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  • 前天
文字稿
00:00成家一郎がヒロコの影響下にあるように
00:03ヒロコも母親の影響を受けている
00:06そのインファが中国語で幕仕立てていた言葉があったそうなんです
00:11不調のことだと思う
00:13日本語でどういう意味?
00:14復讐
00:16ヒロコは成家さんを操って一体何を?
00:20ヘイトスピーチ規制法の原罰化は実現に向けて一歩進みましたね
00:27私の政治家としての根幹と言いますか
00:32一番大事にしていることは弱者のそばに立ち寄り添うということですから
00:39言ってることはご立派だが本心で語っているのか分かったもんじゃねえな
00:43じゃあこれも母親のヒロコが要しているんですか?
00:46多分多分な
00:47お前いつまでそこでくつろいでるんだよ
00:50だってここに来れば優秀なジャーナリストが報道のいろはを学べますから
00:55ところで今与党内で首相交戦制の議論がされているそうですね
01:06はい
01:07首相交戦制?
01:08アメリカの大統領選をイメージしていただけると分かりやすいと思うんですが
01:12首相交戦制というのは国民の皆様が
01:15総理大臣の指名選挙を直接行う制度のことです
01:19総理はこの制度を通じて国のトップを直接選ぶことのできない議員内閣制の不満などを解消したいと考えています
01:29まあもちろんこれには憲法改正も必要ですから
01:32国民の皆様のご理解をいただけるよう議論を重ねていきたいと私も考えています
01:38首相交戦制って誰が言い出したんだろう
01:42国民が直接総理を選べるのはいいことですね
01:45そんなのんきに構えてていいのかな
01:48もし何年か先に首相交戦制が実現したら
01:52一番得をするのは誰だと思う?
01:55政家か
01:56これは政家さんにとって総理になるチャンスでもある
02:00首相交戦制は民を救い上げる反面
02:04総理に権力が集中して一歩間違えると
02:08総理に権力が集中して一歩間違えると
02:12強権的な政治に陥る危険をはらんでる
02:16ヒトラーがナチスを作ったみたいにか
02:19それって
02:21これもヘイトスピーチの原罰化と同じように
02:25ひろこが政家さんに提案させたのかも
02:28では総理
02:30首相交戦制について議論するため
02:32憲法改正推進本部でワーキングチームの設置をお願いします
02:36ああ思い切った提案をしたもんだね
02:39これ将来自分が総理になるための不責なんじゃないか
02:46めっそうもないです
02:47私をここまで引き上げてくださった総理と
02:50諸橋先生を出しにくのはまだ絶対に立ちません
02:53政家君の言う通りですよ諸橋先生
02:56ひろこは政家さんを総理にさせて
02:58一体何をしようとしてるんだろう
03:02ボス
03:03却下する
03:04いやまだ何も言ってませんけど
03:06どうせ出張させろって言うんだろ
03:08ダメだ
03:09愛媛に行くのまだ早い
03:10でも政家さんのルーツがおばあさんにあることは間違いないんです
03:14その流インファがよく口にしていた
03:16復讐の意味を聞き出したいんです
03:19証拠もなしに丸腰でぶつかるのはバカのすることだ
03:22証拠って例えばどんな
03:24これ全部だ道上の親父さん最初の夫政家吉和竹地議員
03:31有沙に黒瀬みんな殺したっていう証拠だよ
03:34立証するのはどれも難しそうですね
03:36はい
03:37おかえり
03:38有沖は?
03:39さっきママさんと病院から帰ってきたよ
03:42おかえり
03:43風邪だって
03:45もう熱下がったから
03:47大丈夫
03:48よかった
03:49ありがとうごめんねお店あったのに
03:52じゃあママ来たからね
03:54じゃあね
03:55あ、あのさ
03:56実は
03:57また前みたいに
03:593人で暮らせるといいな
04:02今やってることが終わったら
04:04真剣に考えようと思ってる
04:06やっぱり勇気のためには
04:08そばにいて
04:10いっぱい話したり
04:12一緒に
04:14いろんなことしたり
04:16子供は子供でいる時間なんて
04:19長いようであっという間だからね
04:22実は失踪した
04:24諸橋大臣の元首相
04:26富樫涼さんの行方を追っているんです
04:28彼のその後を知りたくて
04:30すいません
04:31長年銀賞されていた金田さんでしたら
04:35何かご存知ではないかと思いまして
04:37やめておけ
04:39富樫には
04:40関わらない方がいい
04:42どういう意味ですか
04:43何かご存知なんですね
04:45教えてください
04:47お願いします
04:49本当に大丈夫なの?
