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ショートトランスクリプション
00:00トップデザイナー牧瑞穂の突然の死は、関係者に大きな衝撃を与えたが、その死が、実は単なる事故ではなく、自らの愛を全うするための覚悟の自殺であることを知る者は少なかった。
00:18そして、その衝撃に懸命に耐えているカオルの前に、さらに追い討ちをかけるように、自分が久保徹也の実の子であるという事実が明らかになったのだ。
00:33だが、カオルは徹也の差し伸べた手を拒絶した。
00:40私には父親はいません。カオル。
00:44私は牧瑞穂の娘です。それだけで十分です。
00:49ごめんなさい。おじさまを責めるつもりなんかなかったんです。
00:55おじさまとママが別れたのは、それなりの事情があったことでしょうし、おじさまを恨んでなんかいません。
01:03でも。でも。
01:07ママにとっては、一生に一度の本当の恋を貫き通すには、死を選ぶしかなかった。
01:15私そんな気がしてならないんです。
01:18それはまた、母の死を無にしないためにも、自ら司への愛を貫き通そうとする意思の現れでもあった。
01:29カオル。
01:32君はどうしても司くんのことが忘れられないのか。
01:37あの人は私の命です。
01:40私はママの残した言葉を決して忘れません。
01:43女として生まれた以上、一生に一度の本当の恋に、身も心も焼き尽くしたいんです。
01:51ママ、許して。
02:02私はやっぱり司を奪うことはできません。
02:06恵子さんを傷つけ、大輔ちゃんから父親を奪いとることは、私にはどうしてもできません。
02:14でもママ、これだけは聞いてちょうだい。
02:21たとえ、司と一生結ばれなくても、私の愛だけは貫き通してみせます。
02:29何があろうと、絶対にくじけません。後悔もしません。
02:35私は彼を愛したことを誇りに思い、その誇りを胸に生きていきます。
02:43そして、恵子の縁談に絡んで左遷された久保徹夜が、東京を去る日が来た。
02:53パパ、お願い。パパ、こっちを向いて。
02:58パパ、パパ。
03:00パパ。
03:08パパ、ママ。
03:10パパ、ママ。
03:13パパ。
03:23パパ、ママ。
03:28母を失い天外孤独の身となったカオル
03:36両親に去られたエニコ
03:39アリエスの乙女たちに
03:42なおも多難な禅とが待ち受けていた
03:58みずほ
04:06元気出しなさいエミコさん福島なんて目と鼻の先じゃない青と思い別だったエル
04:12でも エミコはお父さんが福島に転勤になったのは自分のせいだと気に病んでるんだ
04:19エミコさん この間も言ったでしょ
04:23人を愛するってことは大きな犠牲がつきまとうものだってでも私
04:29パパとママに申し訳なくてあなた方を愛し合って一緒になったんでしょ そのためにお父様が辛い立場に立たされたとしても耐えるしかないのよ
04:39周りの人を気にするあまり自分たちの愛まで見失っては何にもならない 今あなたにできる最大の親孝行は
04:48高橋さんと立派な家庭をつくってパパとママを安心させることよ そうでしょ
04:55カオルさんわかったわ 私きっと幸せな家庭を築いてみせる
05:00僕も誓う 何か偉そうなこと言っちゃったかな
05:05そんなことないさ ありがとう
05:08君のおかげでなんだか勇気が出て
05:12みずほ そういう君は一体どうなってるんだ
05:19私 君は今でも勇気を愛している
05:22そうだろう 勇気も君を愛している
05:26待って今はそんな話なのに君たちはなぜ必死になろうとしないんだ 待ってったら
05:32つかさに奥さんも子供もいるのよ おかしい
05:36おかしい だってカオルさん人を傷つけたって貫き通すのが本当の愛だって言ったじゃん
05:44私たちに愛を貫き通せと言うんだったらあなたにもそうあってほしい エミコの言う通りだ
05:50津川には気の毒だが 君はやっぱり勇気と一緒になるべきなんだ
05:56カオルさん
05:59ありがとう あなた方の気持ちはとっても嬉しい
06:03でも 私には私なりの愛し方がある
06:07あなたなりの 司と私は決して一緒になることはないと
06:13でも 私が一生をかけて彼を愛し抜く気持ちに変わりはないわ
06:19それが私の決めた愛の形な それじゃ一生遠くからつかささんを見つめているだけでいいって言う
06:28それが私の愛 嘘
06:31そんなないなんかじゃないわ なんですって
06:34だってそうじゃ それであなた本当に幸せな
06:38ただの自己満足じゃな 自己満足ですって
