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00:00私たちの食卓にそっと寄り添う影の立役者それが粉末食品です
00:14調味料にスープの素香りづけ健康食品まで目には見えなくてもあらゆる料理に欠かせない存在です
00:28そんな粉の世界でまさかの失敗から奇跡の大逆転を遂げたカンパニーがありました
00:42舞台は島根県安城市 もともとは街の小さな醤油店
00:49ある日導入した巨大な乾燥機で作った粉末しょうゆが焦げてしまうという致命的なトラブルに見舞われます
01:01経営的にも厳しかったですしやっぱり一度お父さん寸前まで行きましたので誰もが使えないと見放したその焦げた醤油
01:15しかし捨てるのはもったいないそんな一言から運命が大きく動き始めたのです果たしてどんな一手を打ったのかそしてその失敗策がなぜ評価されることになったのか焦げから始まったカンパニーの逆転物語に隠されたそうだったのかに迫ります
01:39島根県東部安城市 この街に全国の食品メーカーから注目を集める粉の匠カンパニーがあります
02:09その名は山野株式会社 依頼を受けて手掛けるのは食品の粉末加工
02:16例えばこれはカニの煮汁から生まれたカニパウダー味噌煮干し野菜に果物その数なんと300種類以上見えないところで私たちの食を支える驚きの粉の世界がここにあります。
02:38カンパニーの創業は1942年地元で親しまれる町の醤油店としてその歴史は始まりましたその後高度経済成長の波に乗り醤油の売れ行きは順調
03:08ある不安がありました
03:12醤油作りだけではこの先やっていけないのではないか
03:18海外の様々な文化が日本に入り込み食の欧米化が進んでいた時代
03:26醤油の需要はやがて減っていくその兆しをすでに感じ取っていたのです
03:32今はね逆かもしれないけど
03:36さらに当時は手軽なインスタント食品が次々と登場し調理の時短が求められ始めていました
03:46そんな中栄一郎さんが踏み出したのが醤油の粉末化
03:52それは変わりゆく食文化を見据えた大きな決断でした
03:591963年カンパニーは液体を霧状にして乾かす高額なスプレー乾燥機を導入
04:09粉末醤油の製造を本格的にスタートさせました
04:15地域の小さな醤油店の大胆な挑戦に地元の人たちも驚いていたといいます
04:25多分当時は結構山野が変わったものを変わった機械を入れてるぞっていうふうな見方はされてたと思いますししかし待っていたのは想定外の現実海外生まれのスプレー乾燥技術を導入したものの当時はまだ安定した運用が難しく思いどおりにいかない日々が続いていきますへぇ
04:51スプレードライヤーっていう機械を入れてる会社さんも数社ぐらいしかなかったのでいろんなところでノウハウもない状況で皆さんされてましたしその中で粉末にならなかったりだとかっていうことはあったっていうのは聞いてます
05:10巨額の設備投資そして膨らみ続ける開発費
05:16気づけばカンパニーはまさに崖っぷちに立たされていたのです
05:22経営的にも厳しかったですしやっぱり一度あの倒産寸前まで行きましたので
05:29しかしその時の失敗がカンパニーの運命を大きく変えていくことになりますこれが思いもよらない逆転物語の始まりだったのです
05:49あんまり分かってなかったですけど確かにVTR見たら粉末のものって相当ふだんから僕らお世話になってるなというかいや意識してみるとすごいですね数がすごいんだなというのもあるし失敗もあったのにそれが成功だというちょっと気になりますねというわけでスタジオには山野の戸田社長にお越しいただきましたよろしくお願いしますよろしくお願いしますよろしくお願いします
06:11そしてVTRにありましたあのロボぐらいの大きさの大きな乾燥機スプレー乾燥機って言うんですか 1963年ということは随分前だなというふうに思いますけれど
06:24僕の祖父がかなり新しいもの好きだったのでそういう部分で自分のところで作っているお醤油を何か新しいことに使えないかっていう部分でスプレードライヤーっていう乾燥機を入れました
06:39粉末にしようってどういうふうなんでそういうふうに思われたんですかね
06:43えっともともとお醤油を配達とかですね運送するときは液体なのですごい大量になると重くなるんですけど
06:51粉末になるとあの傘が3分の1ぐらいになるのでとても運びやすかったっていうのがありますね
