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トランスクリプション
00:00マサトさん
00:06愛するマサトを目の前にして熱く胸を焦がす七鶴子であった
00:14だが自分が大丸豪像の真実の娘でないと知った以上は
00:20もう今までのようにマサトの愛に甘えることは許されないのだ
00:25マサトさん
00:30シルチャン
00:32シルチャン
00:34シルチャン
00:37パンが出よう
00:39ダミナよ
00:40ダミナ
00:54信じられない
00:56あんな女に会ったのは初めてだ
00:59あの女だ
01:05信じられない
01:08生きてやがったぜ
01:10生きてやがったぜ
01:15あいつら
01:18あいつら
01:19あいつら
01:21あいつら
01:23あいつら
01:24恥しい
01:27ああああああ
01:31ああああ
01:35ああああ
01:39ああああ
01:43ああああ
01:47やめて
01:49マサトさんもうやめて
01:51あなたは大丸グループの後継者になる人なのよ
01:53そんな狙いの相手にするような人じゃないよ
01:57私のことは忘れて逃げて
01:59ああああ
02:01ああああ
02:03ああああ
02:09シズちゃん
02:11シズちゃん
02:13シズちゃん
02:15マサト兄さん
02:17マサトさん
02:19お願い
02:21私のことなどほっといて
02:23私のことなど忘れてください
02:25バカ
02:27何言ってるんだ
02:29何を言ってるんだよ
02:31君が誰のことやろうと
02:33僕の気持ちは変わらないといつか言ったはずだ
02:35僕は信じないのか
02:39君は僕の婚約者だ
02:41僕の妻になる人なんだ一部じゃ分からないのか
02:45君がどんなに辛いか僕にはよくわかる
02:57だけど今は僕のために生きることを考えてくれ
03:01僕のために死のなんて思わないでくれ
03:03僕と君はここにこうしているじゃないか
03:07僕と君はここにこうしているじゃないか
03:09昔と少しも変わってないよ
03:11そうだろう
03:13そうだろうチズちゃん
03:17僕たちにとって大切なのは
03:19これからどう生きるかってことなんだよ
03:21チズちゃん
03:23チズちゃんしっかりするんだぞ
03:25僕のために勇気を持ってくれ
03:29今ほど辛いかもしれないけど
03:31僕と一緒にダイマル家に戻ろう
03:33いいなチズちゃん
03:35いなチズちゃん
03:53マサト
03:55チズコは渡さめ
03:57貴様
04:05あんた
04:25生きてたんだな
04:27すげえよ
04:29本当にすげえ女だよ
04:31君たち
04:33何をするつもりだ
04:35何をするか俺だってわからねえよ
04:39お嬢さんよ
04:41俺はあんたに惚れちまったよ
04:47俺の女になってくれ
04:49かっ
04:50そんなのこと言うな
04:51ああ
04:53ああ
04:55ああ
04:57ああ
04:59ああ
05:01ああ
05:03ああ
05:05ああ
05:07ああ
05:09それぞう
05:10必ず俺の女にしてみせるぜ
05:12お父様
05:18お父様
05:20チズコ
05:22うじでよかった
05:23さあ家へ帰ろう
05:24私と一緒に家へ帰るんだ
05:26お前は私の娘だ
05:28お父様
05:30チズコさん
05:32あなたはたくしの子なのよ
05:34お母さんの子なの
05:36お母さん
05:38誰が何と言うと
05:39お母さんの子なのよ
05:40お母さん
05:42お母さん
05:47行こう
05:48お母さん
06:18マサトさんよ
06:24チズコは
06:26マナズルミサキから海に身を投げたぜ
06:29チズちゃんが
06:31君が助けてくれたのか
06:33そんなことはどうでもいい
06:35木ぐらいの高い女だとは分かっているが
06:39シンピラに襲われたぐらいで死を選ぶなんて普通じゃねえ
06:43チズコに何があった
06:47何もあるものか
06:49チズちゃんはそういう女なんだ
06:51それが分かったら
06:53二度とチズちゃんには手を出さないでくれ
06:56チズコ
07:16チズコ
07:18マサトさん
07:20どうしたんだ
07:24お父さん
07:26チズちゃんは
07:28あの絶壁から海に身を投げたそうです
07:30何だって
07:32チズコさん
07:34チズコさん
07:36チズコさん
07:37あなた
07:38あなた
07:40あなた
07:42チズコさん
07:43チズコさん
07:44あなた
07:46ちゃん
07:48焼き
07:50あなた
07:51
07:52
07:56タイちゃん!タイちゃん待ちなさい!
