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00:00今、着陸をしました。
00:05函館空港にハイジャックされた全日空の857便が今、着陸しました。
00:15あの地下鉄サリン事件の3ヶ月後。
00:21北海道函館で日本を震撼させるハイジャック事件が起きた。
00:29犯人はオウム教の孫子のためにハイジャックしたと言っている。
00:38悲鳴が聞こえまして、タイマーが動いている。何かが動いていると聞こえました。
00:47乗員乗客365人。
00:52推定された武器はプラスチック爆弾と、そして毒ガスサリンだった。
01:0016時間に及ぶ牢状戦。
01:09機内では一体何が起きていたのか。
01:12うわーっと音がして、その瞬間的に自発的に非常の体勢を取りましたね。
01:21ある男が下した大きな決断。
01:25完全にオウムの戦闘員であれば、これはもうやっぱりさっとに手伝ってもらうしかないと思ったんです。
01:34当時、その存在自体が極秘とされた部隊がひそかに投入された。
01:42その時、地元の警察官は。
01:45われわれがいかがって誰がいくんだって。
01:48日本初の強行突入。
01:51その知られざる真相に、3つの視点から迫る。
02:12ハイジャック乗客の命を盾にした卑劣な犯行はその度に日本中を震撼させてきました犯人の要求に屈したことで世界から避難を浴びた脱火事件や逃亡を許した淀豪事件その中で今回注目するハイジャックはもしかして。
02:42皆さんの記憶に残っていないかもしれません。
02:49全日空857便、ハイジャック事件。
02:55しかし、この事件の裏には日本の警察が初めて機内に強行突入するという歴史的決断がありました。
03:09運命の分岐点は1995年6月22日午前3時42分。
03:20ハイジャック犯に対して日本で初めての強行突入が行われた瞬間です。
03:28切り札となったのは極秘の部隊。
03:32実はその特殊部隊をよく知る男が偶然にもこの時北海道にいたことが解決への伏線となりました。
03:43その男、北海道警察本部長だった伊達沖春が第一の視点。
03:50彼は自らの責任で強行突入を決断します。
03:55絶対に失敗が許されない非常事態。
03:59重い決断を下した男のアナザーストーリーです。
04:04元警察官僚伊達沖春。
04:19事件当時は定年間近だった伊達平和に終わるはずだった警察人生の終わりに突如降りかかったのがあの事件だった。
04:34これはとうとう自分の最後の仕事になったなと。
04:37まあ今まではどちらかというといろんなことを上司から言われたり警察庁から言われたりしてそのとおりに従ってきたけど今回だけは自分の目でしっかり見てやると。
04:491995年はそこ知れぬ不安が日本に広がった年だった。
05:08オウム真理教が地下鉄にサリンをばらまきその10日後に警察トップが何者かに狙撃されるいつ誰が何をたくらむか想像もつかないそんな時あの事件は起きた。
05:35全日空857便羽田発函館行きビジネス客や旅行客など360人余りが乗っていた。
06:00の乗客の一人。
06:07歌手の加藤時子とバックバンドのメンバーなど計8人。
06:16北海道へ向かおうとしていた。
06:23離陸しておよそ30分後。
06:30機長がゆっくりとね陶器はハイジャックされましたっていうような言い方でアナウンスが来たわけですねその時私あっこれきっとね訓練だと思うわって言って想定以上に何かが起こってしまった時にちょっとぼーっとしちゃうっていうかあのバタバタする人ほとんど一人もいなかったです。
06:57その後機長は。
07:02衝突防止用の姿勢をおとりくださいとアナウンスし乗客は事態の深刻さに気づき始める。
07:14これは 857便が地上とやりとりした更新記録だ。
07:24ハイジャックの一報が記録されたのは12時1分。
07:30北海道 857便。
07:34ハイジャックを受けています。
07:39それはすぐさま全国の警察やマスコミに伝えられた。
07:46食事を食べながらテレビを見てたんですけどそうしたらテロップに航空機がハイジャックされたとまあそういうのが出てきたんでびっくりしましたね。
07:58日本では16年ぶりのハイジャック。
08:03さらに衝撃的な情報が伝えられる。
08:07第一報から6分後。
08:16犯人はオウム教の孫子のためにハイジャックしたと言っている。
08:22犯人はピッケル、アイスピッケルを持っている。
08:27朝原容疑者を乗せた車が動き出しました。
