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00:00今お話ししたことは全て僕の推測です
00:28証拠はありませんそれで十分謎を解いてくださってありがとう
00:41真実を確かめたいのではありませんか?
01:08いいえ42年も昔のことです
01:15次の動画でお会いしましょう
01:27高藤先生
01:39高藤先生今日はどなたかお身内の方とご一緒にいらしてくださるようお願いしたはずですがあいにく私には身寄りがありませんのそれにここでは先生はあなたの方ですよ。
02:06はっきりおっしゃってくださいな
02:13私にはあとどれくらい時間がありますの
02:18気が進みませんねえ
02:30気が進みませんねえ
02:35あっ
02:47あっ
02:50失礼ですか
03:05この日傘あなたのものではありませんか
03:09あらっ
03:14どうして私のものだと?
03:16柿染めの日傘なので和装の女性のものではないかと
03:20柿染めだなんてお着物にお詳しいのね
03:23知人に着物の好きな女性がいるものですからねえ
03:27やはりそうでしたか
03:28どうもありがとう
03:37でももう日傘はいらないわね
03:40夏はまた来ますよ
03:43さっき聞いたんですけどねえ
03:48来年の夏には私もうこの世にいないのよ
03:58はい
04:02はい
04:28何かかも
04:45あっ
04:47じゃあ
04:49そして
04:51ねえ
04:55I am too many times.
05:00I'll take it when I take a look at my best friend.
05:02You are too old, I'm too old.
05:05You have been on a day at night,
05:06when I do work for a doctor,
05:08I'm going to make a look at the doctor's back.
05:10I'm not too old, but I'm not.
05:11I'm not hurting myself anymore.
05:14You are too old.
05:16Why did I come to the doctor's back to my doctor's back?
05:20I'm going to send you a car to my car and send me a phone call.
05:37Hi, I'm Dr. Kahnbe is
05:39Mr. Kahnbe is Mr. Kahnbe.
05:41Mr. Kahnbe is Mr. Kahnbe.
05:44Mr. Kahnbe is Mr. Kahnbe.
05:46Mr. Kahnbe is Mr. Kahnbe.
05:50Mr. Kahnbe is Mr. Kahnbe.
05:56Mr. Kahnbe is Mr. Kahnbe.
05:57Mr. Kahnbe.
05:58Mr. Kahnbe.
05:59Mr. Kahnbe.
06:00Mr. Kahnbe.
06:01Mr. Kahnbe.
06:03Mr. Kahnbe.
06:05Mr. Kahnbe.
06:06Mr. Kahnbe.
06:07Mr. Kahnbe.
06:08Mr. Kahnbe.
06:09Mr. Kahnbe.
06:10Mr. Kahnbe.
06:11Mr. Kahnbe.
06:12Mr. Kahnbe.
06:13Mr. Kahnbe.
06:14Mr. Kahnbe.
06:15Mr. Kahnbe.
06:17Mr. Kahnbe.
06:18Mr. Kahnbe.
06:19勤務中でございますがどちらへ?
06:21もちろん職務の一環ですよ。
06:24ということは僕もついて行っていいわけだ。
06:32高藤織江。女流歌人。
06:36へえ、あの57577の短歌を読む人なんですか?
06:40そうですよ。
06:4110代で器の会の主催、浅沼幸人に支持、23歳で第一歌手を発表し、一躍歌断の脚光を浴びる。その後、話題策を続々と発表して受賞歴を重ねる一方、2003年、器の会の主催を引き継ぎ活躍を続けている。
06:57杉下さん、すごい人知ってるんですね。
07:00偶然知り合っただけです。
07:03なるほど。この二重底から見たことのない青い小瓶が出てきたわけですね。
07:09そう。それで大学の薬学部に勤めている知人に調べてもらったら、小瓶の中身は毒物だったの。
07:19毒?
