- 2025/6/12
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ショートトランスクリプション
00:00父公平がかつてとんでもないことをしでかしたという告白は
00:06平井の人殺しという証言と相まって
00:10純子に強烈なショックを与えた
00:13だが純子は爪の赤ほどもやましいことはないという父の言葉を信じ
00:20その事実を一人胸の奥にしまっておこうと決心した
00:25そして今は亡き海の母佐野和子が果たせなかった
00:32女優への道を歩む決意を固めたのであった
00:36ほらお前全部増えるぞ
00:44手を伸ばせよ
00:55はいそこまで
01:10純子
01:13先生
01:16話がある
01:18ちょっと来い
01:20私にやめろとおっしゃるんですか
01:38違う
01:40役者をやるやらないわけまで君の自由だ
01:44俺にはどうしてもやるという権利はない
01:47先生
01:49君は自分の体のこと知ってるのか
01:52分かってるようだな
01:55先生私は
01:57この間病院に押しかけて行った時俺も興奮してつい乱暴なこと言ってしまって
02:00後になってさすがに反省した
02:02いくら才能があると言っても
02:06病人に役者主義を強制することはできない
02:10私は病人じゃありません
02:12心臓が丈夫じゃないことは知っています
02:14でも
02:15レッスンに耐えられないほど弱い体じゃ
02:19本当に耐えられるのだろうか
02:26純子の胸に不安がよぎった
02:29どうした
02:30レッスンに耐えられないほど弱い体じゃないと生きる自信があるのか
02:37ないならやめとけ
02:41中途半端な気持ちでやれるほど
02:44この仕事は生やさしいもんじゃない
02:47優子
02:49俺は今でも君の才能を高く評価している
02:54鍛えれば必ずものになると信じている
02:57それだけ
02:59それだけにせっかく見つけた金の卵を失いたくはない
03:04先生
03:07これはあくまでも俺の英語だ
03:11問題は
03:13君がたとえ命を懸けても
03:16役者の道を貫き通すだけの覚悟はあるかどうかなんだ
03:20やります
03:22私どんなに辛いレッスンでも耐えてみせます
03:27苦しいなんて決していません
03:29ですからお願いです
03:32先生の塾に入れてください
03:34お願いします
03:35いいのか
03:37自分の命を縮めることになるかもしれないんです
03:40はい
03:42覚悟はできています
03:44やるからには特別扱いはしないぞ
03:45はい
03:46よし
03:48よし
03:49そこまで確保ができているんだったら新集計
03:53入れていただけるんですか
03:58頑張れ
04:03はい
04:04はい
04:12何よあの態度
04:14はじめっからエコヒーキしてるんじゃないの
04:16あんな子のどこがいいのかしら
04:18ヒロミー
04:20このまま黙って見てる手はないわよ
04:24ヒロミー
04:26慌てなさんな相手はたかがきその山猿じゃないの
04:30山猿
04:33あんな山猿に負けてたまるもんか
04:42まだそんなこと言ってるの
04:44役者になるなんてとんでもないってあれほど言ってるのがまだわからないの
04:48いらっしゃい
04:53どうも
04:54先生聞いてくださいよこの子ったらまだ
04:56お願い
04:57三上先生の塾に入るのを許して
04:59私どうしても女優になりたいんです
05:01ダメだって言ってるでしょ
05:03いいえ
05:04許してほしいんです
05:05純子ちゃん
05:06お願いします
05:07学校の勉強もちゃんとします
05:09お店のお手伝いもします
05:10だから
05:11ダメダメダメ
05:12あんたは体が弱いんだから
05:14そんな一人で二つも三つもいろんなことができるわけがないでしょ
05:17お母さん
05:18あんたはね
05:19学校の勉強さえしっかりやってればいいの
05:21お店の手伝いなんかしてくれなくても結構
05:24まして
05:25そんな俳優軸なんてもってのほかよ
05:27あんたこの間倒れて大騒ぎしたこと
05:30もう忘れちゃったの
05:32やっと退院したばかりだというのに証拠にもなくバカみたいなことまた言い出して
05:37これ以上体悪くしたらどうするつもりなのよ
05:40大体ねー役者なんていうのは一種の肉体労働なんだよ
05:47映画やテレビのドラマを見てても分かるでしょ
05:50飛んだり跳ねたり水の中に飛び込んだりしてさ
05:53たかこ
05:54それはなお前の好きなアクションものとかいう奴の話だろ
05:57ほら純子が希望するんだった
05:59他のドラマだって同じことだよ
06:01歌舞伎だってトンボ切ったりするんだから
06:03ねえ先生
06:04ええ
06:05まあ
06:06じゃあ
06:07どうしても許してもらえないの
06:09くどいわね
06:12たかこ
06:14純子は何も浮ついた気持ちで女優になりたいって言ってんじゃねえと思うんだよ
06:19いいえダメです
06:24いい?
