- 2025/6/16
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ライフスタイルトランスクリプション
00:00東洋の心を語るというシリーズの第7回目になります
00:06私たち人間が社会の中を生きていくときには
00:11様々な原則があるわけなんですけれども
00:13その中でやはり一番大切で
00:17基本的なことは不摂生ということ
00:20つまり他人をいかなる意味でも傷つけないということ
00:25そして他人を殺さないということかと思うんですけれども
00:30本日はこの不摂生ということを
00:33我深く難達を敬うというテーマのもとに
00:38いろいろと考えてみたいと思います
00:40お話を伺います方はいつもの通り
00:43東方学院院長の中村はじめ先生でございます
00:47先生よろしくお願いいたします
00:48先生本日のテーマが
00:52我深く難達を敬うという
00:55少しこれはお経を読むときには
00:59そういう読み方をすると思うんですけれども
01:01ちょっと難しい表現で出てきてしまいましたけど
01:05我深く難達を敬うというのは
01:08これは昔からのお経の伝統的な読み方ですが
01:13今の言葉で砕いて訳して申しますならば
01:18我深くあなた方を敬いますということですね
01:22これは法華経の上府教菩薩本に出てくる言葉で
01:28昔から有名なものでありますが
01:32その言われを申しますと
01:35こういう具合に記されております
01:39大昔もたとえようもないほど
01:43数え切れない昔に
01:47イオン王仏という仏様がいらっしゃいました
01:53その時に
01:58その国に
02:00上府教菩薩という
02:03一人の修行者がおりまして
02:07この人はいかなる人に会っても
02:11いつも相手に向かって合唱すると
02:16もう論訳何を問わず
02:18いかなる人に対しても
02:20こう合唱して拝んでいたというんですね
02:22そして
02:24他のことはしないで
02:28ただ合唱の一つの行いだけに
02:31徹底していた
02:32人々はこれを見まして
02:38あの人は変なことをするというので
02:40それで
02:41悪口を言ったりですね
02:44あるいは瓦や石をぶっつけたり
02:47あるいは
02:48この杖でもって撃つというような
02:52迫害をしたというんです
02:53けれどそういう迫害を受けても
02:55彼は少しも逆らわないで
02:58私はあなた方を敬います
03:03なぜか
03:04あなた方は仏の子である
03:07うちに
03:10この仏となり得る性質
03:12仏性を備えている
03:16うちに納めている
03:18いつかは仏になる方である
03:21だから私は
03:23合唱するのです
03:25そう言ったというんです
03:28そしてそのお経の話によりますと
03:31その時の
03:32合唱した
03:35上府教御札というのは
03:36実は
03:37過去世のお釈迦様であった
03:39そして今
03:40ここで法華経を説く
03:43この集まりに出ている皆さんは
03:46その時私に
03:48石をぶつけたり
03:50悪口を言った
03:51そういう人たちであるぞという
03:54そういう物語の筋なんですね
03:57法華経の中から
04:00その今お話をいただいた一節を
04:03一つご紹介をしてみたいと思いますが
04:05我深く難達を敬う
04:10あえて
04:11かろしめず
04:12侮らず
04:13ゆえはいかん
04:15難達は
04:16みな
04:16菩薩の道を行じて
04:18まさに仏となることを
04:20うべければなり
04:21明宝蓮華経
04:23上府教菩薩本第20と
04:25こういうことでありますけれども
04:27今先生お話しございました通り
04:30いかなる人にも侮らないという
04:33その理由はといいますと
04:36すべての人が菩薩道を行じて
04:39仏となるべき人だからという
04:42すべての人が仏になるという面において
04:45同じ人間としての尊さを持っているということ
04:50そうなんでしょうね
04:52私はここに二つの重要なポイントがあると思うんです
04:56一つはですね
04:57いかなる人でも
04:59仏となり得る大切な
05:05本性をうちに秘めている
05:09仏となり得るものだと
05:12だから
05:14尊び敬うということ
05:18それからもう一つはですね
05:20その
05:20その時の上府教菩薩は
05:24過去世の釈尊だったという
05:26つまり
05:27仏様は単に拝まれるだけの
05:30存在ではなくて
05:33自ら拝む主体であるということですね
05:36自分は教祖であるから
05:41ただ拝まれるだけのものだというのではなくて
05:44人々を拝むというところに
05:48仏の仏とあるゆえんがあるという
05:50これは非常に深い意味を持った
05:52この教えだと思います
05:54これ仏教の修行者にとっても
05:58同じことが言えるかと思うんですが
06:00実はこの言葉を聞きまして
06:02私非常に思いますことはですね
06:04おそらく古代のインドでも
06:07そうだったと思いますし
06:08現代の
06:10特に南方仏教
06:12テラバーダの国でもそうなんですけれども
06:15お坊さんは
06:17在家の方を一切拝むことがございませんですね
06:20そうです
06:21日本の場合ですとまたちょっと違いまして
06:24例えば偉い
06:27ご承認様あるいは禅師のような方でも
06:31例えば何かお土産でもいただくと
06:33どうもありがとうというふうに
06:35お礼を言うことがあるんですけれども
06:37これはね
06:38ダライラマなんかでもですね
06:39こっちが合唱しますと
06:41向こうも合唱を返してくださるんですね
06:44テラバーダの方では
06:45一切そのお礼を返さないんですね
06:48ですから
06:49ビクが特に在家の方を
06:52礼拝するとか合唱するということは本当にありえない
06:55またそれなりの理由があって
06:58そうなんです
06:58それなりの理屈はあるんですよね
07:00つまりね
07:01拝まれて
07:02自分が嬉しくなっていい気持ちになって
07:05ありがとうなんて言ったらですね
07:07これ執着が残るという
07:09南方仏教独特の態度ですね
07:12しかし北方の仏教
