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ニューストランスクリプション
00:001994年6月
00:04天皇皇后両陛下が即位後初めてアメリカをご訪問
00:10クリントン大統領が就任後初めて迎えた国賓でもありました
00:17実はこの時アメリカは戦争の危機に直面していたのです
00:30細川政権が陛下の訪米を閣議決定したのは1994年3月のこと
00:43貿易摩擦をめぐり日米関係が悪化している最中でした
00:52日米の調整役を務めたのは当時の駐日大使
00:56ウォルター・モンデール氏
00:59日本はこれが日米関係の改善に役立つと考えたのでしょう
01:08我々は喜んでお迎えするという返事をしました
01:12陛下を国賓として迎えることを決めたクリントン政権
01:19この頃大きな懸念を抱えていました
01:23北朝鮮の核開発疑惑です
01:28北朝鮮が核兵器の原料となるプルトニウムを抽出しているのではないか
01:38という疑いでした
01:40IAEAによる査察受け入れを迫るクリントン政権に対し
01:47北朝鮮は激しく反発
01:50天皇訪米が決まった翌日には
01:54韓国その同盟国であるアメリカを挑発します
02:15すると
02:16クリントン大統領はミサイルの配備を宣言
02:27アジア情勢は一気に緊張します
02:34そして細川総理から旗総理へ
02:374月に発足した旗政権は
02:42早々に北朝鮮問題に直面することになったのです
02:46そして迎えた6月の御訪米
02:52両陛下は旗総理より先に
02:56クリントン大統領と会われることになりました
02:59見送りには
03:01ご結婚間もない法太子様と雅子様の姿も
03:05この時の日程は
03:12およそ半月をかけ
03:14アメリカ各地を回るというもの
03:22最初の訪問先は
03:23アメリカ南部の都市アトランタでした
03:26空港で大歓迎を受けます
03:30宿泊先のホテルで陛下を迎えたのは
03:37アトランタが地元のカーター元大統領
03:41実はカーター氏
03:47この前日に
03:49北朝鮮問題を解決すべく
03:51個人として包丁することを表明したばかり
03:54本来なら
03:56陛下と昼食を楽しむ予定でした
03:59しかし
04:01北朝鮮のことで
04:04すぐに対応しなければならないことが起きて
04:07カーター元大統領は席を外しました
04:10後悔していることでしょう
04:12カーター元大統領は
04:16包丁の準備のため
04:18陛下との昼食会を
04:20駐座したのです
04:21事態が動いたのは
04:26欧米4日目
04:27ホワイトハウスで歓迎式典が始まる直前でした
04:31北朝鮮がある声明を発表
04:35それは世界が最も恐れていたことでした
04:391994年6月13日
04:46北朝鮮の声明に
04:49世界が揺れました
04:50IAEAからの脱退
05:06それはすなわち
05:08アメリカを敵に回し
05:10核開発へ突き進むという宣言でした
05:13午前10時半
05:17その一方が飛び込んだ頃
05:20両陛下がホワイトハウスに到着されます
05:23その陛下の攻防戦が
05:27人知れず幕を開けていたのです
05:30この式典に出席していた
05:35モンデール駐日大使は
05:36陛下のアメリカ訪問が
05:42大成功しているのを妨害するために
05:45北朝鮮がタイミングを測ったのだと思います
05:50私たちは駆け引きに応じるつもりはありませんでした
05:56日米にとって訪問の成功こそが重要だったのです
06:03陛下の歓迎式典を続けることこそ
06:06北朝鮮に対するメッセージでもあったというのです
06:10クリントン大統領は
06:15スピーチでも日米の絆を強調します
06:19歓迎式典は無事終了
06:38午後3時
06:44アーリントン国立母子で
06:47この地に眠る戦没者を追悼された陛下
06:50その頃
06:52クリントン大統領は
06:55北朝鮮問題の対応に暴殺されていました
06:59ロシアのエリチン大統領と緊急の電話会談
07:03中国の江沢民国家主席には新書を送ります
07:09一方の韓国
07:14カーター元大統領はすでにソウルに入り
07:20直後に迫った北朝鮮訪問について
07:23キム・ヨンサム大統領と協議をしていました
07:27午後7時半
07:31ホワイトハウスでは
07:32クリントン大統領が
07:34最大級の清掃である
07:36ホワイトタイに身を包み
07:38陛下と登場
07:39世界で何事も起きていないかのように
07:45晩餐会のホスト役を務めていました
07:48午後11時53分
07:55晩餐会を終えたクリントン大統領は
07:58旗総理と緊急の電話会談
08:01当時官邸にいた熊谷官房長官は
08:07アメリカ側から伝えられた
08:10重大な決意に困惑していました
08:12日米同盟の下
08:31自衛隊出動の可能性も
08:34考えざるを得なかったといいます
08:36晩餐会翌日の6月14日夕方
08:50両陛下は
08:52中米日本大使主催の
08:54レセプションにご出席
08:55ゴア副大統領をはじめ
08:58要人が顔を揃え
09:00ここでも日米の絆が示されます
09:03その3時間後でした
09:076月15日のパンムンジョム
09:13カーター元大統領は
09:16韓国側から
09:18軍事境界線を越え北朝鮮へ
09:26平壌でキム・イルソン主席との会談が実現したのは
09:33そのさらに翌日のことでした
09:36一方
09:39ホワイトハウスでは
09:41北朝鮮を攻撃する軍事計画書が
09:45大統領に提示されていました
09:48そこに記されていたのは
09:51この計画書が承認されようとした
10:01まさにその時
10:02ホワイトハウスに一本の電話が
10:05天皇訪米の最中
10:10クリントン大統領が
10:12北朝鮮への攻撃を承認しようとした
10:15その時
10:16キム・イルソン主席との会談を終えた
10:19カーター元大統領から電話が
10:22この後アメリカのCNNの生中継で
10:27キム・イルソン主席との
10:29合意内容について話します
10:31息を呑んで
10:34平壌からの生中継を見守る
10:37ホワイトハウスの面々
10:38実際の中継映像です
10:45北朝鮮が対話を条件に
10:59核査察の受け入れと
11:00核開発の凍結を約束したのです
11:03この提案をクリントン大統領も受け入れ
11:10米朝戦争は回避されます
11:13まさに危機一髪でした
11:16これは同時に
11:19日本が日米同盟を強く意識する
11:22きっかけにもなったといいます
11:24日米が協力し合うというのを
11:28どうすればいいかというのがね
11:29初めて大きくクローズアップされてきたんですよ
11:32嫌悪なく
11:32危機が去った直後のニューヨーク
11:37国連本部に両陛下の姿がありました
11:42前日まで北朝鮮への制裁を検討していた
11:49国連本部に響いたのは
11:52かつて日本が送った
11:55平和を祈る鐘の音
11:57緊迫の7日間は
12:01静かに幕を閉じたのです
12:04ご視聴ありがとうございました