06:25私は何も意地悪で言ってるんじゃないんだよ
06:28今までせっかく起訴で大事に育ててくださったのに
06:33うちに来た途端にああだこうだ好き勝手なことをされた逆におかしなことにでもなったら
06:38私の立場は一体どうなるんだよ
06:44何も泣くことはねえじゃないか
06:45泣かせるようなことしたのはどこの誰なのさ
06:48待ってください
06:50おかみさんの気持ちは分かりますが
06:53純子さんのひたむきな気持ちも少しは組んであげるべきじゃないでしょうか
06:59先生
07:00先生まさかこの子の味方する気じゃ
07:03いえ
07:04純粋に医者の立場から言えば僕も反対です
07:10快気な運動が純子さんの体に良くないことは前にも申し上げた通りですから
07:17ただ
07:18人の体は肉体だけで成り立っているものじゃありません
07:21人には心というものがあります
07:24心
07:25そうです
07:27人間の体はその人の精神状態によってかなり左右されます
07:31ほら
07:33よく病は気からっていうでしょう
07:35あれは確かに真実をついた言葉です
07:38だから僕は人の心を無視したところに本当の医学はないと思います
07:43確かに
07:45純子さんの体のことだけを考えれば
07:49何もしないに限ります
07:51でも果たして
07:54それが本当に純子さんにとっていいことか
07:57この若さで自分のやりたいことは何一つやれない
08:03それが幸せな人生と言えるでしょうか
08:07僕はご存知のように登山が趣味です
08:12あんな辛い思いをして
08:14時には危険な目にあいながら
08:16何が面白いのかという人がいます
08:18でも僕は山に登りたい
08:22オーバーな言い方かもしれませんけど
08:28登山は僕にとって
08:31生きていく上で必要なことなんです
08:34純子さんもきっと
08:36同じ気持ちじゃないでしょうか
08:40先生
08:43それじゃあ先生は
08:45純子の希望を叶えてやってもいいと
08:48人には誰も
08:50自分の人生を精一杯生き抜く権利があります
08:54誰のものでもない
08:56その人自身の人生なんですか
08:58意外な発言であった
09:01医師として最も強硬に反対すべき立場の広沢信之が
09:06純子の味方に回ったのだ
09:09だがその発言の裏に
09:12純子への愛の芽生えが隠されていたことに
09:16純子はまだ気づいていなかった
09:21じゃあ
09:22純子は俳優塾に入ってもいいんですね
09:25はい
09:26ただし条件があります
09:29まず第一に決して無理をしないこと
09:32定期的に必ず検診を受けること
09:35それから万一
09:37これ以上続けては危険だと診断されたら
09:40きっぱり諦めること
09:42この条件を君が守ると約束できるなら
09:45僕はあえて反対しない
09:48はい
09:49約束します
09:51先生
09:52本当に大丈夫なんですか
09:56責任は僕が持ちます
09:59純子
10:01よかったな
10:02その時
10:03信行もまた自分が引き返すことのできない危険な道に踏み込んだことを感じていた
10:14先生
10:25おっといけないお茶も出さないで
10:27あ、それとも先生ビルにしますか
10:29そしてここにも一人
10:31危険なタイトロープを渡ろうとしている男がいた
10:35だが男はまだそのことに気がついていない
10:42本当に川公平なのか
10:47間違いありません
10:49あれから17年
10:51年層の面にはなりましたが
10:53間違いなく川公平です
10:55たーたー見つけましたよ
11:00私のデカ生活の中で取り逃したのは奴一人だけですからね
11:06地球
11:10今度こそこの手でショッピーてやる
11:12ちょっと待て
11:14お前さんの執念には頭が下がるがね
11:17事件が起きたのは17年前だ
11:19時効の15年はとっくに過ぎて
11:21この時効がまだ残っていたらどうします?