06:42よくもそんなことが言えるわあなたに何がわかるっていうのよ ええわからない
06:48だってこのままじゃあなただけじゃなく 司さんだって決して幸せだと思えないわ
06:54その通りだ 勇気が津賀を愛してるならともかく
06:58今のあいつは愛のない結婚生活で それこそ地獄の底でもが苦しんでいるように見える
07:04それを黙って見ているのがほんとないだと言えるのか お願いカオルさんもう一度考え直してん
07:11今つかささんを救ってあげられるのはあなたしかいないのよ
07:18えみことたかしの言葉 鋭くカオルの胸に突き刺さっていっ
07:24言われるまでもなく 泥沼の結婚生活に喘いでいるつかさに
07:30誰よりも心を痛めている カオル自身であった
07:36自分がつかさに近づけば 結局つかさをより以上苦しめることになる
07:44愛する者の苦悩を知りつつ どうすることもできない苛立ちが
07:49カオルの全身を駆け巡っていた
08:19ああああああああ ああああああああ
08:26ああああああああ ああああ
08:30ああああああ ああああ
08:34大丈夫かねえ 待ちながら一応名前の住所を消しそうながら
08:39どうしたんだ 答えられないのかね
08:43ちょっと来なさい
08:50どうもお手伝いをおかけしました
08:56さあ
08:59どうしたんだ一体 お前は被害者なんだから
09:11素直に名前と住所を言えば 警察まで連れて行かれることもなかったのに
09:17怖かったか警察 別に怖くなんてなかったわ
09:22だって留置場は毎日が入ってるし
09:25バカ 何を言ってるんだ
09:27すみません 私禁止ですか
09:30禁止? それとも退学かな
09:34みぞ お前そんな学校やめたのか
09:37君は今でも勇気を愛している
09:40嘘 そんなないなんかじゃないわ
09:43先生 今夜私と一緒にいてください
09:50一人になりたくない 一人でいるのはいや
09:54みぞ
10:01ここだ
10:03男状態で むさっ苦しいが勘弁するよな
10:07さあ
10:11どうした
10:14私やっぱり帰ります 帰る
10:17ごめんなさい
10:19みぞ
10:21みぞ
10:26いい子だから もう泣くんじゃない
10:45ママももうすぐきっと帰ってくるからな
10:49よしよし いい子だ いい子だ
10:56ねんねん
10:59ころりよ おころりよ
11:08坊やはよい子だ
11:14ねんねしな
11:18坊やのおもりは どこへ行った
11:33あの山こえて 里へ行った
11:45里の土産に何も持って
11:57でででだい子にしようよ
12:06ねん
12:14ゆかげんどう
12:18けいこちゃん
12:20あんまり静かだから寝ちゃったのかと思った
12:23まさか
12:25もうすぐ上がるわよ
12:26そう スイカ切っとくからね
12:28ありがとう
12:38けいこは
12:39何か考え事してたみたい
12:41考え事
12:42やっぱりつかささんのことで悩んでるんじゃないかしらね
12:47けいこの心も知事に乱れていた
12:54お前の心をどれだけ傷つけ苦しませたか
13:00今になってやって気づいたんだ
13:03すまなかった
13:06この通りだ
13:12確かに今度戻れば
13:14つかさはこれまでよりは優しい態度で接してくれるに違いない
13:19だが
13:21それは決して自分を愛しているからではない
13:24つかさの心が依然としてカオルに向いていることに変わりはないのだ
13:30だとしたら
13:33結局は同じ苛立ちと嫉妬に苦しむ日々が続くだけではないのか
13:40本当に別れようかな
13:43だが
13:45もしつかさと別れたら
13:47当然その後に来る者は
13:53いや
13:54絶対にそんなこと許せない
13:56あいつだったらどうするんだろう
14:05もしカオルが自分の立場だったらどうするのだろう
14:10失明した夫と血飲み子を抱え
14:13どん底の生活の中で
14:15それでも変わらぬ愛を貫き通すことができるのだろうか
14:20不意にけいこはカオルの本心を確かめたい衝動に
14:25駆られた
14:30そしてその頃
14:32カオルも眠れぬ夜を過ごしていた
14:36一生遠くからつかさを見つめているだけでいいって言うの
14:43そんなないなんかじゃないわ
14:46お願いカオルさんもう一度考え直して
14:51今つかさを救ってあげられるのはあなたしかいないのよ
14:55どうすればいいって言うのよ
14:58つかさの陶芸の手伝いをすることは
15:02長谷川の言うように