08:04タイちゃん!何してんの!
08:07タイちゃん!
08:09タイコ!
08:12シノブ様!
08:14タイちゃん?どうするつもりなの?
08:17どうもこうもないわよ!
08:19私は太陽県に行ってお母さんのことを聞き出すつもりよ!
08:22お母さんを見つけ出して一緒に住むわ!
08:26タイちゃん!
08:28お姉ちゃんは大丸家の娘なのよ!
08:30本当のお父さんとこの屋敷に住んで幸せになって!
08:34何言ってんの!
08:36私ねタイちゃん!
08:37私はこの屋敷に住む時にはないと思っているの!
08:42お嬢様が無事に戻ってきたら
08:43私もお母さんを探して一緒に住もうと思っていたのよ!
08:46お姉ちゃん!
08:48千鶴子さんのためにそんな風に思うなんてナンセンスよ!
08:51だって千鶴子さんは…
08:54言わないで!
08:56今一番つらいのは千鶴子お嬢様のはずだもの!
09:01それにねタイちゃん!
09:03私お母さんのことが気がかりなの!
09:06お母さん手術したばかりの体で無理して働いてるのよ!
09:11そんなお母さんをどうして私がほっとけるの?
09:14千鶴子様!
09:28千鶴子さん!
09:29タイちゃん!
09:30千鶴ちゃんは無事だったよ!
09:39千鶴子…
09:40ご視聴ありがとうございました
10:10千鶴子をどうぞ幸せにしてくださいます
10:40春の嵐のその夜中
10:42二人の緑も生まれたり
10:46同じ海辺のその里に
10:49一人は広き別荘に
10:51一人は狭き静谷に
10:55千鶴子
10:58入るよ
11:00その夜豪造は
11:22父親としての
11:23偽らざる心情を
11:25とろしつつ
11:26幼子に
11:27コンコンと悟すように
11:28話し始めた
11:29だがひとたび
11:31凍てついた千鶴子の心を
11:32溶かすことは
11:33容易なことではなかったのである
11:35その夜
11:37雅人と範子はもちろん
11:39忍と太鼓も
11:40一睡もできなかった
11:41まるで自分たちが
11:43最後の審判を受けるもののごとく
11:45ただしたすれに千鶴子の
11:47心の扉が開くときを
11:49待ち続けたのである
11:50千鶴子
12:12千鶴子
12:17いつまで暗い顔をしているんだ
12:19お前らしくないぞ
12:22大丸豪造の娘は
12:23どんなことがあっても
12:25凛と胸を張って
12:26前へ前へと進まなければならんのだ
12:28お父様
12:33血の繋がりがあろうとなかろうと
12:35お前は私の娘だ
12:38私とお前とのこの18年間の関係は
12:42何ら変わることがないんだ
12:43どうしてそれが信じられるのだ
12:45それが信じられるのなら
12:47お父様はもう生きていけないではないか
12:49お前の成長を唯一の支えにして
12:53お父様は今日まで頑張って生きてきたんだ
12:55お父様はもうしたらないで
12:57お父様の心もわからず
13:00わがままばかり言ってきたのは千鶴子の方なんです
13:02忍さんにも
13:05意地悪なことばかりしてしまいました
13:08ごめんなさい
13:10千鶴子
13:11ごめんなさい
13:12ごめんなさい
13:14ごめんなさい
13:15もういいんだ
13:16もういいんだ千鶴子
13:17謝らなければならないのは私の方だ
13:21お前に本当のことが
13:23知られるのが恐ろしくて
13:25私は嘘ばかりついてきた
13:27私の嘘がお前を一層傷つけてしまったんだな
13:30いいえお父様
13:32お父様が私を傷つけまいとして
13:35どんなにつらい思いをしてたのか
13:37私が愚かすぎてわからなかっただけなんです
13:40千鶴子
13:41忍さんは本当の兄弟になってくれ
13:46忍を妹として迎え入れてくれないか
13:51でも
13:55忍さんは私を許してくれるかしら
13:59許すも許さんもないじゃないか
14:02今日からお前たちは
14:04本当の兄弟になる
14:06仲のいい兄弟になって
14:08二人で私の心を支えてくれ
14:12お父様
14:16分かってくれるな
14:20分かってくれたんだな
14:23二人で私は
