
33:45一見不可能な言葉だけが
33:48人を明日に引っ張っていくんだ
33:50そんなことどうだっていいんですよ
33:52私が叩きたいのは太鼓じゃなくて
33:54そいつの横っつらなんだ
33:57何?
33:59やるか
34:00やめろ
34:02やめんか
34:04よっ
34:05よっ
34:08ほっ
34:10よっ
34:14ほっ
34:18音楽
34:48音楽
35:18音楽
35:48音楽
36:18音楽
36:48音楽
37:18音楽
37:48音楽
38:18音楽
38:48音楽
39:18音楽
39:48音楽
40:18音楽
40:48音楽
41:18音楽
41:48音楽
42:17音楽
42:47音楽
43:17音楽
43:47音楽
44:17音楽