04:50絶対行く
04:52昨日熱出したんだから
04:531日ぐらい休んでも大丈夫だよ
04:55さあ山もねママの言うこと聞いたな
04:57だって今日友達と隣のクラスにも
05:00ゴミの分別教えようって約束したんだもん
05:03みんなにも知ってもらいたいの
05:05行ってきまーす
05:06何?
05:07ゴミの分別って
05:09私が教えたことだ
05:11鈴木さんどうも
05:13風潮
05:15日本語で復讐という意味です
05:18でも復讐って一体何の?
05:21分かりません
05:22いずれにしても
05:23広く追い込む決め手がまだ見つかっていません
05:27一つあるかもしれません
05:29行方不明だった諸橋の元秘書
05:32裏社会で生きているようです
05:34裏社会?
05:35ええ
05:36引退した秘書から聞いたんですが
05:38戸橋は諸橋の下で隠蔽や偽装工作など
05:43いわゆる汚れ仕事をしてるらしい
05:46隠蔽?
05:47もしかして
05:48諸橋のBG株事件の関与を隠蔽したのは
05:51戸橋?
05:53その可能性はあります?
05:54じゃあ道上の親父さんの事故も
05:56戸橋が
05:58調べてることがあって
06:00父の事故を指示したのは諸橋
06:04でもBG株事件の証拠のテープは
06:06広子が持ってるんだよな
06:08広子と諸橋が裏で繋がっているんじゃ
06:11戸橋を抑えれば全てははっきりします
06:14諸橋と広子の繋がりも
06:17戸橋は?
06:18戸橋はどこにいるか分かりますか?
06:20どこに住んでるかは分かりませんが
06:22よく出入りしているバーがあるそうです
06:25私も行きます
06:27以前
06:29やるべきことをやれとおっしゃいましたよね
06:31私の人生を狂わせた
06:33BG株事件を終わらせることが
06:35今私のやるべきことなんです
06:37分かりました
06:39どこに行けば
06:41広子を追い詰められるぞ
06:43広子が現れても接触するんだよ
06:45泳がせて見張っていれば
06:47広橋や広子との繋がりをつかめるかもしれない
06:49道上
06:51大丈夫です
06:53俺だけ顔がバレてないだろうから
06:55様子を探っていきます
06:56お願いします
06:57広子は
06:59どうして聖家さんをコントロールしようと思ったんですかね
07:03昨日
07:05息子が熱を出したんです
07:07だから今日は1日くらい
07:09学校休んでもいいって言ったのに
07:13友達との約束があるからっていうことを聞かなくて
07:17子供って
07:19大きくなるにつれて
07:21自分の意思で行動することが増えていくんだなって
07:25広子は聖家を
07:29いつまでも押さえつけて
07:31手放そうとしなかった
07:33何が彼女をそうさせたんだろう
07:37聖家が大技師になった時に
07:39こんなことを言っていたんです
07:41僕にはその先に成し遂げなければならない
07:45悲願がある
07:47悲願って何です?
07:49それはまたいつか話すよ
07:51聖家の言う悲願と
07:53広子が植え付けた復讐に
07:55繋がってるのかもしれません
07:57息子の人生奪ってまで
07:59自分の野望を叶えようとしているなら
08:03道上さん
08:05聖家のこと
08:07本当はどう思っています?
08:09父の自己死から始まって
08:11聖家さんの人間性に興味を持ったのは間違いありません
08:13もし
08:15彼が自分を縛っているものから逃れたいと思っているなら
08:19救ってあげたい
08:21その思いは今も変わっていません
08:23そうですか
08:25鈴木さんは?
