- 2025/5/23
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ショートトランスクリプション
00:00水の合宿は失敗であった
00:13母という言葉に異常なまでの拒否反応を示したミカは
00:18それ以後自らの殻に閉じこもり
00:22水恐怖症をなお一層ひどいものにしていたのである
00:30おかえりなさい
00:40ミカさん伊豆の生活どうだった
00:43元気になって帰ってきたんでしょうね
00:46何かあったのかしら
01:01二人ともすっごい険悪な顔しちゃってさ
01:03アキレス腱の治療がうまくいかなかったんじゃない
01:06アキレス腱の治療なんて名目よ
01:09森谷先生は葉月さんの水恐怖症を治しに行ったの
01:13それが失敗したというわけね
01:161,2,3,4
01:252,2,3,4
01:273,2,3,4
01:294,2,3,4
01:315,2,3,4
01:336,2,3,4
01:357,2,3,4
01:378,2,3,4
01:391,2,3,4
01:412,2,3,4
01:43そうも失敗だったの
01:48ミカは極めて自然に水を受け入れようとしていました
01:52何もかもうまくいってたんです
01:54私との間にも心の交流が生まれ始めていました
01:59それが突然
02:02突然何があったの
02:05森谷先生おっしゃってください
02:09水たまりを前にしたミカは
02:12激しい恐怖感をあらわにしました
02:15水たまり
02:16ええそうです
02:18それからあとはもう何を言ってもだめ
02:21ミカの水恐怖症は
02:23前よりももっと激しいものになってしまったんです
02:26水恐怖症のほとんどは
02:29その幼児期の水大気に根差していると言われています
02:33でも私はそれを突き止めるより
02:36ミカが自然に水に馴染むようにした方がいいと思ったんです
02:40でもこうなった以上
02:44ミカが幼児期にどんな水体験をしたか
02:47知らなければなりません
02:49あなた
02:50まだ諦めないというのね
02:53諦めるわけにはいきません
02:55一旦部屋に戻ります
03:22あの
03:26何か
03:28葉月ミカさんいますか
03:30あなたどなた
03:32僕は仙台でミカさんと一緒にバレエやってた清水健吾と言います
03:36これをミカさんに
03:38ミカさんなら部屋にいるはずよ
03:40呼んでいきましょうか
03:41いやいいんです
03:42僕はまだ配達の仕事残ってますから
03:45これをミカさんに渡してください
03:47先生
03:49俺が届けるよ
03:50ミノル君いけませんよ
03:52固いこと言わないの
03:54君
03:54俺が責任持って届けるから
03:57安心しな
03:58ミカさんに
04:28壊れたら潰れるか頑張るかどっちかなんだよ
04:30用ってそのことなの
04:32ミカは潰れる方かい
04:34それともひたすら頑張る方かい
04:37ちょっと待った
04:40仙台時代にボーイフレンドいた
04:42そのボーイフレンドから
04:43花束が届いてるよ
04:46皆さんから
04:47今夜練習が終わったら
04:50誘いに来るから
04:51俺のオトバイでぶっ飛ばさないか
04:54ミカちゃん
05:03元気にしてますか
05:05僕も仙台から出てきました
05:08詳しい事情をあったときに話すとして
05:11僕は今
05:12花屋さんでアルバイトをしながら
05:15将来のことを色々と模索しています
05:18店と僕のアパートの住所と
05:20電話番号を書いておきます
05:21ケンゴさん
05:31ルームナンバーは分からないんですけど
05:52そちらに葉月節也さんが
05:54宿泊してるはずなんですけど
05:56葉月様なら先ほどお出かけになりました
05:58それではメッセージお願いします
06:01私森谷と申します
06:04お帰りになられましたら
06:06私に電話をくださいと
06:07お伝えください
06:08はいそうです
06:10よろしくお願いします
06:12北欧に飛び立つ前に
06:15何としてでも葉月さんを捕まえなければ
06:18仲間さん
06:30ここにどうして
06:31いいんです
06:32いいんです電話お借りしようと思って
06:35どうぞ遠慮しないで
06:36どうぞどうぞ
06:37本当にいいんです
06:39わっすっごいラブメッセージよこれ
06:42返してください
06:43みかちゃん元気にしていますか
06:46僕も仙台から出てきました
06:48詳しい事情はあった時に話すとして
06:51僕は今花屋さんでアルバイトをしながら
06:55将来のことを色々と模索しています
06:57返してください
06:57みんなやめて
06:58みかさんに失礼よ
07:01そうよ他人の手紙を勝手に読むと
07:03逮捕されるのよ
07:05葉月さん
07:11あなたいつまでここにいるつもりなの
07:13あなたにいられると私たちみんな困るのよ
07:17できるだけ早くここを出て森谷先生は私たちに返してほしいの
07:22誤解しないで
07:23個人的な感情で言ってるんじゃないのよ
07:26私たちは森谷先生のコーチを受けたいの
07:29私たちにはあなたのようにのんきに生きてる時間はないわ
07:333食昼寝付き
07:35仙台から恋人も追ってまいりました
07:37私たちのスケジュールあなた知ってる?