15:04かえってつかさの心を乱す原因になりかねない
15:09だからといって
15:11けいこの負担を軽くするために大助の面倒を見てやろうとしても
15:17けいこの嫉妬と反発を買い
15:19結局つかさを苦しめることになってしまうのは
15:24火を見るより明らかなのだ
15:29結局私は何もできないんだわ
15:33そうよ
15:34黙ってつかさの苦しむ姿を見ているしかないのよ
15:39ママ
15:58私って育児なしなのかしら
16:01ママだったらこんな時どうするの
16:04強引つかさを奪っちゃうの
16:07答えてよママ
16:25その時カオルは忘れていた母の一面に気づいたのだ
16:32恋大き女と言われていた母が
16:36恋以外にもう一つ情熱をぶつけるものを持っていたことを
16:42ママ
16:44ママは恋以外にも生きがいを持っていたのね
16:48だから誰にも頼らずに生きていけたのね
16:52不意にカオルは目から鱗が落ちた思いがした
16:58報われない恋にいたずらに泣いて時を過ごすのは愚かなことだ
17:04恋以外に生きがいがあれば
17:07女は一人でも生きてゆけるのだ
17:10ママ
17:12ママ
17:14ママ
17:16マママ
17:18あいつやっぱり
17:48ん もう一度やらせてほしい
17:54ぜひもう一度陶芸の勉強させていただきたいんです コールさ
17:59あんたはまだわかっておらんようだな あんたがここへ来ることは決してつかさのためにはまろんと
18:07それはよくわかっています ですから私つかささんがいないときに伺います
18:13何度 先生
18:16私は私自身のために陶器を焼きたいのです
18:20ゆうべ私は 今の自分がつかさんために何ができるのか考えてみました
18:27でも 答えはとうとう見つかりませんでした
18:31いいえ 私が彼にしてあげられることは何もないという結論に達したんです
18:38でも 私はつかさを愛しています
18:42これだけは稽古さんにどんなに嫉妬され避難されても永遠に変えようがありません だとしたら
18:49今の私にできることは 司が命をかけて打ち込んでいる陶芸の世界に私自身も見置くことしかありません
18:57私はつかさの生き甲斐を私自身の生き甲斐として感じたいんです 君自身の生き甲斐
19:04そうです それだけが彼を愛する私に許されるたった一つの道だと思うんです
19:11カオルさん お願いします
19:13先生の出身してください 彼には決して近づきません声もかけません
19:20気配を感じさせるまでも致しません お願いします
19:24私に機会を与えてください
19:31稽古の胸に 暗い敗北感が渦巻いていた
19:37会うこともなく 気配を感じさせることさえないままに
19:43それでもつかさを愛し抜こうとするカオルの決意の前に
19:48自分の独りよがりな愛が どれほど虚しいものだったのか
19:53いやというほど思い知らされたのか
19:57だが稽古には まだつかさを思い切るだけの決心はついていなかった
20:05もう一度だけやってみるぞ そういうもう一度だけ
20:11えっ
20:18いっ
20:23ん 稽古さん
20:27ただいま 長枝留守にしてすいませんでした
20:32そう 帰ってきたの
20:37勝手なことばっかりして 本当にすいませんでした
20:42いっ
20:43ん
20:44ん
20:45ん
20:46ん
20:47さあ大勤 ママがやっと帰ってきましたよ
20:56大助ごめんねー
20:59えっ
21:01大助どうしたの
21:04しばらく会ってないからさえ忘れちゃったんじゃないの
21:07よしよしよし
21:08はいはい はいはいはい
21:09うしよしよし
21:11いいなよ
21:12こべらなくてもう
21:14入手してるよ
21:15大張のママなのよ
21:17うしよしよし
21:19パパ パパ
21:22あのー
21:23つかさは
21:25すいません、ボール取ってください
21:38ボール?
21:46行くわよ
21:47ありがとうございます
21:50エクボ?その声はエクボじゃないのか
21:54しばらく、つかささん
21:56そうか、やっぱりエクボか
21:58どうしたんだ、こんなとこで
22:00ええ、お使いに行った帰りに
22:02なんとなく遠回りしたくなっちゃって
22:04つかささんは?
22:07俺か?
22:08うん
22:09なんとなく子供の頃を思い出してた
22:13子供の頃?
22:17ガキの頃はここでよく遊んだもんな
22:19野球、サッカー、相撲
22:22もしかして喧嘩も?
22:26当たり
22:27やっぱり?