07:20ええ。それもごく少量で人が死んでしまうほどの猛毒。
07:26あ、そう、えっと、あなた。
07:28あっ、寛兵衛です。
07:29そうそう。寛兵衛さん、そこにカリンとありますから、どうぞ。
07:33どうも。
07:34どうも。
07:35ところで、これはどなたの不箱なのでしょう。
07:40これは、桐野隆雄という人の不箱でした。
07:45桐野は、私が二十歳の学生の頃に結婚を約束した人でした。
07:52この人よ。
07:53失礼。
07:54桐野と私は短歌の会で知り合ったの。
07:55桐野は機械部品工場の後員で、頭の固い私の両親は。
07:57桐野さんとの交際に反対した。
07:58桐野さんとの交際に反対した。
07:59桐野さんとの交際に反対した。
08:01桐野さんとの交際に反対した。
08:04そう。それで私は家を出て桐野の下宿で一緒に暮らし始めたの。
08:20I don't know.
08:50I was at the time when I was dead, and I was at the time when I was killed.
08:55I was going to kill myself, and I was going to kill myself, and I was going to kill myself.
09:01If you would like to tell me what you would like to know about Kỳのさん?
09:10Kỳのの無断欠勤を不審に思って、
09:17様子を見に来た工場の人たち キリノは窓のすぐ横に倒れていて
09:26毒の入ったコーヒーのカップは窓のサンに置かれていたそうです
09:31コーヒーカップの指紋は?
09:33カップにもインスタントコーヒーの瓶にもスプーンにも
09:38キリノの指紋しか残っていなかったと聞いたわ
09:41じゃあこの二重底から見つかった青い毒の小瓶は?
09:45キリノさんが副毒に用いたものでしょうね
09:48私もそう思うわ でもおかしくありません?
09:52はい?
09:54毒を飲んで自殺しようとした人が一体何のために毒を隠したのか
10:00確かに遺体が見つかれば体内から毒が検出されて
10:03毒を飲んだことはすぐに分かりますからね
10:06でその肝心の小瓶なんですけどどちらに?
10:11調べた後ちゃんと向こうで廃棄していただきました
10:16え?
10:17だって毒なんですよ危ないじゃありませんか
10:21いやしかしその小瓶があれば指紋とかも調べられたんですけど
10:26キリノさんが発見された時部屋の鍵は閉まっていましたか?
10:31いいえではその夜あなたが部屋にいないことを知っていた人物はいますか?
10:41短歌の会の人はみんな知ってました前の週の会に私週末には大阪に行くって話しましたからなるほど
10:54多殺の可能性を考えてらっしゃるのね
11:04おっしゃる通り
11:05事件の夜
11:07部屋にはもう一人の人物がいた
11:09ええその人物がキリノさんの目を盗んでコーヒーカップに毒を入れて彼を殺害した
11:15仮にそうだとしてもその人物が毒を隠したかったのであれば単に持ち去れば済む話です
11:22なぜその人物はわざわざ不箱の二重底に隠したのでしょう
11:27青い毒の小瓶の謎解いていただけます?
11:34やってみましょう
11:36それにしても高藤織江さんは不思議な方ですね
11:43れいま鋭いんだかおっとりしてるんだか
11:46いや僕が不思議だと思うのは
11:48彼女が毒の小瓶の謎を解いてほしいといったことです
11:52うんどうしてそれが不思議だと?
11:54彼女はずっと自殺だと思っていたかつての恋人が
11:58多殺だったかもしれないと初めて疑いを抱いたんですよ
12:02本来だったらば最も知りたいのは毒の小瓶の謎ではなく
12:07誰が恋人を殺したのかということだとは思いませんか?
12:13なるほど
12:20そうですか
12:22今頃になって毒の小瓶がね
12:25確か島津さんも桐野さんと同じく器の会の立ち上げメンバーのお一人でしたよね
12:30ええまあ桐野君と僕はメンバーの中では
12:35タンカンの腕前がいまひとつパーッとしない部類でしてね
12:39いわゆる盆主ってやつでしたよ
12:42ところで例えばなんですが
12:44当時桐野さんの周りに彼を恨んでいたような人はいませんでしたか?
12:48恨んでいた人?
12:50いや彼は素朴な人柄でしたからね
12:53私の知るからより彼を恨んでいるような人はいませんでしたよ
12:58では桐野さんの死後高藤さんに言い寄った男性はいませんでしたか?
13:02ええいましたよ
13:04その方の名前を教えてもらえますか?
13:07当時器の会にいた男ほぼ全員です
13:12えっ?