08:27立場じゃありませんが
08:29今私も
08:31あいつを自由にしてやりたいと思っています
08:33トガシだ
08:35今、トガシが店に入っていきました
08:37隔離したか?
08:39トガシが裏から逃げた
08:41裏から逃げました
08:43私はこっちに
08:45総理は君を勝ってるようだが
08:47私の目の黒い内は勝手なことはさせないか
08:51駒橋先生
08:53先日も申し上げたように
08:55私は先生方を出しに行くような真似は
08:57その気持ちを忘れないことだ
08:59政治家でいたいならな
09:01トガシは?
09:02トガシは?
09:03トガシは?
09:04トガシは?
09:05トガシは?
09:06トガシは?
09:07店のスタッフにトガシのことを聞いてみません
09:09何か知ってるかもしれない
09:10お願いします
09:11お願いします
09:12首相高専性は
09:14強権的政治を生む危険性をはらんでいることも
09:17与党には慎重に議論してもらいたい
09:19はい
09:20トガシが見つかった
09:22ただし
09:23死体でだ
09:24どういうこと?
09:26手坂田
09:27高槻街に浮かんでいるところを発見されたそうだ
09:30当初警察は自殺と見ていたのだが
09:33事件性が出てきた
09:35え?
09:36ビルの非常階段から突き落とされたが
09:39命拾いした男がいたな
09:41そいつ
09:42ビルの非常階段から突き落とされたが
09:44命拾いした男がいたな
09:46そいつはトガシの部下だ
09:48消されるのが怖くなって
09:50色々自給をしていました
09:51今写真を送った
09:53短い
09:54この前
09:55私を尾行してた人
09:57そうか
09:59名前は村井照王
10:01トガシの下で隠蔽や偽装工作をしてたらしい
10:06それじゃあ
10:08親衆さんの事故も
10:10トガシの指示でやったそうだ
10:12トガシが金で雇ったダンプカーの運転手は
10:15黒瀬に事故を起こさせ
10:18その後村井はトガシの指示で
10:21親衆さんのパソコンなどBG関連の資料を
10:25廃棄したそうだ
10:27トガシに指示したのは
10:29大臣の諸橋だと喋ったそうだ
10:32ヒロコとの繋がりは?
10:34残念ながら
10:35ヒロコの名前は一切出なかったそうだ
10:38そうですか
10:39くそ
10:40これでヒロコを追い詰める情報はなくなっちもったな
10:43暗いという男が言っている事は本当なんですか?
10:47どうなんですか?
10:48デタラメに決まってるだろ
10:51そんな訳の分からんチンピラの言う事を
10:53間に受けるな!
10:54ですが警察はデタラメだとは思っていないようです
10:57詳しい話を聞きたいと言ってません
11:01バカ言っちゃいかんよ
11:03私を誰だと思ってますか?
11:05そんな事する訳が
11:07え?
11:08バカなことを
11:09本何を言ってるんだから
11:11全然分からない
11:13トガシ大臣お答えください
11:16大臣は本人のトガシさんの殺害に関与しているんですか?
11:20トガシ大臣はどういう関係だったんですか?
11:23トガシ大臣はどういう関係だったんですか?
11:24トガシ大臣はどういう関係だったんですか?
11:26あのバカ
11:27山中さん、鈴木さん、ボロハシ大臣の記事はご覧になりましたか?
11:31ええ
11:32ただ、ヒロコについては何も書かれていません
11:35道上さん、丸腰で愛媛に行ったようです
11:38私が出るわ
11:42あなた
11:44突然、押しかけてすみません
11:46もう一度、聞きたいことがあってきました
11:48あなたに話すことは何もないわ
11:50お引き取りください
11:52風潮という言葉、覚えてますか?
11:56成家一郎さんを政治家に従っていたあなたのお母さん
11:59龍インファさんがよく口にしていた言葉です
12:03風潮
12:06日本語で復讐を意味するこの言葉は
12:09成家一郎さんのルーツに関わることなんじゃないですか
12:12どこか行きたい場所はある?