06:58昔はさらにそれが瓶だったりするから余計重たいというのがあるかもしれないですね
07:02でもじゃあそれを粉末にしたお醤油があったと
07:06それ販売されるのは販売先はどこになるんですか
07:08食品メーカーになるんですけど洋風スープだとか焼肉のたれみたいなものに使われてたっていうのは聞いてます
07:17焼肉のたれに入ってるんですねしょうゆの粉
07:19そうです
07:20カンパニーの運命を変えた醤油の失敗作とは
07:25巨額投資で導入した高さ20メートルの巨大乾燥機
07:36この機械を使い醤油の粉末化がついに始まりました
07:42しかし操作もままならない中で迎えたある日
07:48カンパニーにとって大きな損失となる失敗作が生まれてしまいます
07:54それが
07:56これが今醤油が焦げて固まった粉末です
08:00これが焦げた状態なんです
08:02そうですね
08:03液体の醤油を焦がしてしまったのです
08:08乾燥機の中で焦げてしまい色も風味も変わった粉末が大量に発生
08:17一見すると普通の粉末醤油に見えますが
08:22実はこれ
08:23醤油に含まれる塩分が水分などを吸収し固まったもの
08:28当然ながらこれでは商品になりません
08:33では一体この巨大乾燥機の中で
08:41どのようにして焦げが生まれてしまうのでしょうか
08:44この壁面内側にどんどんどんどん粉末が付着してきてその焦げが剥がれて落ちてきて一番下の部分にたまるようになります
08:58醤油を粉末にするにはまず液体の醤油を細かく吹き出しながら機械の中に入れていきます
09:08そこに高温の熱風を当てて水分を一気に飛ばし瞬間的に乾燥させることで粉末になるのです
09:17しかし一度に吹き出す醤油の量が多すぎると熱風でも水分を飛ばしきれず醤油が液体のまま機械の内側にこびりついてしまいます
09:31そこに熱が加わることで醤油が焦げつき思わぬトラブルにつながってしまうのです
09:38じゃあずっとこびりついてたってことなんですか
09:41そうですずっとこびりついてました
09:43こびりついた醤油はやがて大きな塊となって機械の底に落下します
09:50それを取り出したのがこちら
09:55さらに焦げの原因は醤油の量だけではありません
10:03その日の温度や湿度によっても乾燥の条件が変わり
10:08焦げやすさに大きく影響するのです
10:11当時のカンパニーにはそうした繊細な調整のノウハウがほとんどなく
10:17現場では失敗が相次ぎました
10:20では失敗してできた焦げの香りや味とは一体どんなものだったのでしょうか
10:30通常の粉末醤油と比べてみると
10:33もう色全然違うんですね
10:37そうですね
10:37通常の粉末醤油の香りは
10:42うんあの醤油のいい香りがします
10:47一方焦げた粉末醤油は
10:51おー全然違いますね
10:53だいぶ焦げてる匂いがするので
10:56すごい香ばしい
10:59香りも濃いといいますか
11:01そうですね。
11:02お湯で割って飲んでみるとスタッフが実際に味わってみると確かに苦みと強い香ばしさは感じられましたがそれは決して嫌な味ではなかったのです。
11:27何でNGだったんですかね当時は焦げた醤油っていうのはお客さんが求めてなかったので当時はご飯を炊く時のお焦げなんかも嫌われてたっていうふうには聞いてるのでそういう部分ではやっぱり焦げた味っていうのはあんまり好まれた味ではなかった大好きだけどなぁ
11:48どこにも出せず価値もないそう判断された粉末醤油水分を含み固まってしまった部分はやむなく廃棄にしかし固まっていないパウダーの部分にはたとえ焦げていても何か可能性があるのではないかカンパニーはそれを捨てずに残しておくことにしましたうん
12:18営一郎さんにとって食べ物を捨てるという行為は到底受け入れがたいものでしたそれが自らの手で作ったものならなおさら焦げてはため込みその在庫はついに1トンにこのままでは増える一方そこでカンパニーはついにある行動を起こすのです
12:44サンプルとしていろいろなメーカーさんに指標品として渡してた今は価値がなくてももしかしたら何かに使えるかもしれないそう信じたカンパニーは焦げた粉末のサンプルを手に全国の食品メーカーを回り始めました
13:05そしてついに運命が動き出します何だろうこの失敗作にまさかの反応を示したメーカーが現れたのですその相手とはこの後逆転劇の幕が上がります