13:14いやいまだに彼女はあれだけの美人だ
13:20当時はもうみんなが彼女に夢中でしてね
13:23そうだったんですか?
13:25あの頃下心抜きで彼女に接していたのは
13:30浅沼先生くらいでしたね
13:33浅沼さんというのは確か
13:35器の会を旗毛した人ですよね
13:37ええ
13:39浅沼先生は人格者でしてね
13:42厳しい人だが
13:44本気で歌を志す者には助力を惜しまなかった
13:48先生と高藤さんは
13:50歌のことになると一切の妥協がないというか
13:54まあ
13:55横から見ていても
13:57牙の散らすようなところがありましてね
14:02彼女を指導し
14:04歌人として成功する道筋をつけたのも
14:08浅沼先生でした
14:10なるほど
14:12しかしもう
14:1442年ですか
14:16ところで今日は
14:21亡くなったキリノタカオくんのことでいらしたそうですが
14:25実は
14:26当時見つからなかった毒の容器が
14:28つい最近
14:29キリノさんの
14:30フバコの二重底から見つかりまして
14:32フバコの二重底?
14:34ええ
14:35それで
14:36当時のことなどを
14:37少しお聞かせ願えればと
14:39私でお役に立つことでしたら
14:41早速ですが
14:43当時
14:44浅沼先生は
14:46キリノさんが自殺したと聞いて
14:48どう思われました?
14:50正直言って驚きました
14:53仕事がきつくて
14:54体がつらいとは聞いていましたが
14:56そこまで思い詰めているとは思いませんでしたから
14:59キリノさんは
15:00普段から
15:01気持ちを
15:02外に見せない方だったのでしょうか?
15:04いやむしろ
15:06飾らない
15:07純朴な青年でした
15:09そうですか?
15:11そうだ
15:13杉下さん
15:15キリノ君が作った歌を
15:17ぜひ読んでみてください
15:19歌には人柄がそのまま出ますから
15:23高藤君が
15:26彼の短歌ノートを持っていると思います
15:29なるほど
15:31時に浅沼先生
15:35先生からご覧になって
15:37高藤織江さんは
15:39どんな方でしょう?
15:40高藤君ですか?
15:45聡明で
15:48情熱的で
15:50とても才能のある歌人だと思いますよ
15:54この間も電話で
15:56次の歌会のテーマに
15:58背はどうかと言ってきましてね
16:00背ですか?
16:02ええ
16:09背中の背です
16:11高藤君らしい
16:16意欲的なテーマだと思いました
16:18彼女はまだまだ
16:20まだまだこれからが楽しみな歌人ですよ
16:32どうしてキリノの短歌ノート?
16:35歌には人柄がそのままに出る
16:38浅沼先生にそう伺ったものですから
16:41先生のところにいらしたの?
16:44ええ
16:46浅沼先生にはまだご病気のことを話してらっしゃらないようですね
16:50指定として40年以上の間柄なのに
16:54話して直ります?
16:59僕には話しましたよ
17:01でも赤の他人だからこそ話せることもあるでしょ
17:07第一あなたは私のこと心配しないもの
17:12何か分かりました?
17:16桐野さんはとても優しい方で
17:20あなたは意外に心配性だった
17:23というところでしょうかね
17:25夜明けまで我を安ずる妻ありて
17:32飲める薬は苦く悲しき
17:37一杯の水飲み足しと目覚めれば
17:41妻も目覚めて水かと吐息
17:44桐野さんの歌には彼を安ずるあなたのことが
17:48多く歌われていますね
17:50ええ
17:52桐野は本当に優しかった
17:57高藤さん
17:59昨日あなたは多殺の可能性に言及した上で
18:03青い小瓶の謎を解いてほしいとおっしゃいました
18:06犯人を見つけてほしいではなく
18:08なぜでしょう?
18:10あなたが青い小瓶の謎を解いてくだされば
18:16桐野の最後がはっきりしますでしょう?
