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トランスクリプション
00:00自らの生きる道を求めて苦しむ千鶴子と忍を試すかのように
00:15運命は次々と罠を仕掛けてきた
00:18罠に落ちれば千鶴子と忍は永遠に憎しみ合うことになるのである
00:24
00:25千鶴子さん
00:28私弁解はしないわ
00:31私とここで結束をつけるというなら受けて立つわ
00:35千鶴子さん僕は
00:41ワサトさん私はあなたを信じます
00:45あなたは私がどんな馬鹿をやっても私を信じてくれたわ
00:50あなたが信じてくれたから私は今日まで生きてこられたんです
00:54千鶴子さん僕はね
00:55やめろ
00:56千鶴子は許しても俺は許さね
01:00貴様は卑怯だ
01:02わー
01:04貴様は狩らん奴様
01:08やけましい
01:09俺はなあ千鶴子を幸せにできるのはあんたしかいないと思ってたんだ
01:14だから千鶴子は諦めようとしてた
01:16こうなったら遠慮はしねえ
01:18あんたをぶちのめして千鶴子を奪ってやる
01:21やめて
01:22私のためにもう誰にも争ってほしくないの
01:26傷つきあってほしくないの
01:27やるわけにいかねえ
01:29こいつとは決着つけなきゃならねえんだ
01:31道をやめなさい
01:33ゆうこさんあんたを騙ってみててくれ
01:36どうしたの
01:55しっかりしよう
01:59頼め
02:00なんでもねえ
02:04ただちょっと目眩がしただけよ
02:07島田は僕を人質にとって
02:15ゆうこさんと交換しようとしていたんだ
02:18僕はゆうこさんに逃げ延びてほしかったから
02:21隙を見て海に飛び込んだ
02:23私の目の前にマシュトさんがいたんです
02:27泳ぎ疲れて溺れる水前だった
02:30マシュトさん
02:34マシュトさん
02:35マシュトさん
02:36しっかりした
02:37体が冷え切っていて
02:40この日で温めようとしたんだけど
02:42マシュトさんの体
02:44氷のように冷たくて
02:47しのぶさんが
02:49僕の体を体温で温めてくれたんだ
02:57ありがとう
03:02ごめんなさい
03:07俺ん家に誰が
03:25なんで波の音か
03:43両氏が波の音に驚くようじゃ惜しげだな
03:46よくどこに逃げらんか
03:54探せ
03:55探せ
03:56まだこれにいるはずだ
03:58探せ
03:59静子さん
04:02
04:04あなたに優しい言葉をかけられるより
04:06責められた方がいいの
04:08だって私
04:11マシュトさんの体を温めながら
04:13このまま時間が止まってほしい
04:17マシュトさんを永遠に失いたくない
04:20そんなことばかり考えていたの
04:22しのぶさん
04:25誰もあなたを責めることなんてできないわ
04:28だって
04:30だって運命なんですもの
04:34運命?