11:24それはどういう意味だ?
11:28今に分かりますよ
11:44ともあれ純子の俳優修行は本格的にスタートした
11:491,2,3,4,5,6,7,8,1
11:54もたら止めろ!止め!
11:561,2,3,4,5,6,7,8
12:00行こう!
12:01なんだ今の動きは?
12:03学兵科やってんじゃないぞ!
12:05すいません!
12:061,3,4,5,7,4,7,8,8,1,2,3,4,5,7,8,8,8,1,2,3,4,5,7,8,8,1,2,3,4,5,6,7,8,8,8,2,3,4,5...
12:18ああああああああ
12:28大丈夫 大丈夫や
12:31どうマリアと凄いわね今から月人連れてる人がいるわよえらいのねちょっと それどういう意味をよしなさい
12:41あなた 何だ
12:45ちょっと
12:48ねえ アレス先生の奥さんそうよ女優の立花みよ
12:58立花みよくあれお前立花みよくも知らないのか あんたって常識ないのね
13:05私本物の女優さんなんてあまり見たことがないから 木曽の山奥じゃテレビも楽に映んないんじゃないの
13:15映るのは山猿ばっかりだったでしょ
13:20あんたたち
13:22何こんなにばかりされて黙って引っ込んでることないじゃない 俺
13:26ほんと健康力 天皇はそっちじゃないの
13:29やだった
13:32ジュンカー
13:35なに話してるのかしら
13:51ことある どうしてよ
13:548 理由はだねわかってるの映画よ
14:00フリーになった途端に映画の演出頼まれるなんてこんなラッキーな話ないじゃなぁ ミヤコ
14:05俺はなあなたもともと映画監督になりたかったんでしょ どうしても自分で映画作りたくてそれでテレビ局もやめたんじゃなかったの
14:13確かに映画作りは俺の一生と言うだ しかし作る以上は
14:18企業の押し付けじゃなくあくまでも自分の思い通りの映画を作りたい だから最初に何本か作って実績を重ねダメだ
14:27少なくとも今度の話は俺の作りたい映画とはまるで違う そんなくだらんことで大事な時間を無駄にしたくない
14:35そんなくだらんとは何を あなた私がこの話をまとめるためにどれだけ方法に頭を下げてもあったか知ってるの
14:42俺は頼んでないとそんなこと
14:45さあ よーくわかったわじゃ買ってみなさい
14:51いつまでもニキビ盛りの映画宣伝みたいな夢をかけてたらいいんだわ
15:00こんなところで何してるのはいいえ 私たちあなたこの子たちにお芝居を教える間に礼儀さんを仕込んだほうがいいんじゃないの
15:09人の話を立ち聞きするなんて最低よ
15:25すみません 別に立ち聞きするつもりはなかったんですけどダメじゃないか
15:31聞いてしまったものはしょうがない 先生映画監督になりたかったんですか
15:38ああそうだ
15:42確かにあいつが言う通り
15:45青臭い夢かもしれない 夢は青臭いから夢なんだ
15:52いつかきっと思う この夢を実現させてみせる
15:57お前たちと一緒になった
16:03先生 先生それじゃあ私たちをいい
16:09お前たちは 俺の夢を叶えてくれる妖精だ
16:13先生
16:16よし焼けいこだ はいっ
16:19夜明けに届くまで
16:27悲しく歌う
16:33スタイル
16:41一筋の光は
16:45きっと
16:49スタイシックライト
16:56お前にも 照らすはずだか
17:02ああ もう疲れちゃった
17:05これから毎日こうかと思うと 嫌なっちゃうね
17:08え じゃあやめたら?