18:20つまり自殺か他殺か
18:24杉下さん
18:26
18:28自殺ではない可能性もある
18:31そう思ったとき
18:33なんだか嬉しかった
18:37恐ろしいことかもしれませんけど
18:40嬉しかった
18:43それは当然だと思いますよ
18:45一緒に暮らしてた恋人に自殺されたら
18:47誰だって自分を責めますよ
18:49どうして助けられなかったのかって
18:52しかし他殺なら話は別です
18:54まあ他殺は恐ろしいことですけど
18:56それでも長年の実績の念からは解放されますからね
19:00本当にそういうことなんでしょうかねえ
19:04いずれにせよ僕のほうはどの同人に聞いても島津さんと同じような話でしたね
19:09当時桐野さんの周りにはトラブルはなく高藤さんと桐野さんは深く愛し合っていた
19:14桐野さんが亡くなったとき高藤さんはショックで倒れて
19:19艶にも葬儀にも出れなかったそうです
19:23それ本当ですか
19:25ええだって当時高藤さんはまだ二十歳だったんですよ
19:29ショックで倒れても不思議だと思いませんけど
19:33とにかく僕は明日この件を担当した退職刑事に会ってきます
19:38君42年前の担当刑事を突き止めたのですか
19:42はい半日初活で調べに調べて突き止めましたたった一人で
19:47カンベ君何ですか
19:49君意外に根気強い
19:52あと1キロか
19:55どうして退職してから山に住むかな
19:59えっと
20:00少しお聞きしたいことがありまして
20:16カセフさんからこちらだと伺いました
20:18ここで勉強するのが習慣なの
20:21気持ちのいい場所ですね
20:26ええ
20:28心が落ち着いて言葉がよーく体に入ってくる
20:33聞きたいことって何ですの
20:43キリノさんが亡くなったとき
20:48あなたはショックで倒れて
20:50艶にも葬儀にも出られなかったと聞きました
20:53それは本当ですか
20:55ええ 本当です
20:58どうして
21:02僕は人の本質はそう変わらないものだと思っています
21:08ご自分の死には落ち着いて向き合っていられるあなたが
21:12恋人の艶にも葬儀にもショックで出られなかったということに
21:16少し違和感を感じました
21:21では正確に言うんや
21:25私はショックでお腹にいたキリノの子を流産して入院していたの
21:34キリノさんがあなたの妊娠をご存知だったのですか
21:39いいえ
21:41キリノが妊娠を知ればまた無理をして働いて体を痛めるかもしれない
21:48それが心配でまだ話してはいなかったの
21:53だから
21:56私が流産するまで妊娠のことは誰も知らなかったのね
22:06あの朝
22:08病院で目を覚まして窓から見た空の色
22:14今もはっきり覚えてるわ
22:18どこまでも青い
22:20本当に切れるような青空だった
22:29それより
22:31青い小瓶の謎少しは解けました
22:35今のところキリノさんに殺されるような理由は見当たりません
22:39無論周りの誰も知らないような理由
22:42つまりキリノさんと犯人しか知り得ない理由で殺された可能性も否定できません
22:47ただもう一つだけ全く別の理由も考えられます
22:51何かしら
22:52何かしら
22:54あなたです
22:55
22:57あなたの人生には二人の男性がいます
23:01一人はあなたが二十歳の頃に愛した人
23:04もう一人はその人の死後
23:0640年余りかけて
23:09あなたを一流の家人に育て上げた人
23:12長沼先生が何のためにキリノを殺すの
23:19もしそうだとしたら
23:21あなたの才能を開花させるために
23:25長沼先生は歌の才能のために人を殺すような人ではないわ
23:46それに私の人生に男性がたった二人きりだなんて
23:52寂しいこと言わないでちょうだい
23:55私に言い寄ってきた男性は
23:57若草山の鹿の数より多いわよ
24:08カンベル
24:09何でしょう
24:10君 枝豆取りに行ってたんですか
24:12いいえ違います
24:13これは山上元巡査部長からのお土産です
24:16それはどうもありがとう
24:17で何か分かりましたか
24:19ええそりゃもう決定的なことが
24:22桐野さんが亡くなったのは
24:25蒸し暑い夜でしたな
24:28それじゃあこれで
24:29下宿屋の玄関脇の沿台で
24:32たまたま近所の老人が二人で
24:35夜通し加計商業をやっておったんです
24:38その二人の証言で
24:41桐野さんが亡くなった晩
24:44下宿屋に出入りした人間はいないと分かったんですな
24:49杉下さん僕思うんですけど桐野さんが一人だった以上やっぱり彼の死は自殺だったんじゃないでしょうか
24:57後ろめたきほどに真白き薬法師
25:14揃えて並べ妻は眠り
25:19咳あまぬ我のせさする妻の手に
25:24遊芸の際のかすかに匂う
25:29なるほど
25:32毒の小瓶の謎が解けました
25:38これはあくまで家庭の話です
25:43聞かせてちょうだい
25:46桐野さんが亡くなった夜
25:48部屋を訪ねた人はいなかった
25:50これにはご近所の老人の証言がありました
25:54問題の夜桐野さんは一人だった
25:57つまり毒は彼が自分でコーヒーに入れ
26:02その後自分で不箱に隠したことになる
26:06桐野は自殺だとおっしゃるの?
