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00:006月25日
00:23いつもは静かな朝のウォーターフロントが人で溢れ返っていた
00:28集まっていたのは相次ぐスキャンダルに揺れる富士メディアホールディングスの株主たち
00:37次の取締役に選ぶのは会社が提案した候補か
00:44物言う株主すなわちアクティビストによる候補か
00:50投票の結果は
00:52だが物言う株主の候補の中には
01:003割に迫る賛成票を得た人物もいた
01:04秘訣されたとはいえ株主提案側が一定の20%以上の賛同を得たということ
01:14これはやっぱり大きくてどうすればいいかということを
01:17考えかつ開示をして釈明をしていくべきだと思います
01:22総会に出席した株主たちの思いは
01:27アメリカに比べると日本の会社はどうしても株主の意見をそこまでは重視していない
01:35まずは株主をぜひファンスしてもらいたい
01:38会社は株主のものだと思っています
01:41株主としては株価が上がるのが一番だと思うんですけれども
01:45それで豊かな社会になっていくとにつながっていくと思っているので
01:50今会社はどこに向かおうとしているのか
02:02次第に高まる株主の声が影響力を増す
02:08政治が翻弄する市場
02:14作装する状況の中で企業に公益性を求める声はかき消され
02:26日本の会社の形が揺らいでいる
02:34株式会社にあって優先されるのは株主か
02:38引き裂かれた経営者は何を根拠に判断するのか
02:46その難問に向き合い続けてきた人物がいる
02:52経済学の巨人岩井勝人だ
02:58会社は株主のものでしかないと
03:03そこは理論的な誤りなんですね
03:06会社っていうのはですね
03:08法人企業であると
03:10法人
03:13その存在の謎を追求する時
03:16見えてくるのは
03:18人間の想像力が生み出した
03:23欲望の資本主義の中核
03:25会社
03:27会社とは一体何なのか
03:32日本の経営者たちが
03:44or from an American perspective, that's almost comical.
03:48Let's tie more in management pay to equity prices.
03:52What actually happened is companies left all those other kinds of compensation in place
03:57and they just started throwing stock options at executives.
04:01ír 辞められない、止まらない
04:05ぬじれる欲望の中で見つめる、2025年、最新の会社論
04:13会社は誰のものか
04:16歴史の時空を旅し、謎に迫る壮大なミステリーが始まる
04:24Are you okay with your company?
04:54若い世代を中心にすっかり浸透した退職代行サービス。会社を巡る風景も大きく変わってきた。
05:17かつての日本的な会社の在り方は影を潜め、欧米的な論理が勢いを増していく。
05:27上場企業の今年の株主総会では
05:32物言う株主と呼ばれる国内外のアクティビストたちが
05:46経営改革を求める株主提案を続々と提出した。
05:536月末までに株主提案数全体ですね。
05:56いろいろな個人の方とかも含めて、これが400件ぐらいあったんですね。
06:0110年前から比べると約2倍。
06:04金融アナリスト大月奈々。
06:09物言う株主の現状を好分析する。
06:14今回富士メディア、確かに目指しましたが、去年も衝撃的なものはあって
06:19東洋証券さんは社長の交代劇というのがありまして、
06:24これは株主総会で秘訣が多かったことによって、
06:29社長が交代をするということになってしまったわけなんですね。
06:33かなり企業側も今までにないことに晒されているので、
06:38非常に脅威に思っていると思います。
06:43物言う株主の存在感の高まり。
06:48それは、くしくも2005年のライブドアによる富士産経グループをめぐる買収騒動が起こったころからだ。
07:02予兆は90年代からあった。
07:06バブル崩壊をきっかけに、ジャパンアズナンバーワン神話が崩壊。
07:14変わって、グローバルスタンダードへの対応が急務と叫ばれ始めた時代。
07:22株主を絶対視する物語がアメリカから持ち込まれ、
07:27日本全体へと広がり、現在に至る。
07:33だが、この状況に危機感を募らせる人物がいる。
07:40貨幣論で知られ、会社論にも反省をかけ取り組み続ける理論経済学者、岩井勝人だ。
07:51日本の現状についても最初から言うと、いまだに株主権論という考え方が、
07:58これだけ強くはびこっているということに対して、いまだに驚いている。
08:02それが私の率直な印象ですね。
08:04物言う株主が、そういう考えと振りかざしているわけですけれども、
08:09それは、会社は株主のものでしかないという考えですね。