12:14遠路はるばる東京から
12:16一郎のルーツを探りに来たんでしょ
12:18あの子が育ったこの土地で
12:21見てみたい景色があるんじゃないかと思う
12:24でしたら、あなたが悲願にも書かれていた
12:28あなたが幼い頃の成家さんに
12:31父親が和田島義孝だと打ち明けた思い出の場所
12:36外泊りね
12:38お客さんやろか
12:39主人の小松です
12:41こちら
12:42優秀なジャーナリストの道上さん
12:46ちょ、ジャーナリスト?
12:49タクシーよくからちょっと待ってて
12:51はい、若ですいません
12:53無事だったか
12:55これから外泊りに行って、ひろこに話を聞きます
12:58外泊り?
13:00いいか道上、お前が向き合う相手は化け物だ
13:03化け物だ
13:04人を殺めてるかもしれない
13:06結城国のことも考えてくれぐれも慎重にな
13:09分かりました
13:10ひろこは、成家に仮面をかぶせたように
13:13自分でも見せたい仮面をかぶってるかもしれない
13:15何が真実か、見極めろ
13:18はい
13:19そこでマリー?
13:20この上海に面した石垣の里と呼ばれる街です
13:24そこは、成家とひろこの思い出の場所なんです
13:293年ぶりだろう
13:31ここは、人生で一番好きな場所かもしれない
13:36とても復讐とは結びつかないくらい
13:40綺麗な場所ですね
13:42あなたに想像できるかしら
13:45戦後、異国の地で、母が私とどんな生活を送ってきたのか
13:52私の母は、戦時中、満州国で日本人の貿易商と結婚して、この国に連れてこられたの
14:01けど、戦争で憎しみ合っていた国からやってきた母は、相手の両親に受け入れてもらえず、夫にも見捨てられて、異国の地で一人にされた
14:14本国に帰るお金も持っていなかった母は、生きるために水商売で働いた
14:21そこで知り合った日本人の客に、私はそこで知り合った日本人の客に、半ば無理やり関係を迫られて私を見守ったのよ
14:34私は望まれてできた子じゃなかったのよ
14:38私を産んだことで、母はますます本国に帰れなくなった
14:43日本人との間にできた私がいたんじゃ
14:46帰ったところで、生きづらいのは目に見えていたから
14:51私たちには帰る場所なんてなかったの
14:55なのに、その後も母は、つまらない男たちに傷つけられる生き方しかできなかった
15:01姉妹には仕事に行けなくなるほど塞ぎ込んで、お酒に溺れた
15:07親父長
15:09ママ
15:10
15:12父長
15:14父長は、先生によって
15:18憎むべき男の住む国で生きることしかできなかった女のいた
15:23たった一つの心の支え
15:26その母の復讐心は、あなたは引き継いだんですか?
15:30母の願いを叶えてあげたいという気持ちはあったわ
15:34でも私は母と違って、男に溺れない生き方を選んだの
15:40若い頃から、男たちが勝手に私に夢中になることに気がついていたわ
15:46みんなおかしくなるの?
15:48でも私は絶対に溺れない
15:52他人だけじゃなく、自分自身も全てコントロールする
15:58そう誓って、教養を身につけたわ
16:02けど、いくら教養を身につけても、それが生きがいにはならなくて
16:10二十歳の頃には、人生に退屈した
16:16そんな時、彼に出会った
16:20将来、一郎の父親になる
16:24大義士の和田島義孝
16:26どうしたか?
16:28君のような女性を妻にできる人は、幸せだろうね
16:32どうして?
16:34君が聡明だからだ
16:36僕なら君にたくさん耐えると思うな
16:40判断に困ることがあるたんびに、意見を求めると思う
16:45君のような賢い女性が妻だったら、こんなに頼もしいことはないだろうなと思ってさ
16:51若手大義士の中でも有望株の筆頭だった彼は
16:55たびたび店を訪れて、必ず私を席につけてくれた
17:00面白いことに彼はいつも政治家としてあるべき姿を熱心に話してくれたけど
17:06それはまるで、街頭演説を聞いているようで
17:10そこに彼自身の意思なんてないように私には感じたの
17:15意思がない?