26:10いいえ僕の出した結論は違います
26:13仮に犯人をXだとしましょう
26:17Xは桐野さんと顔見知りで
26:20あの日あなたが部屋にいないことを知っていた人物です
26:26問題の日
26:28Xは桐野さんが工場から帰る途中で声をかけた
26:33そして言葉巧みに毒物を渡し飲むよう促した
26:37例えばこんな風に
26:39コーヒーなんかに少し入れて飲むと疲れが取れるそうだよ
26:44もちろんXは自分から毒が渡ったと知れないよう
26:49桐野さんに口止めしたはずです
26:51例えば
26:52もうこれしかないから
26:54僕からもらったことは誰にも言わないでほしいと
26:59帰宅した桐野さんはXに言われた通り
27:03コーヒーにそれを少し入れ
27:06それから小瓶をふばこの二重底に隠した
27:10あなたに見つからないように
27:12そして毒入りと知らずにコーヒーを飲んだ
27:29なぜ私に見つからないように
27:45あなたが問題の小瓶を見たら当然これは何かと尋ねます
27:50嘘のつけない桐野さんは疲れに効くんだと答える
27:54そう聞いたら心配性のあなたは何と言いますか
27:59疲れが溜まっているのかと尋ねるわ
28:02また具合が悪いのか
28:05そうです桐野さんはあなたに心配かけたくなかったんです
28:10それともう一つ誰からもらったのかと聞かれても
28:13Xに口止めされていますから答えることができない
28:16それであなたに見つからないように小瓶を隠したんです
28:20おそらく桐野さんが小瓶を隠したことは Xにとっても予想外のことだったと思いますよ
28:27では
28:31杉下さんの考えでは
28:34桐野は
28:37ええ 殺された可能性が高い
28:41Xが誰であるかはまだ特定できませんが
28:49今お話したことは全て僕の推測です
28:54証拠はありません
28:56それで十分 謎を解いてくださって ありがとう
29:03高藤さん
29:14真実を確かめたいのではありませんか?
29:20いいえ 42年も昔のことです
29:27もう 確かめるすべもないでしょう
29:32あ 杉下さん あの布箱 お礼にあなたに差し上げるわ
29:39いつか取りにいらして
29:42彼女の気が済んだんならもういいんじゃないですか
29:48彼女の気が済んだんならもういいんじゃないですか
30:0340年以上前の事件なんですから
30:05その Xが誰だか分かっても
30:07逮捕できるわけでもなし
30:13この辺で区切りをつけて
30:15捻じ曲がった親知らず抜きに行ったほうがよろしいかと
30:20あっそういえば高藤さんと病院で知り合ったって言ってましたけど
30:24どんなきっかけで?
30:25ああ 傘を忘れましてね
30:31傘?
30:39完璧 いいことを聞いてくれました
30:42えっ?
30:45立ちかめたいことがあります
30:47どこに行くんですか?
30:48浅沼さんのお宅です
30:50お待ちしておりました
30:57ああ
31:02お待ちしておりました
31:10ああ
31:15今日は 加瀬夫さんがお休みで どうぞ
31:19ありがとう
31:20考えてみると 高藤君の家に来るのは初めてのことだね
31:26すみません 急に呼びつけたりして
31:31構わないよ
31:32豚会のテーマのことで相談があるそうだね
31:36えっ
31:37でもお話はコーヒーをいただいてからにいたしません?
