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教育トランスクリプション
00:00去年の兵庫県知事選挙をめぐって 斉藤本彦知事とPR会社の社長が先週書類送検されました
00:08問われたのはSNSを使った選挙運動です 何が選挙違反にあたるのか取材をもとに考えます
00:16今週水曜日
00:20兵庫県の斉藤元彦知事は会見で去年の知事選を巡る公職選挙法違反の疑いについて繰り返し問われた一連の捜査が終わった段階で、何らかの身の処方というのを示すお考えはありますか?
00:40私としては、先ほど申し上げたとおり、公職変遷選挙法などに抵触するようなことはないという認識で、しっかりこれまでもやってきてますし、捜査に入ってるものについては、しっかり捜査に協力していくということが大事だというふうに県議会から不信任を突きつけられたが逆転勝利を果たした斉藤知事。
01:10その直後、兵庫県内のPR会社メルチュの社長A氏がインターネット上に投稿した内容が問題となった。
01:52この写真もあった。斉藤陣営はA氏の会社メルチュにポスターデザイン制作などとして71万5000円を支払っている。
02:06これが選挙運動の報酬にあたり、買収の疑いがあるとして去年12月、大学教授らが斉藤知事とA氏を刑事告発した。
02:20兵庫県警と神戸地検がPR会社の関係先の捜索に乗り出しました。
02:26兵庫県警はスマートフォンなどを押収先週、斉藤知事とA氏を書類送検した知事はSNSの運用は自分や斉藤事務所が主体的に行っていたなどとして違法性を否定している
02:56公職選挙法に抵触するようなことをしていないという認識でいますので。
03:04公職選挙法ではポスターの印刷など機械的な作業のみを行う場合、報酬の支払いを認めている。
03:15だが機械的な作業ではないものに報酬を支払うことは、公職選挙法の買収罪となる恐れがある。
03:261つ目のポイントはメルチュの行為が機械的な作業だったのかどうかだ報道特集は選挙中のSNSの映像などから選挙戦へのメルチュの関与を独自に検証した。
03:50せーの、スタート!
03:56去年11月16日、兵庫県西宮市で撮影された映像。
04:03この日は投票の前日。
04:09聴衆を前に斉藤氏が街頭演説をしている。
04:16斉藤氏のすぐ隣にはスマートフォンを構える女性の姿も。
04:22書類送検されたPR会社、メルチュの社長、A氏とみられる。
04:28別の写真からはスマートフォンで斉藤氏を撮影しているのがはっきりと確認できる。
04:38斉藤氏の公式SNSには。
04:46斉藤元彦でございます。どうぞよろしくお願いします。
04:492つの映像をリンクさせると、カメラの動きや角度から、この公式映像はA氏のカメラが撮影したものだということが分かる。
05:05同じ日の夜、公式SNSで配信されたこの演説もA氏が撮影したもののようだ。
05:15A氏は兵庫県西宮市出身、PR会社メルチュを立ち上げ、兵庫県など自治体からの依頼で、SNSを使った地方創生事業などに関わってきた。
05:34兵庫県知事選への関与については、自身のYouTubeでこう話していた。
05:45何されているんですか、実際。
05:47実際、広報全般を任せていただいておりまして、ポスターを作ったり、ビラを作ったり、SNS運用をやったり、YouTube運営をやったり、
05:59本当に選挙って、広報の総合格闘技やなというふうに思うんですけれども、
06:07その格闘技で、今最前線でこうやってこうやって、ずっとこうやってやっている感じで。
06:13広報全般を任せていただいたと、笑顔で話すA氏。
06:20これはA氏が発信するSNSの一つ、ノート。
06:29斉藤氏が出直し選挙に臨むと表明した3日後、去年9月29日の写真には、
06:40メルチオフィスで、ハッシュタグ斉藤元知事頑張れ大作戦を提案中。
06:47他にも、SNS運用フェーズという提案資料が、
06:53投票日までを3つの時期に分け、戦略を立てていたことが伺える。
07:03まず、プロフィール写真の撮り直しからスタート。
07:08すべての告知物に使われる重要な写真なので、
07:12全員で念入りにチェック。
07:14SNS運用
07:17私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、
07:24プロフィール作成、コンテンツ企画、文章フォーマット設計、情報選定、
07:31などを責任を持って行い、
07:34信頼できる少数精鋭のチームで、
07:37協力しながら運用していました。
07:39ハッシュタグ、斉藤元知事頑張れは、
07:45A氏が生み出し、斉藤氏に提案したという。
07:51斉藤氏が見つめるモニターにも、
07:54こうしたSNS戦略の資料が、
07:57映し出されているようだ。
08:01ハッシュタグについて、