08:13そして、会社の唯一の目的というのは、理順を最大化することだと。
08:18最大化したその理順をなるべく多く、株主様に配当していくと。
08:24それから同時に、いわゆる年金ファンドのような機関投資家がどんどん出ることによって、
08:39そういう人たちは株式投資によって、その配当ともちろん値上がりによって利益を得ると。
08:47そういう人たちが、株主権論的な要求ほどの金融市場に出すことによって、
08:54テクノクラットが非常に力を持つ。
08:58経済から、資本主義から、株主が非常に力を持つと言われているんですけど、
09:04これ重要なんですけど、株主があたかも力を持っているかの上に見なされるような、
09:09資本主義がアメリカでセールしてしまったというわけです。
09:17始まりは、1970年にアメリカの雑誌に掲載されたある主張だった。
09:42企業の社会的責任は、利益を増やすことにある。
09:49執筆者はミルトン・フリードマン。
09:53すべてを市場原理に委ねることを主張。
09:58あの新自由主義の教祖ともされるハイエクを使徒仰いだ、経済学者だ。
10:09企業の経営者は株主の従業員だ。
10:14その責任は雇用主の望み通り、事業を営み。
10:20可能な限り、利益を上げることに尽きる。
10:27主張は欲望に取りつかれた人々の心を捉え株主主権の思想は世界を席巻する。
10:36私はアメリカに1969年に行って、それからしばらく17年に行ったんですけど、行ったときはまだケインズ経済学的な思想、福祉国家的な考え方の主流だったんですけど、そのケインズ経済学はあっという間に権威を失って、ミルトン・フリードマン的な重法人主義があっという間に主流になりました。
10:58特にアメリカを中心として、アメリカの学会、メディア会、政治会、産業会を支配したって、いつもが支配してしまったんですね。
11:10株主主権論を真っ向から否定する岩井に対し、フリードマンを支持する声が今もアメリカでは根強い。
11:20ケビン・マーフィー。経営者は株主の代理人であるとする、エージェンシー理論を提唱する経済学者。
11:44Milton Friedman's essay has become extremely influential.
11:50He didn't like the idea of corporate executives deciding how to give money away.
11:55He said that's what the shareholders should do.
11:57One of the key problems in corporations is managers want to spend it.
12:01Whether it's on lavish corporate headquarters or making poor acquisitions.
12:07Anything but giving it back to shareholders.
12:10The managers have to realize is they work for the shareholders, not vice versa.
12:17At the end of the day, they're hired hands.
12:21And they should feel their jobs in jeopardy if they don't do right by the shareholders.
12:28この主張に岩井は、会社法の原理原則にのっとり、理論的に反駁する。
12:39実はこの株主権論と、会社は株主のものでしかないと、またもっと言うと会社のものは株主のものでしかないという考え方は、実はこれは理論的な誤りなんですね。
12:52ミルトン・フィーデマンが間違えていたと。
12:55これを今回のインタビューではですね、何度も何度も繰り返したいと思っているんです。
13:02なぜ間違いか。その言葉の背後に、会社という不思議な存在の秘密が隠されていた。
13:11今回の最大のテーマになる株主主権論。
13:24じゃあ、なぜ誤りかということなんですね。
13:26これを説明していただきたいんですけど、その理由は単純で、
13:30街角山屋さんのような個人企業とトヨタのような会社と混同してしまった間違いだということなんですね。
13:40街角山屋さんというのはですね、普通、もっと経済学や法律の言葉で言うと個人企業と。
13:55個人、つまりオーナーさんが経営していると営んでいるとですね。
14:00これに対してトヨタをはじめとする様々な会社というのは、実は法人企業という、
14:08もう少し複雑な名前を持っているということですね。
14:10それは別の言葉で言えば、法人になった企業であるということなんですね。
14:20じゃあ、法人とは何かと。
14:23簡単に言ってしまえば、読んで字のごとく、法律上の人なんですね。
14:28また、法律の人。
14:30本来は人じゃないものなのに、法律の上で人として扱われる、そういう存在であると。
14:37法人英語ではリーガルパーソン本来は人ではない存在を法律上人とみなす法人という虚構を人間はなぜ想像力によって生み出したのか?