14:29私たちも
14:30私に行くべき
14:32私は過去
14:33私は全国など
14:34私たちも
14:36私たちも
14:38私たちも
14:38私たちも
14:43私たちも
14:45私たちも
14:49私たちも
14:51私たちも
14:53
14:57ちょうどいい さあ地蔵
15:04私の娘ならできるはずだ
15:23
15:31みんな聞いてくれん 私は忍を養女として席に入れるつもりだ
15:40認めてくれよなっ
15:45日の分 今日から私をお父さんと呼びなさい
15:51部屋も太鼓さんと一緒に 元の部屋を使うんだ
15:55いいなっ
15:56はい
15:59今日から千鶴子と忍は 本当の兄弟だぞ
16:13何がって言われても 言葉でなんて言わらせないけど
16:17とにかくすげえんです 俺たちが指一本触れられるような女じゃないんです
16:21この馬鹿が 大丸の娘と知ってビビりやがって
16:25なんて サロ
16:29すいません
16:34たけし
16:39日中はどうしたの 一応
16:46ああ あの野郎なら俺が頭に木刀ぶち込んでやりましたからね
16:52今頃はくたばってるかもしれねぇな
16:54そりゃあ
16:55そりゃあ
16:56そりゃあ
17:22みちお
17:23もう
17:28馬鹿たれが
17:30親からもらった彼方を 貯末に扱いやって
17:35ああ
17:37
17:38あいろはめけ
17:39ああ
17:40みてどんな馬鹿なことをしてるのか
17:42分かるのか
17:43ああ
17:46しぶとい野郎だ
17:48森の家だもんだって こんな大けがをすりゃ悲鳴あげるだろうに
17:51みちお
17:52命があっただけでもめけもんだぞ
17:56みちお
17:57みちお
17:58先生からお前のわけは聞いたわ
18:00みちお
18:01みちお
18:03口の軽い神様だぜ
18:05だから何だってんだ
18:07止めたって無駄だ
18:08俺は今ギンギンに燃えてんだ
18:11みちお
18:12私にはお前の悲しみや恨みがよくわかるわ
18:16でももうやめるのよ
18:18過去の恨みのために
18:19あんたの未来を捨てちまっていいの
18:21過去も未来も関係ないよ
18:24夕子さんよ
18:25俺は恨みだけで大丸と戦おうとしてるんじゃね
18:29男の意地だ
18:30何が意地だい
18:31お前は暴力団じゃないんだ
18:33ミュージシャンなんだ
18:35お前は
18:37満員のお客さんの前で
18:39ペットが吹きたくてうずうずしてるはずだよ
18:42それがお前の本当の姿じゃないか
18:44恨みなんかで
18:47本当の自分を殺しちまっていいのかい
18:51ミュージシャンなら
18:53恨みや悲しみを
18:54魂の底から絞り上げてペットに託したらどうなんだい
18:57ペットなんだひ弱な男のおもちゃにしかつきねえよ
19:01ふざけんじゃないよ
19:03何がひ弱な男のおもちゃだい
19:07二度とそんなこと言ったら
19:09お前だって許さないよ
19:17一度もらえたのに
19:20お前のおもちゃだい
19:23何がひ弱な男のおもちゃだい
19:25二度とそんなこと言ったら
19:27私は今のおもちゃだい
19:28何がひ弱な男のおもちゃだい
19:29何もらえたり
19:30一度もらえたら
19:31何を見つけて
19:33おやすみなさい
20:03大丸家に対する恨みを捨てな
20:05恨みを捨てて
20:08血の最後の一滴まで
20:10ペットに海を託して死んだ男だっているんだ
20:15道よ
20:20先生止めてください
20:25先生
20:33どうして道を止めてくれないの
20:36神の光に背いて走り始めた男をどうして私に止められる
20:41神の御心で何とかしてくれてもいいじゃないですか
20:45神の御心を思ってしても今の道を引き止めることはできないだろう
20:48それじゃあ神様って何ですか
20:50神様はどこにいるんですか
20:53答えてはくれないんですね
20:58そんなどこにいるかもわからないような神様なんて
21:02私はもう金輪座祈るもんか
21:06美穂子
21:08弟の死を目の前にした時
21:11お前どう思った
21:13どうした