08:04元知事頑張れとしたのも、
08:06こだわったポイントです。
08:08ここは、ご本人も気に入っていました。
08:13このハッシュタグは、
08:15Xの公式応援アカウントが立ち上がった頃から広がり始め、
08:205万件以上投稿された日もあった。
08:27こうした成果を、A氏はアピールしていた。
08:30400人のSNS投稿スタッフがいた。
08:37というデマが、さも事実かのように流されてしまい、
08:42驚きを隠せないと同時に、
08:44私の働きは400人分に見えていたんや、
08:47と、少し誇らしくもなりました。
08:52そのような仕事を、東京の大手代理店ではなく、
08:56兵庫県にある会社が手掛けたということも、
09:00アピールしておきたいです。
09:01メルチュは、機械的に作業をしていたのではなく、
09:07SNSの主体的な運用を任されていたのだろうか。
09:15斉藤氏の代理人、奥美弁護士は、
09:19SNS戦略を依頼したということや、
09:22広報全般を任せたということは、
09:24事実ではありません。
09:25実は、問題発覚後、
09:30A氏のノートからは、
09:32メルチュの主体性をうかがわせる記述が、
09:35次々と修正されていた。
09:41メルチュオフィスで、
09:43ハッシュタグ斉藤元知事頑張れ大作戦を提案中、
09:48は、
09:49メルチュオフィスが、
09:50ただのオフィスに、
09:52大作戦を提案中が、
09:54説明中に、
09:58SNS運用フェーズの提案資料と、
10:02広報全般を任せていただくことになりました、
10:06という記述は、
10:07まるまるなくなっていた。
10:09斉藤氏の選挙戦略には、
10:15A氏のほかにも、
10:17もう一人、
10:17鍵を握る人物がいた。
10:21男性B氏、
10:23初当選の時から、
10:25斉藤氏の選挙をサポートし、
10:27メルチュにも同行していた。
10:31斉藤氏の陣営で、
10:33選挙対策を率いてきた。
10:35斉藤氏とB氏を知る人物が、
10:45取材に応じた。
10:47上原南神戸市議は、
10:50斉藤氏が、
10:51メルチュを訪ねた6日後、
10:53斉藤氏とB氏と面会したという。
10:56政策を支持していましたので、
11:03選挙に出られるということになった時に、
11:06応援したいなという思いがありまして、
11:09ウグイスもできますし、
11:11応援演説もできます。
11:13プラス、
11:15動画編集も自分でできますので、
11:18そういうことを手伝い、
11:21必要だったらしますよ、
11:23というお話をしました。
11:26上原市議がSNSの手伝いを申し出ると、
11:31同席していたB氏は。
11:34で、それもメルチュに依頼してますので、
11:37みたいな、そんな感じで言われてたんで、
11:40で、じゃあ、斉藤知事が、
11:43でも、まだできないんだったら、
11:45私に先作ってもらおうかな、
11:47みたいな感じで言ってたんで、
11:48じゃあ、作りましょかっていう。
11:50しかし、この面会の翌朝、
11:55B氏から上原市議にこんなLINEが届いた
11:59SNS監修はメルチュさんにお願いする形になりました。
12:09結局、上原市議が斉藤氏のSNSを手伝うことはなかった。
12:17はっきりと、SNS監修はメルチュさんにお願いする形になりましたと書いてありますね。
12:27斉藤知事側が説明していることが明らかに違いますよね。
12:31事実がどうなのかっていうのは、本人しか分からないことなので、
12:35きちんとご本人が人を介さずに、
12:38お話しすることってすごく大事だと思うんです、特に政治家ですからね。
12:42斉藤氏と親交がある川田雅俊さん上原市議を斉藤氏に紹介した人物は上原市議が斉藤氏B氏と会った後B氏から川田さんに電話があったという
13:04でもその時の会話は、要は南先生の支援はいりませんよっていう
13:13そういうことでね、なんであの人今回近づいてきたんですかとか言い方で言うてきたから
13:19決まってるんやから横やれんといてくれって言い方では言うたよ
13:22そうなんですか、でも斉藤さん側の説明は一切メルチュにはお願いしてない
13:27メルチュさん、この文章は何ですかっていうことで
13:30聞いた話と、あの今回のそのLINEが送られてきたことと
13:34それで弁護士さんが言うたのは、一切メルチュというかね、業者さんは頼んでませんという会見やったよね
13:42そうしたら、どれが本番やねんと思いました
13:46川田さんは、この時B氏が言ったことと斉藤氏側のその後の説明の矛盾に納得できず
13:55斉藤氏に直接電話をかけたという
13:59斉藤さん、おかしいやん、今日の仕事で見たよと