17:09何が?
17:10けど こう毎日体操ばっかりじゃ ほんと嫌になっちゃうんじゃね
17:13いったらいつからセリフの勉強させてくれるのかな
17:15仕方ないでしょ まだ基本が全然できてない人もいるんだから
17:19これから力直しに みんなで伸びに行かない?
17:26完成!行こうよ行こう!
17:27あれ? でもお前 バイトンだろ?
17:29ケーキ変形なのさ 持っちゃえばいいんだからすざ
17:30あれ 私も行くね
17:31行くのほうがいいっての
17:32何かいいお店知ってるの?
17:33あそこにするか?
17:34そうね
17:35よーし決定
17:36ねえ あんたたち行かないの?
17:37うん
17:38私たちまだ高校生だから
17:39あっそう
17:40じゃあお嬢様たちは早く帰って お勉強でもなさることねー
17:43あたし行くわよ
17:45無理しないほうがいいんじゃないの?
17:47無理なんかしてないわよ
17:49いったってなったら学校なんかやめちゃえばいいんだから
17:51かっこいい
17:52新入りのお二人さんはどこにするか?
17:54そこにするか?
17:55そうね
17:56よーし決定
17:57ねえ
17:58あんたたち行かないの?
17:59うん
18:00私たち行かないの?
18:01うん
18:02私たちまだ高校生だから
18:03あっそう
18:04じゃあお嬢様たちは早く帰って
18:05お勉強でもなさることねー
18:07私行くわよ
18:08無理しないほうがいいんじゃないの?
18:10無理なんかしてないわよ
18:12日入りのお二人さんはどうするんだい?
18:14ほっときなさんよ
18:16もともと私たちと付き合う気なんかないんでしょ?
18:21待ちなさいよ
18:23行くわよ
18:24付き合えばいいんでしょ付き合えば
18:26さばっこ
18:27いいからいいから
18:28なにお酒の一杯や二杯
18:30どーんと付き合ってやろうじゃないの
18:32行こう
18:34乾杯
18:36乾杯
18:40乾杯
18:42乾杯
18:43乾杯
18:46舞台ではさ
18:47絶対に尻を抜けないで動くっていうのが
18:49歌舞伎の芝居だろ?
18:50ああ
18:51でもさ
18:52イギリスでも最初はそうだったの?
18:53でもねイギリスのね
18:54どうしたのよ
18:55あんた全然飲んでないじゃない
18:57はい
18:58ええ
18:59飲みなよ
19:00酒も飲めねえよじゃいい役者にはなれねえぜ
19:03そうよ
19:04何事も経験
19:06スーッと行けねえグーッと
19:08さばっこ
19:09いいからいいから
19:10楽しく行こうまで楽しくさ
19:12ねえ
19:22ねえ
19:23大丈夫?
19:26しっかりして
19:27ねえサワコ
19:28しっかりしてよ
19:29ああ
19:33ああ
19:34まいたまいた
19:35もうお酒なんてゴリゴリだ
19:37だから
19:38あんまり調子に乗っちゃダメだって言ったのに
19:40ごめん
19:41もう二度とあんなバカなことしないよ
19:43うん
19:44そう
19:45それじゃあ
19:46私ここで
19:47一人で大丈夫?