04:35私もしのぶさんも
04:37私たちの手ではどうにもならない運命のために苦しんできたわ
04:42運命を呪ったり
04:44突っ張ることで逆らってもみたわ
04:47でも私たちは運命から逃れることばかりやってきたんじゃないかしら
04:52お互いに傷つけ合うようなことばかりやってきたような気がするの
04:57確かに人間の力ではどうにもならない運命ってあるわ
05:03でもそのために傷つけ合うのはもう嫌なの
05:07私ね
05:09今もう運命の思う通りにはならないぞって思ってる
05:14これからはたとえ負けても自分の意思で何かを選んでいこうって
05:19千鶴子さん
05:30話は聞いた
05:33どうも俺はちょこちょいでいけねえよ
05:36マサト
05:38すまなかった
05:40田辺
05:42医者に見てもらったほうがいいんじゃないか
05:44そんなやわな体してねえよ
05:46ろくすっぽ寝てねえしろくなもの食ってねえから時たまグラーッとくるだけだ
05:50一晩ぐっすり寝ればスキッとしてしまうよ
05:55優子さん
05:56別荘に戻ろう
05:57あんたこそ休まなくちゃならない体なんだ
06:00別荘はダメ
06:01島田たちが張り込んでるわ
06:04ちくしょう
06:05俺の様子より3日も早いで
06:08ここを鍵つけられるのも時間の問題だな
06:11ここからすぐ逃げ出さなくちゃな
06:14どこかあってはあるの
06:16とりあえず島田の目の届かないところに落ち着いて
06:19それから優子さんのために病院探さねえとな
06:22行こう優子さん
06:24どうしたんだ優子さん
06:28一応
06:30あたしはもう逃げないよ
06:33何バカなこと言ってるんだよ
06:35あんたまた島田のところに戻るつもりなのか
06:37あたしはもう
06:39二度と島田のもとには戻らないわ
06:42だったら急いでくれ
06:43島田はねえ蛇のように執念深い男なの
06:49今までにも何度も逃げ出したわ
06:51でもどこに逃げても島田は必ずあたしを見つけ出してしまう
06:56はじめは決まって優しい言葉をかけてくるわ
07:00泣いたり土下座までしてあたしに帰ってくれと頼むのよ
07:05でもその言葉に渡されて戻ったら最後
07:09今度はあたしを死ぬほど殴りつけるのよ
07:13怖い
07:15島田が怖い
07:17島田から逃げることなんてできやしないわ
07:21優子さんしっかりしてくれよ
07:25あたしはやっぱり島田のところに戻ったほうがいいのよ
07:28何言ってんだよ
07:30何言ってるんだよ
07:32絶対戻らないと言ったり戻ると言ったりしっかりしてくれよ
07:36あたしはあんたたちを巻き添えにしたくないんだ
07:39優子さん
07:41僕たちは誰も巻き添えだなんて思ってませんよ
07:44田辺とあなたの役に立ちたいだけなんです
07:46優子さん
07:48今は島田のことよりもあなたご自身の体のことを考えたほうがいいわ
07:52あなたの体の中から覚醒剤を完全に追い出してしまうのよ
07:56それから先のことはその後に考えたらいいの
08:00優子さんあなたの生きがいは道夫さんを一流のトランペッタにすることなんでしょ
08:05今弱音を吐いてどうするの
08:07優子さん
08:09俺のペットを聞きたくねんのか
08:11守父さん
08:31کرの
08:34りゅうたくていいの
08:38おー!10名のおやつさん、久しぶりで。
08:41ああ、かつかしくて、前へ戻ってきたんか。
08:45まあ、そんなとこで。おやつさん、今でも海へ出てるのかね。
08:50いやー、もう俺も年だでな。息子たちも町へ出てしまうし、どうすべてと思ってるんだよ。
08:57うん。
08:58重作がもし、海へ戻ると言うんだったら、この船、安く譲ってもいいけどよ。
09:05安くってどのぐらい?
09:07うーん、まあ、二百万ぐらいだったら、よかんべてな。
09:12二百万?ああ、そのぐらいの金ながらね。
09:15重作、試しにこの船で海へ出てみたらどうだ?
09:20ああ、東京の風より、潮風の方が何もいいかわかんねえと。
09:26うん。
09:37おやつさん。
09:43おやつさん、このぐらい帰りるぜ。
09:51おやつさん、おやつさん。
09:53おやつさん、おやつさん。
09:59最初は、ゆうこさん。
10:02あ、ゆうこさん。
10:03しもだたちが、ちまなこで探してるぜ。
10:05おとうさん。
10:06なにぐずぐずにしやかんねえ。
10:08見つかっちまったら、こういう際にもんだぞ。
10:10ふく、船が用意してある。ほれ、いそばないかい。ほれ。
10:12いけぬ、島田たちだ。
10:23ゆうこさん、洋服を脱いでちょうだい。
10:25みちおさん、あなたもよ、早く。
10:33あれか、ヘイ。
10:38ゆうこだ、逃がったな。
10:40うさえ、いけぬ、島田たち。
10:55おと、待て!
10:57そられるって、プロット!