21:14私はただ心が張り裂けそうだった
21:20弟が死んだとわかった時
21:23目の前が真っ暗になっちまった
21:26後に残ったのは絶望だけ
21:29絶望だけではない
21:31絶望の果てに祈りがあったのだ
21:35お前の祈りに応えるように
21:38道をはお前の前に姿を現したのだ
21:42お前も道をが弟の生まれ変わりだと言ってたではないか
21:45祈りとはそういうものなのだ
21:50いや神の力とはそういうものなのだ
21:53先生
21:54私にどうしろと言うんですか
21:57道をほっとけと言うんですか
22:00それとも
22:04ただ祈れと言うんですか
22:06道をは今
22:09大丸という巨大な敵を思ってギラギラ燃えている
22:13おそらく最後の血の一滴が燃え尽きるまで戦うことはやめんだろう
22:19先生
22:20道をが死ぬの
22:23私に黙って見てろと言うんですか
22:25道をには道をの青春をあいませよ
22:31たとえそれが賢い道ではなく愚かな者の道であっても
22:35道をには道をの人生をあいませよ
22:40今の俺にはそれしは言えない
22:43先生
22:44優子さんよ
22:48人間ってやつは賢い生き方をするだけが能じゃないんだよ
22:52愚かな遠舞いをする者が豊かなものをたくさん手にする場合だってある
22:58いつか道をも打ちのめされ絶望の果てに祈る時が来るだろう
23:04道をの祈りとお前さんの祈りが重なり合う
23:10その時だ
23:12お嬢様
23:22お食事の用意ができました
23:24皆さんお待ちかねですよ
23:27気分が悪いの
23:28お父様たちに私を待たずに結構弟子と伝えてちょうだい
23:34どうもありました
23:35お嬢様は気分が優れませんのでお先にどうぞと申しておりました
23:42じゃあ私は呼んでまいります
23:49ノリコ
23:50千鶴子をしばらくそっとしておいてやろうじゃないか
23:54心というものはそう簡単に開いたり解いたりするもんじゃない
23:59時間がいるんだ時間が
24:02旦那様
24:06
24:07お父さんだよ
24:10ああそうだな
24:12太鼓さんにはおじさまと呼んでもらおうか
24:15お父さん
24:21私はお母さんが見つかったら
24:25太鼓ちゃんと三人で暮らしたいと思っています
24:28お父さん
24:29どうぞそうさせてください
24:32
24:33静子さんは今手島くんが手を尽くして探している
24:39見つかったら静子さんとお前たちにとって一番いい方法を考えようじゃないか
24:45私に任せなさい
24:47はい
24:48ありがとうございます
24:49さあ食事を始めよう
24:52いただきます
24:54千鶴子のことは心配ない
24:56必ず立ち直ってくれるよ
24:59今の千鶴ちゃんには時間が必要なんです
25:01しばらくそっとしておいてあげましょう
25:03新しい現実を受け止めるまでには時間がかかる
25:09私たちは
25:11千鶴子の心が開くのをじっくり待とうじゃないか
25:16あの子は大丈夫だ
25:18その時千鶴子の心の中では豪像たちの思いもよらぬ逆転現象が起こっていたのであった
25:28お嬢様
25:36お嬢様おやめきなさい
25:38そんなことしちゃいけません
25:40お嬢様やめてください
25:41私たちが奥様に使える
25:42お嬢様
25:43お嬢様
25:45おやめください
26:00この仕事は私がやります
26:02お嬢様おやめください
26:04忍さん
26:07私をお嬢様と呼ぶのはもうやめて
26:10名前を呼んで呼び捨てでもかまわないわ
26:14お嬢様
26:15つらいのよ
26:18千鶴子さん
26:21これからはそう呼ばせていただきます
26:24お嬢様
26:38静子さん
26:41皆さんが心配してます
26:43この仕事は
26:45静子さんたちに任せてあげていただけませんか
26:47お願いします
26:48お願いします
26:54お嬢様
27:06このままでは千鶴ちゃんがダメになります
27:09僕に提案があります
27:13聞いてください
27:15言ってみなさい
27:16僕と千鶴ちゃんの婚約パーティーを開いてください
27:20お前たちの婚約パーティーを