19:48平気よ
19:49あんたも早く帰ったほうがいいよ
19:51じゃあね
19:52バイバイ
19:53さよなら
19:59先生
20:04先生
20:07こんな時間までどこ行ってたんだ
20:10私
20:11お酒を飲んでいたね
20:12いや
20:13私
20:18あれほど体に気をつけろと言ったのに
20:20もう忘れたのか
20:23君がそんなだらしない人だとは思わなかったぞ
20:25そう
20:28お酒様じゃ
20:29君の健康に責任は持てないな
20:32勝手にしなさい
20:36先生
20:38ごめんなさい
20:39もう二度としません
20:41だから
20:42だから
20:43許してください
20:46先生
20:47お酒
20:48お酒
20:49お酒
20:50お酒
20:51お酒
20:52お酒
20:53お酒
20:54お酒
20:56お酒
20:57お酒
20:58お酒
20:59お酒
21:00先生
21:01君
21:04デート
21:05こんなとこで先生も随分大胆なことなさるのね
21:08いや
21:09それは誤解だよ
21:10この人とは偶然
21:12言い訳なんか聞きたくないわ
21:13まったく最近の高校生ってすごいわね
21:17病気にこと寄せて一人前の大人を誘惑するんだから
21:20君
21:21いくらなんでもそれは言い過ぎだ
21:23僕はただこの人
21:25先生は黙ってて
21:27あなた
21:28私はいずれこの人と結婚するのよ
21:31よく覚えててちょうだい
21:32君
21:33何を言い出した
21:35僕はそんな約束をした覚えなんか
21:39純子さん
21:40信之さん
21:42話してくれ
21:43信之さん
21:46純子にとっても思いがけない衝撃であった
21:50この時純子は初めて信之に抱いていた密かな死亡の念をはっきりと自覚したのだ
21:56自覚したのだ
22:27話してください
22:30何の用です
22:32まだ私の言ったこと信用してないよだ
22:35人殺しの話なら聞きました
22:39カガは話したのか
22:41ええ
22:42でもお父さん
22:43爪の赤ほどもやましいことはしてないって
22:47そんなこと奴の勝手な言い分だ
22:49いいえ
22:50いいえ
22:52私は父の言うことを信じます
22:54だったらなぜ逃げたんだ
22:59正当防衛なら堂々と警察へ出頭して申し開きをすれば済むことだ
23:04だが奴は逃げた
23:06女房子供を捨てて15年も逃げまくったんだ
23:09あんたのお風呂さんはそのために死んだ
23:11そうだろ
23:13あんただって吹雪の中でやうっコメージにするとこだったんじゃないのか
23:17ええ
23:21奴は人殺しだ
23:24直接殺した相手だけじゃない
23:26あんたのお風呂さんも奴に殺されたも同然なんだ
23:29違います
23:31何が違う
23:32どこが違うんだ
23:36来たねえ男だよ科学を減って奴は
23:3915年まんまと逃げ通して
23:42事故が成立した途端に抜け抜けて現れあった
23:46事故?
23:47殺人罪で一番重い罪
23:51つまり死刑に相当する罪を犯した奴でも
23:5415年間逃げ通せば事故が成立するんだ
23:58だがな
24:00安心するのはまだ早い
24:03奴を踏んじ張る手段はまだ残ってるんだ
24:05あんたには気の毒だな
24:09加賀には犯した罪の償いはちゃんとしてもらうことになるよ
24:13よいしょい、よしよし
24:15なんだお前か
24:16ちょっと、ちょっと待ちなさいよ
24:17よしなって
24:18あ、ほんとにしょうがないんだから
24:22お返事お願いします
24:23毎度
24:24あ、どうもありがとうございます
24:25早く飯食って風呂入ってねな
24:266500円いただきます
24:27どうして
24:29ううん、別に
24:33え、おいしい
24:34え、よし
24:35ますバイドはどうもありがとうございます早く飯食って風呂入ってねな
24:46どうしてん うん別に
24:51ん
24:54エヨシ
24:58だったらなぜ逃げたんだ 正当防衛なら堂々と警察へ出頭して申し開きをすればそれで済むことだ