15:04このようにやっていると、よく私が使う図が、このようにやっていると、こういう格好をよく描くんです。
15:14こういう図ですね。これもよく授業であるんですけど、これが法人一つの図です。
15:21それでこれ、私は法人の上の方はちょっと近くしているんです。
15:27何をしているか、法人には物だよ。法人は人じゃない物だよ。
15:32同時にこの法人は法律の上で人として扱われるとですね。
15:38下側のこの丸いところっていうのは柔らかいので、こう人の表はしていると。
15:44その法人である会社が実は会社の資産。
15:50例えばこういう工場があったり、デパートで売っているリンゴがあったり、土地があったりですね。
15:57それから百貨店の建物みたいなのがあって、こういう建物があって。
16:02これを所有しているのは、この法律上の人としての会社なんですね。
16:19それから契約を結ぶと。従業員がいる、会社の従業員がいる。
16:24そういう人たちと契約を結ぶ、人としての会社なんですね。
16:32だからここに銀行があると、銀行と借金をする、契約を結ぶと。
16:42それも人としての会社なんですね。
16:45法律上、人となることで、会社は資産を所有することが可能になる。
17:01さらに、従業員や銀行、取引先と契約を結べるようになるのだ。
17:11では、法人である会社と株主はどのように関わっているのか。
17:19株主というのはどういう存在かというと、たくさんいるんですけど株主ですね。
17:27株主というのは、物としての会社を所有している存在。
17:35ただ、これは全部同時に所有することをしないで、普通は輪切りにしてですね、所有する存在です。
17:45そういう存在なんですね。
17:49ここで重要なのは、株主は物としての会社を所有しているけれども、
17:55会社資産は直接所有していないということですね。
17:59某百貨店の株主であるとしましょう。
18:04これがテパチカのリンゴだとしますね。
18:06このリンゴの所有者は、人としての会社であって、株主ではないと。
18:14株主がミルトン・フリーダマンの説などを信じて、
18:17会社の物は全て株主の物だと叫んで、
18:21テパチカにズカズカと入っていって、リンゴをがぶりと食べると、
18:25それは窃盗罪だ。
18:27なぜならば、人様の物を食べたことだと。
18:30一方で、八百屋のご主人が、自分の店先にあるリンゴをテントでがぶりと食べたときに何が起こるかと。
18:37それに対する答えは、何も起こらない。
18:40何も起こらないという答えなんですね。
18:42なぜならば、個人企業は、オーナー自身が店先に並んでいるリンゴを直接所有している。
18:49つまり、株主は会社資産の所有者ではない。
18:54会社資産の所有者は、人としての、また法人としての会社である。
19:00この違いを混同してしまったという間違いを犯しているのが、株主権論なんですね。
19:07株主は、ものとしての会社を株式という形で部分的に所有するが、それにとどまる。
19:20経済学者岩井が語る法人論に対して、長らく資本主義をリードしてきた国の、会社をめぐる法の第一人者の見解は。
19:32私たちは、社会が自身を持っている。
19:39しかし、私は、自身を持っているのではない。
19:44信託法など会社に関わる法律の権威。
19:49ケンブリッジ大学副学長、グレアム・バーゴ。
19:56私たちの理由は、社会は、法律の権利の権利の権利の権利の権利の権利の権利の権利の権利の権利がある。
20:09それは、社会の権利の権利の権利の権利の権利の権利がある。
20:30人は、物を所有できても、人を所有することなどできない。
20:36これは、近代以降の市民社会の大原則だ。
20:42だが、物であり人でもある法人は、2つの論理を行き来できる。
20:51法人、それは、歴史の中で連綿と伝えられてきた不思議な存在だ。
21:06会社の歴史はいつ始まったのか。
21:13岩井は学生たちに、講義でいつも語り続けてきた。
21:18会社の定理、これは?