11:02おと、
11:07やりやがったな。
11:09戻れ!戻れ!
11:13お嬢さんよ、ここまで苔にされたんじゃ、俺も黙っちゃいないぜ。
11:23春の嵐のその夜中、二人の緑も生まれた。
11:30同じ海辺のその里に、一人は広き別荘に、一人は狭き静谷に。
11:39お嬢!
11:43選んだよ、そりゃ!
11:50え~!ほや!
11:57ミチオさん!
11:59ミチオ、首のり早く!
12:04何だ!
12:07デート!デート!
12:10デート!
12:12デート!
12:34来て止まるか?
12:36おい!
12:37この辺りの友好団体に電力をつけろ!
12:39港に乗り込ませるんだ!
12:41はい!
12:49ユーコが無事に戻らなかった。
12:51あんたたちを言い返したくらいだめ!
12:54大丸の子供手間だ!
12:56大丸の子供手間だ!
13:07ユーコさん!
13:08俺はここまでしかできないけども、うまく家伸びてくれよ!
13:11ありがとう、ユーコさん。
13:12何言ってんだよ!
13:13ユーコさんには散々世話になったやべえか。
13:15俺もよ、海風にあたって昔の気分に戻ったようでよ。
13:19役に立ててうれしいんだよ。
13:20松本さん、礼を後で返す。
13:24忍さん、ありがとう。
13:25ここから先は俺がユーコさんの面倒を見る。
13:27待って、道代さん一人じゃ無理よ。
13:30ユーコさんの落ち着く先が決まるまで、私も一緒に行くわ。
13:33忍さん、これ以上あなたたちに迷惑はかけられないわ。
13:37私も一緒に行きます。
13:39ちょっと待ってよ。
13:43あんたらどこから来たんだろ?
13:45ユーコさん、早く!
13:50お前やろ!
13:52乗るんだ、早く!
13:54危機!
13:57行け、行け、行け!
13:59早くしろ、早くしろ!
14:01お父さん!
14:03お父さん!
14:13おばさま、千鶴子お姉さんから何か連絡はあったでしょうか。
14:16さっきからマナズルの別荘に電話してるんだけど、千鶴子さんも誰も出ないの。
14:21どうなってるのかしら。
14:23先ほど忍さんに電話してみたんですけど、忍さんも出ないんです。
14:28忍さんも?
14:30あ、奥様、旦那様です。
14:37お帰りくださいませ。
14:39お、ノリコ、何か連絡があったか。
14:42はなった。
14:43マサトさんばかりか。千鶴子さんも忍さんも消息を絶ってしまったんですもん。
14:47何?千鶴子と忍も?
14:49きっとマナズルで暴力団に捕まったに違いありませんわ。
14:53だからあんな世界の人間と関わりを持つなと言ったのに。
14:57いや、マサトも千鶴子も忍も、田辺君と優子さんのことを放っておけなかったんだろう。
15:04おじさま。おじさまの力でみんなを助けてください。
15:09大丸様、あなた、静子さんも太鼓さんも心配で駆けつけてくれましたのよ。
15:14分かった。
15:16こうなったら、私の一番嫌いなことだが、やらねばならんだろう。
15:21手島くん。分かっております。
15:26失礼します。
15:32ああ、こちらは南部開発の大丸ですが、南原会長をお呼び願いたい。
15:39あなたはあなたを殴り殺すぞ。
15:52あなたはあなたを殴り殺すぞ。
15:54優子は俺の女だ。王力団組長の丈夫なんだぞ。
15:58そんな女に命を賭けようってのか。
16:01何の得があるってんだ。
16:03あんたら仇だろ。
16:05仇だがもっと利口の生き方をしたらどうなんだよ。
16:08話せば命は助けてやる。
16:10ここから東京へ返してやると言ってるんだ。
16:13お前に屈服するぐらいなら、死んだほうがましよ。
16:17何だと。
16:19そうかい。
16:21それじゃあお望みどおり、二人そろって海の底へ沈めてやろうか。
16:25島だ。
16:27少しは考えたらどうだ。
16:29あんたたちは暴力で人を殺すことはできるだろう。
16:32しかし人間と人間の間の目に見えない関係を大切にして、温かくて大きな愛の世界を築いていくことは決してできやしない。
16:40人間として恥ずかしくないのか。
16:43あたたかくて大きな愛の世界だ。
16:46はは。笑わせてくれる?
