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  • 2025/5/26
イッピン NHK
2015年12月22日 放映

カテゴリ

📺
テレビ
トランスクリプション
00:00一品
00:10東京銀座
00:18美食家たちの舌を唸らせてきた寿司職人
00:24原田達也さん
00:30この道30年の原田さんが何よりも大切にしているのは
00:35この包丁
00:37大阪堺市で作られる堺打刃物
00:45切れ味だけでなく鏡のような美しさを称える一品です
00:55包丁というよりやっぱり何ていうのかな
00:58日本刀に近い
01:00切れ味はもう最高じゃないですか
01:03スッと引くと
01:05そうするとマグロの艶が違うって
01:08ご覧ください
01:12角がピンと立った見事な切り口
01:17滑らかな舌触りが味わえる
01:21絶品のマグロです
01:24堺打刃物は今世界の人気ブランド
01:33東京築地の包丁店には外国人観光客がいっぱい
01:41ネットで見つけた堺打刃物を目当てに訪ねてくるんだそう
01:54ここの包丁はパーフェクトだっておっしゃってね
02:11でも一番一番って言ってくださる方が多いですね
02:15堺打刃物の種類は食材や用途の違いに合わせ100以上
02:24和食の料理人のほとんどが使っているとも
02:29近年ビギナー向けの可愛らしい和包丁も登場
02:38かわいい
02:45キングすごいかわいい
02:48すごい切りやすい
02:59切れ味と美しさを合わせ持つ
03:02堺生まれの包丁の魅力を探ります
03:06刃物の町大阪堺市
03:20現在75社が製造に携わっています
03:25やってきたのは女優の滝沢沙織さん
03:32父親は和食の料理人
03:36包丁さばきを見て育ちました
03:39伝統的な包丁作りで人気の刃物店
03:45こんにちは
03:47こんにちは
03:49今日はよろしくね
03:51出迎えたのは工房の4代目井野秀樹さん
03:56いやたくさんの包丁ありますね
04:01本当にすごいピッカピカ
04:04こんな綺麗な私見たことないですね
04:07井野さんの包丁
04:11鏡のような光沢が際立ちます
04:16これ手に取ってみてもいいですか
04:20どうぞ
04:20はい
04:20うわ
04:23すごい
04:25鋭い
04:26うわー
04:28すっごいピッカピカ
04:31自分が綺麗に映る
04:34すごーい
04:36うわー
04:39切れ味も
04:40じゃあちょっとこれで
04:42えぇー
04:44こんなに
04:45切ってみてもいいんですか
04:48はい
04:48あっあっ
04:51すごいスーッて切れる
04:53はぁ
04:56はぁ
04:58すごい薄く切れるトマトが
05:00こんなに薄く切れる
05:03トマトってこんなに薄く切れるものなんだ
05:07注文から3ヶ月待ちのものもあるという人気の包丁
05:16切れ味と美しさの秘密を探ってみましょう
05:23サカイウチアモノの最初の工程は鉄を鍛えることあっこんにちは
05:47鍛冶職人の池田義一さんです
05:51よろしくお願いします
05:53滝沢です
05:54サカイでは工程ごとに専門の職人がいて分業で刃物を作っています
06:01すごいここが作業場になるんですか
06:05そうです
06:06うわー
06:08池田さんが得意とするのは片刃
06:12片側だけに刃がついている和包丁
06:17熱した鉄の地金に固い鋼の板を重ねます
06:25これで間に挟んでおくと
06:26はい
06:27えー
06:28こっつきやすい
06:29へー
06:30これを高温で熱し
06:32接合していくんです
06:34さあ鉄を叩く炭造の始まりですが
06:41木花がバーっとんで
06:43ちょっと危ない
06:45もうちょっと
06:46もうちょっとこっち
06:47はい
06:48そして見えない
06:50おー
06:55めっちゃめっちゃバブってる
06:57先端につけた鋼をハンマーで叩き
07:03地金の表面に伸ばします
07:05次に包丁1本分の大きさに切り