21:20法人企業。
21:21そうです。
21:22法人企業。
21:23これが、私が伝える定理です。
21:26他にも、いろいろな定理があるんです。法人企業。
21:29そして、最初、企業ということがわからない。
21:33企業というのは、前にお話ししましたように、
21:35メソポタミア文明の頃から実はあって、
21:38人類6000年の歴史は少なくとも持っていた。
21:51シグリス・ユーフラテス川の流域で発達した、
21:55世界最古の文明、メソポタミア文明。
22:02この時代から、商人たちは、
22:05石英や黒曜石の交易など、経済活動を行っていた。
22:11これが、企業の始まり。
22:15企業は、会社と単にイコールで結ばれがちだが、
22:19実は、個人や団体、組織など、
22:22経済活動を行う全ての主体を含む、
22:26広い概念だ。
22:31だが、この頃は、
22:33企業と法人は、まだ結びついていない。
22:38法人という概念は、人々の意思をまとめ上げ、
22:42組織を円滑に動かすための、知恵の結晶だ。
22:46もともとは、理順を追求しない、
22:50非営利目的から生まれたものだった。
22:54古代ローマ時代からあった、
22:57葬式の費用を仲間でプールする、
22:59葬式組合。
23:02そして、中世ヨーロッパで誕生した大学や、
23:05職人の自治集団である、ギルド。
23:11メンバーの誰かが亡くなる、脱退するなどがあっても、
23:15仲間同士で助け合う仕組みを維持できるよう、
23:18組織を人として扱う法人という考え方を、
23:22人類は編み出したのだ。
23:25別々の目的で生まれた企業と法人。
23:33この2つの概念がある時から急速に接近していくそのきっかけを作ったのが欲望の資本主義の中心にある貨幣だった
24:03それを誰とでも何とでも交換できる、そういう交換手段だけですね。
24:18お金というのは、あらゆるものを手に入れる可能性を与える可能性を体現したものとして、
24:25人間から無限の欲望を引き出す、そういう存在だと。
24:27で、この無限の欲望と個人として活動できるという自由、
24:32これが結びついたのが、ついて動き出したのが、
24:35お金を追い求める資本主義なんですね。
24:50資本主義的な活動というのが生まれると、その場合どうしてもですね、
24:54個人で仕事をするのは大変なんですね、やっぱりですね。
24:59どうしてもチームを組んで仕事をしていなくちゃならないと。
25:02そうするとそのチーム、組織、それ自身を人として扱った方が、
25:08はるかに資本主義的活動は便利になるということに、
25:11人類はですね、気が付かじめ、単なる組織、法人化していない組織というのはですね、
25:18契約を結んだときとか、また物を所有するときは非常に不安定なんですよ。
25:23何人かこうパートナーシップ的にやったら、その間で揉め事が起こったら、誰か死んだりとか、そうすると、その所有関係が安定しないと。
25:32それとも所有関係を安定にさせる。
25:34契約の関係を安定させるためにということがやっぱり資本主義的にも非常に便利だということですね。
25:47貨幣の流通の広がりとともに、資本主義が拡大していく。
25:55市場が発達し、遠隔地貿易も盛んになっていった。
26:00そして迎えた経済のグローバル化が進む中で法人と企業という概念が一つになる瞬間が訪れる。
26:17二つの全く自信の違った人間活動、両党人間の創造性、創造力、二つの意味では創造力、創造性を必要とする。
26:31絵画をみなす資本主義と。
26:35人じゃないものを人としてみなす法人という概念が最初にきちっと合体したのが1600年の東インド会社なんですね。
26:47そしてそれが1602年にはオランダの東インド会社になった。
26:51そこで2つの人間の発見発明した2つのものが合体したとそれがある意味で近代の少女主義の一つの出発点を形成している。
27:0717世紀初めに相次いで設立された東インド会社。
27:14これこそ法人と企業が一体となった人類史上初めての会社だと祝いは言う。
27:22香辛料や麺織物などアジアの特産品の輸入を独占。
27:29金銀財を蓄え巨万の富を築く。
27:34いわばこの世界初のグローバル企業が莫大な利益の一部を株主に配当したのだ。
27:45さらに他の国との条約の締結や植民地経営まで行うようになる。
27:52これらが可能となったのも国王から特別な権利が与えられていたためだ。
28:00その条件とは法人という存在そのものがだからこれは本来石ころと同じような存在なのにこれに人としての扱いをするというためにはその法人となるものが社会に何かプラスの貢献をするということが前提となるんですよね。
28:21存在その中に法人っていうのは社会的な存在である社会的な器であると社会のための存在だという要素が入り込んでんです。
28:40会社
28:45文字を入れ替えると
28:48社会となる。
28:50社会と深くつながるその理念は時の流れの中でさらに重要性を増していく。
28:58東インド会社の誕生から半世紀激しい内戦の末国王が処刑されるという混乱を極めたイギリスで法人に関わる概念を巡って新たな展開が生まれるもう一つの近代の扉を開けたその思想とは?
