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  • 2025/6/11

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ショート
トランスクリプション
00:00司は奥多摩の加祖の村に仕事場を借り受け 陶芸一筋に没頭しようとしていた
00:11その苦闘を見かねた香るは あえて美しい嘘をついた
00:16口の聞けないボランティアのおばさんという触れ込みで 司に気づかれることなく司の仕事を手伝うことにしたのである
00:27恋する人に一言も声さえ発することができぬつらさ 香るは心臓に涙が滴る思いであった
00:46誰そこにいるのか
00:50
00:52大下先生 みそ
00:56君にどうしても話がある 私学校を辞めました
01:00先生とはもう関わりはありませんいや
01:05俺はまだ 君の他人のつもりだそんな大学届は郵送したはずです
01:13これか これは俺の一存で まだ事務手続きを取っていない
01:20君に学校に残ってほしいからだ 先生
01:23水尾 頼む 学校に戻ってくれ
01:27そして 卒業したら俺と結婚してくれ
01:31そのお話ならお断りしたはずです
01:34水尾 そんなに勇気のそばがいいのか
01:38先生
01:38知ってるんだ
01:41しかし あの男に尽くして一体何になる
01:45俺の方が必ず君を幸せにできる
01:49俺は君を愛せればこそ
01:52先生 お帰りになってください
01:54いや 俺は今夜 君を抱く
01:59何をしてるんです
02:01教師にあるまじき振る舞いだと言いたいんだろう
02:07だが俺は 君が勇気のためにボロボロになるのを見てほれんのだ
02:12あの男を忘れさせるために 俺は対面などしてる
02:17それほど君を愛してるんだ
02:20先生
02:24みそ
02:39好きだ
02:41やめて
02:41やめてください
02:43先生は卑怯です
02:48ご自分で何をなさってるか分かってらっしゃるんですか
02:51ああ
02:53俺は君の前では
02:55勤めて紳士的に振る舞ってきた
02:57だが俺は
03:00紳士であるより
03:03自分の気持ちに正直でありたい
03:05ミソ
03:06結城のことは忘れて
03:09俺と結婚すると約束してくれ
03:11私は先生を愛していません
03:13君は俺を愛するようになる
03:16そうさせてみせる
03:19言うなその名前を
03:25ミソ
03:30なぜわかってくれないんだ
03:32私が愛するのは司さん一人です
03:35無茶をなさると私
03:37舌を管理しにます
03:49ミソ
03:53もういい
03:56やめだやめだ
04:00俺はな
04:02ここに来るのに
04:04一つの覚悟をしてきた
04:06君を俺のものにしよう
04:09それができなければ
04:11潔く
04:12今日限り君を諦めようと
04:14残念だが
04:17俺の負けだ
04:19先生
04:21すまなかったな
04:25俺は二度と君を口読いたりしない
04:28これも出しておこう
04:36しかし君がいなくなると
04:40学校も寂しくなるな
04:42最後になって馬鹿な真似をして
04:47俺を詐欺すんでるだろう
04:49いいえ
04:51ただ大下先生を一番愛していらっしゃるのは
04:55クルス先生です
04:56先生もクルス先生を愛してあげてください
05:00今更そうもいかんだろう
05:06ミソ
05:09君は
05:11口が聞けないふりをして
05:13かけながら勇気に尽くしているが
05:15あいつは敏感な男だ
05:18いつまでも君の正体に気がつかないはずがない
05:21その時
05:23恐ろしいことが起きるような気がする
05:26大丈夫です
05:28私どんなに苦しくても演技を続けます
05:32幸せを祈っている
05:36さよなら
05:40ご視聴ありがとうございました
06:10その頃
06:12つかさは
06:13陶芸の新作に取り掛かろうとしていた
06:16晴れの舞台である
06:19全日本陶芸展に出品すること
06:22それがつかさの目標であった
06:25おばさんハーモニカも上手なんですね
06:41おばさんハーモニカも上手なんですね
06:54おばさん
06:57鈴掛けの道って歌を知っていますか
07:00じゃあ吹いてもらえませんか
07:05
07:06あの歌を聞くと
07:08高校の頃思い出して
07:09しっかりしなくちゃって気になるんです
07:11鈴掛けの道
07:27かよいなれたる
07:38学び屋の街
07:43やさしの小鈴
07:51やさしの小鈴
07:51はかげになれば
08:00夢は帰るよ
08:07鈴掛けの道
08:14つかさの高校時代
08:31それは香るを抜きにしては語れない
08:36だがその香るは
08:39つかさにとって今やいない
08:42もういいです
08:43おばさん
09:07ちょっとそこの窓際の方を見てください
09:13いろなべ島です
09:24半年前に見たきりですが
09:27よく覚えています
09:28日本が世界に誇れる時期の一つです
09:32俺がこれから作りたいのは