08:31伊達の脳裏をよぎったのは、一月前に逮捕された。
08:37教祖、朝原の奪還。
08:41朝原将校が身柄を捉えたんで、なんとかそれを解放したいと。
08:46神徒の者たちがいろんな形で動いてくるだろうということは当然予想されてましたから。
08:51オウムは、科学兵器を製造し、目的のためなら、無差別殺人すら実さない。
09:00反社会的集団。
09:04ジャンボ機を人質に取られれば、何が起きうるか。
09:10百人を超すような犠牲者が出るかもしれない。
09:13落下される可能性もある。
09:15そういう意味で、大変な悲惨な事件が起こり絶えない。
09:21そういう危機感は非常に強かったです。
09:23今、函館空港から集計の映像が入ってきました。
09:30今、着陸をしました。
09:36函館空港にハイジャックされた全日空の857便が今、着陸しました。
09:45犯人は何人で、どんな武器を所持しているのか。
09:52犯人は、今すぐ燃料補給するよう要求している。
10:02燃料補給をしなければ、プラスチック爆弾を爆破させると言っている。
10:12犯人の要求は、東京・羽田へ引き返すこと。
10:21機長のアナウンスに乗客たちはその時に一番恐ろしいシナリオとして私と菅井さんでしゃべったのはあの墜落ですね。
10:38あのいわゆる自爆です。この飛行機が一番最も凶器としてねなるのはものとも犯人ものともこの飛行機をどっかに落とすというのが一番怖い。
10:52もしこの巨大な機体を360人余りの人質と共に函館空港から離陸させればすさまじい凶器を犯人に与えることになる。
11:07警察はある作戦を取る。
11:13今ハイジャーク班の要求に従ったんでしょうか燃料の給油車と思われる車が後ろを回り込むようにしてこの857便のすぐそばに今止まったところです。
11:32だがよく見てほしい。
11:39給油車は何もしていない。
11:45バルブがオープンできない。
11:51バルブ接続するも燃料が入らない。
11:57警察の狙いはトラブルを装って時間を稼ぎ、犯人と直接交渉することだった。
12:07想定通りに犯人が肉声を出してくれれば、本人のだいたい状況はわかりますよ。
12:15どのくらいの気持ちで、どのくらいの真剣さでこうやって、どのくらいの覚悟があるか。
12:19話す過程の間でやっぱりどっかで気脈を通じて、その隙みたいのを見つけることもできるんでしょうけど。
12:27しかし。
12:30今、連絡が入った。 給油を遅らせ、乗客名簿を調べているのはわかっている。
12:38手の内はわかっている。
12:41犯人は実に用心深かった。
12:47要求はすべて客室乗務員に伝え、それをコックピットの機長へ。
12:54さらに、無線を通じて航空会社と警察へ、伝言ゲームのように伝えられた。
13:05犯人の手がかりや、機内の状況を探らせないよう、意図的にこう指示していた。
13:15航空機のドアは外からは開かず、機内に侵入するなら、コックピットから突入するしかない。
13:26だが。
13:28いずれにしても動くわけにいかないわけですよ。
13:30どんな状況が起こっているのか。
13:33相手がどのくらいいるって、どんな武器を持っていると。
13:37むやみに突っ込んだりなんだりしても、十分相手に余裕を与えて。
13:44むしろこっちが窮地に落ちるわけですから。
13:475時13分、事態が動く。
13:56機内から百刀番通報が入ったのだ。
14:03決死の覚悟で電話したのは、加藤時子のバックバンドのリーダー、杉井信隆。
14:13乗客は犯人によってテープで目隠しをされていた。だが閉じ込められて5時間汗でテープが剥がれ始めていた。
14:29これまでどんどん取れてくるんですよ。僕の席からですね前の方がこうやって見えたわけですよ。どうも犯人はその列の一番前の方に見え隠れしてたんです。
14:43それはもう助かりたい一心なので、中の情報を伝えるということしかないと。
14:48一つでも二つでも何でもいいから小さなことでも伝えようと思ってました。
14:52乗客たちは目隠しのわずかな隙間から犯人の足元を観察し、その情報を小声で共有しあった。
15:07服装の違う人物が何度か見回りに来たが、いつも同じ靴を履いていることに気づいたのは加藤だ。
15:18足が白い真新しいスニーカーなんですよ。
15:25そっても一緒に残ったんですよね。
15:27犯人は単独犯の可能性がある。
15:36つげいはマネージャーの女性が、当時まだ珍しい携帯電話を持っていることを思い出し、貸してくれと頼む。