17:17彼は、政治家を演じていたの
17:21もっと言えば、政治家の和田島義孝を演じている
17:26そう思って、ますます興味が湧いたわ
17:31お母様がお亡くなりになったんですね
17:34もし、和田島を裏で思うままに操っている人間がいるとしたら
17:41僕にとってお母さんは全てだったんだ
17:45大義士になったのもお母さんの夢だ
17:48そうだったんですか?
17:49だから今は、何のためにこの仕事をしているのか分からないよ
17:54いっそ政治家なんてやられてしまいたいよ
17:57それはダメ。だって、辞めたらお母様が悲しむでしょ?
18:03彼は、母親が作り上げた作品だと思った
18:07普段の勇ましい顔とは違って、本当は主体性のない男だって
18:14それに気づいた時、ふと、母から散々聞かされたあの言葉が頭をよぎったの
18:23私は、分かりやすい差別は受けてこなかったし、父親がいないことを寂しいと思ったこともなかった
18:38けどね、ひょっとしたら、自分でも気づかない間に
18:44この国に復讐したいという気持ちに蓋をしていたのかもしれない
18:49気づいたら、彼の前で、中国人やマイノリティの人たちが
18:54この国で暮らしやすくなることを願っていると話していた
18:59出生のことを話したんですか?
19:02ね、もちろん、一か八かの賭けだったけど
19:06実は、私の本名は、リュウヒロコって言うんです
19:12リュウ?
19:14私の、かつての名前は、リュウリーラ
19:20これでも、あなたは私を大切にしてくれますか?
19:25打ち上げてくれてありがとう
19:27僕はね、お母さんから常に弱者のそばに立つようにって言われてきたんだ
19:34今、君に、僕の政治家としての使命を与えられた気がした
19:40ありがとう
19:42それから彼は、私の意見をまるで自分の意見のように国民に訴え
19:48日本と中国、ひいては、日本とアジアの関係をもっともっと緊密にすることこそが
19:58以前にもまして、頭角を表していった
20:02そうやって、将来日本を動かす和田島さんを裏で操って
20:08国の舵取りに関わろうとしたんですか?
20:11この国への復讐を成し遂げようとしたんですか?
20:15そうよ
20:16小橋先生が入院
20:18万が一逮捕などされたら、政権へのダメージは計り知らないからね
20:24私の指示で、自病流に一旦、表舞台から降りてもらうことにした
20:29これからは、ますます君が頼りだ
20:33頼んだよ
20:34はい、精一杯頑張らせていただきます
20:36この国への復讐を成し遂げようとしたんですか?
20:40そうよ
20:41でもそんな時、一郎を見ごもったの
20:46当時は今ほど理解がなく
20:49大義士の彼が、半分中国の血が流れている私と結婚するのは難しかった
20:56だから、彼には一郎を見ごもったことを告げずに別れたの
21:03生まれて初めてよ
21:06自分の血を恨んだのは
21:09ねえ、お母さん
21:12私を産んだこと、後悔してない?
21:16な、なに今日に
21:19当たり前じゃない?
21:21お父様や、なんで泣くのよ
21:24私の人生、味方なんて一人もいなかったの
21:29だから、あんたを産んだの
21:32あんたという味方が、どうしても欲しかったんだ
21:37味方?