09:35そういう金蘭での
09:37尺五寸の大皿です
09:39俺の世界はいつも暗闇に閉ざされています
09:43だからどうしてもそういう極彩色のきらびやかなものに憧れるんです
09:48おばさんには苦労をかけることになると思いますが
09:53力を貸してください
09:55今の灰はためらってましたね
10:06おばさんは俺にそんな成功なものができるわけがないと危ぶんでいるんでしょう
10:11でもどこまでできるか
10:15自分の限界に挑戦してみたいんです
10:18そしてつかさの果敢な挑戦と苦闘が始まった
10:32大皿作りは難しいものの一つである
10:45粘土の重みで皿の縁が下がるのである
10:49まして目の不自由なつかさには
10:53それは至難の技であった
10:55おばさん
11:06ヘラを取ってくれませんか
11:08誰ですかあなたは
11:17もう忘れたの私を
11:19稽古
11:21安心して
11:23今更寄り戻しに来たんじゃないわ
11:26じゃあ何をしに来た
11:28お願い
11:31大輔に会わせて
11:32あんたとは別れたけど
11:35大輔の顔だけはどうにも目に散らついて
11:38せっかくだが断る
11:42私は母親よ
11:44子供に合わせない権利はあんたにだってないはずよ
11:47おばさん
11:59この人は俺の別れた女房で
12:03大輔の母親です
12:04少しの間子供を抱かせてやってください
12:07俺は仕事がある
12:15気がすんなら帰ってくれ
12:17大輔
12:30こんなに大きくなって
12:34この子が世話になったことには素直に感謝するわ
12:42だけどこの間から見させてもらったけど
12:45あんたが司にしてることは何?
12:50口が聞けないおばさんのふりをして
12:51あの人を騙して
12:53騙すだなんてそんな
12:55あんたは陰ながら尽くしてるつもりかもしれないけど
12:58騙してることに変わりないじゃないもん
13:02司もかわいそうに
13:04けいこさんどこ行くの
13:07決まってるじゃないの
13:09司に洗いざらいぶちまけてやるわ
13:11おばさんがあんただってことをね
13:14やめて
13:14そんなことすれば
13:16そう
13:17司はあんたを追い出すわよね
13:20そしてあんたは二度と近づけない
13:23けいこさん
13:24司さんはこの作品に命をかけてるわ
13:27もし手伝いの私がいなくなれば
13:29作品はできなくなるわ
13:31お願い
13:31司さんには何にも言わないで
13:34この通りよ
13:38私に敗そうですかって言えっていうの
13:42おあいにくさま
13:45あんたには恨みが積もってるのよ
13:47どいてよ
13:48けいこさん待って
13:51あなたも司さんを好きなんでしょ
13:54だったら司さんに作品を完成させてあげて
14:01それに私がいなくなったら
14:04誰が大茶の面倒を見るの
14:05司さんの作品が完成したら
14:09私は黙って出ていくわ
14:10だからそれまで司さんに何も言わないって約束して
14:14そんなに言うなら今日は黙って帰ってあげるわ
14:19でも
14:20私が司に話さないなんて約束などできないわ
14:24けいこさん
14:26かおる
14:27結局は私の勝ちね
14:30あんたが司のそばに出るかどうかは
14:34私の胸さん図にあるんですものね
14:36私の勝ちね
15:06けいこはいつかおるの正体を暴露するやもしれない
15:16その頃
15:20えみこはたかしと貧しいながらも平穏な生活を送っていた
15:26だがある日
15:29はいもしもし佐々木です
15:36ママ
15:38どうしたのこんなに朝焼く
15:41えみこ
15:42驚かないで聞いて
15:44パパが倒れた
15:46
15:47パパが
15:49たった今出勤なさろうとしたら急に
15:54あなた
15:57あなた
15:59あなた
16:01えみこ
16:03すぐに福島に来て
16:05分かったわ
16:06でも
16:08もしもし
16:12お母さんですか
16:12えみこさんすぐそちらに行かせますから
16:15たかしさん
16:16僕も行きたいんだけど
16:19仕事でどうしても無理なんだ
16:20お父さんお母さんによろしくね
16:23ありがとうたかしさん
16:24この時えみこは
16:28それがたかしとの別れになろうとは
16:31予測だにできなかった
16:33よく来てくれたわね
16:54パパ
16:58どうなの具合が
17:00大丈夫だ
17:01バカだなお前も
17:03こんなことで娘を呼ぶやつがあるか
17:06でもあなた
17:08ほんとこ仕事が立て込んだもんで
17:10ちょっとめまいがしただけだ
17:13パパ
17:16本当に大丈夫なの
17:18明日会社に出る
17:25心配いらないから
17:31時計帰りなさい
17:34ああは言ってるけど
17:40パパは本当は悪いのよ
17:42お医者様の話では
17:45胃海洋に高血圧に
17:47とにかくパパの体はボロボロなんですって
17:51それも心理性の病気で
17:54心理性って
17:57あなたとカオルさんのことが原因よ
18:04え?