29:261651年イギリスの政治哲学者ホッブズが表したリヴァイアさん。
29:41それは人々と国家との関係に新たな視点を提示した書だった。
29:49ホッブズのリヴァイアさんまさしから法人論ですね国家を法人として扱おうとリヴァイアさんの表紙がありますよねあの表紙はだから何か国みたいなものに王様みたいな形をしているとあらゆる怪物として扱ってますけどその怪物っていうのは実はだから国という組織を法律上の人として扱おうというか法人論の一つの流れなんです。
30:08聖書に登場する海の怪物リヴァイアさんをホッブズは国家になぞらえた。
30:15人間の自然状態は万人の万人に対する闘争である。
30:22この先生き抜くための安全はいかなる人間にも全く保障されていない。
30:29暗く残忍な戦乱の時代。この状態を脱するには。
30:35ホッブズはバラバラな思いを持つ個人が社会と契約を行うことで国家を運営する方法を考えた。
30:57ホッブズ以前は王様の神秘的な力があるからそれが国というものを作るんだというのがそれがやっぱり近代でひっくり返ってホッブズあたりでひっくり返って社会がある組織を国とすることが必要だと。
31:15それが国というものをあたかも一つの人間のような存在にすると社会が国を国にするんだという考えに移り変わるそのきっかけが社会契約論なんですね。
31:30無数の人々から構成された怪物が国家という一つの人格になる。
31:44王の権力から個人を切り離すことで民主主義につながる道を切り開いたのだ。
31:55そして迎えた18世紀半ば。
32:06イギリス初の産業革命によって世界各地で工業化が一気に進む。
32:13多くの働き手が生まれる機械製工業の会社全盛の時代。
32:20法人という歴史によって磨かれた知恵はもはや不可欠のものとなっていた。
32:27It's very interesting in this country that it's only in the 19th century prompted really by the industrial revolution
32:39that the company really took over as this separate entity.
32:46the law and companies really has developed from the 19th century.
32:52So over the last, well over 200 years.
32:58And companies have really become the main mechanism in the capital world for entrepreneurship, innovation, trade and business development.
33:1419世紀、会社の仕組みはさらに大きく世界へと広がっていく。
33:21日本でも開国とともに欧米流の資本主義や民主主義が入ってくることとなる。
33:29福沢諭吉、西洋事情の中には、会社について興味深い記述がある。
33:42西洋では、一人ではできない大きな商売を5人、あるいは10人の仲間で行うことがある。
33:50これを、商人会社と名付ける。
33:57日本で会社という言葉が使われるようになったのは、この頃からだ。
34:07なじみのない言葉を分かりやすく伝えようと、当時の新聞には、こんなルビが振られたこともあった。
34:17会社と書いて、仲間。
34:23だが、時代とともに、当初の理念はねじれ、悪い仲間も生まれた。
34:40現在の株主総会の在り方は、一般に極めて形式的であり、非民主的ですらあります。
34:48ある株主総会に姿を現した一段の人々。
34:52この人たちは、会社の株を少しずつ持っては、工房の株主総会に出席することを職業としているため、一口に総会屋と言われている人々です。
35:03頼まれた会社の株主総会には、必ず出席し、長年の経験で身につけた疑似振興の技術で、会議を巧みに演出するのです。
35:13その結果、一般株主の発言は、ほとんど封じられてしまうと言われます。
35:24いわゆる総会屋によって、株主に物言わせなくする経営人。
35:30民主的な精神からは程遠い、歪んだ株主軽士の風潮も生まれた。
35:37一方、就寝雇用に象徴される日本的経営が、海外からも注目を集める。
35:48会社が、まるで家族のように社員を扱い、育てる企業文化が、高度成長の秘密のごとく語られるようになる。
36:01だが、バブル崩壊によって状況は一変。
36:11今度は、閉鎖的なシステムと批判を浴びる。
36:16日本の会社への評価は、まるでジェットコースターのような乱高下のカーブを描くことになった。
36:22日本の会社は、海外の人々の目にどう映っているのだろう。
36:44この人に聞いてみた。
36:47I'm Gary. Nice to meet you.
36:50So I used to work in this building.
36:53シンマルビルだね。
36:55This is where Citibank used to be.
36:57They've moved now.
36:58But I moved here in 2012.
37:01Even one time I went to 忘年会.
37:04One time they took me to キャバクラ.
37:08ギャリー・スティーブンソン。
37:10かつて、億を超える年報を稼いだ、ロンドン出身のトップトレーダー。
37:16外資系金融機関の東京オフィスで、2012年から2年間勤めた経験を持つ。
37:29It's quite funny to come here and be asked in Japan,
37:34What do you think of the idea of a company?
37:36Because I think that in Japan, to me, it feels like there is a sense that the individual
37:41is supposed to feel a tremendous loyalty to the company that they work for.