14:03はいと、なんでなんてあれ、いやいや、おかしいやん
14:07問い詰めたら、本人はもう声が変わって
14:10もう、いや、母さん、もう僕はそれには答えれないんです
14:14いや、答えられへんって、どういうことやねんと
14:16SNS監修はメルチュさんにお願いするとのLINEを送ったB氏が事情を知っているのか
14:28本人に取材を申し込むと
14:33一方、斉藤知事は、公職選挙法に関わる問題については
14:56代理人に対応を任せていると繰り返し
15:00発言を避けている
15:01公職選挙法に関して、適法に対応していたという認識に変わりありません
15:09なぜその適法なのかという点なんですけれども
15:13これはやはりPR会社の社長が会社の業務として
15:16これを行っていたとすれば問題があるように思うんですけれども
15:19この件については今、対応について、それから取材についてもですね
15:23代理人の弁護士さんに対応をお願いしていますので
15:27私からのこれ以上のコメントは差し控えたいと思います
15:31その斉藤知事の代理人、奥美弁護士が取材に応じた
15:38メルチュの社長はどのように広報活動に関わっていたと認識されていますか
15:46他のボランティアの方々と同じ立場で手伝っていただいたと認識しています
15:50どんなことをされたかというのがお分かりになっていますか
15:54私自身は正確には把握しておりません
15:56しかし、私たちが取材した結果を伝えると
16:03選挙運動用のアカウントの取得
16:07Xで斉藤応援公式とあとYouTubeを始めていますね
16:13その制作にメルチュが関与している部分はあるんだと思いますよ
16:17そのアカウントの作成、つまりアカウントの取得をメルチュがしたということですね
16:23アカウントの取得は私個人ですね
16:25さらに選挙期間中にメルチュの社長が
16:35斉藤知事の演説を撮影し
16:37SNSで配信していたことについても
16:40どういうシチュエーションでしたか
16:46おそらく斉藤知事が演説されているものを
16:51スマートフォンで撮影していたんじゃないですか
16:53メルチュの社長は知事との打ち合わせでSNS戦略をプレゼンしていた
17:02一連の行為は公選法が認める機械的作業にとどまるのだろうか
17:10SNS戦略のご提案と読める画面がスクリーンに出されているんですね
17:19最初の表紙の部分はそうだと思うんですね
17:214人写っているところ
17:22それ以降の部分ですねフェーズ投稿とかいう部分ですけども
17:28これはなかったと確認してますけども
17:31というのは知事とお金の聞き取りでそうおっしゃっているってことですか
17:36そう考えていただいて大丈夫です
17:39そこにいた皆さんが見ていないという話を聞きました
17:44それが正しいかどうかは分かりませんけど
17:46知事も見ていないと言ってますか
17:48知事からは事情聴取しておりません
17:50奥美さんは知事の代理人ですけれども
17:53事実関係については
17:56知事の聴取のみで
18:00お話しされているということです
18:03買収に当たるのかどうか
18:092つ目のポイントは
18:10メルチュの行為に対して
18:12報酬が支払われたのかにある
18:15知事の代理人は
18:18これらはいずれもPR会社としての活動ではなく
18:24選挙のボランティアの一員としてなされたものです
18:27かつ社長が主体的裁量的に行ったというものでもありません
18:33無論社長個人とは何の契約もありませんので
18:37報酬支払いの事実もその約束もありません
18:41SNSの運用は
18:45A氏個人のボランティアだと主張するが
18:48先ほどのA氏のノートには
18:51ボランティアで行ったという記載はない
18:55これは知事側が公開した
18:59メルチュの請求書
19:01チラシやポスターのデザイン費などとして
19:0771万5000円をメルチュに支払ったが
19:11SNSに関する費用は含まれていないという
19:15つまり知事側の主張は
19:2171万5000円は
19:23全てチラシやポスターなどの
19:26機械的な作業に支払ったもので
19:28SNS運用には報酬がなく
19:32A氏個人のボランティアであるとしているのだ
19:36しかし知事とA氏を刑事告発した
19:42神戸学院大学の上脇博士教授は
19:46ノートの記載などから
19:48買収が成立すると見ている
19:51ノートを見ると
19:54会社として受け負っているということは
19:56明らかですよね
19:58やっぱりあのノートを全体見ると
20:01私の会社でこれだけのことをやりましたと
20:04言ってますから
20:06個人がボランティアっていうのは
20:08ありえない話ですね