27:24いやしかし
27:25千鶴ちゃんは高校生です
27:26僕だってまだ学生ですから
27:28婚約パーティーを開くには早すぎることは十分承知しています
27:31しかし
27:32今の千鶴ちゃんを救うにはこれしかないんです
27:34お父さん
27:37千鶴ちゃんをお父さんの子であると納得させるためには
27:40公の場で千鶴ちゃんが大丸家の正当な娘であることを
27:44証明してあげることではないでしょうか
27:46マサトさん
27:47よく言ってくれました
27:50あなた
27:51私からもお願いします
27:53ぜひ
27:54二人の婚約パーティーを開いてくださいませ
27:57そうだな
27:59もはやそれしかないな
28:01承知していただけますか
28:03いやお前が大学を卒業したらと考えていたんだが
28:08マサトの言う通りだ
28:10よし
28:11お前と千鶴の婚約パーティーを開こう
28:14お前と千鶴ちゃんの婚約パーティーを開いてくれ
28:19お前と千鶴ちゃんの婚約パーティーを開いてくれそうだ
28:34婚約パーティー
28:35お父様が
28:37ああそうだよ
28:38お父さんがそう言ってくれたんだ
28:40僕と君の婚約を
28:42公の場で発表したいと言ってくれたんだよ
28:46お父様が
28:49千鶴ちゃん
28:55忍姉ちゃん大変よ
29:07マサトさんと千鶴さんの婚約パーティーが開かれるそうよ
29:11え?
29:16そう
29:16よかったわね
29:19よかったわねじゃないわよ
29:21マサトさんにふさわしいのは忍姉ちゃんよ
29:23千鶴さんなんかじゃないわ
29:25大ちゃん
29:26馬鹿なこと言わないで
29:28
29:29本気で怒るわよ
29:31だって
29:31千鶴さんとマサトさんは
29:35誰が見てもお似合いのカップルよ
29:37それに
29:39本当のお姉さんのこと
29:40悪く言うもんじゃないわ
29:42マサトとの婚約パーティーが近づいてくるにしたがい
29:54千鶴はみるみる明るさを取り戻しつつあった
29:57だがその一方で
30:00豪像の胸中は複雑であった
30:02マサトは養子
30:03千鶴は松本夫婦の子供である
30:07後継者となる二人が二人とも血を分けた子供ではないのだ
30:11千鶴の幸せのためだと豪像は
30:14自らを納得させようとしていた
30:17お嬢様
30:21婚約ヒローパーっていうには
30:22少し地味すぎたんじゃありませんか
30:24ううん
30:25私のダイナ様になる人は派手なものが好きじゃないの
30:29気に入ったわ
30:41手島さん
30:51早く要件を言ってくれませんか
30:54僕をこんなところに呼び出すからには
30:56それなりのわけがあるんです
30:58マサトさん
31:02はっきり言いましょう
31:04あなたと千鶴お嬢様との婚約パーティーを中止していただけませんか
31:11なんだって
31:13中止してくださいと言ってるんです
31:15馬鹿なことを言うな
31:17一体あなたはどんな権利があってそんなことを言うんだ
31:20マサトさん
31:20会長は
31:23あなたと千鶴さんの婚約を望んではおりません
31:27そんな馬鹿な
31:29父がそう言ったんですか
31:31会長は何も言いません
31:32だったら余計なことは言わないでください
31:34マサトさん
31:34マサトさん
31:37南部開発の後継者になるあなたが
31:39会長の心の奥底を読めなくてどうするんですか
31:42あなたと千鶴子さんが結婚をしたら
31:46会長の血が途絶えてしまうんですよ
31:49分かってくれますね
31:54分からないな
31:57血が何ですか
31:59そんなもの僕たちには関係ない
32:01南部開発には大変な問題なんです
32:05誰が何と言おうと
32:06僕は千鶴ちゃんとの婚約パーティーを中止するものか
32:10マサトさん
32:11これじゃなし無駄だ
32:13後継者の道を捨てるようなものか
32:17お父様は私とマサトさんが結ばれることを望んではいない
32:35おかえりくからやりたさえませ
32:36お父様は
32:43私とマサトさんが結ばれることを望んではいない
32:47千鶴ちゃん