07:21叩いて形を整えます
07:27鉄は熱いうちに打て
07:33という言葉通り
07:35鉄が冷めないように火を加減
07:38この時池田さんが気にかけていることがあります
07:45それは鉄の表面の色
07:51特に炉から取り出す瞬間と
07:55ひとしきり叩いて炉に戻す時の色がポイントだそう
08:02こういう色で大体の温度を判断して
08:11叩いているうちにもどんどん温度が下がってくるので
08:14大体800度ぐらいと
08:16その赤黒い600度ぐらいを要は往復しているというか
08:22鉄は温度によって色が変わります
08:28池田さんはこの色の変化で
08:32叩くタイミングを見極めていたのです
08:35滝田さん温度計で確認
08:40炉から取り出した温度は
08:44この辺で
08:45はい
08:47776度
08:49叩き終わった後は
08:54この辺で
08:56あ、590
08:58すごい
08:59包丁の切れ味は叩く時の温度が肝心
09:06800度から600度の間が最も適しているそう
09:11最適な温度を逃がさず
09:20繰り返し叩く
09:22鉄をより固く粘り強くする技です
09:271日に作れるのはわずか10本
09:35池田さんは赤く焼けた鉄と向き合い
09:44鍛えることで良質な刃物を作り出していたんです
09:48続いては研ぎ
09:58その職人は鏡のような包丁を見せてくれた
10:03井野秀樹さん
10:05イノさんは包丁を砥石で磨き歯を付ける歯付け職人
10:24この道16年のベテランです
10:28最初に使うのがテコと呼ばれるこの道具
10:34木の型に包丁をはめて
10:39一気に全体を粗く削ります
10:51これを押さえ付けるから
10:53これを押さえ付けるから
10:54ああ
10:54ああなるほど
10:56こういう風に取り出すと大きく削れるんで
11:03早い
11:04もうなんか包丁みたいだった
11:07ご覧の通り
11:10次は本研ぎ
11:14包丁を砥石の回転する方向に抵抗に当て
11:19刃を作り出します
11:21この時井野さん
11:24仕切りに包丁をチェックしていますが
11:27それ今何を見ていたんですか
11:32取り入れるとどうしてもこう曲がってくるんで
11:36こういうのをちょっと直しながら
11:37確認しながら
11:38微調整しながら
11:41包丁の歪みは
11:45砥石との摩擦が原因でした
11:47刃を立てるために包丁を当てると
11:54摩擦でわずかに熱が発生
11:58研ぎ終えると温度が下がるため
12:02その影響でどうしても歪んでしまうのです
12:06わずかな歪みでも見逃すと研ぎ損じにつながります
12:18井野さんは頻繁に刃を確認し
12:22まっすぐに戻していました
12:24今度は裏研ぎの工程
12:33包丁を砥石の回転方向と垂直にし
12:38裏側を研ぐのですが
12:40この裏研ぎ
12:45包丁の切れ味を左右する大事な工程
12:49その訳は
12:51こうやって見てもらうと
12:57あ、曲がってる
12:58こう
12:59隙間がちょっと開いてます
13:02はい
13:02分かりますか
13:05刃の裏側には
13:07緩やかなカーブが
13:091ミリにも満たない
13:15アーチのような隙間
13:16包丁と食材の断面が
13:20密着しないように
13:21削ってあるのです
13:23こちらは
13:28マグロを切る瞬間を捉えた映像
13:31歯と身の切り口にご注目
13:36身と包丁が
13:46歯の部分以外くっついていないので
13:49身離れしやすくなっているんです
13:52井野さんは
14:02砥石のカーブを利用して
14:04包丁の裏側を削り
14:07身離れの良い
14:09切れ味鋭い包丁を
14:11作り出していました
14:12最後は
14:21井野さん独自の仕上げの技
14:23包丁を徹底的に磨き上げ
14:26鏡のように滑らかにする
14:29鏡面仕上げ
14:31これでほとんど深くなっている状態で
14:41平の部分は仕上がり
14:43こんなに綺麗になるんだ