15:47分かったけど怖いから。犯人がどこにいるか分からないので、僕に携帯電話を渡せないわけですよ、彼女も。
15:56だいぶかかったと思います。
15:58犯人の目を盗み、新聞紙に包んだ携帯電話を受け取ったつげいは、トイレから110番。
16:08単独犯の可能性を伝えた。その情報を受け取った伊達は、あることを感じ取った。
16:18乗客の1人がトイレから電話をかけてくる余裕があったわけですから、まだまだ航空機内の雰囲気がそんなきり迫ったものではない。まだ時間が稼げるな。
16:31夕方の時点で伊達は最前線の函館に移り指揮をとった。
16:41この場で伊達は、ある秘密の応援部隊と接触している。
16:48列席の者も、なんで警視庁がいるんだろうというような感じを思ったかもしれませんが。
16:54彼らの所属は、警視庁第6機動隊。
17:00その本当の顔を知る者は、当時警察の中にもほとんどいなかった。
17:101970年代。
17:13ハイジャック犯から、週刊中の人物の釈放を要求された時。
17:19日本政府はそれを飲み、海外から非難を浴びた。
17:26その反省から、凶悪テロに備えた特殊部隊が密かに作られていた。
17:33それがこの第6機動隊に所属する、通称SAT。
17:45その任務は、海外の特殊部隊同様、
17:49機関銃などの銃火器を駆使する強力なもの。
17:54機体のドアも、特殊な技術でこじ開ける。
18:07だが強力すぎる装備は、国民を刺激しかねないとして、
18:12その存在はここまで、一切極秘とされてきた。
18:17伊達は警視庁時代にその部署の上官を務めた数少ない人間。
18:27そのため警察上層部から史上初めてのSAT投入も視野に入れるよう打診されていた。
18:38完全にオウムの戦闘員であればこれはもうやっぱりSATに手伝ってもらうしかないと思ったんです。
18:47彼らはそれだけの訓練をしていますから。
18:54事件発生から7時間。
18:59食べ物、飲み物を提供したいが。
19:03再三遊も、そんなのも論外だと言っている。
19:07そして夜9時過ぎ。
19:14犯人の返答が、苛立ちを増し始める。
19:19食料、医者を機内に派遣したい。
19:24全員が死ぬかどうかの瀬戸際なので関係ない。
19:29判断を迫られる伊達にある情報が飛び込む。
19:40それはテレビからだった。
19:44本夜10時35分同じようにスチュアレスにメッセージを伝えさせる形で6回目の電話をかけてきましたこの中で男はオウムの信者とも名乗っていないし自分の名前も名乗っていないなどと伝えて乗客の様子を尋ねると電話は一方的に切られたということであります
20:05なんと犯人から東京渋谷のNHKに電話が入り自分はオウム信者とは言っていないと伝えてきたというのだ
20:20ハイジャック機の客室乗務員からというにわかには信じがたい電話を取ったのは記者の水野紀之
20:31じゃああの人の名前をフルネームで言ってくれとでその名前を聞いたらですねその名前の客室乗務員は確かにその機内飛行機に乗ってるんですねいやまあまんまんが一番偶然ということもあるかもしれないとそのチーフパワーさんの名前を言ったとするとやっぱりそのチーフパワーさん乗っているとハイジャックされた機内からね今電話かかってるっていうことでもう本当報道フロア中に響くような声で叫んだのを覚えてるんですよ
20:57そしてもちろんそれ以上に驚いたのが電話の中身だった
21:05あの自分はねオウム死んじゃろっていうようになった覚えはないんだと事件発生当初犯人が主張していたのはオウムの損死のためとだけならば一体何が狙いなのか
21:24なんだこれはと思いましたですねまずオウムでないオウムだと今まで思わせてきたからこちら側は必要以上に警戒心を持ったわけですよねですけど本人がオウムでないと言ってるならもう少し
21:42突っ込んだ対応ができるんじゃないかと犯人の言葉をどこまで信じるか全ては伊達の判断に委ねられた深夜0時半伊達は幹部を集め方針を伝えた犯人はオウムを語った単独犯と思われる
22:09極秘で来ている警視庁特殊部隊さっとに応援を頼み強行突入を行う
22:21私は単独犯の可能性が強い
22:25そういうことをあえて言いましたしそれから狂気はそれは銃器持ってるかもしれないこれはあり得るとみんなそんなこと言ったってやっぱりオウムとの関係は捨てきれないという感じでみんなものすごくこう
22:38警戒心持ってるからもうほとんどの人は発言する人いないわけです
22:46そのさなか機内から恐れていた知らせが届く
22:54一人終わった 以上です 5分後に2人目だ