07:14大乗仏教はまた
07:15もっと違った
07:17この深い意味合いをそこに受け取ろうとするんですね
07:21こうしてその
07:22全ての人を
07:25上山合唱し
07:28軽んずることがないという
07:30なぜそうなのかというと
07:32全てのものが
07:33全ての人が仏となる可能性を
07:36有している
07:37大変尊い人たちなんだからと
07:40いうことはそこに
07:42どうしても
07:43全ての人に敬意を表する
07:46そうです
07:47あるいはそこから人間平等ということが出てきますし
07:51そこから相手を傷つけることは
07:54尊い存在を傷つけることになりますので
07:56そうしたところから
07:58この不摂生ということと
08:00この法華経の
08:02上府経
08:02菩薩のそうした行為が
08:04いろいろと
08:05重なり合いながら
08:07考えられてくるかと思うんでございますけれども
08:10先生この不摂生というのは
08:13これは世界どこでも
08:15相手を傷つけないということが言われますし
08:18特にインドにおきましても
08:20昔からいろいろな形で
08:22説かれているようでございますね
08:24インドのいろんな宗教で説くことですけれども
08:27ことに不摂生ということで
08:29特に特徴があるのは
08:32ジャイナ教じゃないでしょうか
08:34もろん仏教でも説きますが
08:36このジャイナ教と申しますのは
08:40だいたい仏教と同時代に出た宗教で
08:45姉妹宗教みたいなものですが
08:48その教えによりますと
08:51人を傷つけないということ
08:53人のみならず
08:54生き物を傷つけないということ
08:56これが最高の徳であると
08:59そう説いております
09:00元のインドの言葉で
09:03アヒンサーというんですが
09:05そのアというのは打ち消しです
09:07ヒンサーというのは害すること
09:09だから不摂生
09:11生き物を殺さないということになる
09:13不摂生は最高の徳である
09:17今テレビに出たわけでありますけれども
09:19アヒンサーという
09:21ヒンサーというのが傷つける
09:22そうです
09:23アヒンサーがそれを傷つけない
09:26そうです
09:26不摂生ということですね
09:28この不摂生
09:31不生涯ということは
09:32最高の徳であるということは
09:34ジョジシのマハーバーラタなんかにも
09:37出てくるんです
09:38だからどの宗教でもですね
09:40やはりよく考えてみると
09:42それが一番大切な
09:43最高の徳であるということになるんじゃないですか
09:46仏教がそれを説いていることは
09:49もうすまでもございません
09:51ジャイナ教という宗教は
09:54非常にこの不摂生を強く
09:57厳しく説くということを
09:59受けたまっておりまして
10:00そうですね
10:01私もインドにおりましたときに
10:04よくぶつかったんですけど
10:06ジャイナ教の修行僧の方は
10:09マスクをしているんですね
10:12そうなんです
10:12今でもですね
10:16ジャイナ教の修行者の方は
10:19マスクをしておりますですね
10:21なぜマスクをするか
10:24私たちはですね
10:28風邪をひかないように
10:30あるいは自分の風邪を人にうつさないように
10:33マスクをしますね
10:34ジャイナ教の修行者はそうじゃないんですね
10:37この
10:38口を開けてポカーンとしてますとね
10:42そうすると
10:43虫が飛んできてですね
10:46そしてその
10:48口の中に入るかもしれない
10:51それをガクッと噛んでしまいますとね
10:54そうするとその虫を
10:56小さなものですけど
10:59噛んで殺してしまうことなんでしょ
11:01それを避けるためにですね
11:03ああいう具合に
11:04口までも全部
11:06かなり大きなマスクをしているわけなんです
11:08あれが行者の姿です
11:10ジャイナ教の修行僧に合いますと
11:14手にホッスを持っております
11:16そうですね
11:16小さなホッスで
11:18日本ではホッスと言いますと
11:20大和尚さんが持って振るんですけれども
11:23公園の時にですね
11:25使われます
11:25向こうは
11:26もともとホッスというのはそうなんでしょうけれども
11:30蚊とか肺とか
11:31いろんなものが来た時に
11:32それで払うものであったようなんですね
11:34ピシャッと打つと殺してしまいましょう
11:36そうじゃなくてホッスでこうやりますとね
11:39そうすると殺さないで
11:41しかも追っ払うことができますからね
11:43ことこと作用に
11:44殺すということに
11:46神経質になっているわけなんですが
11:48先生これ私統計がないんで
11:51よくわからないんですけれども
11:53インドに行きますと
11:55ジャイナ教のことは
11:56無論菜食主義者が100%ですし
11:59ヒンドゥ教徒の方も
12:01菜食主義の方がかなりいて
12:04おそらくインドの人たち
12:08全部ひっくるめますと
12:10もう5割ぐらい
12:11あるいは5割以上の方が
12:13菜食主義者じゃないかと思うんですけど
12:15お肉食べないんですね
12:17これも聞きますと
12:19何も生き物の命を奪ってまで
12:22食べなくていいではないかと
12:24いった答えが出てきますし
12:26インドに
12:27不摂政の伝承
12:28伝統というものは
12:29かなりございますですね
12:32生きておりますですね
12:34おそらく仏教
12:35ジャイナ教に由来するものでしょうが
12:38今は諸宗教に渡っております
12:41そしてその傷つけない
12:43殺さないというのは
12:45人を傷つけないというだけじゃなくてですね
12:48生き物全てに愛情を及ぼすというわけなんですね
12:53私向こうで
12:56見まして非常に打たれたのでありますが
13:00生き物を憐れむという
13:04その一つの表れとしまして
13:08小鳥の病院があるんですね
13:12デリーの中心には
13:16赤いお城という大きなお城がございますね
13:19ラールキラーと普通言いますね
13:20そうなんです
13:21あれは
13:22イスラムの大帝王のシャージハンが
13:26作ったんですが