31:41そうだね
31:42そうそう
31:43お友達からとてもいいものをいただいたんですよ
31:47これコーヒーなんかに少し入れて飲むと疲れが取れるそうなの
32:02そう
32:03そう
32:04音楽
32:17音楽
32:19音楽
32:21音楽
32:25音楽
32:27音楽
32:29音楽
32:50さようなら
32:51音楽
32:52音楽
32:53音楽
32:54音楽
32:55音楽
32:56音楽
32:57音楽
32:58音楽
32:59音楽
33:00音楽
33:01音楽
33:02音楽
33:03音楽
33:04音楽
33:05音楽
33:06音楽
33:07音楽
33:08音楽
33:09音楽
33:10音楽
33:11音楽
33:12音楽
33:13音楽
33:14音楽
33:15音楽
33:16音楽
33:17音楽
33:18音楽
33:19浅沼先生は42年前の罪を告白し、自ら命を断つと書いてあります。
33:36杉下さん、行きましょう。
33:53寛兵衛君。
33:55毒を処分したなんて嘘だったんだ。
33:58あれじゃどうしようもないっすね。
34:02呆然実質ってやつだな。
34:06杉下警部たちがなんでこんなところに。
34:08失礼。
34:11大丈夫ですか。
34:13落ち着いたらお話聞かせてください。
34:17まさか。
34:21ちょちょちょちょちょ。
34:22いいいい。
34:24ほっとけ。
34:27どうして高藤さんが。
34:37杉下警部。
34:40米沢さん、少しよろしいですか。
34:44うん。
34:45発見時、高藤織江さんは右手に何か握っていませんでしたか。
34:50お気づきになられましたか。右手にこれを。
34:54失礼。
34:55中には大変、毒性の強い劇薬が入ってました。
34:59彼女はこの小瓶の毒を飲んで、自ら命を絶った。
35:03うん。
35:05指紋の位置、付着頻度から見て、第三者が小瓶を握らした可能性はないですね。
35:09まず、自殺に間違いないかと。
35:11ちょ、ちょっと待ってください。
35:12どうして高藤さんが自殺しなければならないんです。
35:16それに、これは。
35:20その青い瓶、私も気になって先ほど調べてみたんですけども、中身は全く無害な液体でした。
35:26無害?
35:28一体どういうことでしょう。
35:29おそらく高藤織江さんは、この青い小瓶の毒をあらかじめ無害な液体に入れ替えておいた。
35:35そして、この透明の小瓶に移しておいた毒を飲んで、自ら命を絶った。
35:41もちろん、高藤織江さんにはそうするだけの理由があったということです。
35:54教えてもらえませんか。
35:56なぜ彼女が自ら命を絶ったのか。
36:0042年前、霧野隆夫さんを殺害したのは、あなたですね。
36:05そうです。
36:08この遺書に書いてある通りです。
36:11しかし、動機は何でしょう。
36:14あなたの遺書には、霧野さん殺害の動機について一切書かれていません。
36:19それが、彼女の死と関係があるのですか。
36:24それが、高藤織江さんの死の謎を解く鍵なんです。
36:31私は、彼女の才能を貴族な結婚生活にうずもらせないために、霧野君を殺した。
36:39しかし、彼女はかつて、確信を持って、僕にこう言いました。
36:48先生は、歌の才能のために人を殺すような人ではない。
36:54あなたは、ひょっとして、42年前から高藤織江さんを愛していたのではありませんか。
37:04そうだ。
37:06私は彼女を愛していた。
37:09しかし、あなたは、霧野さんが亡くなった後も、彼女に近づこうとはしなかった。
37:14それは、なぜですか。
37:17怖かったんです。
37:24彼女を失うこと。
37:27霧野君の死後、彼女はその苦しみをすべて歌に注ぎ込んで、圧倒的な才能を開花させた。
37:37まさにミューズのように。
37:41私は恐れた。
37:44男として彼女に近づき、もし軽蔑されたら、彼女は去り、私は永久に彼女を失うことになる。
37:58あなたは、そうなることを恐れて、長い年月、死としての顔を貫き通したんですね。
38:07杉下さん、虫がいいと思うかもしれないが、いつか彼女が真実に気づいたときは、甘んじて復讐を受けると決めて生きてきた。
38:23僕が突然現れて、霧野さんの事件のことを訪ねた日、あなたはついにその時が来るのだと思った。
38:32霧野君が作った歌をぜひ読んでみてください。
38:36あなたは僕に霧野さんの歌を読ませ、青い小瓶の謎を解かせようとしたんですね。
38:42ああ。
38:43あなたは彼女の復讐を受けるべく、ここに来ました。
38:47あなたが42年前の罪を告白し、自ら死を選ぶと書いた遺書を残したのは、彼女を守るため。
38:54彼女に殺された後も、彼女に殺人の罪が及ばないようにするためですね。
39:00その通りだ。彼女は私に復讐する権利があったんだ。
39:07なのに、なぜ。
39:09浅沼さん、あの日彼女がしようとしていたのは復讐ではなかったんです。
39:15そう。あの日、高藤織江さんは、最後の賭けに出たんです。
39:22賭け?