25:12だがやつは逃げる 老婆子供を捨てて15年も逃げなくたんだ
25:17父への信頼が揺らぎ始めていった もし殺人を犯して逃げたなぁ
25:23いや一度は逃げたとしても 時間が経って落ち着けば自主する分別が生まれても不思議ではない
25:32だっ 土は逃げた
25:3515年もの長い歳月をひたすら逃亡者として過ごしてきたと平井は言う
25:42なぜ なぜなぜ
25:45純子の胸にどす黒い疑惑の影が大きく広がってきた
25:52ああ それから純子のことあんまり起こるなよ
25:55そうはいきませんよ 言うことはちゃんと言わなきゃ
25:58だけどさ あんたね あんたがそんなに甘いからつけ上がるんだよ
26:02夕べだってね 店閉めてから部屋に行ったら
26:05今は誰とも会いたくありませんってこうよ
26:07よっぽど張り倒してやろうかと思ったんだけど
26:09いやそれは純子だってさ
26:10とにかく手締めだけはちゃんとつけなきゃ
26:12早く行きなさいよ セリに遅れちゃうよ
26:22ん
26:28今日という今日はもう このおたか姉さんを怒らせたらどんな目に合うか思い知らせてよ
26:39おや 夜遊びしてきた割にはお早いお目覚めですね
26:44指はごめんなさい
26:47一手に出られるとやりにくいんだよね えっなんでもないよ
26:52あのねえ
26:53あやめれ済むってもんじゃ お尋ねしたいことがあるんです
26:56お尋ね
26:59なんだって 教えてほしいんです
27:02お父さんとお母さんがいつどこで知り合って結婚したのか
27:06なんだ急にそんなこと
27:08いいじゃないかそんなことどうだって
27:12分かった
27:14あんた俳優塾のなんかのネタに使う気でしょう
27:17違うんです
27:18今は詳しく言えませんけど 私にとってすごく大事なことなんです
27:23お願いします 教えてください
27:26別に悪いことしてるわけじゃないから話すのは構わないけどさ
27:32そうねえ
27:34あの人と初めて会ったのはもう何年前になるかしら
27:39隠したってしょうがないから言っちゃうけど
27:44私が生まれたのは貧乏人の子だくさんは絵に変えたような家でさ
27:50父親は年中なんだくれてろくに働かないし
27:54借金取りはしょっちゅうどなり込んでくるし
27:57それやこれやで嫌になってね
28:00中学出るとすぐにうちを飛び出しちゃったわけよ
28:03と言っても手に職のない女の子が落ちていく先と言ったら決まってるわよね
28:11あの頃は本当に我ながら荒んだ暮らしをしてたわね
28:16はいこれお願いね
28:18よ
28:20何しやがるの
28:23何しやがるかとはこっちの言うことだよ
28:26なあ
28:27やっさかばの女風情がお前聞いたくなくすったたけやせ
28:31いやどうせ私はやっさかばの女だよ
28:33だからと言ってお前らみたいなチンピラに
28:35体中なで回されてまでサービスする言われはないんだよ
28:38ちんぷら
28:40いっ
28:41話してくれよ
28:43なんだよてめは
28:44やめなってはこんなところでやぶなマネア
28:47うるせん
28:50うるせん
28:51おいの中
28:52おらー
28:54どれよ
28:56やめてよやめて
28:58おら どうした
28:59ほら
29:03いろおとこ
29:04ほら
29:05ほら
29:06ほら
29:07おら
29:08いろおとこ
29:10あの人
29:11全く抵抗しようとしなかった
29:14でもとうとう最後に
29:16そろそろやりましょうや
29:19足もナオミの人間でね
29:24これ以上やられると身がもたねえ
29:26それとも表へ出て
29:30命のやり取りで片付けますかい
29:33その時
29:41私あの人に一目惚れしちゃったのね
29:44それから先のことは言わなくても分かってるでしょ
29:50あの人
29:54なんだかものすごく辛いものを背中に背負ってるような気がした
29:59でもそんなことは構わない
30:02何があろうと一生この人についていこうって決心したのよ
30:11なんでこんな話しちゃったのかしら
30:14がっかりした
30:18え?