37:46And the manager is supposed to feel a tremendous loyalty to the company that they work for.
37:50But from an English perspective or from an American perspective,
37:54that's almost comical.
37:56And especially in industries like banking and the trading floor,
38:00what you have is this tremendous sense, almost a religion,
38:04of responsibility to the self.
38:06Your responsibility is to yourself and your responsibility is to win the game.
38:10It's one big game.
38:11It's one big game.
38:15Nobody cares about the company.
38:17Everybody just wants to win.
38:19And it's one big game.
38:21And whether that's better or worse than the Japanese model
38:24where people have to work till 2am,
38:26I don't know.
38:27But they're definitely different.
38:29日本の内輪意識に偏る集団主義にも欧米の極端な個人主義にも違和感を口にした。
38:43どこにあってもいつの間にかねじれていく欲望と会社の形。
38:50アメリカの経営者は今や加熱するマネーゲームの主役となり、自身の報酬を恐るべき勢いで増やしている。
39:032024年、テスラCEO、イーロン・マスクの9兆円に迫る報酬が話題になったが、数十億、数百億円の報酬を手にする経営者は、もはや珍しい存在ではない。
39:19アメリカの主要企業の経営者の報酬は、従業員のおよそ290倍。
39:309倍に満たない日本とは大きな開きがある。
39:38アメリカの経営者報酬が急上昇し始めたのは、1990年代のこと。
39:47新自由主義が欧米を席巻。
39:51株主主権論が勢いを増し、株主利益の最大化が経営者に厳しく求められるようになる。
40:02これに導入されたのが、株価が上がると経営者の利益も上がる株価連動型の報酬システム。
40:11その一つが、株価が上がる前の価格で自社株を変える権利、ストックオプションだった。
40:221990年、この仕組みを最初に提唱した一人が、ケビン・マーフィー。
40:52どの場合は、株価の協価の協価を抗うことを知るために、
40:57ワイヤ人の良い化現れになることはなわずに、
41:01もちろん貸し出現できるようになるようになる。
41:04僕たちが、株価の協価の協価を入れ、
41:08言語を取り出したい。
41:10何か責価の協価等の協価を入れているのは、
41:12どのような協価の協価を入れ、
41:17at executives. Our ideas, or at least the distortion of our ideas, was widely embraced
41:26by corporate America because they saw managers were getting more. And in a short period of
41:33time between 1992 and 2000, CEO pay in the S&P 500, for example, more than tripled in
41:44inflation-adjusted terms.
41:46辞められない、止まらない、株主の期待に応えることを口実に自分の利益を増やす経営者たち。折氏も社会主義の挫折が資本主義の勝利と都合よく解釈され市場原理こそ絶対の価値観が一気に世界に広がる。
42:13この時期バブル崩壊からの逆転をあせる日本の多くの会社が右に習えで必死にアメリカ型を追いかけたのは皮肉な事態だった。
42:28法人を、物でしかない法人を人として動かす生身の人間が絶対に必要になる。それが会社の場合は取締役。もっと広く言うと経営者なんです。多くの経営者は良い経営者です。良心的な経営者です。悪い経営者は世の中にたくさんいます。
42:46そういう経営者が自己利益追及することを許されたらどうするかというと、何にしますか。
42:54契約書、自分の報酬に関して契約書を書きます。自分の契約書が何兆円の報酬をもらうという契約書を書くかもしれない。
43:03取締役が契約書にサインすればそれは会社がサインしたものとなされますから悪い取締役がいたらそういうことが可能になるわけです。でもそんなことをしたら会社は潰れます。
43:17その危機を防ぐには歴史の風説の中で磨かれてきた会社法には経営者に対するある重要な義務が課されているという。
43:32会社の経営者に自分の利益になるけど会社の利益にならないことはしちゃいけないと。逆に言うと自分の利益を抑えて会社の利益にのみ忠実に仕事をするという義務が法律的に課せられることになります。それが忠実義務です。
43:51ものであり人でもある法人の仕組み。
44:06この中で人としての法人、会社に対して経営者が追うのが忠実義務だ。
44:15自身の利益のためではなく会社の利益のため経営者の能力をすべて注ぎ込む忠実さが求められる。
44:26これは双方向に結ばれる契約関係ではなく信任関係経営者のみが義務を負う一方的な関係だというこの祝いの解釈に対しやはりアメリカの経済学者は少し異なる見方を示す。
44:50I believe that even legally top managers are fiduciaries of the shareholders.