22:31あら、かわいいお花
22:33赤爪草だろ
22:38紫とピンクが混じったような花だ
22:40昔はよくは女の子は髪飾りなんかにしたもんだぞ
22:45ああ、そういえば
22:47今自分だと梅草も咲いているはずなんだが
22:50見えだらないか
22:51青い小さな花をつけている草だ
22:54咲いてるがいっぱい
23:01そうか、咲いてるか
23:03この辺りはいろんな花が咲くんだ
23:07春はタンポポ、スミレ、アザミ
23:10夏はツイクサ、ツメクサ、ネジバナ
23:14時にはどこからか飛んできたヒマワリの種が根を下ろして
23:18大きな花を探せることもある
23:19そして秋には真っ赤な彼岸花だ
23:23つかささんってずいぶんお花に詳しいのね
23:27柄にもないって言いたいんだろう
23:29そんな
23:29いいんだよ
23:31本当に
23:32俺は柄にもなく昔から
23:35こんな草花の類が好きだった
23:37誰に育てられたわけでもない
23:40誰にも気づかれず終わってしまうかもしれない
23:42それなのに
23:44こいつらを一生懸命咲いてる
23:46そんな姿がたまらなく好きでな
23:50どうしたんだ
23:53あんまりイメージと違うこと言うんで
23:57びっくりして声も出ないんじゃないのか
23:58ううん
23:59つかささんが陶芸に打ち込み気持ちが分かったような気がするわ
24:03あなたの草花は愛おしみやさしい気持ちと
24:07陶芸を愛する気持ちはどこかで繋がっているような気がするわ
24:11つかささん
24:14きっとこの草花たちの色を陶器の上に焼き付けたいと思っているんでしょう
24:19違う
24:20そうかもしれんな
24:22だが今の俺には
24:26二度とこの目で見ることは
24:29ごめんなさい
24:30バカ何謝ってんだよ
24:33気にするな
24:35たとえ見ることはできなくても
24:38俺はいつだって
24:39こいつらの色や姿を
24:42頭の中に思い浮かべることができる
24:43たぶん
24:45現実に見るよりもっと鮮やかな
24:48ところで磯崎とは仲良くやってるのか
25:01え?
25:02ええまあ
25:03そうか
25:04それは良かった
25:06でも彼相変わらず忙しくて毎晩遅いし
25:10文句言うんじゃない
25:11お前のために一生懸命働いてくれてるんだ
25:14そうだろう
25:15好きな男と一緒になれて
25:18贅沢いったらバチが当たるぞ
25:20どうした?
25:25何か気にされること言ったか
25:27あなたは幸せなの
25:29え?
25:31昨日カオルさんに会ったわ
25:33カオルさんね
25:36今でもあなたのことを
25:37さてそろそろ仕事に行くか
25:41スカサさん
25:42カオルと俺のことはほっとけ
25:43お前は磯崎のことだけを考えていればいい
25:46いいえ
25:47私黙って見ていられないの
25:49だってあなたたちあんなに愛し合っているのに
25:51えくぼ
25:52世の中にはな
25:54愛し合っていても一緒になれないものだっているんだ
25:57違うわ
25:58少なくともあなたとカオルさんは
26:00一緒になるのを怖がってるのよ
26:02怖がってる?
26:04そうよ
26:04自分の気持ちに嘘をついてるんだわ
26:07えくぼ
26:07違うと言い切れる?
26:10このまま愛し合うことがなくても
26:11後悔しないと言い切る自信があるの
26:14お父さん
26:32そろそろ司さんが
26:34分かりました
26:38どうもありがとうございました
26:43ありがとうございました
27:13この土は誰が
27:34あのそれ私が
27:38そうですか
27:39まだ完全に寝れてませんね
27:41どうもありがとうございました
28:11ご視聴ありがとうございました
28:13ご視聴ありがとうございました
28:41かおるとつかさの
28:46すれ違いの日々が続いた
28:48ご視聴ありがとうございました
28:50ご視聴ありがとうございました
28:53ご視聴ありがとうございました
28:58ご視聴ありがとうございました
29:00ご視聴ありがとうございました
29:03ご視聴ありがとうございました
29:33ご視聴ありがとうございました
29:35ご視聴ありがとうございました
29:36ご視聴ありがとうございました
29:40ご視聴ありがとうございました
30:10ご視聴ありがとうございました
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30:12ご視聴ありがとうございました
30:17ご視聴ありがとうございました
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30:19ご視聴ありがとうございました
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30:24ご視聴ありがとうございました
30:25ご視聴ありがとうございました
30:26ご視聴ありがとうございました
30:27ご視聴ありがとうございました
30:28ご視聴ありがとうございました
30:29ご視聴ありがとうございました
30:30ええええええ
30:34つゆくそ
30:38me
30:42me
30:51ママ見て これが私の作品第一号よ
30:55とっ なかなかのもんでしょ
31:00持っています
31:07持っています
31:18いけるいける カオルは今幸せであった
31:24つかさとかを合わせることもなくすれ違う日々の中で
31:29それでも同じ世界に身を置いているという重則感が
31:34カオルの心に安らぎを与えていたのだ
31:38だが その幸せも長くは続かなかった
31:43カオル カオルいるんでしょ
31:46けいこさん
31:48つかさはどこ どこに隠したのよ
31:53どこどこなのよ
31:57なんて乱暴なことするのよ
32:01つかささんが一体どうしたっていうのよ
32:03とぼけないんだよ
32:04ゆうべから帰ってきてないのよ
32:06何ですって
32:07ここに泊まったに違いないわ
32:09待ちなさい
32:11あなたが勝手に部屋を探す権利はないわ
32:14うるさいわね
32:15妻が夫を探してどこが悪いのよ
32:17つかさどこよ
32:19いるのは分かってるのよ
32:20出てきなさいよ
32:27はいみぞはです
32:29お姉さん
32:31そう
32:33けいこさんやっぱりお宅へ
32:35うーん違うの
32:37電話じゃなんだからすぐそっちへ行くわ
32:40いないわ
32:46いるわけないでしょ
32:48初めから来てないんだから
32:54ねえ訳を話してよ
32:56つかささんなぜ家を出たの
33:00土を取りに行くって出かけたのよ
33:02土?