13:27その前にですね
13:28赤いお寺というのがあるんです
13:32その中に
13:34小鳥の病院がございます
13:36ここに小鳥の病院の説明書を
13:40持ってまいりましたがね
13:41ご覧に入れましょうか
13:43小鳥が
13:47赤さん見えましょう
13:48下にヒンディ語で
13:51小鳥の病院を治療する病院と
13:56そう書いてあるんです
13:57ここへ行きますとですね
14:00もう傷を受けた小鳥なんてのが
14:04いっぱいいるんですね
14:06それを預かりまして
14:10例えば
14:11くちばしを
14:12傷ついた小鳥ですと
14:16下下手術で
14:17そこへ付け足してやるんですね
14:19何か
14:20それから
14:20お腹を壊した小鳥にはですね
14:25内服薬を与えるわけです
14:27そして治りますとですね
14:30日を決めて一斉に放ってやる
14:35日本でも報じようということを
14:37昔に出しましたがね
14:39今なおそれが行われているんです
14:41神はどうしてこういう病院を経営できるのかというと
14:45ジャイナ教の信者の人がですね
14:47そこへ寄進するから
14:50そのお金でもって
14:53この小鳥の病院を経営しているんだと言います
14:56もうそこへ行きますと
14:58小鳥がいっぱいですよ
15:00あまりかわいらしいと思いました
15:01それだけ
15:02インドのジャイナ教の話なんですけれども
15:07インドの方一般に生き物の命を大切にしていく
15:11生き物を憐れむという考え方が
15:16定着をしているということかと思いますんですが
15:19仏典の中に
15:21なんで他人を傷つけてはいけないのか
15:26他人を大切にしなければいけないのかということを
15:31誠に端的に示したいい言葉がございますので
15:35まずそれをご紹介しながら
15:37また色々お話を伺いたいと思います
15:39彼らも私と同様であり
15:44私も彼らと同様であると思って
15:48我が身に引き比べて
15:50生き物を殺してはならない
15:52また他人をして殺させてはならない
15:56スッタニパータ705
15:59スッタニパータでございますので
16:02原始物典の中の一番古い方に属するものかと思いますし
16:07釈尊のお言葉が
16:10時間にたくさん入っていると
16:12信じられている経典でありますけれども
16:15先生これ
16:19仏教平和論の一つの基本のような
16:23教えかと思いますんですが
16:26本当に基本の教えだと思いますね
16:28私たちはみんな個人として生きていますと
16:32そうするとまず自分のことを考えて
16:36自分本位になりますよね
16:37けれど
16:38立場を変えまして
16:41じゃあ他の人はどう思うんだろうと思って
16:44他の人の立場になって
16:46他人の身になって考えてみますとね
16:49自分と同じように自分が嫌だと思うことは
16:51他の人も嫌だと思っているだろうと
16:53自分が傷を受けて痛むなら
16:56じゃあ他の人だって傷を受けて痛むだろうと
16:59我が身に引き比べてということからですね
17:04そこでこの人々の
17:06この和らいだ生活というものが
17:08成り立つんだろうと思います
17:10グッキーはそれを教えているわけです
17:12ですから他人の
17:14人間もそうでありますし
17:17いろんな全ての生き物も含めてなんですが
17:20それと自分というもの
17:22いわば自他の関係を
17:24見ていくときに
17:27まず自分というものが大切であるし
17:29自分が本当に可愛いといわば
17:32我が身可愛いやというのは当然あるわけですし
17:35それはもう決して否定はしない
17:38と同時にもし自分にとって
17:41我が身が可愛いものならば
17:43他人様にとっても
17:45他人様の我が身は
17:46その人には可愛いものなのかしない
17:49エナジーはですね
17:49とすると我が身に引き比べてというのが
17:54いわば仏教のと申しますか
17:57インドの不摂生の
17:58基本的な考え方がここにあるし
18:01ある意味では先生
18:03仏教でよく言います自費心というものの原点が
18:08ここにあるようにも思いますんですが
18:10全く原点だと言えると思いますね
18:12そして西洋でもですね
18:14同じようなことを申しましょう
18:16黄金律と申しますかね
18:18自分にされたくないと思うことは
18:24人に対してはしてはならないと
18:26自分がこうされたいと思うように
18:28人に対しても対せよということを申しますですね
18:33もう宗教の区別はここでは
18:36超えてしまうことになると
18:37人間の原点だと思いますね
18:40これは必ずしも宗教とは言えないかと思いますけど
18:44ストラの鉄人なんかも同じことを言っているわけです
18:48現実の世界には人々と付き合わねばならない関係がある
18:53中には
18:54あの人はあそこが嫌だなと思うことだってありますですね
19:00それについてストラの鉄人のエピクテイトスは
19:04こういうことを言っているんですね
19:05人と付き合って楽しくするにはですね
19:09それぞれ他の人の美点、長所を思い浮かべよって言うんですね
19:16あの人はあそこにああいういい点があるな
19:19ああいう優れた点があるなと
19:21そう思って付き合ってますとね
19:23そうするとこっちが教えられるわけでしょ
19:25そして付き合うということが楽しくなるわけですね
19:28逆に相手の欠点ばっかり見てますと
19:32これはやはり人生暗くなります
19:35暗くなります
19:35結局こっちが増上満になってしまうわけですね
19:38ですから相手の立場を思いやる
19:42我が身に引き比べてという時には
19:44いわば自分を高いところにおいて
19:47相手を低いところにおいて
19:49いわば見下すようなことがあっては
19:51これは決して
19:52我が身に引き比べるなんてことはできなくなってしまいますし
19:57どうしてもそこに
19:59その我が身を慎むと言いますか
20:01献上の徳と言いますか
20:04うぬぼれないと言いますか
20:06そうしたことは当然ございます
20:07だから人々を敬うという教えがここに出てくるわけですね
20:15それで敬うという形という字はまた通しむとも呼びますですね