44:57They have a fiduciary duty to take actions for the benefit of shareholders.
45:02As long as they're taking actions which they perceive to be in the best interest of shareholders
45:09or if they can spin it to be in the best interest of shareholders,
45:13they can't be sued for taking those actions or the courts won't listen very carefully.
45:19But just saying there's a fiduciary duty isn't enough to make sure managers do the right thing.
45:25I think you need to provide real incentives to get them to do the right thing.
45:30イギリスの会社法の専門家は意外と同じく豪華だった。
45:38And interestingly, in England and in Japan, the core word is loyalty.
45:48Directors of companies must be loyal to their company.
45:55It builds on law that has been developed over hundreds of years.
46:02If a director has an opportunity to make profit that they didn't get authorization for and that opportunity came to them because they were a director of that company, that is disloyal.
46:24They will be in breach of their duties.
46:32They will be in breach of security.
46:37They will be in breach of security.
46:39The law of the law is changed by the law of the law.
46:42The law of the law is broken.
46:46The law of the law is broken.
46:51私が義務として目指すべき幸福は、他人の幸福でなければならない。
47:04人々の目的を、私は自分の目的ともするのである。
47:13その中で、カントは倫理の定義をしています。
47:21その定義というのは、倫理というのは、他人の幸福を自分の目的とすることだと、他人の幸福を自分の目的として行動せよということです。
47:32実は、このカントによる倫理の定義にピタッと当てはまるのが、今言った忠実権です。
47:39会社の経営者は自分の利益を抑えて、会社の利益にのみ忠実に仕事をしなさいという義務ですね。
47:49理順がすべて。シンプルな市場の掟。だがそこにはもう一つの普遍的な原理があった。
48:09資本主義の中核を占めている会社ですね。その会社は法人であることによって、必然的に取締役さない経営者を必要とする。
48:21その経営者は必然的に会社に対して忠実権という倫理的にも負う存在である。
48:29資本主義には倫理が絶対に必要だ。
48:31会社を研究することによって、それを通して資本主義の中核に倫理が存在するということを発見したというのは、本当に私は驚きました。
48:43自由な経済活動に必ず伴うその根幹が今大きく揺らいでいる。
49:072025年7月に入ると、再びあの会社のニュースが世間をにぎわす。
49:22かつて富士テレビ買収を仕掛けた旧村上ファンドの関係者が、富士メディアホールディングスの株を株主総会の後も買い増し、合わせて16%を超えたのだ。
49:37今はまだ株価が安いと彼らは思っているので、今のうちに買い増しをしておいて、拒否権を得られるような、3割を超えるような株数にするとか、より発言権を高めておいて、もしかしたら次の株主総会の時にさらなる踏み込んだ提案をしていくということなのかもしれません。
50:04これに対し、富士メディアホールディングスは20%以上の株式を取得しようとした場合、新株予約券の発行など対抗措置をとることを発表している。
50:23公正を強める、物言う株主。会社はどう向き合っていくべきなのか。
50:30その一つのヒントが、実は株主主権論が生まれたアメリカ市場にもあると祝いは言う。
50:37バークシャー・ハサウェイという会社がある。
50:44これはウォーレン・バフェットという人が最大の株主と同時にCEOをやっているからです。
50:51バークシャー・ハサウェイの株主総会がよく言われるのが、あだ名として、資本家のためのウッドストックと言われています。
50:59バフェットの貴重なお言葉を聞くために4万人か5万人か集まって大騒ぎするわけですね。
51:04ただ皮肉なことにですね大騒ぎする株主は実は物が言えない株主なんですね。
51:13物が言えない株主。
51:17その秘密は種類株という独特の株の仕組みにある。