23:02以上です
23:04機長の話からすると今一人殺害されたそうです
23:09そしたらみんなさすがにウェッというような声が出ましたねその時にうわーっとみんなの視線がこっちへ向かってきて事件発生から12時間ついに突入に向けて動き出したこうして日本で初めての強行突入が決断されました
23:36けれど本当に大変なのはここからです
23:43第2の視点は突入の最前線にいた男 北海道警察本部捜査第一課川尻正和
23:54急遽集められた即席の部隊で命がけの作戦を決行することになります その時目にした仲間たちの決意とは
24:05人命救助に命を捧げた男のアナザーストーリーです
24:122005年警察を体感した川尻
24:19現在は札幌で静かに余生を送っている
24:25実はあの時川尻たちは作戦の詳細も特殊部隊の応援があることも知らされないまま 突入の覚悟を決めた
24:46われわれも知らなかったんですよこの特殊版も佐藤チームがあるってことが我々が打ち合わせたっていうのはほんと突入をするねほんと寸前中か30分前ぐらいなもんかなほんとにもう一発勝負で行こうっていうまあ考えてみればねあの無茶だったけどね
25:09無茶 その意味とは
25:16あの日 札幌の北海道警本部から派遣された川尻は午後5時ごろ 函館空港に入った
25:29たたき上げで刑事一筋22年犯人を説得する腕を変われこれまで誘拐や立てこもり事件を担当してきた我々の説得っていうのは例えば銀行のね料金持ったとかあるいは会社にビルに立てこもとかそういうレベルなもんでね。
25:58現場で指示を待つ間 川尻は犯人の動きにある疑念を抱く
26:07ハイジャックから5時間 なぜ犯人は武器が本物である証拠を示そうとしないのか
26:19あの時同じ直感を抱いた地元函館の捜査課長佐藤直芳
26:28オウム信者だという犯人の主張をいぶかった。
26:47全然迫力がないっていう感じするでしょ奪還あるいは釈放してさせて奪還したいとすればさもっと強烈に動いてもいいんじゃないかっていう印象ありますよね。
27:00だがもちろん命令がなければ動けない。
27:09緊迫の時間が続く中突然川尻たちに召集がかかったのは夜10時過ぎ。
27:21強行突入が間近に迫っていることを伝えられた。
27:27命にかかってるからね。 これは希望者のみとすると。
27:32行かない人は自在してくれと。
27:35そんなことで
27:38捜査員を集めてねそう説明してくれと言われたもんで。
27:44作戦の詳細は知らされない。
27:48だが命がかかる任務であることは告げられた。
27:55拳銃もあるかもしれないし、サリンかもしれないと。
28:00プラスチック箱さんも機内にぶら下がってるという情報もあると。
28:08みんなどうだと。自在する人は自在してくれと。
28:12川尻夫さんは何言ってるんですかと。
28:15我々がね行かなかったら誰に行くんですかと。
28:18法制行きましょうって。死んだら死んだって構わないって。
28:22その直後、妻に電話をかけた。
28:27これから突入することになったと。それで爆弾もあるかもしれんしサリンもあるかもしれんって。子供を頼むなと。
28:41だがこの日、警察の意思決定には一つの謎がある。
28:50川尻たちが上層部から突入を打診されたのは夜10時過ぎ。
28:58一方、伊達が会議で突入を命じたのは深夜0時半頃。
29:05つまり、正式決定までに2時間ほどもかかっているのだ。
29:13この遅れは一体何を意味するのか。
29:20実はこの時、北海道警と警視庁の間の調整に手間取ったことを伊達が明かした。
29:32このSATという部隊はもともと国際テロとかそういうものに対応する重機対応の部隊ですので、国内のオウムとの関連が若干薄れたようなこういう事件では当然動かないわけですよ。
29:51さらにSATは警視庁の管轄で伊達の指揮権が及ばない。
29:59そこで一刑を案じた。
30:03それではということで一言言ったわけです。
30:06北海道警察突入警視庁技術支援。
30:11伊達は突入は北海道警で行うから、ドアを開ける特殊技術だけSATに支援してほしいと警視庁に頼んだ。
30:26突入が打診されてから決定するまでの空白の時間は、このすり合わせが簡単ではなかったことを物語っている。
30:40突入直前決死の覚悟を固めていた川尻は初めて特殊部隊の存在を知らされた。
30:55いわゆる極秘の舞台がね。我々もわからなかったね。
30:59我々が打ち合わせたというのは本当に突入するね。本当に寸前というか、30分前ぐらいなのかな。
31:10よし!