20:20今おっしゃった敬うと通しむは
20:22同じ言葉の見方の違いというか表現の違いということも言えるかと思います
20:28同時に相手を敬いそして自らを慎むという時に
20:32これがそうしろと言われたから無理にそうしてるんじゃなくて
20:36自ずとそこに私も相手の人も全ての人が同じ人間じゃないかと
20:43同格なんだよという一つの基本的な人間感がそこにあって
20:49だからこそ当然のこととしてうぬぼれはいかんし
20:54慎まなければいかんし
20:56それが相手に対する敬意として出てくる
21:00それが結果として極力相手を傷つけるようなことをしないという方向で
21:07ものを考えていかなければいけない
21:09そういうことになろうかと思いますんですが
21:12先生このインドでアヒンサーと申しますと
21:16実は大変有名な重要な言葉で
21:20特にマハトマ・ガンディさんのことがすぐ思い浮かべられてくるかと思うんですね
21:27これはもう有名などなたもご存知かと思いますけれども
21:32インドを指導しながら独立運動を指導し
21:37インドを独立させた対植民地運動の指導者であり
21:44大変偉大な政治家でもあった方ですが
21:47その方が不摂政をアヒンサーと非暴力主義といったようなものを唱えたということで
21:56この非暴力主義をアヒンサーと言われております
22:00そうですね
22:01アヒンサーということはインドでは昔から説いていたことですけれど
22:07これを現代の場面に当てはめて
22:11政治的社会的にその精神を実現しようとして
22:18しかも見事に成功したのはガンジーじゃないでしょうかね
22:24大変偉大な政治家であったと同時に
22:28実はこれ私本当にそう思うんですが
22:31政治家としていろいろな運動をしていくことと
22:37宗教的な信仰何し宗教実践というものが見事に一緒になった
22:42そうなんです別々じゃないんですね一つなんですよ
22:44誠に稀有な例かと思うんですけれども
22:47もともとこの実はこれ私あるところでガンディさんのことを申し上げましたら
22:55今のインドの首相のラジーブガンディさんから
23:00暗殺されてしまいましたけどもそのお母さんのインディラガンディ元首相
23:07何か直接の関係があるんですかという質問を受けた方でございますが
23:11正義が同じですからね
23:12たまたまそうなったんでありまして
23:14マハトマガンディという方はむしろラジーブガンディ首相のおじいさん
23:21ジャワハラルネルさんのいわばオッショさんとでも言うべき方ですね
23:28非常に宗教的な政治家なんですけれども
23:34出身は決してお坊さんでもなんでもないんで
23:38グジュラートの方の商人階級の出身だというふうに言われております
23:44そうですねグジュラートという首相が西の方にございます
23:48その半島の一つにカーティアワール半島というのがありますね
23:53あそこのオールバンダルという港町ですね
23:58そこを支配していた反抗と言いますか殿様と言いますか
24:05それのD1のうちだったというから
24:09そうすると最小ということになるんですか
24:12でもそれほど最小総理大臣と言いましても
24:17それほど日本で思うほど大きな力があったとは思えない
24:22そうですねだいたいインドでは王権が弱いですからね
24:26だから日本の場合を当てはめようとすると
24:30これはだいぶ狂ってくると思います
24:33それに今おっしゃった地方が昔からサウラーシュトラ地方と言うんですが
24:37サウラーシュトラという地方が言葉の面で言えば100の王国があるという
24:43つまり小さな王国がたくさんあるそのうちの一つの王家の首相と言いますか
24:51最相と言いますか
24:52その程度ですねそこに小さな藩がたくさんあったとお考えいただけ
24:57ただ日本の殿様のように権力は持ってなかったですね
25:01そうなんでしょうねとにかくでも総理大臣ということで
25:05もともとインドのカーストの例で言うならば
25:12証人
25:13バイシア
25:14バイシア
25:15バイシア
25:16バニアカーストと言われておるようでありますけれども
25:19そこの出身でありながら
25:22おじいさんお父さんがそうした政治家としてのキャリアを持っていた方であったようでありますけれども
25:32お母さんが非常に宗教的な方であったとか
25:36そのように聞いています
25:38そしてあのあたりはジャイナ教の影響が非常に強いんですね
25:43精神的感化が
25:44ジャイナ教と申しますのは
25:46もとは仏教と同じ頃に同じ地域で起こったんです
25:52だから今日で申しますと
25:54ガンジス川の中流から下流にかけての
25:57ビハールあたりが出発点でしたね
26:01ところが13世紀にですね
26:03ヘイマチャンドラというジャイナ教の大学者
26:07精神的な大指導者が出ましてね
26:09それで王様がその感化を受けたのです
26:13それからジャイナ教はこの西インドの方で非常に盛んなりまして
26:19今日ではグジャラートそれからマハラーシトラそれからラジャスタン
26:25だいたいあのあたりがジャイナ教の根拠地と申しますかね
26:31なってるようですね
26:33ですからもう一人でにその感化を受けてたわけです
26:37そうした環境に育ちまして
26:39あのガンディ
26:41あのマハトマガンディ
26:43後にマハトマガンディ
26:45マハトマガンディって言われるわけです
26:47これは損傷ですが
26:49英国へ留学をいたしまして
26:5119の時に留学をして弁護士の資格を取って帰ってきて
26:5723歳だったと思いますけど
27:0122歳で帰ってきて開業したんですが
27:04どうもあんまり評判よろしくなかったらしいんですね
27:08それで24歳の時に南アフリカに渡るですね
27:16当時今でも南アフリカいろいろアパルトヘイトの問題があるんですが
27:23当時南アフリカでもあるいは東アフリカの方でも
27:27インド人が商人でかなり向こうへ出かけていてコミュニティがあって
27:33同時に向こうで人種差別でかなりいろいろ問題があったようでございます
27:41ガンディさん
27:43南アフリカの知人にある裁判の弁護を頼まれて
27:49南アフリカに行ったことが
27:52ガンディの一生を規定していくいろいろな出来事には出てくるわけですが
27:59向こうへ行って途端に適度いい人種差別にぶつかっているようで
28:05そうですね