18:05あなたがたかしさんと結婚したことで会社は左遷されるし
18:10その上
18:11娘二人が
18:13高校を退学するなんて
18:16パパの神経では耐えられなかったのよ
18:19私だって
18:21あなたとたかしさんのことが心配で
18:25夜も眠れないわ
18:26えみこ
18:31あなたに来てもらったのは
18:34パパの心配の原因をなくしてほしいからなの
18:38ママ
18:40まさか
18:42たかしさんと別れてほしいの
18:46そうすれば
18:48パパの病気は回復するわ
18:51嫌よそんな
18:52えみこお願い
18:54そうして
18:55このままではパパは衰弱する一方で
18:58命も長くは保証できないって先生はそうおっしゃってるの
19:02それでもいいの
19:03ママ
19:05パパの体と
19:07たかしさんとどっちが大事なの
19:10えみこ
19:12私たかしさんと別れないわ
19:18でもパパのそばにいて看病します
19:22その頃
19:38つかさはようやく大皿の生計は成し遂げたものの
19:43その先の工程で悪戦苦闘していた
19:47目が見えず
19:49髪には満足に下への欠けないつかさにとって
19:53さらに施すべき花の模様づくりは最大の難関だったのである
19:59カオルもまた激しい頭痛と発熱に悩まされていた
20:08慣れぬ田舎暮らしと
20:10つかさに自分の正体を知られないとする辛労が重なり
20:15体調を壊したのである
20:17だがカオルはその気配を必死につかさには悟られまいとしていた
20:24たみんな
20:39コロメサイ
20:42コロメサイ見えたわ
20:44カオル
21:01私はここにいます
21:06カオルはそう言ってつかさを励ましたかった
21:10だがそれは絶対に許されないことであった
21:16声を出さないで
21:29なんとかあの人を力づけてあげられないかしら
21:32つかさは今
21:38カオルが遠くにいると思い込んでいるに違いない
21:42カオルはつかさの不在を見計らい
21:46自分の名でつかさへの励ましの手紙を書いた
21:51それはほとばしるような愛の手紙でもあった
21:56つかささんしばらくです
22:00あなたとお別れして2ヶ月になります
22:03あなたは今どうしていますか
22:07ケイコさん
22:32何をするの
22:39考えたわね
22:40自分の正体がバレないようにして
22:43しかもつかさを励まそうとはね
22:45ケイコさん
22:46返してちょうだい
22:47カオル
22:57あんたひどい熱じゃないの
23:02よくこんな体で動けてたわね
23:05あたしが言うのはなんだけどさ
23:09あんたこんなにまでしてつかさに尽くしたって
23:12なんにもなんないのよ
23:13いいかげんに諦めたらいいの
23:17私は見返りなんて望んでないわ
23:20大変
23:26どうしたのよ
23:28つかささん今作品を完走させてるの
23:30あれが塗れると何もかも不意なの
23:32おばさんですか
23:50雨ならわかってます
23:53でもこれを見てください
23:55何度になっても失敗ばかりです
24:00模様ができなくてはどうせ作品はできません
24:03やめます
24:08作るのは
24:10ほっといてください
24:18そんなもの雨に濡れてもかまいませんから
24:21おばさんやめてください
24:24もう無駄です
24:26ケイコは病苦をしてつかさに尽くすカオルの姿に
24:44我知らず感動を覚えていた
24:47だがケイコは
24:50カオルの正体をいずれつかさに告げようという決心を
24:54少しも変えてはいなかった
24:56それほどケイコのカオルへの憎しみは深かったのである
25:02おばさん
25:10どうしたんですか
25:12どっかご相手が悪いんですか