51:24この会社が発行する株式はA株とB株の2種類。
51:31A株はバフェット本人と近しい関係者が保有。
51:36B株は一般の株主が所有するが、議決権はA株の1000分の1しか与えられていない。
51:47株主総会を開いてもバフェットサイドで確実に過半数を取れるというわけだ。
51:56物を言わせないことによって、株主の短期的な利益を求める圧力から逃れて、
52:04最終的には長期的な投資をすることによって、
52:07かなり高いリターン、10%以上、一時は20%以上のリターンを得た投資になっている。
52:13株主資金投資する会社自身が株主権利がない仕組みを作ることによって成功しているという逆説があるんです。
52:22IT最大手のGoogleもバフェットから種類株の制度を学び、
52:28株主に物言わせない仕組みを作った一社。
52:33その経営方針にも示唆があるという。
52:40Googleは自分たちは短期的な利益を求めないと。
52:44従業員は週5日制のうちの1日はGoogleに関係なく自分のための仕事をしてもいいと。
52:51自由な時間を与えると。
52:53いい給料に加えて、お金で買えないような何かを従業員に与えていると。
53:00そういうことによって、いわゆるポスト産業資本主義で、
53:06いい創造的な仕事をできるような従業員を引き付けることができた。
53:11工業化の時代を経て迎えた売り上げにおいて世界の経済をリードするのはガーファムなど巨大IT企業だ。
53:29アイデア、ノウハウ、ブランド、形なき資本が無限の価値を生むと語られる時代。
53:38ポスト産業資本主義というのは機械性向上じゃなくて、新しい違いをほかの新製品や新技術や新しい経営方法やそういう新しいものを作ることによって、違いを自ら意識的に作ることによって利益を生み出す。
53:56人間の想像力が最終的にビジョンの源泉。
54:05富を生むルールが大きく変わる中で、会社はどこに向かえばよいのか。
54:21岩井勝人が2025年の今語るカメラの前に座ること5時間。
54:36最後に岩井の口から漏れたのは意外な人物の名前だった。
54:43私はハイエクの自由主義思想っていうのは間違いだと思ってるんですけれどもただハイエクの資本主義に関する見方っていうのは非常に面白くてですね。
54:55ハイエクとは強硬な株主権論者のフリードマンが使徒仰いだ人物だ。
55:04岩井は自らの理念とは対極にある巨人の思想に今あえて可能性を見出そうとする。
55:13早くの資本主義に関する見方っていうのは非常に面白くてですね。
55:19資本主義のメリットっていうのは知識の分業だと。
55:22誰もが全体を見回すような知識を持ってなくても、それぞれ分散して持っている知識をうまく揺れ合わせて一つの製品を作ったりするのが、これが資本主義の最大のメリットだ。
55:40我々が利用せねばならない知識は不完全で互いに矛盾する断片としてのみ存在する。
55:50早くの考えをさらに広げると、実はこのポス産業資本主義という時代は、ある面で多くの人間が専門家になっていくということなんですね。
56:04一人では不完全な知しか持たない人間。
56:10だがそれぞれの人間が個性と能力を発揮し知見を組み合わせ補い合うとき、そこに新たな価値が生まれる。
56:22そこに古くて新しい会社の可能性がある自由法人の思想の中核にも現代の会社の在り方を更新する知恵があった専門家と非専門家の関係っていうのは信任信頼によって任せ任せられるという関係さらにその背後にある忠実義務さら
56:52ますます必要になってくる社会。
56:54信任とは他に対する倫理ですけど、倫理っていうのは自分に向かう倫理もあるわけで、
57:01これは本当に外から縛ることは絶対できないんですね。
57:06個人の生き方に依存することになるわけですね。
57:11だから逆にトランプ的な現象って、典型的ないわゆる独裁者のパターンになってきて、倫理を全く壊す方向にいってるっていうのはですね。
57:29ポスト産業主義が向かっていく一つの倫理を重要視するような方向に対してどういう影響があるか、これからちょっと私も心配しながら見ているということになります。
57:41歴史が証明する法人という英知の意義。
57:53法人と人との間に結ばれる信任関係は、株主の権利を否定することなく両立する。
58:03あらゆる人々が無視できない倫理だ。
58:09会社は特定の誰かのものではない。
58:14あなたのものであり、社会のものでもある。
58:21働くことは自分のため、そして社会のための倫理を行使すること。
58:30会社と社会、個人と組織の間に連続性を見出せなければ、資本主義に明日はない。
58:41やめられない、止まらない。
58:44欲望が欲望を生む欲望の資本主義。
58:49その探求も終わらない。
58:53ガザで生まれ、ガザで命を落とした一人のジャーナリスト。
59:02武器ではなくカメラを手に命を懸けて伝えたものとは。
59:09カツオを食べに来ました地上の楽園モルディブ実はカツオの国なんです豪快な一本釣りにも初挑戦ぜひご覧ください難しいなぁ
59:24ワイルドライフ驚きと愛情に満ちた生き物たちの子育て淡水と密林で描きます放送はNHKBS28日夜7時30分
59:41BS世界のドキュメンタリー。80年前のヨーロッパには孤児たちがあふれていた。親族との再会を支援した連合軍は冷戦後自国の利益を優先する。子供たちの試練と苦難29日夜。

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