28:07まあ我々日本人から見ますとですね
28:10アジアの国々の中でもインドは遠いところです
28:13それかまた海を越えて
28:15南ガ連邦といいますとですね
28:19大変遠いところでどうして
28:21そこへガンディさん行ったのかと思うかもしれませんけどね
28:24インドで暮らしてますとよく分かるんですよ
28:27インドで毎日テレビの放映がございますよね
28:32ニュース見てますとですね
28:34日本だの中国だの東アジアのことはほとんど出ないんですよ
28:38その代わりアフリカ
28:42南ガ連邦のことはしょっちゅう出るんですね
28:45というのはアフリカの沿岸のどこへも
28:48インドの商人が出かけているわけですね
28:50だからある意味ではインド経済にとっては
28:53アフリカが少なくとも東側のアフリカというものは
28:59経済的な生命線なんですね
29:02その放送ばっかり重いんで驚きました
29:05だからガンディさんが行ったってのはよく分かるんです
29:08そこでそれだけ大勢のインド人の商人の人たちがいながら
29:13いわば差別を受けているという
29:15そうなんです
29:18向こうに着く目的の街に行く
29:22一頭の汽車に乗って旅行するんですけれども
29:26一頭の切符を買わせて旅行していく
29:29ある駅に着きましたら車掌が出てきて
29:32無理やりに降りて手荷物車に移れと言われるんですね
29:38いや一頭の切符を持っているんだからと言ってもダメなんで
29:42要するに有色人種は一頭なんか乗るものではないと
29:46そういう考え方が当時あったような
29:50結局ガンとしてガンディさんもかなり頑固だったらしいんですけれども
29:56動かなかったら警官まで出てきて無理やりに降ろされて
30:00そして他の小荷物車に移るのを拒否したら荷物を放り出されて
30:07結局駅に一晩残されてしまうと
30:11南アフリカとは言いながら冬のことだったようでございまして
30:17寒いし高原地帯のことなんで
30:20ガンディ寒さに震えながら真っ暗な駅のプラットフォームで一晩を明かしたという
30:30それに類するようなことがいくつもどうもガンディに
30:34南アフリカに行った途端に出てきて
30:36そうしたことから次第に
30:38インド人というよりも
30:40人間としての権利を
30:42どうして守っていったらいいのかというようなところから
30:46次第に南アフリカにいるインドの人たちの指導者として
30:51いろいろな運動を展開してくる
30:54その辺がガンディの政治家としてのキャリアの出発点になったと思いますんですけれども
31:03あちらにも白人でもやはり
31:06人権運動に理解を持っていた人がいるんですね
31:10そういう人はガンディの生涯の友となりました
31:16そこでガンディがそうした運動を始めていく
31:21中心のいわば柱となったものがアヒンサーだと思うんですか
31:26これ先生その相手を傷つけないということ
31:29いわば暴力に頼らないということが
31:32政治的な運動の方法論として持ってこられたときに
31:38具体的にはどういう形で出てきたんでございましょうね
31:42ガンディはただ口でですね
31:47非暴力ということを唱えただけじゃなくて
31:50現実にそれをどのようにしたならば
31:54非暴力の理想が実現できるかということを考えておりましたですね
31:59まず武器は取らないと
32:02理想を達成するために
32:06武器を取って暴力によって人を傷つけるならば
32:11理想それ自体が傷つけられることになると
32:14これがその世の革命化と考えることが大いに異なっている点だと思います
32:21なるほど
32:22ガンディは人間の愛とかその平等ということを
32:26非常に重んじた人だと思うんですが
32:30そういう点から見ると例えば植民地政策とか
32:33人種差別というのは
32:35悪であると
32:36そうです
32:37暴力であると
32:38しかしその暴力が悪いからといって
32:41こちらが暴力を使うのもまた良くないと
32:44理想が良くとも
32:46手段が暴力ならばそれは認められないんだ
32:49こういうことでございます
32:50そうです
32:51今まで人類の歴史を見ましても
32:53革命化と言われる人は大勢出てますね
32:56けどそういう人は結局
32:57武力暴力に頼って人を殺してましょう
33:00それは良くないと
33:02どこまでも暴力武力に頼らないで
33:06理想を実現しようと
33:08これが全くガンジーの独自な点だと思います
33:11しかしそれは
33:12単に私は武力を用いませんよ
33:15暴力を自分に与えられたら
33:18私暴力を使いませんよと言ったって
33:20なかなか実現できない
33:22知っているだけじゃん
33:23これ実現できないことです
33:25その点はガンジーは非常に現実的でしたね
33:29まずイギリス製品のボイコットをやったわけですね
33:32買わないように
33:34それからこれはイギリス側が
33:37イギリスの製品を押し付けてたわけですね
33:41ことにインドには免許資本があったわけです
33:44昔は
33:46織物工業もあったのですが
33:48それをイギリスが破壊してしまったわけですね
33:51ことに有能な織物の熟練工は
33:55手を切ってしまったなんて
33:57そういうようなことが記録に記されていますが
34:02それに対抗するためには
34:05非売運動を行う
34:07それからですね
34:09インド人自身が当時は非常に貧しかったものですから
34:13経済力をつけなきゃいけないと
34:16そうするとそのためにはですね
34:18イギリスの機械に頼らないで
34:26自分たちの力で立ち上がろうと
34:30イギリスの織物を買わないで
34:37しかも織物は人間が必要なものですから
34:39どうするか
34:40自分たちの手で作ろうじゃないかと
34:44インドには資源がない
34:46資本もない
34:47けれども労働力は豊かで余っている
34:51これを生かそうとしています
34:53そこで皆が家庭内の家庭工業として
35:01紡ぐということをやろうじゃないかと
35:04いって進めたんですね
35:06そこでオール機械
35:08チャルカと申しますかね
35:09向こうの方が
35:10それをみんなが使うことにした
35:16これは単なる経済行為じゃなくて
35:21宗教的な意味を持って
35:23だからインドが独立してから