16:48ははは。
16:50本気で笑わせてくれるぜ。
16:52ゆうこさんが逃げるのも無理はないな。
17:04もしもし。
17:06あ、一代組の組長さん。
17:09南原会長から電話が入ってますね。
17:12南原会長から。
17:14はい。島田ですか。
17:16はい。
17:17はい。分かっております。
17:19あれは。
17:23組長。
17:24いて。
17:25あんたたち。
17:27ここから出てってくれ。
17:29あんたたちの親衛さんが動いたんだよ。
17:32さすが財界の大建物だ。
17:35電話一本で政治家も暴力だ。
17:37もう慌てた。
17:38頼むから今日のことはなかったことにして、時計戻ってくれ。
17:42俺たちの世界のことは忘れて、二度と近づかないでくれ。
17:47あんたたちにこれ以上関わると、俺が消されちゃうんだ。
17:51あの子たちどうなるんでしょう。
18:02これから先のことを考えると、不安でたまりません。
18:06ノリコ。
18:08私たちにできることは何でもやろうじゃないか。
18:11その上で、あの子たちの幸せを祈ろう。
18:16ええ。
18:17私もそう思ってます。
18:27マサトさん。無事だったのね。よかったわ。心配してた。
18:31え?千鶴子さんも一緒なの?忍さんは?
18:35忍さんは今田辺たちと一緒に行動してます。
18:38今千鶴ちゃんに帰ります。
18:42もしもし千鶴子です。ご心配かけて申し訳ありません。
18:47千鶴子さん。あなたたちはすぐ東京に戻りなさい。
18:50暴力団などと関係してはいけません。すぐ戻りなさい。
18:55千鶴子か。私だ。いや無事でよかったな。忍も無事なんだな。
19:02千鶴子さんは道夫さんと優子さんと一緒に豪羅渓谷の湯本温泉旅館に向かってると思います。
19:09私たちそこで待ち合わせることにしてるんです。
19:12お父様。私は優子さんの無事を見届けたら、忍さんと一緒に東京に戻ります。
19:19千鶴子さん。お願いです。私たちを信じてください。
19:22わかった。お前たちを信じて待とう。千鶴子。くれぐれも危険なことをしてはいかんぞ。
19:30はい。約束します。
19:33約束します。
20:03お友達の方がお見えになりましたよ。
20:10おい。やったじゃんかよ。
20:14よかった。
20:15なかなか似合うじゃないか。お前こそ。明かしとけよ。
20:19笑贅任。
20:22大丈夫ですか。
20:25ありがとう。
20:27良かった。
20:29それでも安心だよ。
20:30よかった。
20:37お友達。
20:39お願いします。
20:40お迷惑おかけいたしました。
20:44このお礼は必ずお返しします。
20:46そのとお野郎でねぇ。
20:48落とした先をどうしても吐かねんですよ まずもと
20:53どういう風の来ました 俺は死んだって言わねえぞこれだというもんか
21:00だからこのも信じまえいやー 高校のせい
21:05このせい カラーシャル
21:09くっ 松本
21:12ここでくたわるが 税にを設けるか
21:16賢い道を選びなよ
21:20どっちにする
21:28あった
21:32おやったぞ
21:37言うございません
21:39どうなった 今本病院の院長先生が優子さんを引き受けてくれると約束してくれたよ
21:45優子さん 島田たちもここまで終わって来ないわ
21:48安心して体を治してくださいね ここなら空気もいいしきっと良くなるわ
21:53ありがとうみんな こんなにしてもらって
21:57あたしも頑張って今度こそ覚醒剤を体から追っ払ってみせるわ
22:03俺ももう復讐はやめな
22:07優子さんのためにも本気でペットと取り組まねーとな
22:12たらべ その言葉待ってたぞ
22:16恨みを完全に忘れたわけじゃねぇ
22:19道をたん その生きがりももうやめたら
22:23きついなぁ
22:27もう少し秋が深まると素晴らしい紅葉が見られるわよ