14:47もう日々いろいろ研究しながら
14:55もっときれいにならないかなとか
14:58やっぱり料理員さんも
15:01最近は人前で
15:02お料理することも多いので
15:04やっぱり見た目もきれいな包丁で
15:07仕事してもらった方がいいかなって
15:09思うというのがありますね
15:10鍛造と研ぎの技が一体となって
15:16作り上げる
15:17極上の包丁
15:19職人がそれぞれの持ち場で
15:28刃物作りに集中することで
15:30高い品質を生み出していました
15:40こちらは堺内刃物の歴史や製品を紹介している
15:52ミュージアム
15:54堺内刃物の名を全国に広める
16:00きっかけとなったものが保管されていました
16:03それがこちら
16:08タバコ包丁というものなんです
16:11タバコ包丁
16:12ポルトガルから伝来したタバコの刃
16:17それを刻む専用の包丁を
16:21国内で最初に作ったのは堺でした
16:24もともとは輸入品としてあったんですが
16:29約30年ほどした時に
16:31国産として国内で
16:33こういうタバコ包丁を作り始めた
16:34徳川幕府にですね
16:37この品質が非常に良いということで
16:40お印をいただいたというか
16:43堺極めというですね
16:44刻印を頂戴したと
16:46タバコ包丁の品質の良さが
16:50全国に知れ渡り
16:51堺では包丁作りが盛んに
16:54さらに天下の台所
16:57大阪の料理人たちの
17:00細かな要望も取り入れ
17:02様々な包丁が作られました
17:07その中で生まれたのが
17:10今や和食の料理人に欠かせない
17:14出刃包丁
17:18包丁に独特の厚みがあるのは
17:24魚の硬い骨を立ちやすくするため
17:27そして鋭い刃先にも理由が
17:37骨と身の間に刃先を滑り込ませ
17:42骨に沿って綺麗な
17:46三枚おろしにするための工夫でした
17:48こちらは大阪の冬の味覚
18:00フグの刺身
18:02テッサ
18:03そのためだけに生み出されたのが
18:10このフグ引き包丁
18:12一般的な刺身包丁と比べてみると
18:18下のフグ引き包丁の厚みは
18:21わずか2ミリ
18:22限界まで薄さを追求しました
18:28紙剃りのように薄く切れるので
18:30弾力のあるフグの身の硬さが
18:33口に入れたときに気になりません
18:36淡白な旨味が堪能できるのです
18:40他にもマグロ切り包丁や
18:46蕎麦切り包丁
18:55土壌やうなぎをさばく包丁など
18:58100種類を超す包丁が次々誕生
19:01料理人たちへのきめ細かな対応
19:11そこで培われた信頼が
19:15伝統を支えてきました
19:17坂井打ち刃物の人気の理由は
19:42刃の良さだけではありません
19:45刃物どんやの社長
19:54山脇義信さんです
19:56坂井ではどんやの多くが
20:01最後の仕上げを自分たちで行い
20:03販売しているんです
20:05作業場のあちらこちらにあるのは
20:14様々な素材の絵です
20:18材質が柔らかく軽くて滑りにくい
20:25頬の木や
20:25丈夫で重みがあり安定感のある黒炭
20:30さらに木目の美しさと耐久性に優れた
20:35一位の木で作った絵など
20:3715種類以上あるそうです
20:40例えば使われる方が
20:45こんな絵が欲しいとか
20:46安い絵でいいやとか
20:48それぞれお好みに応じて
20:51我々は仕立てていくわけですよ
20:53そうなんですね
20:54絵付けは使いやすい包丁に仕上げる
20:58大切な作業
20:59山脇さん
21:06刺身包丁の片側を温め
21:09絵に差し込みますが
21:11すぐに引き抜き
21:15金槌で叩いて
21:17また絵に差し込みました
21:20なぜ何度も繰り返していたんでしょう
21:28ヒントはこちらの包丁に
21:33ちょっと触ってみていただけますか
21:36握って
21:37握って感覚でこういう風に振ってみてください
21:40はい
21:43まずそれが1
21:443つの包丁の重さを測ってみると