39:24彼女があと半年の命だったことは、もうご存知ですね。
39:28ああ。
39:30彼女が告知を受けた日、僕は偶然、彼女の日傘を見つけました。
39:35日傘は公衆電話の脇に置き忘れられていました。
39:40自分の命があと半年だと知ってすぐに。
39:45彼女は電話をかけたんです。
39:47浅沼先生、あなたにです。
39:51確かに電話はあった。
39:54しかし、次の歌会のテーマに、背はどうですかという話だけで、
40:01病のことなど何も話さなかった。
40:04彼女は話したかったのではなく、聞きたかったのではないでしょうか。
40:09聞きたかった。
40:11ええ。
40:12彼女はただ、あなたの声が聞きたかった。
40:17うん、それは面白いテーマだね。
40:20背は万葉の昔から歌に使われてきた言葉でもあるし。
40:24来年の今頃、自分はもうこの世にいない。
40:28初めてそれを知った時、彼女はただ、あなたの声が聞きたかったのだと思います。
40:34高藤堀江さんは僕にこう言いました。
40:41自殺ではない可能性もある。
40:44そう思った時、なんだか嬉しかった。
40:50恐ろしいことかもしれませんけど、嬉しかった。
40:56彼女は自分の気持ちが恐ろしいものだと分かっていた。
41:00それでも、キリノさんが殺されたのだとしたら、犯人はあなたであってほしいと願った。
41:07あなたがキリノさんを殺したのなら、それはあなたが、彼女を愛していたからに違いないからです。
41:15遅く、40年以上、歌の世界を共に生きてきたあなたを、高藤堀江さんも、いつの日からか愛していたんです。
41:30彼女はあなたに愛されているかどうか、確かめたかったんです。
41:35あの日、彼女はあらかじめ青い小瓶の毒を無害なものに入れ替え、装いを凝らし、あなたを家へ招いた。
41:47あなたが犯人なら、あれが毒の小瓶だと知っているはずです。
41:52犯人なら決して飲まない。しかし、犯人でなければ知らずに飲むでしょう。
41:58彼女はあなたが飲まないことに欠けた。
42:03ところが、彼女の復讐だと思い込んでいたあなたは、罰を受けるべく、あえて黙って飲んでしまった。
42:12その瞬間、彼女の望みは断たれた。
42:17あなたは犯人ではなかった。
42:20自分はやはりあなたに愛されてはいなかった。
42:25さようなら。
42:27彼女はもう半年生きながらえる意味はないと思った。
42:34嘘だ嘘だ浅沼さんこれは青い小瓶が見つかった符箱の二重底に高藤さんがしまっていた歌です。
42:49罪人を罪諸共に愛する。
42:57真っ青な空に背を向けても、そんな歌ですね。
43:0242年前にあなたが犯した罪は決して許されるものではありません。
43:07それでもあの日あなたが、彼女に罪の告白をしていれば、彼女を死なせることはなかったでしょう。
43:15あなたは軽蔑されることを恐れて、愛の告白ができなかった。
43:21命を捨てる覚悟をしてさえも。
43:24愛は時に人に勇気を与えます。
43:31しかし、愛は時に人を臆病にもします。
43:36何ともやりきれない出来事ですね。
43:42私は…
43:52私は…
43:55私は…
44:00私は…
44:03私は…
44:07The End
44:37The End

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