32:52お父さんのおかえりだ
32:54今日買ってきた洋服見せたらどうだ
32:56お父さん喜んでくれるよ
32:58ええ
32:59すぐ行きます
33:01私と結婚したら
33:10マサトさんは後継者の道を絶たれるかもしれない
33:14お父さん喜んでくれるよ
33:44お父さん喜んでくれるよ
34:14たけしたちが
34:16ちまなこで探してるよ
34:19勝手にしろだ
34:24俺は
34:29チンピラを相手にしないとほざいてたのは
34:32どこのドイツだい
34:35お前は自分で何をしてるのかわからないんだ
34:40火のように熱い血を冷ますためなら
34:43私を抱きなさい
34:47やめろ
34:54島田に殺されるぞ
34:56殺されてもいい
34:59お前の熱い血をペットに向けてくれるなら
35:04道よ
35:18さあ
35:20私を抱いて
35:22血を沈めなさい
35:23やめろ
35:24やめてくれ
35:26あんたにはそんな真似はしたくね
35:29ゆうこさんよ
35:32俺はあんたにも先生にも分かるを告げたはずだ
35:35もう俺のこと追い回すなやめてくれ
35:40シノオが生きようが
35:42どうせいつかは生みなりよう
35:44お前を
36:14チズコとマサトの婚約パーティーか
36:32面白い
36:36ぶっ壊して
36:38うらやましいわ高校生なのに婚約披露パーティーだなんてそれもマサトさんのような素敵な方がお相手なんですものね
36:50うらやましいわいいわね
36:53お忙しいのにマサトさんありがとうございます
37:02おめでとう
37:08チズコはまだ間もなく来ると思いまって
37:11たえちゃん急いで
37:16待ってよもう
37:17たえちゃん
37:23これ誰の
37:25しのぶさんへ
37:31チズコ
37:32お姉ちゃんこれチズコさんからよ
37:35これは
37:43これはチズコさんが
37:46きょうのパーティーのために用意したものじゃないかしら
37:49どうしてこれを
37:53チズコさんどこに行っちゃってのかしら
38:04私猫探してくる
38:07何をしに来たの
38:17今日はチズコさんの特別な日なのよ
38:20邪魔をしに来たのなら
38:22私はあなたを一生軽蔑するわ
38:24しのぶ
38:29そんなところで何をしているんだ
38:32早くこっちに来なさい
38:34はいただいま
38:36すぐ帰るのよ
38:41いいわね
38:42チズコさん遅いわね
38:52私が呼んでまいります
38:54うん
38:58お姉さん
39:08チズコ
39:10何だその格好は
39:12チズコさん
39:14チズコさん
39:16チズコさん
39:17何の真似だ
39:18うるせえ
39:19どんな格好しようと私の勝手だろ
39:22こんな格好じゃ
39:24大丸家の後継者の婚約者として
39:26不足だとでも言うのかよ
39:28
39:30だったらこんなパーティーやめようじゃないか
39:32私はもともとあんたみたいな生きろい男は大嫌なんだよ
39:36チズコさん
39:38私の好きな男はね
39:50ここにいる野良犬みたいな男なんだ
39:54言ってくれるぜ
40:08チズコ
40:10なんていうこと
40:14チズちゃん
40:15馬鹿なことを言うのはやめろ
40:22田辺くん
40:23なぜ君がここにいるんだ
40:25帰りたまえ
40:27そうはいかねえな
40:29そのわけは今このお嬢さんが言ったはずだ
40:32この野良犬を招待したのはあたしだよ
40:35文句でもあんの
40:37チズコさん
40:39黙れ
40:40あたしの名を気やつけ呼ぶんじゃねえよ
40:43あたしはもうこんな家の暮らしなんざうんざりなんだ
40:47嘘ばかりじゃないか
40:49こんな婚約パーティーだっていかさまさ
40:52ぶち壊すやるよ
40:54チルザコ
41:00チルザコ
41:01が、?
41:02鯖べ
41:03はぁ
41:09あー
41:10はぁ
41:11
41:14
41:15
41:17
41:19ああ
41:20
41:21
41:22これ
41:22おさらばだよ
41:30最後の尋常であった
41:33だがその行き手には
41:35街にすくう狼たちが待ち構えていたのである