31:14そして突入部隊は静かに動き出した。
31:21暗闇の中、機体に近づく人影は、当時開発中だった超高感度カメラが捉えていた。
31:31午前3時33分。
31:38まずサットがドアにはしごを立てた。
31:46続いて作業服姿の北海道警察がはしごを登っていく。
31:53警察がはしごを登っていく。
31:58犯人を一気に制圧するには、3つの入り口から同時に突入できるかが勝負。
32:063時42分。突入。
32:23ドアが本当に正確に同時に開きましたね。
32:27きれいにシンクロしましたからね、こうやってドアが。
32:31ウワーッと音がして、で、その瞬間的に自発的に非常の態勢を取りましたね。
32:38うずくまったんだけど、その次の2秒後ぐらいにはもうここに捜査隊がいました。
32:45ハイジャック犯は、やはり1人。
32:493方から迫り、一瞬で制圧した。
32:54相手はドライバーを持って、こう、振りかざしたんで、
33:06Oyo so 16
33:30正直な話ねホッとしたまず住職者がいなかったってこと乗客がねほぼ一部の上でほぼ全員が無償でね救出されたってこれがホッとした。
34:00全日空857便をめぐるハイザック事件はこうして幕を閉じました。
34:14犯人の正体は53歳エリート銀行員。
34:20精神を病んでいたとも報じられましたが裁判では責任能力があったと認定されています。
34:26一体何が彼を犯行に駆り立てたのか。
34:34取り調べをした刑事でさえも動機は最後までつかめなかったといいます。
34:41その謎を知りたくてその後20年にわたって事件を追い続けた新聞記者がいます。
34:47それが3つ目の視点北海道新聞愛原秀樹そこで記者は何を発見したのか犯人の転落の闇に迫るアナザーストーリーです
35:06多くの警察官が空気の方に向かっております
35:10かなりの風の人です
35:13事件後日本を震撼させた者の正体が明らかになった
35:21プラスチック爆弾と称していたのは
35:28粘土の塊
35:32そしてサリンに見せかけていたのは
35:38ビニールに入ったただの水だった
35:44虚しいほどの結末に
35:49以後このハイジャックはほとんど話題にも昇らなかったが
35:53北海道新聞の記者
35:57愛原秀樹は
35:59その後も事件にこだわり続けてきた
36:04足掛け実に20年
36:10その集大成として取材機を出版した
36:15当時の犯人はですね
36:18バブルで踊って
36:20バブルの中に転落した人生だったわけですね
36:24それで非常に歪んだ動機の中で
36:27この事件を起こすわけだけど
36:29そういうことも考えても
36:31僕は平成を非常に象徴するような事件じゃないかなと思う
36:35愛原がこの取材にのめり込んだのは
36:48事件から4年後
36:51北海道警の担当になってからだ
36:54鮮やかに見えた逮捕劇の裏で
37:00報じられなかった実態が
37:02徐々に明らかになった
37:04警察内部の連携のまずさや
37:10縦割りの弊害など
37:12多くの反省点が浮かび上がった
37:16北海道警は
37:21機内に監視カメラをつけることや
37:24乗客のセキュリティチェックの強化を提言したが
37:29十分な対策はその後も取られなかった
37:32そしてまたしてもハイジャックが発生
37:40コックピットに侵入した犯人によって
37:48機長が殺害された
37:50さらに2年後
37:56あの巨大テロ
37:58機内に防犯カメラが設置され
38:04ドライバーなどの工具の持ち込みが厳しく制限されたのは
38:09この悲劇の後だ
38:12ドライバー1本を持った男に
38:17あれほど恐怖したにもかかわらず
38:20なぜあの経験を生かせなかったのか
38:24函館空港ハイジャック事件は
38:29成功率に終わった