35:26最初の大統領のプラサードが
35:28日本に見えましたときもね
35:30飛行機の中にチャルカを持ち込んで
35:33毎日これを紡いでたそうです
35:35これも宗教的な行事に
35:38まで高められたわけです
35:40それから牛がなかなか飼えない
35:44それよりもヤギを飼う方が楽だから
35:47だから牛乳を飲めない人々は
35:50ヤギの父を飲むことにしようじゃないかと
35:53細かなところまで気を使ってですね
35:56民衆の力を高めるということに
36:00力を注いだわけです
36:03アヒーサーと申しますのは
36:06暴力に対して非暴力で対抗するという
36:09今お話のようにボイコットというのもそうですし
36:12あるいは断食も何遍もやったようでございますし
36:17あるいはデモ行進をして
36:20そして逮捕されると抵抗しないで
36:24全て黙って逮捕されて
36:26統獄されてしまうという
36:30大変一つの政治運動として
36:33誠にユニークなものだと思うんですけれども
36:37ガンディの場合は
36:38そうした行為が単なる作戦ではなくて
36:41宗教的な真実に実現しているんだという
36:46認識があったようでございます
36:48そう思いますね
36:49サティアグラハという言葉でございますが
36:51真実の恥と訳されますが
36:54サティアというのは真実、真理という意味です
36:57アーグラハというのは
37:00恥する、身につけるというような意味ですね
37:04ですから結局
37:06暴力に対して非暴力で抵抗していくということ
37:09言うなれば、人間の精神の力を信じて
37:14暴力ではなくて
37:16相手の心に訴えて
37:19主張を通し、正義を実現していく
37:22それが単なるテレンテクだといいますか
37:25手段ではないというのは
37:28そうしたことが
37:30人間、愛と平等というものを実現するのが
37:32真実なんだからと
37:34いわば、愛と平等を実現する
37:37真実をつかんでいく
37:38真実の力によるということが
37:40具体的には
37:41そうした非暴力運動になっていくことである
37:44そう思いますね
37:46ガンジーは高い理想を持っていた
37:48と同時にですね
37:50現実に即して運動を展開したと言えると思うんです
37:53だから
37:55当時はまだイギリスの支配下にあったわけですが
37:59ガンジーに対していろいろな批評がありました
38:03私もインド人の教育家にあって
38:08その人は非常に困ったというような経験を聞いたことがありますが
38:13当時の学長さんがイギリス人になっている
38:19そしてその人がインド人の先生に向かって
38:23どうだね、君はガンジーを何と思うかね
38:26ガンジーというのは
38:27あるいはイカ様もの
38:30ペテン氏じゃないかねと
38:32そうするとそれをですね
38:34そうじゃありませんと言うと
38:36今度自分の首が危なくなると
38:38しかしそうだとは言えないと
38:40そういうような罠をかけられたときにですね
38:45返事に困ったというようなことを言われたと思いますが
38:48支配者の立場からそういうデマが飛んだと思いますが
38:51ガンジーはその
38:53狡猾だとかペテン氏だとかいう
38:55批評もあったわけですが
38:58しかし高い理想を持っていた
39:00そのためにいろいろな手段を考えたというのが
39:04実情じゃないでしょうか
39:06とてもペテン氏とか
39:08いい加減なものでしたらね
39:11あれだけの大衆を動員していくことができませんし
39:15そうですよ
39:17そしてああいう質素な生活でね
39:19実践に打ち込むということはできないでしょうね
39:22確かガンディの言葉でですね
39:26暴力というのは人を殺す術を覚えることである
39:30非暴力というのは自ら死ぬ術を覚えることであると
39:35こう言っている記憶があるんですけども
39:39やはりその暴力に対して非暴力でいく
39:42単なる作戦ではなくて
39:45それが宗教的な真実を実現しているんだという
39:48自覚に結びつく
39:50そこにはいざといえば
39:53真実のために平気で死んでいく
39:57強い心と申しますか
40:01それを非常にガンディ言っていたと思いますし
40:04そういたしますと
40:05そこには当然かなり厳しい
40:09自己抑制と申しますか
40:11自分というものに対する訓練がないとダメでございますね
40:16そう思いますね
40:18さっきお話に出ました
40:21上京菩薩の精神というものですね
40:24あれをガンジーは別に聞いていたわけではないでしょうけど
40:27実質的に実際問題として生かしているわけですね
40:30人から意志ぶつけられても仕返しをしないと
40:34悪口言われても仕返しをしなかったという
40:37あの態度、あれをガンジーは現在の世の中に生かしているわけです
40:42ブラフマチャリアという言葉がガンディも言っておりまして
40:47難しく言えば凡行なんて昔から訳しますけど
40:52そのように訳しますね
40:54ここにございます通り
40:55自己浄化、あるいは自己を抑制すること
41:00あるいは禁欲
41:02本当に厳しい宗教的な修行とでも言うべきものがあって
41:07初めて平気で命を投げ出していく誹謗力というものが
41:12実現されてこようかと思いますんですけれども
41:16ガンディの辞伝から
41:21今いろいろ伺ったようなことを念頭に置きながら
41:26いくつかをちょっと朗読をいたしてみたいと思います
41:30私が実現しようと思っていること
41:36つまりここ30年間にわたって実現しようと努力し願ったことは
41:42自己の完成、神に出会うこと
41:45そして下脱に至るということである
41:48しゃべったり著述したりする私の行為の一切と
41:51政治の分野における私の冒険は同じ目標に向けられている
41:58世間には神について幾多の定義がある
42:03なぜなら神の現れ方は多様であるからである
42:07それらは驚きと異形とで私を満たし
42:11また瞬時に圧倒する
42:14私は神をただ真実のものとしてのみ来拝する
42:18私はまだ神を発見するに至っていないし
42:22また今も探し求めている
42:25この探求のためには私にとって最も貴重なものでも
42:29犠牲にする覚悟である
42:31たとえそれが私の命であったとしても