30:20だってこんなみっともない女があんたの母親なのよ
30:23みっともないだなんて
30:25私は素敵なお話を聞いたと思って感激しているのに
30:31純子ちゃん
30:33ありがとう
30:35嘘でもいいからそう言ってくれるってあったし
30:39お母さん
30:41あの
30:42もう一つだけ聞いてもいいですか
30:44何
30:47お父さん
30:49私を引き取る時
30:50お母さんに何て言ったんですか
30:52ああ
30:53そのこと
30:54昔ある女に生ませた子供がいる
30:58その子を引き取りたいって
31:00それだけですか
31:04それだけよ
31:05それ初めて聞いた時はびっくりしたわよ
31:09でもさ
31:10人間誰でもいろんな過去を引きずってるもんだし
31:14それにあの人が背負っていた影が
31:19実は子供のことだってわかったら
31:22あ
31:23かえって安心しちゃった
31:25そうですか
31:27この人は父の背負っている本当の暗い過去を知らない
31:33そう悟った時純子は
31:36やはりこの問題は自分一人の胸にしまっておこうと決心した
31:41だがそれで純子の悩みが消えたわけではなかった
31:47母高子から聞いた加賀光平の人物像は
31:53現に純子が見ている父と同じ思いやりにあふれた
31:57優しくたくましい男の姿であった
32:00しかし
32:02奴は人殺しだ
32:03直接殺した相手だけじゃない
32:06あんたのお袋さんも奴に殺されたも同然なんだ
32:09一体どちらが本当の父の姿なのか
32:16そして
32:17あの平井と名乗る刑事は
32:20なぜあれほどまで必要に父を付け狙っているのだろうか
32:23次々と沸き上がる疑惑が
32:27純子の胸を締め付けた
32:29純子
32:38どうしたの
32:40また胸が苦しいの
32:42うーん
32:43大丈夫よ
32:45そう
32:46それならいいんだけど
32:48純子にとって不安と疑惑に包まれた一日が過ぎようとしていった
33:09そしてその頃
33:11何?
33:13そりゃ本当か
33:14から昭和45年から約4年間
33:16ロサンゼルスの日本料理店で働いていたことが確認されました
33:20平井君
33:21これで奴は終わりです
33:24渡辺子
33:40新しい前駆け
33:42瞬間
33:47逃亡者加賀工兵の艦が
33:50身に迫る危機を察知した
33:52ねえねえ
34:07今日はあいつらに捕まらない前に
34:08絶対帰ろうね
34:09もちろんよ
34:11あーもうお酒なんてゴリゴリ
34:15昨夜は苦しかったもんな
34:17当たり前よ
34:18飲めもしないのに無理するから
34:20こっちがハラハラしちゃった
34:21いやあの場合は仕方がなかったのに行きがかり場
34:24そうかな
34:25そうなんです
34:26お父さん
34:35ちょちょっと
34:40サンダーリョン
34:43サンダーリョン
34:45警察官
34:54me
35:07警察か トートをつかまえに来らっ
35:13でもなぜお父さん時効が 切れてなかったんだよ
35:19俺もさっき 店の常連の弁護士さんに電を入れてみて初めて知ったんだ
35:25刑事訴訟法第255条の1 犯人が国外にいる場合または犯人が逃げ隠れているため有効に基礎上の頭本の送達もしくは略式命令の
35:40告知ができなかった場合には時効はその国外にいる機関または逃げ隠れている機関 その進行を停止するつまり
35:54俺がロサンゼルスにた4年間は 時効が止まってたんだよ
35:59仕方がねぇ 運がなかったと諦めるかお父さん
36:04だが捕まる前に 約束通り事件の真相を話しておきたくてな
36:11一つかまったら 俺の言い分なんかこれっぽちも通るわけねえんだ
36:1717年前 お前が生まれて間もない頃だった
36:24え?
36:25え?
36:26え?
36:27え?
36:28え?
36:29え?
36:30え?
36:31え?
36:32え?
36:33え?
36:34え?
36:35え?
36:36え?
36:37え?
36:38え?
36:39え?
36:40え?
36:41え?
36:42え?
36:43え?
36:44え?
36:45え?
36:46え?
36:47え?
36:48え?
36:49え?
36:50え?
36:51え?
36:52え?
36:53え?
36:54え?
36:55え?
36:56え?
36:57え?
36:58え?
36:59え?
37:00え?
37:01え?
37:02え?
37:03え?
37:04え?