07:40朝5時起床
07:415時半プール集合
07:437時半まで2時間練習
07:46終了後直ちに登校
07:478時半から午後3時まで授業
07:49放課後直ちにプールに集合
07:52プールの一般利用が終わる9時まで3時間
07:54ジャズダンスアスレチック振付の練習
07:579時から11時まで本稽古をするのよ
08:00土曜日曜はもっとハードな練習がある
08:03私たちには目標があるから目を上げたりしない
08:07でも練習の邪魔をするような人間には我慢できないの
08:22ん?
08:23ん?
08:23ん?
08:24ん?
08:25ん?
08:26ん?
08:27ん?
08:28ん?
08:29ん?
08:30ん?
08:31ん?
08:32ん?
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08:35ん?
08:39ん?
08:40ん?
08:41ん?
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08:44ん?
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08:50ん?
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08:52ん?
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09:00ん?
09:01ん?
09:02ん?
09:03ん?
09:04ん?
09:05ん?
09:06ん?
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09:09ん?
09:10ん?
09:11ん?
09:12ん?
09:13ん?
09:14ん?
09:15ん?
09:16ん?
09:17ん?
09:18ん?
09:19ん?
09:20ん?
09:21ん?
09:22ん?
09:23そう思った
09:25私のために
09:26美香ちゃん
09:28僕は君のためならどんなことでもするつもりだ
09:31それだったらケンゴさん
09:32私を連れて逃げて
09:34待てよ
09:35美香ちゃん何があったんだ
09:38私もうあんなところ一日だって我慢できないわ
09:41場所はどこでもいい
09:42私を連れて逃げて
09:44美香ちゃん
09:45君はお父さんに会ってないのか
09:47だって
09:49お父さんは
09:51君のお父さん日本に帰ってきてるよ
09:53さっき花束を届けたホテルで姿を見かけたんだ
09:58本当なのケンゴさん
10:00美香ちゃん行こう
10:15おいおい
10:16冗談じゃないぜ
10:17すいません
10:18葉月さんが宿泊してるはずなんですが
10:21連絡取ってもらえますか
10:23あの葉月様は休業ができたとかで
10:25今夜以降の予約はすべてキャンセルになっております
10:28あ、みのるく
10:34美香見なかった?
10:36見かけだけど
10:37ショックで話しきになれん
10:38知ってんの?話して
10:40冗談じゃない
10:41いいから早く
10:42どう言いなかったかな
10:44日本にいることは確かなんだから
10:58必ず会えるはずだよ
10:59これからのことは
11:01お父さんと相談すべきだと思う
11:03お父さん
11:06私のことなんて心配してる暇ないのよ
11:08美香ちゃん
11:10自殺を責めないで
11:12ことだと言えば
11:14俺の親父が
11:16ミカさん一緒に帰りましょう
11:26嫌です 私はもうあそこには戻らないわ
11:29あなたなんて信用しない あなたは卑怯よ
11:32どうして私が卑怯なの?
11:34アキレス腱の治療だなんて言って 本当は私の
11:37私の水恐怖症
11:39ええそうよ
11:40あなたの水恐怖症を治して
11:42あなたの心の中に清らかな水を 溢れさせたいと思ったわ
11:47関係ないわ 私はバレリーナよ
11:49そんなこと関係ないわ
11:51分かったわ 帰ってゆっくり話し合いましょう
11:55嫌です 帰りません
11:56ミカ 帰りましょう
11:59帰りません 帰りません
12:01ミカ 帰りません
12:03もう容疑してください
12:05あなたには関係ない
12:07もう容疑してください
12:08悪く思うなよ
12:14さっきハラハラさせてくれた お返しだよ
12:16ケンゴさん
12:17何もかも中途半端で 逃げ出すつもりなの
12:23そんなこと 私が許さないわ
12:26私は 나오미の大好きでも自分で撫みます
12:30ご視聴ありがとうございました
13:00お呼び立てしてすみませんでした
13:14いや、こちらこそ連絡が遅れてすみませんでした
13:17どうぞ
13:18成田発の最終便で北欧に向かいます
13:22あまり時間がないんですが
13:24結構です
13:25美香のことで何か
13:27葉月さん
13:28美香さんが水気を負傷であること
13:30ご存知だったでしょうか
13:31美香が水恐怖症?
13:34あ、いえ
13:34事実なんです
13:36しかし変だな
13:38美香は三つのとこから小学校3年まで
13:41スイミングスクールに通っていたんですよ
13:43小学校3年まで?
13:45ええ、そうです
13:47その美香が水恐怖症だなんて
13:49だとすると美香さんが水に対して恐怖を持つようになったのは
13:54小学校3年以降ということになりますわね
13:57何か大変なことがあったと思うんですが
14:00私は美香さんの水恐怖症には
14:06お母さんのことが深く関わっていると思うんです
14:09母親は?