42:34喜んで犠牲にするであろう
42:37これはガンディの辞伝の中の一節なんですが
42:42政治家の言う言葉とはちょっと思えないので
42:46そうですね
42:47やはり神というものを真実というものを求めていくことに対する
42:53愚道者的な心根が実はございます
42:59この愚道者の態度ですね
43:01それは教義で決められた神じゃないわけです
43:06人間一人一人の中にうちに潜んでいる尊いもの
43:11それを目指している
43:12それを神とみなしてですね
43:15自分はそれを体得し実現しようと
43:20そう見たわけです
43:22そういうことになりますとね
43:24人間の間にある民族の違いというものを乗り越えるわけですね
43:27無視するわけじゃないんだけどもっと高いものを見る
43:30それから宗教がいろいろありますがね
43:32それは決して争うものじゃなくて
43:35その宗教がいくつもあるその奥にたっというものがあると
43:41そういうものを認めたわけです
43:43先ほど上府教菩薩の話の中で
43:47人間がすべて仏性を持っている
43:50そうです
43:51出ましたけれども
43:53今先生のお話のことがですね
43:57ガンディはっきり言うと
43:59すべての人間には神性、仏性ではなくて神の性質ですね
44:03すべての人間が神の現れであるということをはっきり言っておりまして
44:06やはりガンディの非暴力というもののそこにはそういう人間感があったと思うわけですが
44:15もう少しまた別の面で
44:18ガンディの辞典からご紹介をいたしたいと思いますけれども
44:25自分を愛する人のみを愛するのであれば
44:29それは非暴力ではない
44:31自分を憎む人を愛するときに初めて非暴力となる
44:36この偉大な愛の理法に従うのがいかに困難であるかを私は知っている
44:42自分を憎む人を愛することほど困難なことはない
44:46しかし、もしその気になれば
44:49神の恩長により
44:51この最も困難なことも容易にやり遂げることができるようになる
44:56こういうことも言っておりますが
44:59神の恩長によりとか
45:02全てのものが神の現れであるという
45:08トルストイの神の国はあなたがた自身のうちにありという言葉に大変感銘を受けて
45:17南アフリカにいましたときに
45:20トルストイ農場などという
45:25いわば修行道場みたいな
45:27共同で生活して共同で労働するようなものも作ったようでございますね
45:32そうですね
45:33だからガンジーは特にインドの教えでなきゃいかんなんて
45:39そういうような狭い見解はなかったわけです
45:42トルストイの精神にも感動しましたし
45:49それからソロのものを読んでいるんですね
45:52ソロというのは非常に面白い人でして
45:53あれはアメリカの鉄人ですけれども
45:58ウパインシャッドだとかバファットギーターだとか
46:02ヨーガだとかそういうのに傾倒してたんですね
46:05マサチューセッツのウォールデンの森でそれを実践しようとした
46:10その文章が残っていますが
46:14それをガンジーは読みましてね
46:17非常な感動を受けたということですが
46:20そうした確かに自分の国は自分の国だけれども
46:28そして自分の国は大事にするけれども
46:30もっと根底にある人間そのものを見ていくということが
46:34ガンジーのアヒンサーという政治運動
46:40社会運動
46:42同時に宗教運動
46:44宗教運動とは言えないんですけれども
46:46宗教的な政治運動かといいますが
46:48その辺のことももう一つ
46:51ピチッと示したガンディの言葉をご紹介をいたしたいと思います
46:57私は多くの実験の結果
47:03信念を持って次のように言うことができる
47:06真実すなわちサティアの全き姿を見るには
47:10不摂取
47:11真実さを完全に実現した後にしかありえないと
47:15普遍的なそして全てに内在するサティアグラハ
47:20真実を把握すること
47:22真実の力に出会うためには
47:24人は極めて小さな生き物をも愛することができなければならない
47:30あらゆる生き物と一体となることは
47:33自己浄化
47:35ブラフマチャリアなしにはありえない
47:38自己浄化なしに守られた不摂取の原則は
47:41空虚な夢となってしまうであろう
47:44純粋な人でなければ神を知覚することはできない
47:48浄化は極めて伝染力の強いものであるから
47:52自己浄化を行えば必ず
47:55自己の周囲を浄化することになる
47:59そしてここは素晴らしい言葉だと思うんですが
48:02そう思います
48:04このサティアグラハ運動
48:06非暴力運動というのは
48:08極めて小さな生き物をも愛することであり
48:12あらゆる生き物と一体となることであり
48:17それは自分の心を清らかにしていく
48:22いわば自己抑制していく
48:24よほど自分の心というものに対する
48:27訓練がなかったらできないんだって言ってるんですね
48:30そうですね
48:31ガンジーは政治的社会的な活動によって
48:39国際的に知られてるんですけれども
48:41単なる政治家ではなかったわけですね
48:44その奥に自分を見つめる反省があった
48:49だから今ご紹介くださったような
48:52そういう信念がとろされているわけです
48:56どうしてもそこに生き物に対する奉仕というものが
49:00基本的にあったかと思うわけでありますが
49:05皮肉なものだと思うんですが
49:07マハトマ・ガンディー
49:10非暴力を主張しながら
49:13暴力でもって暗殺されてしまったわけでございます
49:16インドが独立した1947年の翌年
49:26ヒンドゥ教の右翼と言われておりますが
49:30非常に頑固なジャーナリストだったようです
49:34それに暗殺されて
49:36一生インドにそして人間に捧げた生涯を終わっていくと
49:41こういうことでございます
49:42テレビに出ておりますのは
49:46葬儀の写真かと思いますけれども
49:50これも葬列葬式でございますね
49:53今度写真に出てまいりますのが
50:08ガンディーが暗殺された場所と言われております
50:14ビルラハウスとなってありますが
50:19ビルラという実業家がガンジーの運動の熱心な講演者
50:25崇拝者だったんですね
50:27そこで断食に入り瞑想を行っていた