38:30突入してきれいに終わった
38:31あまりにもきれいに終わったがために
38:34日本社会はこれを恐怖にしなかった
38:37そこで愛原は
38:40函館でのハイジャック事件を
38:43もう一度調べ直した
38:45その取材は
38:48犯人の背景にも及んだ
38:51男はバブル絶頂の頃
38:57企業買収を手掛け
39:00会社一の切れ者と呼ばれていた
39:03私が取材した中では
39:09函館に土地一人引きの関係で
39:13札幌支店の部長を
39:16カバン持ちにしてですよ
39:17それだけの地位にあった
39:21企業売買に非常に詳しい
39:23切れ者だったと
39:24やがて愛人に貢ぎ
39:29会社の金を事実上
39:32応慮
39:33それが露呈し
39:36窓際に追いやられたが
39:38会社を辞めることは許されなかった
39:42関係者は語った
39:47まずいこともたくさん知っているだろうし
39:52銀行も切れない
39:54買い殺し
39:57社交的に見えながら
40:06友人らしい友人はいなかった
40:10やがて心を病み
40:12給食するようになる
40:21そして犯行の前日
40:24渋谷へ
40:26粘土
40:27粘着テープなど
40:29締めて
40:306,529円
40:33あの日
40:36男は
40:38どんな心境だったのか
40:40愛原は
40:42その足取りもたどっていた
40:44ちょっとしたきっかけで
40:48道を誤ったね
40:49一人の日本のサラリーマン
40:54エリートにありがちな
40:57思考の柔軟性とかね
40:59ある意味でいい加減さえはない
41:02そういう人間だったんだろうなっていうふうに
41:05思いましたね
41:06最後の宿泊は
41:12御坂田駅前の
41:14ビジネスホテル
41:16部屋で一人
41:20サリンに似せた保冷バッグや
41:23粘土のプラスチック爆弾を
41:26黙々と作った
41:28ベッドで座ってね
41:33その必死に
41:35プラスチック爆弾とか
41:37そういうのを作る
41:38そして
41:40部屋の向こうには
41:43御坂田の駅のホームが
41:45ちょっと見えたんですよね
41:48ビジネスホテルの
41:50寂しいところで
41:52犯罪の準備をする
41:53誰も声かけてくれない
41:55そういうものすごく
42:01人間の悲しい姿が
42:06そのベッドの脇に腰掛けてるような
42:09僕はそんな気がしたですね
42:10あの日
42:13オウム信者を装ったのは
42:16朝原をおびき出したかったから
42:19彼と差し違え
42:23ヒーローのように死ぬのが
42:25男の計画だったという
42:28犯人に同情はしない
42:35だが
42:37この男の孤独は
42:39ひょっとすると
42:41この時代を象徴するものの
42:44一つだったのではないかと
42:45相原は感じている
42:51ハイジャック事件の被害者
42:54加藤とき子は
42:56犯人と一切違いだった
43:01普通に生活して
43:02家族もいて
43:03銀行員にもなって
43:06それでも
43:08こんなことをしてしまう
43:11そういうふうになってしまうような
43:15何かがこの時代の心の奥にある
43:21すごくなんていうか
43:23こう怒りとか
43:26そういうんじゃなくてね
43:27何か情けないなっていう
43:29事件は
43:40時代を映す鏡だと言われる
43:44ならば
43:47平成という時代は
43:49どんな時代として
43:51映るのだろうか
43:52アナザーストーリーズ傷だらけの天使
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