13:26今こうしてる間にもすごいいい香りがしてますよね
13:31スタジオには普通の粉末醤油と焦げた粉末醤油の両方をお持ちしましたのでぜひちょっと比べてみていただけたらと思います
13:40この色になるんですね普通のお醤油だと色が全然違いますねそうですね
13:45むしろなんか今でも思うとこっちの方がお醤油っぽいのかもって思っちゃうけど
13:52ちょっと香りをかいてますね
13:55ああ優しい優しい香りですねこっちの方はねこっちもまあこっちはもうパウダーにはなってるってことですもんね固まってはいないやつああなるほどうんうんあの二度漬け醤油煎の匂いですね
14:16あの確かにこの焦げた方の醤油でも全然問題なく発売できそうな気がするんですけどこの焦げた粉末醤油が1トンということでかなりの量だと思うんですけれどもこれは腐ったりとかはしないんですかえっと粉末になってるので賞味期限は3年ぐらいは持ちますねなるほどでも特に何に使うかは分からないけれども捨てられないとはい
14:45それで1トンたまったらそれは逆にたまったもんじゃないっていうか早くなんとかしないとって気持ちにはなりますよね
14:54そうですねあの祖父も同じ気持ちだったと思います
14:57そうかだからそのじゃあこれを別にすごいまずいわけでもないのにっていう価値観がその時今とは違うというのがあるけれども
15:06さあそんな中その大きいメーカーが興味を示されたということでさあ逆転劇の開幕です
15:15失敗作となった焦げた粉末醤油
15:19カンパニーはこれをサンプル品として食品メーカーに配り始めました
15:25するとこの焦げに興味を示すメーカーが現れたのです
15:31それはおかきやスナック菓子などに使われる風味付けの粉いわゆる香りや味をつける調味パウダーを作る香料メーカーでした捨てるはずだった失敗作が思わぬ形で評価され始めたのです
15:54やっぱり味もそうですけど匂いの部分でも焦げた匂いっていうのが工業会社さんもお持ちでなかったんじゃないかなと思います
16:05香りも味も価値がないとされていた焦げた粉末醤油それがなんと新たな風味として評価されたのですこうして香料メーカーが在庫の多くを買い取ってくれることにさらに継続的な発注も入り経営的にもようやく一安心かと思いきやえっ?
16:33事態は好転しませんでしたまたしても思わぬ問題が立ちはだかるのです
16:42ともともできた焦げた粉末醤油失敗作だからができない
16:511トンもの在庫を抱えていた焦げた粉末醤油
16:59おかきやスナック菓子などの香料メーカーから新たな風味として評価されたことで在庫の多くを販売しました
17:07さらに継続的な発注も入り経営的にもようやく一安心かと思いきやまたしても思わぬ問題が立ちはだかるのです
17:21定期的に作れるようにっていうところを山野でも目指して製造し始めたんですけどなかなか最初はその焦げた風味をわざと出すっていうのが難しかった
17:35焦げは偶然の失敗から生まれた産物つまり狙って再現できるようなものではなかったのです
17:45焦げた香りや味をもう一度生み出すことは想像以上に困難を極めます
17:53カンパニーは醤油の噴霧量外気温熱風の温度などすべての条件を細かく洗い出し何度も何度も調整を繰り返しました
18:06わざと失敗させるっていうそして1年1年ついに焦がししょうゆの再現に成功しレシピを確立1972年焦がししょうゆの安定供給が実現しましたそしてこの粉末はあるブームを支える存在となりますそれがインスタントラーメン
18:34爆発的な人気を誇った国民食は1980年代に入るとご当地系や高価格帯へと多様化各メーカーは他にはない醤油スープを求めていましたそんな中焦がしの独特な香りと風味が注目され需要が拡大おいしそうだね
18:591986年には正式に採用され今なおその人気を支えています
19:06焦がししょうゆパウダーは現在年間100トンを製造
19:15カンパニーは見事なV字回復を果たしたのです
19:22そして焦げから始まった逆転劇は思わぬ分野へと広がっていきます
19:32今やカンパニーは粉の巧みとして全国の食品メーカーから信頼を集める存在にこれまでに手がけた食品は実に300種類以上高く評価されている理由それは原料を液体に分解し分末化まで一貫して行える独自の技術力です
19:55なるほどそして今カンパニーは新たな挑戦へ現在健康食品の粉末化にも本格的に取り組んでいますこの日工場に届いたのはある意外な原料でしたえっ?