25:14おばさん
25:17大丈夫ですか
25:18おばさん
25:20おばさん
25:22おばさん
25:24おばさん
25:30おばさん
25:32どうしたんです
25:33開けてください
25:35なぜ開けてくれないんです
25:37女の部屋に入っちゃいけないって言うんですか
25:39そうですか
25:43でもおばさん病気なんじゃ
25:45医者を呼びます
25:47ダメだって言うんですか
25:51じゃあ大丈夫なんですね
25:55分かりました
26:00でもしばらくよくになって休んでください
26:04その夜
26:21その夜
26:25カオルは起き上がることができなかった
26:28だがうめき声一つ漏らせば
26:32その声から
26:34司はカオルであることを察するかもしれない
26:44よしよし
26:45おら泣くな泣くな
26:48おばさんがきっとよくなるから
26:53父さんが悪かったんだ
26:57おばさんに無理させちまったもんな
27:00なのに仕事は思うようにできない
27:04父さんもだめだ
27:07全日本陶芸店なんて諦める
27:11カオルはなんとか司を励ましたかった
27:16だが声も発せず
27:19励ましの手紙も稽古に奪われた今
27:22そんな方法は何一つなかった
27:26音楽
27:33いい加減にしてくれよ
27:45おばさん
27:47寝てなくちゃ
27:51こまったな
27:55いい加減にしてくれよ
27:57おばさん
27:59寝てなくちゃ
28:01おばさん
28:23おばさん
28:25なぜその曲を
28:26おばさん
28:29おばさん
28:31おばさん
28:45おばさんを俺にしっかりしろ
28:47作品を投げ出すなって言いたいんです
28:49病気の体でおばさんは
28:56そんなにまで俺のことを
28:58分かりました
29:00俺頑張ります
29:04つかさはよみがえた
29:19そのつかさを見て
29:24カオルの熱は嘘のように下がっていった
29:28カオルの心は
29:30つかさの心と一つであった
29:34おばさん
29:36おばさん
29:37おばさん
29:38おばさん
29:39おばさん
30:09俺は昔
30:10女の子と二人きりで
30:12ひとつ変えた
30:14ああ
30:15ありがとう
30:18ありがとう
30:19ありがとう
30:28おばさん
30:30俺は昔
30:35俺は昔、女の子と二人きりで一つ部屋で過ごしたことがあります。
30:42ちょうどこんな風にコーヒーをすすりながら。
30:56その子の名は、カオルと言いました。
31:05つまらないことを話してしまって。
31:15でも、いい作品ができたらおばさんのおかげです。本当ですよ。
31:22この時、カオルは司を愛しつつも、別離の日が近づいてくる足音を聞いていた。
31:29カオルは、司の作品が立派に出来上がれば、ここを出て行くという稽古との約束を忘れてはいなかったのである。
31:40数日後、司は完成した作品を携えて、長谷川の家を訪れた。
31:53破門されたとはいえ、司が真に批評を超えたい人は、長谷川以外になかったからである。
32:00つかわさん、わしはもはやお前の死ではない。
32:06にもかかわらず、お前にあったのは、
32:10共に、土と炎の芸術を愛する友人としてだ。
32:16わしは、年上の友人として、
32:19忌憚のない池を言うことにする。
32:22はい、ありがとうございます。
32:24じゃあ、それは。
32:25うーん、見事だ。
32:52いっけんな。
32:53いっけん?
32:56とおっしゃいますと、どこか悪いところでも。
33:00つかさ、お前まさかこんなものを作って、
33:04何か取り柄があるとうぬぼれているわけじゃあるまいな。
33:08この作品には、技術的にどうこういうまいり、心がない。
33:15心がない?
