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00:00天気予報やGPS、今や当たり前のように利用している情報は人工衛星のテクノロジーで支えられている。
00:09現在までに世界で2万機以上が打ち上げられてきたが、その多くは各国の研究機関によるものだった。
00:20そんな中2013年たった12人の日本のスタートアップが民間企業としては世界初となる商業目的の超小型衛星を開発し宇宙空間に送り込んだ世界初なんだ快挙を成し遂げたのが東京・日本橋に拠点を置くアクセルスペースだウェザーニューズ向けの小型衛星の開発から始まり2019年にはJAXAから依頼を受け
00:49日本のスタートアップとして初の政府衛星を開発。
00:55その後も4機同時製造で日本初の量産事例を記録するなどこれまでに10機の小型衛星を開発し実際に宇宙で運用してきた。
01:07経験も積んで。
01:09そして宇宙から撮影した画像は地球観測やインフラ管理災害状況の把握などに活用されている。
01:19現在およそ170人規模の組織へと急成長を遂げ、外国籍の社員もおよそ3割を占めている。
01:33このメンバーを率いるのが東京大学大学院で人工衛星の開発に取り組んできた中村代表だ。
01:43この日特別に開発現場を見せてもらった。
01:49こちらが我々が開発している小型の人工衛星の本物になります。
01:55あっこれがそうなの思ってたより小さいか人工衛星のサイズっていうのはこれが一般的なんですか政府が作るものですとまあバスぐらい何トンってあるような大きなものまでいって我々はこの100kgから200kgまでの小型衛星というのが主力ですねアクセルスペースが作った最新の小型衛星高さ126cmで幅96cmとエレベーターにも乗せることができるんですよ。
02:25えーちっちゃ。
02:27近年人工衛星の小型化が急速に進んでいるそうでそのメリットが。
02:34最近宇宙ベンチャーでロケットを作っているところも結構出てきてるんですけどそうすると小さいロケットだったりしますね。
02:41なので小さいロケットでも十分打ち上がりますしあるいは大きいロケットだったら相乗りをするんですね。
02:48小さいロケットがたくさんまとめて打ち上げるということをやってまして、我々もこれまで相乗りで打ち上げてもらったことが何度もあります。
02:57さらに専門家によると小型化にはこんなメリットもあるそうで。
03:03小型衛星の特徴の一つはこれまでの衛星に比べて大体100分の1ぐらいで作って、で打ち上げ費も相当安いんでね。
03:12地球観測の世界を民主化するっていろんな人がこの世界で何かビジネスをしようということを可能にする。
03:18これまでは高すぎてちょっとこれ入れないねと思ってた企業もいっぱい入ってくるっていうね。
03:22これがむちゃくちゃ大事でその世界は明らかにアクセルスペースは切り開いたと思います。
03:27小型化がもたらす宇宙ビジネスの民主化。
03:31アクセルスペースの衛星はさらに性能も進化させている。
03:36真ん中の右端になんかちょっと穴開いてるところが見えると思うんですけど、大体この人工衛星って寿命大体5年っていうふうに設定してるんですけど、使い終わった後、ほっといたらゴミになっちゃいますよね。
03:49これを防ぐためにあそこから実は膜がバーッと広がるんですね。
03:55膜を広げることで早く高度が下がり大気圏に到達すると燃えてなくなる。
04:01これによって他の衛星への衝突事故の危険性を減らすことができるのだ。
04:08そして衛星が地球観測に必要な写真をより正確に撮るための最重要項目が。
04:16向きたい方向にきちんと向いて撮影している間は動かないっていうのは結構大事なんですよ。
04:23え?なんでこうやって回ってんじゃないの?だって。
04:26聞くと一見簡単そうに思えるが、衛星は地球の周りを一周およそ90分で動いている。
04:34そんな速度にもかかわらず、ピンポイントかつ正確な撮影ができるわけとは。
04:40確かに。
04:41中に高速で回転するコマみたいなのが入っていて、その回転スピードを変えることによって、実は衛星の動きを精密にコントロールすることができるんですね。
04:54独自の姿勢制御技術によって衛星は動きながらでも姿勢を変幻自在に変え、撮影したい場所をより正確に捉えるそうだ。
05:05アクセルスペースはこの小型衛星の受注生産から運用までを一括で受け負っていて地球観測データを入手したい民間企業が専門知識を持たずとも衛星を所有できるというわけだ。
05:20しかもこの衛星利用目的に適したカスタマイズもできるという。
05:27基本的な部分の設計っていうのは同じにしておいてで撮影したいとか通信したいとか目的によって変えたい部分だけ変えるとそのお客さんの衛星になる。
05:41いわばセミオーダーメイド。
05:45従来の衛星開発では顧客の要望に対して一から設計を行っていたため2、3年かかっていたが、この衛星を使えば最短1年で作れるようになったそうだ。
05:57でも最短1年がかんだね。
05:59アクセルスペースでは現在運用中の5機で撮影した衛星画像を企業や自治体などに提供するサービスも行っている。
06:11当社は5機で運用しておりますので2、3日に1回同じ地点を観測できるので例えば他社の人工衛星によって撮られているグーグルアースで大阪駅を見ると写っているのは1年以上前の景色なるほどしかしアクセルスペースなら2、3日に1回最新の姿が見られるというわけだ。