14:12美香さんにはお母さんのことをどんな風に伝えてあるんでしょうか
14:16母親は美香を産んで
14:19すぐに亡くなったと伝えています
14:22これは私の想像なんですけど
14:26美香さんお母さんが生きていることを知ってるんじゃありませんか
14:31葉月さん
14:33これは美香さんにとってとても重要なことなんです
14:36隠さずにおっしゃってください
14:38おっしゃる通りです
14:41美香は母親が生きていることを知っています
14:45美香が小学3年の時に母親が会いに来たことがあります
14:51美香さんはお母さんに会ってるんですか
14:53いえ会ってはいません
14:55私が会うのを許さなかったからなんです
14:57そうだあの時だ
15:01美香が水恐怖症になったとしたら
15:04あのこと以外には考えられない
15:06お母さん
15:07ミカの水恐怖症の原因は分かった
15:20美香の心から
15:22水に対する恐怖感を取り除くためには
15:25それを知らさなければならない
15:28失敗すれば
15:31私たちは美香を失うことに
15:34美香さん
15:43私よ
15:44私のことなんてほっといて
15:49一体私をどうするつもりなの
15:51私はあなたにシンクロの選手になってほしいの
15:56何ですって
15:57そう
15:59それであなたの魂胆がよく分かったわ
16:02でも無駄なことよ
16:03シンクロなんてやるもんですか
16:05私はバレリーナなのよ
16:07あなたはモスクワ留学を断念した時
16:10バレエを諦めたはずよ
16:12分かってるはずよね
16:14あなたはバレリーナとしての大切な時期を失ってしまったの
16:19シンクロは違うとでも言うの
16:21ええ違うわ
16:22シンクロなら
16:23あなたのアキレス腱を直しながら練習できるのよ
16:26勝手なこと言わないでください
16:27私はシンクロなんて嫌いです
16:29第一私は
16:31あなたは水恐怖症なんかじゃない
16:333歳から8歳までスイミングスクールに通ってたあなたが
16:39水恐怖症なんかであるわけないわ
16:41いつまでお母さんから逃げてるの
16:44お母さんですって
16:46そうよ
16:47あなたは水が怖いんじゃない
16:50あなたを捨てたお母さんを思い出すのが怖いだけなのよ
16:53やめて
16:54関係ないこと言わないで
16:56私の母は私を産んですぐに亡くなりました
16:59どうしてそういう話を持ち出すんですか
17:02あなたのお母さんは生きてるわ
17:04そのことはあなたも知ってるはずよ
17:07小学3年の時
17:09お母さんはあなたに会いに来たそうね
17:12その時はあなたに何が起こったの
17:14思い出すのよ
17:16何が起こったか思い出しなさい
17:18なさら何を言ってんだ
17:32お前は私からミカを奪おうと言うのか
17:34ミカは私の娘なんです
17:36私の娘なんです
17:38勝手なこと言うな
17:39お前はスイミングのためにミカを捨てた女な
17:41帰れ
17:42二度とこんな間にするな
17:43帰れ
17:44帰れ
17:56ミカは私の娘なんです
17:57私の娘なんです
17:59お母さん
18:01お母さん
18:04お母さん
18:05ミカ
18:14あなたは奇跡的にダンプカーに惹かれずに済んだそうね
18:36でも大量の泥水を飲んで窒息寸前だった
18:41やめてもうたくさんよ
18:43ミカさん
18:44ミカ
19:12立ち上がりなさい
19:13ダメになるか立ち直るか
19:15あなた自身が決めなければならないのよ
19:18あなたは
19:20お母さんの世界から逃げることで
19:22お母さんを忘れようとしてるだけよ
19:24あなたを捨てたお母さんが憎いなら
19:27もっと激しく憎みなさい
19:29恨むんだったらもっと激しく恨みなさい
19:31あなたを捨てたお母さんに負けて悔しくないの
19:35お母さんと同じ水の世界でお母さんを打ちまかしてみたらどうなの
19:43水の世界でお母さんを打ちまかす
19:47ミカ
19:48ミカのバレリーナになりなさい
19:50水の中のバレリーナですって
19:55そうよ
19:56あなたの才能は水の中でこそきらめくのよ
20:00水の中でこそ一層輝くのよ
20:03さあ
20:04立ち上がりなさい
20:06ここはプール
20:13私とミカのプールなのよ
20:16さあ
20:17歩くの
20:18勇気を振り絞って
20:20足を踏み出しなさい
20:43母のために水恐怖症になったミカであった
20:46今
20:46母に挑戦するかのように水恐怖症を克服しようとしていた
20:52シンクロナイズスイミング
21:10未知の世界に挑戦する意欲が
21:14今
21:14ミカの心の中に燃え立つように湧き上がっていたのである
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