カテゴリ
🗞
ニューストランスクリプション
00:00昨日3日、投票が行われた韓国大統領選挙は、革新系の共に民主党のイ・ジェミョン氏が保守系の候補を破って当選。
00:13きょう4日の就任式の演説で次のように述べました。
00:30次のように述べました。
01:00読み解きます。
01:03解説のポイントは3つ。
01:05イ・ジェミョン氏とは、日韓関係の行方、そして日本以外の関係国へのスタンスです。
01:13まずは選挙結果を振り返ります。
01:17韓国の中央選挙管理委員会の発表によりますと、上位3人の得票率は、
01:22イ・ジェミョン候補が49.4%、保守系の国民の力のキム・ムンス候補が41.2%、
01:33そして同じく保守系の改革新党のイ・ジュンソク候補が8.3%でした。
01:39イ・ジェミョン氏は前回の大統領選挙で、わずか0.73ポイント差で敗れましたが、
01:47今回は中道層の取り込みや保守層の切り崩しにも成功して、8ポイント差をつけて勝利。
01:53投票率は79.4%と、2002年以降の大統領選挙で最高となり、関心の高さを示しました。
02:05では、イ・ジェミョン氏とはどんな人物なんでしょうか。
02:09イ・ジェミョン氏は60歳。家庭が貧しく工場で働きながら苦学して司法試験に合格。
02:17人権派弁護士として活動します。
02:19その後、ソウル近郊の市長と知事を務め、行政手腕を磨きました。
02:26この間、歯に着ぬ着せぬ物言いで、アメリカ大統領にちなみ、韓国のトランプとか、
02:34発言で爽快な気分になるとしてサイダーと呼ばれて知名度を高め、
02:39前回の大統領選挙で公認候補に担ぎ上げられたのを機に国政に進出した医師、
02:45大衆に迎合するポピュリストと評する向きもあります。
02:51医師は選挙公約で、世界秩序の変化に実用的に対処する外交安保強国を掲げました。
03:00理念ではなく、経済的利害を含め、国益中心で現実に即した外交を、
03:06K-POPならぬK外交と称して展開する構えです。
03:11大統領府で外交安全保障の司令塔を担う国家安保室長には、
03:17医師の外交部連を務めたウィ・ソンラク氏がきょう任命されました。
03:22ウィ氏は、中ロシア大使や中米交渉を歴任し、
03:27北朝鮮問題にも詳しく、新政権のキーマンの一人といえます。
03:31ここで抑えておきたいのは、今月22日で国交正常化60年となる日韓関係の行方です。
03:42イ・ジェミョン氏は、日本との関係について、
03:45知性学的にも重要で、対極的に協力すべき相手だと主張。
03:49公約には、社会・文化・経済分野は未来志向で対応し、
03:55一貫性のある堅固な韓日関係を築くと明記しました。
03:59韓国でアニメなど日本文化に関心を持つ若者を中心に、対日感情が改善。
04:07韓国からの訪日客が去年881万人と国別で最も多くなったほか、
04:15日本から韓国の機械設備や電子分野など製造業への直接投資が急増しています。
04:22そうした中、現実路線をアピールした形です。
04:26日韓間の変化に迎合した選挙戦術の可能性も否めませんが、
04:32専門家や企業関係者からは、
04:35政権交代による日韓関係の急激な悪化はないとする楽観的な見方も出ています。
04:43先月20日にSNSで公開した動画でも、
04:46日本に好意的な発言がありました。
04:49一方で、中道層や保守層を含む幅広い支持を得る必要があった
05:16大統領選挙が終われば、対日強硬姿勢に転じるのではないかと懸念する声も出ています。
05:23というのも、医師は、歴史問題や島根県の竹島をめぐっては、
05:27日本に妥協しないという考えを示しているからです。
05:32そもそも、医師は、去年まで、
05:34国内世論も意識しながら、日本に対し厳しい言動を重ねてきました。
05:38日本は今も軍事大国化を夢見ていると主張。
05:44東京電力福島第一原発の処理水の放出に際しては、
05:49全世界に対する宣戦布告だとして、
05:52反対運動の先頭に立ち、ハンガーストライキを強行しました。
05:57日本との関係改善を進めたユン前政権の姿勢を、
06:01屈辱外交だと繰り返し批判し、
06:04ユン前大統領に対する1回目の弾劾卒夜には、
06:09日本中心の奇異な外交政策に固執したとする文言まで盛り込みました。
06:15こうした経緯から、今年に入っての表現は、
06:19日本側に警戒感も生じさせています。
06:22韓国では、慰安婦問題や太平洋戦争中の徴用をめぐる問題で、
06:28日本政府や日本企業に賠償を命じる判決が依然として後を絶たず、
06:34そのたびに韓国政府は対応を迫られます。
06:388月には日本の植民地支配からの解放80年となり、
06:43民族意識が高まることも予想されます。
06:47慰安婦合意を事実上破棄し、
06:49徴用問題の解決を放置した前の革新系、
06:53ムンジェイン政権の繰り返しで、
06:55日韓関係が後戻りしないかが焦点です。
06:58次に、日本以外の関係国に対するスタンスを見てみます。
07:07軸として重視するのは、
07:09アメリカとの同盟関係だとしています。
07:11テレビ討論会で、
07:44一方、北朝鮮との関係については、
07:54非核化の目標は堅持しつつ、
07:56途絶えたままの対話や協力の再開が必要だとする立場です。
08:02歴代の革新政権は、
08:04北朝鮮に対し、
08:05抑止よりも関与を通じて、
08:08平和共存を主導することに重きを置いてきました。
08:12新政権も、
08:13この流れをおおむね踏襲しようとするでしょう。
08:17もっとも、
08:18北朝鮮が韓国を敵対国と位置づけ、
08:21対話や和解に応じる気配を見せていない中では、
08:24現状維持が精一杯の可能性もあります。
08:29その北朝鮮の後ろ盾、
08:31中国やロシアとの関係改善も、
08:34経済的かつ戦略的に重要だとしています。
08:39最大の貿易相手国である中国とは、
08:42対立か協力か、
08:44一方だけではないアプローチが必要だと強調。
08:47そして、北朝鮮と軍事協力を深めるロシアに対しても、
08:52温暖化の影響で、
08:54北極海の氷が溶け、
08:56船の航行が活発になる、
08:58北極航路などを通じた協力を模索するとしています。
09:04イージェミョン大統領は、
09:06安定した政権運営を進める上で、
09:08万弱な状況にあります。
09:11前の政権と違って、
09:13国会で与党が過半数を占め、
09:163年先まで総選挙がなく、
09:18当面、円滑な法案の成立が期待できるからです。
09:21東アジアを取り巻く安全保障、
09:25経済環境が厳しさを増す現実を前に、
09:29外交手腕が早速試される
09:31イージェミョン政権の一挙手一投足を、
09:34隣国、日本としても注視していく必要があります。
09:37ご視聴ありがとうございました。