33:03陶芸に使う土よ
33:05前にもどっかの山で気に入った土が見つかったって言ってたからね
33:09てっきりそこだと思ったんだけど
33:12目の不自由な人を一人で行かせたの
33:15だって一人で大丈夫だって言うんだもの
33:17それに私は大輔の面倒
33:22よしよし
33:24泣かないで
33:26それで
33:27夜になっても帰ってこなかったわ
33:30そして朝になっても
33:32だから私てっきりあれば口実であなたのとこに泊まったものだと
33:37馬鹿なこと言わないでよ
33:39あなた自分の夫がそんなに信用できないの
33:42信用しろっていう方が無理じゃないの
33:45確かに今度帰ってきたときは
33:47以前より優しい態度で接してくれたわ
33:50でもそれはあくまで表面的なもので
33:53内心はあなたのことを思い続けてることは分かってたのよ
33:56全くよくなったね赤ちゃんにあたっても仕方がないでしょ
34:02何を偉そうにそんなに可愛いんだったらあげればよ
34:06何ですって
34:07この子さえなければ私はもっと自由になれるのよ
34:11けいこさん
34:12愛もないのに愛し愛されるふりをする暮らしなんてもうまっぴらよ
34:16私の一瞬はこんな子供に縛られた目にあるんじゃないわ
34:21けいこさん
34:23この子をいたまま
34:44本当になんて人でしょう
34:46あのう
34:48つかささんはなぜ急にそんなところへ土を取りに行く気に
34:53ええ
34:55それなんだけど
35:00その湯の海
35:03かおるさんもしかしてそれ
35:06あなたが作ったんじゃ
35:09そう
35:11やっぱりそうだったの
35:14あなた
35:16長谷川先生のとこ行ってらっしゃるのね
35:20ごめんなさい
35:22でもつかささんとは会ってません
35:25時間を違えて絶対に顔を合わさないようにしています
35:29つかさは知ってたんだわ
35:31何ですって
35:32つかさ目が不自由になってから
35:35今まで以上に鋭い感覚で物事を見分けるようになっていたわ
35:40そういうあの子はたとえ顔を合わせなくても
35:45あなたの存在に気づいてたに違いないわ
35:50つかさはあなたに最高の土をプレゼントしたいと思ったんじゃないかしら
35:55それじゃあつかささんは私のために
35:58警察に捜索願い出してくれば
36:00お姉さん
36:02しばらくこの子願いね
36:07かおるの心に激しい後悔の念が吹き上げていた
36:12もしつかさの身に異変が起きたら
36:16その責任はすべて自分にあるのだ
36:28だいちゃん
36:30パパ大丈夫よね
36:32あなたのパパ
36:34きっと無事でいるわよね
36:36パパ大事
36:38その責任は
36:52ああ
36:54おめでとう
36:56おう
36:57日本
36:58配布
36:59んです
37:01どうして
37:02ご視聴ありがとうございました
37:32ご視聴ありがとうございました
38:02ご視聴ありがとうございました
38:32ご視聴ありがとうございました
39:02ご視聴ありがとうございました
39:32ご視聴ありがとうございました
40:02ご視聴ありがとうございました
40:32ご視聴ありがとうございました
41:02ご視聴ありがとうございました
42:02ご視聴ありがとうございました
43:02ご視聴ありがとうございました