22:31私たち毎年秋になると決まってここに来ていたの
22:34もみじ狩りをしたりキノコ取りをしたり
22:38あと1ヶ月もすれば優子さんもすっかり回復する
22:41どうだろう
22:42その頃にここにもう一度みんなで集まって
22:44キノコ取りをもみじ狩りしねーか
22:46それはいいなぁ
22:47優子さんの展開祝いだ
22:49ははははは
22:51ははははははは
22:59辛いばかりが人生じゃねーもんな
23:01うん
23:07たなべ
23:08それはお前にも当てはまることだ
23:10この野郎
23:12俺お前に言ったんだよ
23:14くれるなよ
23:17ハッハ
23:18ハッハ
23:19それはお前にも当てはまることだ
23:22この野郎
23:24俺はお前に言ったんだよ
23:26くれるなよ
23:28300万くれるってのは嘘じゃねーんだろうな
23:31え?
23:32洋が済んだらズドンってのはそりゃあないぜ
23:34ユーコが戻れば300万なんて安いもんよ
23:41
23:42ちょっと病院を探してくれ
23:43
23:44腹が痛くてどうにもならねーよ
23:46
23:47ケビオ使って逃げる気か
23:48え?
23:49ケビオなほんかい
23:50一晩中めちゃくちゃにぶなぐらえたんだぞ
23:52腹の中が火事場になってんで
23:54
23:55苦しい
23:56ああ死にそうだよ
23:57ちょっと帰った
23:58あいつも
23:59あいつも
24:00あいつも
24:01ユーコさん
24:02あの建物があなたが入院する湯本病院よ
24:05入院するのは明日からと話してありますから
24:08今日は院長先生に挨拶だけしときましょう
24:10ええ
24:11何から何まですいません
24:13ユーコさん何も心配するなよ
24:15入院費用は全部ここに用意してあるからさ
24:17道よ
24:19何か
24:24あいつも
24:25あいつも
24:26何か
24:27あいつも
24:28すげー
24:29しながら
24:31あいつも
24:32わかり
24:34ああああああああああああ 病院を置いてきもるずいかー
24:40デルを置いていくぞ
24:44ええええ 税には欲しいけどよいいのちゃってもんだけだ
24:52me
24:55ご視聴ありがとうございました
25:25その前の道をあなたに話しておきたいことがある
25:30あなたたちも聞いてください
25:33あたしの弟がどんな風に生きてどんな風に死んだか
25:39みんなにも知ってほしいのよ
25:41わかった
25:42さあ
25:55あたしとりょうは二つ違い
26:01浅草に生まれたのよ
26:04父はバスの運転手をやってたんだけど
26:08脳も打つ顔の三拍子揃った男で
26:11うちでは夫婦喧嘩が絶えなかった
26:13あたしが小学校5年
26:17弟が3年の時に
26:19父と母は離婚することになって
26:22あたしが父のもとに
26:25りょうは母の生まれ故郷の福島へ
26:28別れて暮らすことになった
26:31父は仕事を辞めて叫びたりになり
26:58あたしは何度も家出を繰り返してあげく
27:02気がついたら浅草市のズベコーになっていた
27:06なんだよ
27:11もんかあんのかよ
27:12やけになるんだし
27:14怖いもんなんてなかった
27:16目いっぱい悪くなって
27:18父さんやあたしを捨てた母さんに復讐してやるんだと思ってたからね
27:22仲間や暴力団にちやほやされるのが嬉しくて舞い上がってたよ
27:27それが電柱の罠だなんて少しも考えなかった
27:31ゆっこ次の店に行こうよ
27:33OK ギンギン行こうよ
27:35行こうよ
27:37あれ?みんなどうしたんだよ
27:42いいからいいから
27:43どこ行くんだよ
27:45面白いとこ面白いとこ
27:47ユコ
28:02明日から働いてもらうぜ
28:05ふざけんじゃねえよ