20:09もう結果的には報酬を受け取っていますから
20:14いやこれは機械的なことなので
20:16買収にはなりませんよ
20:19あとはボランティアですよというね
20:21逃げ道が簡単にできてしまうと
20:25みんなまねしちゃいますよね
20:27ですからこれはやっぱり
20:29買収非買収が成立するというふうに
20:32やっぱり考えるべきだろうと思いますね
20:34今後の捜査の行方は
20:39公職選挙法に詳しい
20:42一橋大学の
20:44田田の正人教授に聞いた
20:46従来の解釈からすれば
20:51選挙運動をやっているということになってしまうかな
20:53と思うんですね
20:54ただ問題はそこに対価が支払われているかどうか
20:57普通に考えるとボランティアでやっているとは
21:00なかなか考えにくいところはあるのですけれど
21:02実際どういう形でお金が払われているのか
21:06その証拠がどういう形で残っているのか
21:09というあたりにも関わってきますので
21:11実際その基礎まで持っていくのは
21:14なかなか簡単ではないような気がします
21:16選挙カーの運転手や
21:20ウグイス城への報酬は
21:22公職選挙法で上限額などが
21:25明確に定められている
21:27一方でネット上の選挙運動費用については
21:33その解釈をめぐって問題になるケースも出ている
21:38去年の都知事選では
21:40街頭演説を配信した業者に支払われた
21:44機材キャンセル料が
21:47公選法違反に当たるとして
21:49来月にも国政選挙と参議院選挙があったり
21:56そういう時に基礎という判断というのは
22:00多少影響があるんでしょうか
22:02基礎されれば相当インパクトはあるとは思いますが
22:05やはり刑事事件になりかけているということですね
22:08違法性が強く指摘されているということ自体は
22:11一種の警告としては意味があったのかなと思うんですね
22:15少し長い目で見た時に
22:18例えばSNSの運用抜きに選挙運動が成り立たないとすれば
22:22そのことに対する資質を
22:25むしろきちんと位置づけるべきではないかとか
22:27当面の手当てをしていきつつ
22:30中長期的に選挙運動のあり方がどうあるべきか
22:33ということを少し大きな視点で
22:35考えていくべきなのかなというふうに思いますね
22:37取材した塩田アダムディレクターです
22:41お願いします
22:41斉藤知事は一貫して公選法違反には当たらないと主張していますね
22:47そうですね
22:47公選法違反ではないとする陣営の根拠の一つが
22:51社長個人の行為が主体的かつ裁量的ではない
22:56つまり機械的な行為だという主張なんですね
23:00しかし取材を進めると
23:02SNSアカウントの立ち上げから撮影配信まで
23:06社長自らが行っていたことが明らかになっています
23:09これについて知事や陣営のB氏に取材を申し込んだんですが
23:13回答は得られませんでした
23:14さらに知事が対応を一任していると言っていた代理人の弁護士
23:18彼はインタビューには応じたんですが
23:22その肝心のこの件については知事に話したことすらないと
23:25言っていたんですね
23:26非常に驚きました
23:28今回の公選法絡みだけじゃなくてですね
23:31兵庫県では本当にいろんな問題を取材してきましたよね
23:34そうですね
23:35この兵庫県をめぐる一連の問題
23:37発端は公益通報者への違法な処分だったんですね
23:41しかし知事への不信任が可決をされて
23:44知事選が再び行われると
23:46その2馬力選挙とかデマの拡散
23:49それから議員やジャーナリストへの殺害国など
23:52本当様々な問題が浮き彫りになってきました
23:54特に誹謗中傷については私
23:57被害者も加害者も両方取材をしていたんですが
24:00みんな例外なく傷を負ってですね
24:03恐怖を感じ
24:04普通の社会生活もままならないような状況に
24:07追い込まれている方が少なくありませんでした
24:08絶望をして命を落とされた方もいました
24:12来月には参院選を控えていますけれども
24:15このまま選挙期間中のデマや誹謗中傷が放置をされて
24:19その制度の穴を突くような政治活動が横行すればですね
24:23健全な言論空間をおろか
24:25民主主義自体が根本から崩れてしまうような危機感を抱いています
24:29斉藤知事は受け止めるという言葉を繰り返していますが
24:33ここはぜひともご自身の言葉で説明責任を果たしていただきたいと
24:37そう思っています
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