22:06実は重さが違うと感じたのは
22:24絵の付き具合にありました
22:26絵の上の部分を水平に伸ばすと
22:30刃の角度が微妙に違うのが分かりますか
22:34上は刃が上向きに
22:38そのため持つと軽く感じるそうです
22:42下は刃が下向きに
22:45こちらは逆に重く感じます
22:49最適なのは刃と絵がまっすぐな真ん中
22:55その理由は
22:56例えばこう持つと
23:00こう持った時に包丁には一番よく使うポイントがあるんです
23:04やはり一番よく使うのはこの辺でしょ
23:06そうするとこの辺が一番よく使えるように
23:12この人差し指の感覚がここにくるように
23:17そういう風に絵付けてやらない
23:19改めて絵付けの技を拝見
23:24まず包丁に絵を付け
23:28位置を確認します
23:30ずれていることが分かると
23:33絵に収まる部分を叩いて修正
23:35再び差し込んで角度を確認
23:48絵の底を叩いて歯を深く差し込みます
23:54そして最後に微調整
23:58全体のバランスを整えます
24:02わずか1分で理想の形に仕上げる
24:07山脇さんの早技です
24:09この絵付けのバランスが悪いと非常に使いづらい
24:15全て殺してしまうような絵付けになってしまう
24:17これを活かしてやるということは絵付けにとって非常に大事なんです
24:22作っている我々の包丁への特殊でありこだわりでもありますね
24:28絵付けがしっかりしているからこその刃物の扱いやすさ
24:35問屋が行う最後の仕上げには
24:40使う人の要望にとことん応えようとする
24:44堺の職人の心意気がありました
25:05真っ赤な鉄を鍛えていた鍛冶職人の池田義一さんです
25:14今和包丁の魅力を伝えようと新たな挑戦を始めています
25:25叩き上げた刃を裁断機で切断
25:28ちょっと不思議な形ですが何を作ろうとしているんでしょう
25:34タガネという道具で刃に模様を刻むと魚の顔が
25:45このデザインは娘さんと一緒に考えました
26:00これが完成
26:01フグやマンボウ、ムツゴロウなど
26:08愛らしい魚の形をした包丁
26:12料理を始めたばかりの若い女性などから
26:17可愛らしいと好評です
26:20我が女の人とか新婚さんとか包丁さっき尖っているのを怖がるというか
26:27なじみがないので
26:29あまり怖くない形
26:32とりあえず堺の内刃物になじんでもらうために
26:37こんな形ちょっと可愛いとか言われながら
26:41使いやすいように
26:42使ってもらえるように
26:45これでもいいですね
26:48そこで
26:51かわいい
26:53すごい
26:58切りやすい
26:59和包丁を握るのは初めてだそう
27:04金魚の口で
27:10かわいい
27:11なんか楽しい
27:15全然怖くなかったです
27:19かわいいし
27:21新しい包丁との出会いがありました
27:23はい
27:24堺の和包丁を手にしてもらえれば
27:30その良さはきっと伝わるはず
27:32職人の思いは少しずつ広がっています
27:37滝沢さんいかがでしたか
27:49歯を作る人
27:54磨く人
27:56絵をつける人
27:59っていうののそれぞれが合わさって
28:01やっと料理職人さんの手元に行って
28:06そこから料理が作られるっていうのは
28:10もう考えても今まではいなかったから
28:14すごくそれぞれの技術がやっぱりすごく大事なんだなっていう
28:19少しの繊細さっていうのが
28:22職につながるんだっていうのがすごく分かりました
28:26包丁一筋に鉄と向き合ってきた
28:40堺の職人たち
28:42これからも日本の職を支えていきます
28:48あとここへたどり着くのか
28:55ご視聴ありがとうございました
29:01ご視聴ありがとうございました
29:02ご視聴ありがとうございました
29:03チャンネル登録よろしくお願いします

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