33:16そうだ。
33:17これを見ても、わしには、何一つ感動が伝わってこむ。
33:23お父さん、私は立派な敵だと思いますけど、
33:27目の不純な司さんが、これだけのものを作るには、
33:30血の滲むような苦労なさったのに血がありませんわ。
33:32目が見えようが見えまいが、どれだけ時間をかけようが、出来不出来とは関係ない。
33:38これは紛れもない愚策だ。
33:42先生。
33:45俺は目が見えなくても、これだけ凝ったものが作れるのだ。
33:49皆をあっと言わせて、陶芸家として売り出したい。
33:53お前の心の底には、そういう俗悪な見てくれの精神がある。
33:58その癒やしい野心が、このけばけばしい禁断でに、もろに現れと。
34:09恥ずかしげもなく、こんなものを持ってくるとは、もういい。
34:14もう分かりました。
34:15お父さん、ひどすぎます?あんな。
34:30厳しすぎたかもしれんが、わしはおためごかしを言う気にはなれん。
34:37つかさは今、壁にぶつかっとる。
34:40いつかあいつが、その壁を突き破ってくれることを祈る。
34:47お母さん、お母さん。
35:06
35:16この作品には 実的にどうこういう前
35:21心がない
35:24これは紛れもないグサクだ
35:28恥ずかしげもなくこんなものを持ってくると
35:36つかさは 陶芸をやめようと決意した
35:53つかさ
36:01けいこさん あんたまだいたの
36:04作品ができたら出てくって約束でしょ
36:07でもつかさが
36:09つかさがどうかしたの
36:11あの人死ぬかもしれないわ
36:13まさかそんな
36:15苦労して作った作品を長谷川先生に告用されて
36:18それで絶望して
36:20ええ
36:21え?
36:22ガッタ!
36:25ガッタ!
36:28ガッタ!
36:32ガッタ!
36:33ガッタ!
36:35ガッタ!
36:36ガッタ!
36:37ダイスケ
36:38別れに来た
36:40ダメな親父を許してくれ
36:44おばさん
36:45すがになった
36:47ガッタ!
36:50ガッタ!
36:56つかさ
36:58井野声を出したりして
36:59もっともあんたの正体がつかさにばれたほうが
37:04スカさんにバレた方が私はいい君だけどね
37:34ガッサン!ガッサン!ガッサン!ガッサン!
37:45カオル!あいつまだ俺のことを
37:49ガッサン!
37:56カオル、俺のことを忘れろ
38:01話せ!話してくれ!話してくれ!
38:08お前、カオルだろ!カオルだな!
38:13カオル、お前のためにも
38:16俺を死なせてくれ
38:31とにかく、カオに触らせてくれ
38:38お待ちよ、スカッサン!
38:40ケイコか?
38:41あんた何やってるのよ!
38:43やぶからぼうにカオルカオルって言うから
38:45おばさん面食らってるじゃないの!
38:48じゃあ、やはりこの人はおばさんだって言うのか?
38:53そうよ!
38:55あなたはカオルを思い続けてどうかしてるのよ!
38:58第一、カオルがこんなところに来るはずがないじゃない!
39:01証拠だってあるんだし!
39:03証拠?
39:05さっきあんたの家に寄ったら、カオルから手紙が来てたわ
39:12これよ
39:26もしカオルがここにいるなら、わざわざ手紙などを起こすわけがないでしょ?
39:31とにかく読んでみたら?
39:36つかささん、しばらくです。
39:39あなたとお別れして2ヶ月になります。
39:42あなたは今、どうしていますか?
39:46あなたはきっと陶芸一つに打ち込んでいることでしょう。
39:51私は二度とあなたに会うことができませんが、
39:54私の魂は片時も離れず、あなたを見つめています。
39:59つかささん、苦しいこともあるでしょう。
40:03でもあなたは1人ではないのです。
40:06あなたをこれまで支えてくれた、どんなに多くの人がいることか。
40:10長谷川先生、ちぐささん、さゆりさん、えみこさん、たかしさん、けいこさん、そしてだいちゃん。
40:20そしてだいちゃん、その人とそのために、どんなことがあってもくじけないで歩み続けてください。
40:28カオル。
40:33これでわかったでしょう。
40:36カオルは遠くにいるのよ。
40:38そして、あなたの幸せを祈っているの。
40:42おばあさん、間違えてすまなかった。
40:54カオル。
40:58俺はくじけない。
41:17けいこさんは私を憎んでたはずなのに。
41:21ああ、あれはあなたに教えてもらったお礼よ。
41:26私が何を?
41:29人の愛し方よ。
41:32自分のことなど考えずに尽くす。
41:38私はあなたの幸せに尽くす。
41:57私はあなたの幸せに尽くす。
42:01私はあなたの幸せに尽くす。

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