50:34弾からちょうど降りようとしたところを打たれたわけですね
50:46ガンディーメモリアムと普通言われておりますけれども
50:49ガンディーの功績を記念して
50:53こうした形がデリーに今あるわけでありますが
50:57これはジャムナ川の川岸に近いところにございますですね
51:04今でも多くの人がお参りしていますが
51:08こういうわけでいろいろ伺ってまいりまして
51:12写真も見てきたわけでありますけれども
51:16結局ガンディーの行動といいますものは
51:20人間の愛と平等を信じ
51:25献上をいわば自らをへり下るということは
51:29他人を敬うということに終始しているかと思いますが
51:34あまり時間もございませんですが
51:36このガンディーの影響を受けました
51:39マルチン・ルーサー・キングという人もおりますですね
51:43写真がございますので
51:45写真だけちょっとご紹介をいただきたいと思うんですが
51:50やはり
51:53差別問題というものに対して戦いながら
51:57暗殺をされるという
52:01誠に悲しい現実がそこにあるわけでありますが
52:07先生こういうふうに見てまいりまして
52:12現代というものがいろいろな状況もあるんですけれども
52:16人間の命というものが
52:19とっても粗末にされているような時代かと思います
52:23そうしたことを今日のお話のまとめも含めまして
52:27仏典の中からその辺のことを
52:30端的に示した言葉をご紹介をまずしたいと思います
52:35いかなる生類であっても
52:40ことごとく
52:42怯えているものも
52:44強いものも
52:46長いものも
52:47短いものも
52:48微細なものも
52:49粗大なものも
52:50目に見えるものも
52:52見えないものも
52:54すでに生まれたものも
52:56これから生まれるものも
52:58一切の生きとし生けるものに幸いあれ
53:01スタニパータの146から147ということでありますが
53:07人間のすべて
53:09いや
53:11人間だけではありません
53:13すべての生きとし生けるものに幸いあれという
53:16大変普遍的な祈りの言葉ですね
53:19そうですね
53:21これが
53:23これからの人類が
53:26生きて活動していくための
53:28精神的な理想になるんじゃないでしょうか
53:33今まではそこまで考えてなかったと思うんですね
53:35やっぱり自分たちの仲間だけとか
53:38あるいは自分たちの民族だけの利益を測るとか
53:42そうすると差別の問題も起きるわけですね
53:47さらに
53:49人間の利益だけ考えればいいか
53:52ところがこの頃はですね
53:55人間の利益だけ考えたために
53:58人間がしっぺ返しを受けているという
54:01そういう世の中になりましたでしょう
54:04やはり人間としてものを考えていく
54:08時代になっているだろうと思うんですね
54:10先ほどのガンディにしましても
54:11私は愛国者であるって言うんですね
54:15インド人であるからインドを愛していると
54:18しかしながら自分の国を愛するということが
54:21人間を傷つけるような形であったならば
54:26私は人間としての尊さを重んじる方に
54:30軍配をあげるという趣旨のことも実は言っておりまして
54:33やはりそれぞれの立場を大事にしていく
54:40当然だと思いますけれども
54:42それと同時に普遍的な人間というもので見ないと
54:46これだけ地球が狭くなってまいりましたし
54:50いろいろな問題が
54:53続々出てきそうな気がいたしますですね
54:57今生きている人間はですね
54:59みんな両親から生まれたわけでして
55:04いずれかの民族の一員であるわけです
55:09そしてまたいずれかの国家の一員であるわけです
55:13これはもう否定できない事実ですが
55:17それに即して生き方を明々追求すべきですが
55:22その彼方にはですね
55:24人間としての自覚を持って
55:26人間の持っている尊いものに目を開くと
55:30一切の生きとし生けるものに
55:33幸せあれとそう願う
55:35その気持ちが
55:39今後の我々を導いてくれ
55:42また救ってくれるものじゃないでしょうか
55:45この人間も含めすべてのものが尊い存在なんだという
55:50いわば人間観とよろしいですかね
55:56これはおそらくではなくて
55:58確実には仏教でも説いているわけでありますし
56:01おそらくキリスト教、ヒンドゥ教、その他の宗教でも
56:04他の私のグループは大切だけれども
56:09他のグループはいいなんて説く宗教ないと思うので
56:12そこにもう少しこれは仏教とかキリスト教とか
56:17ヒンドゥ教とかいうことではなく
56:21もっと宗教的な世界の中から
56:24人間の尊さというものを
56:26それぞれの国の方がそれぞれの立場
56:30それぞれの宗教ないし文化伝承の中で考えていく
56:34そうしたことから
56:37人間の尊さというものが理解されてくる
56:41それがあって初めて今度は
56:43本日の最初にございましたけれども
56:45我が身に引き比べてということが
56:49生きてくるように思うのではないですけど
56:51そうですね
56:53それをガンジーさんはよくてっかくに発足し
56:57体験していたと思います
57:00今日でもガンジーさんのお墓へ参りますと
57:03金曜日に暗殺されたものですから
57:05金曜日にお勤めがあるんです
57:07そうするとそこではヒンドゥ教の
57:09バカバッドギータだとか
57:13アデヒアトマラマヤなどの
57:15独自もいたしますと読むけど
57:17同時にコーランだとか
57:19バイブルだとか
57:21それぞれの聖典の一節を読みます
57:28それから日本に由来する
57:30南明法蓮華経をも唱えるんですね
57:33全て認めてですね
57:37その奥にあるたっというものを生かそうという
57:40この精神です
57:42これはガンジーの死後にもまだ生かされていると思うんです
57:46それが本日のテーマの
57:48我深く難立ちを敬うということの
57:53最も基本的なテーマで
57:56趣旨であるんじゃないかと
57:59こう思いますけれども
58:01本日は先生どうも大変ありがとうございました
58:03ありがとうございました
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