28:07こんなことで私を女にしたと思ったら大間違いだよ
28:10馬鹿
28:11分からねえ野郎だな
28:13お前
28:15ああ
28:16あぁ
28:17あぁ
28:18あぁ
28:19あぁ
28:20あぁ
28:21あぁ
28:22あぁ
28:23あたしは
28:25私は暴力団の男に瀕死の重視を負わせて
28:30殺人未遂罪で逮捕された
28:32少年院に2年間入院し
28:36そこを出た時は二十歳になってた
28:39二十歳になれば少しはマシな人間になってるはずなのに
28:44私は浅草時代よりも
28:48もっとどうしようもない女になってたんだ
28:55私は六本木の深夜スナックで働いてたんだけど
29:08そこはズベコーたちの溜まり場で
29:12昼日中から酒を飲んで
29:14掛け事をするような地堕落な生活を送ってた
29:18またゆこの家の病気始まったよ
29:20うるせえな
29:21地堕落な生活に満足してたわけじゃないの
29:25こんな生活はやめなければっていつも思ってた
29:29そのきっかけがつかめなくて
29:31その頃の私はいつもイライラしてた
29:35飯でも食いに外に出ねえか
29:38こんなところにくすぶってるとカビが生いちまうぜ
29:42うるせえな
29:43男はうんざりだよ
29:45ねえみんな今からカラオケ大会でも始めようぜ
29:49よしやろうやろう
29:5115、16、17と
30:01あたしの人生暗かった
30:07過去はどんなに暗くとも
30:14夢は夜開く
30:18赤く咲くのは消しの花
30:25島だな
30:27その頃からあたしを狙って毎日通ってきてたんだけど
30:32あたしは相手にしなかった
30:35あたしは心の中でずっと一人の男を待っていた
30:40あたしを泥沼から連れ出してくれる男をずっと待っていた
30:45ゆうこ姉さん
30:58りょうです
30:59迎えに来たよ姉さん
31:01りょう
31:02ほんとにりょうなの
31:04探したんだよ姉さん
31:07半年間ずっと姉さんを探してたんだ
31:10りょう
31:11りょう
31:12ほんとにりょうなんだわ
31:14だってちっちゃいときの顔そのままだも
31:17ねえさん
31:31ぼくのから
31:31きれいにしてるじゃない
31:39母さん半年前に死んでたんだ
31:47母さん
31:49病気だったんだ
31:51母さん死ぬ間際まで姉さんのこと心配してた
31:55裁判所で決めたことだけど
31:57なんとしてでも姉さんも福島に連れてくるべきだった
32:00いつもそればかりだった
32:03母さんの最後の言葉を伝えるよ
32:20ゆうこ
32:22ゆうこ
32:23許して
32:24そう言って母さんは息を引き取った
32:27前方打ったんだけど
32:35あの人は別の人で暮らしてるみたいだね
32:38あんな奴関係ないよ
32:40りょう
32:43あんたまだ高校生のはずだよね
32:46一人で東京に出てきたのはなぜなの
32:49母さんも僕も厄介者だったんだ
32:53そんな
32:55あんたたちは幸せだとばかり思ってた
32:58姉さん
33:00僕はトランペッターになろうと思って福島に出てきた
33:03トランペッターに
33:05福島に転校してからさ
33:08ずっと吹奏部に入って
33:10トランペッター不一つなのぜ
33:13県大会で優勝したこともあるんだ
33:35涙が溢れて止まらなかった
33:44りょうのトランペットは涙とともに
33:48私の心の中の泥沼笑い清めてくれたんだ
33:52姉さん
33:58僕酒場でアルバイトしながらペットの勉強してるんだ
34:01姉さんよかったら僕の働いてる店に来ないか
34:04僕がマスターに話しておくよ
34:06りょう
34:08今日から姉さんが働くよ
34:10お前はトランペットの勉強に専念しておくれ
34:16お待ちどうさま
34:20はい
34:22はいどうぞ