06:39さらに。
06:41弊社の衛星ですと例えば東京で見ますとディズニーランドから八王子までを1回で撮影できるので幅広くたくさんのものを見たいというお客様にはご利用いただいているという状況ですね。
06:54望遠レンズで広範囲をカバーし5機体制で高頻度に観測。その特性を生かしさまざまな分野で利用されている。その一つがおよそ1190の島からなるモルディブの国土調査だ。
07:13モルディブは気候変動の影響でいろんな問題に直面しています。
07:20そこで宇宙からの画像を使えば島の海岸線がどう変わったかを理解できると考えています。
07:27地球温暖化により海面が上昇しモルディブの島々が浸水する危険性が高まっている。
07:35そこで毎月アクセルスペースの衛星画像を使って海岸などに異常がないか確認しているそうだ。
07:42以前はドローンを使ったこともありましたが非常に狭い範囲しか撮影できませんでした。
07:51しかもドローンを飛ばす方が費用が高くなっていたんです。
07:57人工衛星を使えばモルディブ全域をほぼ毎月カバーできますし、こっちの方が費用対効果の高い選択肢ですね。
08:09他にも農業現場でもアクセルスペースの衛星画像が活用されている。
08:16ndviと言われる近赤外の情報を使っているので収穫時期の判断に適していますし、品質の高い時期に収穫することで農作業の効率化とかそういったことができると考えています。
08:33人工衛星は人の目では見えない近赤外線を捉えることができる。
08:40植物が元気なほど近赤外線の反射は強くなり弱ると反射も減る。
08:46この性質を使って生育状況を把握できる仕組みだ新しい農業従事者を入れるという点ではこうやった衛星を使うことで管に頼ることなく数値情報をもとに生育状況を確認できると。
09:05幅広い分野から期待が集まるアクセルスペースの人工衛星4月の記者会見で新たな試みが発表された。
09:16来年ですね次世代の地球観測衛星我々ブルース3という名前にいたしました。これを7機同時に打ち上げるということになります。これによって1日1回ですね世界中モニタリングできるような体制に近づくということになります。
09:37これまでは2、3日に1回だった撮影頻度が今後は地球上のどこでも1日1回の撮影が可能になる。
09:47中村代表が掲げる今後の展望とは。
09:51まだ人工衛星って我々からすると非常に遠い存在だと思うんですけれどもこれからより早くより安く衛星を作れるようになることにあってその衛星から生み出される価値をいろんな地上のサービスに組み込んでいったりということができるようになってくると思います。
10:11我々衛星というものを特別なものではなくて本当にありふれた普通のものにしていきたいと思っていて行ってみれば例えば鉄道とかですね高速道路みたいな社会ウフラの一部として人工衛星を捉えることができるような時代というのがきっとやってくると思っていて我々はそれに貢献していきたい。
10:32おはようございます。東京テラスです。よろしくお願いします。
10:35よろしくお願いします。そして中村さんよろしくお願いします。
10:38よろしくお願いします。
10:40すごいですね。映像見てたら例えば農業で言ったら無駄足がなくなるってことなんですかね。
10:47そうですね。例えば日本だとどうしても畑が小さいので自分で見に行きますよっていう人も多いんですけど、例えばオーストラリアとか地平線の果てまで自分の畑だとそうすると歩いて見て回れませんよね。
10:59そうか。
11:00で飛行機使ってる人たちも多いんですけれども、やはり衛星使う方が実は安上がり。一気に広い範囲をモニタリングできますので。
11:08じゃあ例えばグーグルアースとかだとズームにしたらもう家の一軒家の屋根まで見えるじゃないですか。
11:14はい。
11:15そこまで細かくはないけどもその分広い範囲のものを高頻度で撮っていくっていうことなんですか。
11:21はい。グーグルアースの場合って確かにズームしていくと細かいところまで見えますけど、途中で衛星画像から航空写真に切り替わるんですね。
11:31そうなんだ。
11:32で、あまり細かく見すぎるとですね、それこそ航空写真とかドローンの方が有利になってきますから、衛星にしかできないことを我々はやっていこうという趣旨ですね。
11:43災害時とかにも活躍しそうですよね。
11:46はい。災害時なんかは特に地上のインフラがダメージを受けているケースがありますが、宇宙空間の場合ですとそこは影響を受けませんので、いち早く上京を知ったりするというところにも使えますね。
11:58で、実際に最近起きましたのは、岩手県大船渡市の山火事ですね、ですとか、昨年の能登半島の大地震でもですね、撮影しまして、どのあたりが燃えているかというのが分かるじゃないですか、こういったものを、例えば消防ですとか、自治体に提供することによって、避難誘導ですとか、消火活動に直接役立てていただくと。
12:21他にも違法伐採が深刻なアマゾン地域では衛星画像を使って監視が行われている更に地図の作成にもアクセルスペースの衛星画像がひと役買っている雲に覆われた場所も繰り返し撮影を行うことで雲のないクリアな画像を提供しているのだ個人的に画像を買うとかっていうことはできるんですか?