20:19これは魚のうろこでしてなんとその原料は魚のうろこそこからコラーゲンを抽出するというのです
20:33かつての焦げという失敗がすべての始まりでした
20:53諦めずに挑み続けた情熱と食を支えたいという強い使命感その粉はこれからも私たちの見えないところで食の未来を支えていくことでしょう
21:12いやーすごいですねでもまあなんとかこれを作るということにね成功されてもともとはその焦がしじょうゆのサンプルをね配ってそこから反応を待つということでしたけどやっぱりお菓子メーカーさんだったりっていうところにもサンプルをお届けさせてもらってましたあとは保存食っていう意味では地元の自衛隊あなるほどな
21:40さんなんかにもお声掛けしてあの救助担当の方にサンプルをお渡ししてました
21:46そうか3年を持つんですもんね
21:48現在300種類以上あるということで
21:52あのどんなものまでならうち粉末にできますってあります
21:59最近粉末化を始めたのはえっと
22:03まあ島根県っていうところは新地港っていうしじみの産地でもあるので
22:08そのしじみの殻を使った粉末を作りまして
22:12殻!出た!
22:15殻だからいいですねそれはえっと24時間装着されてるってことですか?
22:20そうですね
22:20最高ですね
22:22まずしじみがちょっとお酒残ってる翌日に飲むといいみたいな
22:30あれはよく身だったりするじゃないですか?
22:32はい
22:33殻ってどうなんですか?
22:34殻も殻の方がいいんですか?
22:35そうですねあの身ももちろんいいんですけど
22:37殻の粉末を飲んでもあの相乗効果で
22:41翌日快適に
22:43あそうですか
22:44なんかまだまだ可能性がありそうですね
22:46はい
22:47最後に今後の目標をお聞かせいただけますか?
22:50今山野として取り組んでるのはアレルゲンを排除した粉末
22:58ノンアレルゲンの食品っていうのの開発に取り組んでまして
23:02お醤油であったり味噌であったりっていうのを食べられない方のために
23:07ノンアレルギーの食材っていうのをいろいろと開発しています
23:11じゃあそういうことも選別しながらできるし
23:14はい
23:14むしろもう粉末にできないものはないんですもんね
23:18そうですね
23:18はい
23:19すごいな
23:20楽しみですよね
23:21さあというわけで吉野さん最後に今日の学びをお願いします
23:25はい
23:26今回は
23:28失敗は成功のもと
23:32一発目から成功するなんてことはほとんど人ないわけで
23:37もう100回失敗しても成功がその101回目にあればいいという
23:44なんかすごくお手本のようなお話だったなと思うし
23:48でもそのもともと食べるものを捨てるなんてもったいないという
23:54その精神自体がやっぱりどうしようかってことをすごい考える
23:59考えるってことが次につながるっていう
24:03なんかそれをすごくポジティブに表現された
24:09今日の学びだったなという感じはいたしますですね
24:12だから本当に感謝しつつこれからもいろんな可能性を
24:16世界にも使っていらっしゃる方たくさんいらっしゃるでしょうしね
24:19だからこれからの広がりも楽しみにしております
24:21今日はどうもありがとうございました
24:22ありがとうございました
24:23ありがとうございました
24:24ありがとうございました
24:25ありがとうございました
24:26ありがとうございました
24:27ありがとうございました
24:28ありがとうございました
24:29ありがとうございました
24:30ありがとうございました
24:31ありがとうございました
24:32ありがとうございました
24:33ありがとうございました
24:34ありがとうございました
24:35ありがとうございました
24:36ありがとうございました
24:37ありがとうございました
24:38ありがとうございました
24:39ありがとうございました
24:40ありがとうございました
24:41ありがとうございました
24:42ありがとうございました
24:43ありがとうございました
24:44ありがとうございました
24:45ありがとうございました
24:46ありがとうございました
24:48ありがとうございました
24:49ありがとうございました
24:50ありがとうございました
24:51ありがとうございました

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