34:34私たちの店に顔を出すようになった
34:44しつこく私を誘い出そうとしたけど
34:48私は
34:49りょうを一流のトランペッターにすることで頭がいっぱいだった
34:53どうぞ
34:55どうぞ
34:57どうぞ
34:59お待ち
35:01お待ち
35:02お待ち
35:03お待ち
35:05お待ち
35:07すまねえなりょう
35:08りょう
35:10こんな男にお金なんて渡すことないじゃないか
35:12こんな奴父親でもなんでもないんだよ
35:14二度とあたしたちの前に顔を見せるじゃないよ
35:16今度来たらあたしがぶちのめして
35:20姉さんそんなことを言うなよ
35:34僕たちの父さんじゃないか
35:36お姉さんそんなこと言うなよ僕たちの父さんじゃないか リョーお前はこいつを恨んじゃいないのか
35:42恨んでなんていないよ 辛い目にあったけどこの人がいなかったら僕は生まれてなかったんだ
35:48お父さんはお父さんだもん リョー
35:50あんたって人は お父さん元気で暮らしてください
35:55困ったことがあったらまた連絡してくれていいんですよ
36:00食うだけでも 精一杯なのにリョーは
36:04恨みも忘れて父親を助けようとした そんなリョーの優しさが
36:10いつの間にかトランペットの音を通して 多くのファーを惹きつけ始めていた
36:34リョーは一流トランペットの道を歩み始めていた
36:41リョーは一流トランペットの道を歩み始めていた
36:46リョーは一流トランペットの道を歩み始めていた
36:58私 店によって今日は休ませてもらうわ
37:04リョーがメインのライブだもん
37:06待ってるよ 姉さん
37:06今日は姉さんのためにの最高の音だすよ
37:09頼むわよ リョー
37:10任せとけ
37:11ゆーか
37:21今日こそ付き合ってもらうぜ
37:24ええええええええ
37:30ブーブーラーは曲げる
37:34ああああああ
37:37持っています
37:40ああああああ
37:43ああああああ
37:46ああああああ
37:51素晴らしい
37:57リョー!!
38:00リョー!!早く逃げて!早く!逃げて!
38:04逃げて!逃げて!
38:07リョー!!早く逃げて!
38:10リョー!!
38:17リョー!!
38:21
38:28
38:30
38:32
38:34
38:36
38:38
38:40そのまま病院に行って治療を受ければ
38:50リョーの命は助かっていたはずなんだ
38:52それなのにリョーはライブに向かって歩いてたんだ
38:59リョーは自分を待っているファンの期待を裏切ることはできなかったんだと思う
39:06千円札を握りしめて自分のペットを聞きに来るファンを悲しませたくなかったのよ
39:13私が駆けつけた時リョーは
39:36私は叫びたかった
39:39やめてリョーもうやめて
39:42でも叫ぶことはできなかった
39:45魂を真っ赤に燃やしてペットを拭くリョーが
39:48誰もこの演奏を邪魔するな
39:51この演奏は俺だけのものだと叫んでるように見えたの
39:55何者にもリョーのペットを止めることはできない
39:59私は金縛りにあったようにただ聞き入るだけだった
40:04そうしたこといる
40:12ierenあたり
40:17ニョー
40:19ニョー
40:21ニョー
40:22ニョー
40:24ニョー
40:26ニョー
40:29ニョー
40:30ニョー
40:33リョー
40:37ミチよ
40:55リョーは自分のためとか恨みのためではなく
41:01もっと大きな悲しみの世界に向けてペットを吹いていたような気がする
41:05悲しみのすべてを引き受けてそれでも生きていくんだって
41:10何かに宣言するためにペットを吹いていたような気がする
41:14ユウコさんもう何も言わなくていい
41:17あんたの弟さんの魂は俺の体の中に飛び込んだ
41:22俺が炎を燃やしてみせる
41:28ありがとうミチよ