21:38でも、あんたが男の子だったら、どんな風だったか考えたことはあったけどね
21:49家族に男の子いたら、何か違ったんじゃないかってね
21:55その時だった
21:58和田島と別れて
22:00何のために生きていけばいいのか分からなくなっていた私
22:04ある考えが閃いた
22:06もし、お腹の子が男の子だったら
22:10私たちにどんな未来が待っているのか
22:12母と私の願いを、この子が叶えてくれるとしたら
22:14私はこの子にまず何を与えればいいんだろう
22:16名字だ
22:18日本人の名字を手に入れるために
22:20聖家吉和さんと結婚を、和田島さんで成し遂げられなかった自分たちの復讐を、聖家さんに託したってことですよね
22:40そうよ、吉和は銀座のクラブに勤めていた時の常連客で
22:47俺と結婚しないか
22:49田舎に誰も住んでない大きな家もある
22:52俺なんかどうせすぐ死ぬんだし、そうなれば遺産は丸々お前のもんだぞ
22:57私と結婚できるなら、お腹の子の父親が誰なのか詮索もしなければ
23:03私の母も一緒に住まわせてくれるって約束してくれたから
23:07それで結婚したのよ
23:09そこまで良くしてくれたのに
23:12なぜ聖家吉和さんを殺したんですか?
23:15あれは事故よ
23:17殺してやりたいとも思っていたけどね
23:20あの男も
23:22最初は優しかったけど
23:24そんなの半年ともたなかったから
23:27うるさいよ!
23:28誰がお前たちに飯食わせてくって怒ってんだよ!
23:31いつまでお天気流せなよ俺は!
23:33やめて!
23:35やめて!
23:36結局、あの男は一郎の父親への嫉妬に囚われていたの
23:42吉和が事故で死んだ日
23:45私は一郎と母を連れておかち町の親戚の家にいたわ
23:50それは調べました
23:52ただ、アリバイを主張しても他の人間にやらせることもできますよね
23:57私がやってないと証明することができないように
24:00彼がやったと証明することもできないわね
24:04誰のことですか?
24:06私が泣きつく相手は一人しかいない
24:09渡島さん?
24:10ええ、そうよ
24:11電話で一度だけ泣きついたわ
24:14じゃあ、事故を仕組んだの?
24:16まあ
24:18今となっては確かめようがないし
24:21彼がやったと証明することも永遠にできない
24:25その後、渡島さんとは会ってないんですか?
24:28会ったわ
24:30一度だけ東京で
24:31あの時はもう彼も別の人と結婚してたけど
24:35これを息子に元気でな
24:38首相交戦制の要項をまとめにあたって
24:41災害など国の緊急時に迅速に対応するため
24:45各省庁のあらゆる権限を
24:48総理大臣に集約することができる条文を明記することを提案いたします
24:53一郎は渡島のいいところを受け継いで
24:57とても素直でいい子に育ってくれた
25:00準備を進めたいと思います
25:03あの子が出世していく姿を見るたびに
25:06全てを捧げてよかったと思う
25:09よかった?
25:10そのために何人もの人間が犠牲になったとしても
25:13あなたは聖家さんに権力を握らせて
25:16この国をどうするつもりですか?
25:18しかし今度こそ
25:20一丸となって我々で実現させましょう
25:24聖家君の首相交戦制の提案についてご異議ありませんか?
25:29異議なし
25:30彼を裏で操ってる反省は
25:32あなたなんですよね?
25:34展開一致により聖家君の愛を採用することとします
25:38ありがとうございます
25:39黙ってないで答えてください
25:41この日をどれほど夢見てきたことか
25:45一郎君おめでとう
25:47ありがとう
25:48まだまだこれからよ
25:50分かってるよ
25:51ここまでよく調べたわね
25:53でも
25:54肝心なところにはたどり着けていない
25:58話はここまでよ
25:59待ってください
26:01話はまだ終わってません
26:03あなたは
26:04BG株事件の証拠のテープを持ってますよね
26:07事件の隠蔽に関わってるんじゃないですか
26:10なぜ過去のことは話してくれたのに
26:13聖家さんの論文を
26:14なぜ過去のことは話してくれたのに
26:16このことについては答えないんですか
26:19聖家さんの論文を鈴木さんに送ったのはなぜですか
26:22論文?
26:23大学時代に聖家さんが書いた
26:26ナチズムにおける
26:27権力の二重構造についてです
26:30私は送っていない
26:32本当に
26:34じゃあ
26:36誰が
26:38もうこれ以上
26:41あなたに話すことは何もない