37:05え?
37:06え?
37:07え?
37:08え?
37:09え?
37:10え?
37:11え?
37:12え?
37:13え?
37:14え?
37:15ああああああ
37:26a 8 その頃
37:28これは小さな電線を任されて一人でやっていっ
37:33ああああああ あああああああ
37:43アイスだったいいじゃねえなきゃんにしよう きょしてよ
37:48えええええええ 俺を出るのと思っている
37:51あなたのお客さん およしなさいよ
37:55あなた いたます
37:59ひたふなくち聞くんじゃねえよ
38:04何すんですか?
38:06男は明らかに手乱だったし
38:08俺もまだ若かった
38:10お前は結構ですか?帰ってください
38:12俺は隠れよ隠れ
38:14何にします?
38:20殺しれ
38:22何すんで?
38:23お客さん
38:25やめろ!
38:26やめろ!
38:27やめろ!
38:33お客さん
38:34やめろってば
38:35危ね
38:54殺した?
38:55本当に人を殺したの?
38:58ああ
38:59あなた!
39:01カスコ
39:02お前
39:04純子連れて
39:05俺の実家の稲田に行ってくれ
39:07あなたはどうするの?
39:09逃げる
39:10逃げる?
39:11ああ
39:12私は
39:14誰?
39:15何?
39:20出てくる?
39:21カスコ
39:22準備頑張る!
39:23必ずかに来るからな
39:24あなた!
39:25誰?
39:26誰?
39:27誰?
39:28誰?
39:29誰?
39:30誰?
39:31誰?
39:32誰?
39:33誰?
39:34誰?
39:35誰?
39:36だが一晩立って少し落ち着くと
39:39自主した方がいいと気がついた
39:42先に刃物振り回したのは向こうだし
39:45ありのままに話せば警察も分かってくれるに違いない
39:48それに証人もいることだし
40:06警官
40:13その男は警官だった
40:16しかも公務中と書いてあった
40:18おまけに絡まれた女までが絡んだなお父さんの方で
40:23止めに入った警察官を刺し殺したと証言したんだ
40:27そんな
40:27警察が手を回して圧力をかけたんだ
40:31そんなとこへのこのこ出て行ってみろ
40:33お父さん待ってるのは死刑台か
40:35よくて一生刑務所を暮らした
40:37だからお父さんは逃げたんだ
40:40逃げて逃げて
40:41時効の日が来るまで
40:43逃げまくってやろうと決心したの
40:45これが
40:50俺の話のすべてだよ
40:53信じてくれるか純子
40:56本当か
41:02本当に信じてくれるか
41:05信じるわ
41:07だって私のお父さんなもの
41:10純子
41:12お父さん
41:14純子
41:18よかった
41:20お前が信じてくれるかどうか
41:24それだけは心配だったんだ
41:27これで安心して警察へ行ける
41:30お父さん
41:36もう逃げるのは疲れた
41:38短い間だったけど
41:40お前と暮らすこともできたし
41:42もう思い残すことは何もない
41:45ダメよ捕まっちゃ
41:47逃げて
41:50お願い逃げて
41:51純子
41:52死んだお母さん
41:55お父さんが迎えに来てくれる日を信じていたんでしょ
41:58今度は
42:00私と今のお母さんと二人で待ってるわ
42:03純子
42:05お前ってこわ
42:07お父さん早く
42:08逃げて
42:16逃げて
42:17逃げて
42:18逃げて
42:20お父さん
42:22早く
42:23あたー
42:24あたー
42:25お父さん
42:31お父さん
42:32早く
42:33あたー
42:34あたー
42:35お父さん
42:37お父さん
42:38お父さん
42:40お父さん
42:41お父さん
42:42お母さん
42:43お父さん
42:44お父さん
42:45お父さん
42:47お父さん
42:49お父さん
42:50歩いて
42:51逃げて
42:52ハハ
42:55ごcial
42:56バイバイ
42:57結果
42:58liked
42:59ライバン
43:00ロー
43:03君
43:04作人
43:05激動の第2幕の幕開けであった
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