12:51これいくらくらいで買えるものなんですか?
12:561枚だいたい、撮影リクエスト含めて10万円ぐらいからと。
12:59もっと高いと思いました。
13:01昔ですともう一桁高かったんですけど。
13:04あ、そんな違ったんですか?
13:06はい、だいぶ安くなりましたよね。
13:07それ安くなった理由っていうのは?
13:10それは民間の小型衛星で十分な品質の画像が撮れるようになってきたということと、やっぱりスタートアップがどんどん入ってきて、
13:18より良いものをより安く早く提供できるというようになってきたところが大きいかなと思います。
13:24アクセルスペースさんは衛星を作っているだけであって、飛ばしてはいないんですよね?
13:30ロケットは我々は作っていないので、これはロケット屋さんにお願いする必要があります。
13:35人工衛星を飛ばす手続きっていうのは?
13:38はい。人工衛星って作れば打ち上げられると思っているケースも結構あると思うんですけど、実はすごく大変で、
13:45宇宙活動法という法律があってですね、政府の認可を取らないといけないんですね。
13:50それから電波使えますから、電波の使用のライセンスですね。
13:55これ国内でも取らないといけないですし、世界でも取らないといけないんですね。
13:59基本的には打ち上げ日が先に決まるので、そこから逆算して、ここがそろそろ申請始めようかというような流れですね。
14:09完成してから打ち上げ日決めるんじゃなくて、打ち上げ日が先なんですか?
14:13ロケットって今打ち上げたい人がたくさんいて、予約がいっぱい埋まっちゃってるんです。
14:17埋まってるんですか?
14:19だから1年半くらい前に抑えないと、その枠なくなって売り切れちゃうんですね。
14:24五つ星の名店じゃないですか?
14:26そんな感じになっちゃうんですか?
14:30あとは打ち上げ失敗とかですね、そういうリスクをゼロにはできませんので、我々は保険をかけたりします。
14:37宇宙保険?
14:38宇宙保険。これは保険会社が提供するサービスですけど。
14:41僕らが知ってるような保険会社もあるんですか?宇宙保険って。
14:43やってますよ。
14:44やってるんだ。
14:47人工衛星の開発から運用、そして宇宙保険まで。
14:51宇宙ビジネスに必要な幅広い知識と技術で、自社の衛星を持ちたいという企業を全面サポートするアクセルスペース。
15:01学生時代から人工衛星の開発に携わっていた中村代表そこからどのようにして起業に立ったのかこれが大学時代に最初に経験した衛星の第一歩のプロジェクトだったんですね。
15:22こんなちっちゃいんだ。
15:24アメリカに持って行ってですね、ロケットであれ打ち上げてますよね。これ見てみると分かります通り、これ空き缶ですね。
15:30空き缶。
15:31飲んだ後、なんかくり抜いて、その中にバッテリーとかコンピューターとか通信機入れて、人工衛星みたいなものを作った。
15:39これを最初に作って、人工衛星ってこうやって作るんだっていうことを学んで、その後本当に宇宙に行く人工衛星プロジェクトに移りました。
15:50その後、大学院で当時世界最小の人工衛星を開発。
15:56小型の人工衛星に大きな可能性を感じた中村代表は、大学院を卒業後すぐに起業を果たした。
16:07会社としてはもうお金かかって、どうやっていったんですか。
16:11一番最初、我々2008年に創業してるんですけども、当時ってまだ宇宙ビジネスっていう概念があまりなくて、政府が宇宙開発をしているっていう段階だったので、
16:24なかなかそのベンチャーキャピタルからお金を集めたりということが難しかったんですけれども、
16:30幸いなことにウェザーニューズという会社が北極海の交流を見たいっていうことを考えていて、
16:38それであれば小さな衛星でも十分できるよということでお話を始めまして、
16:43最終的にじゃあ自社の衛星を持とうじゃないかというふうに決めてくださった。
16:48これをもって我々起業できたんですね。なので、受託からスタートしてます。
16:53ウェザーニューズは北極海を通れば、ヨーロッパやアメリカ東海岸へ大幅な近道になることに注目。
17:01しかし、氷の状況によっては通れないリスクもあった。
17:06そこで中村代表が開発した小型の衛星に興味を持ち、ビジネスが始まったそうだ。
17:13これはでもどんどんどんどんやっぱりはまっていきますね。
17:17生開発って長い時間かかるじゃないですか。
17:20不具合とかもたくさんある中で、本当に手こずらされて頑張って作って最後打ち上げ。
17:26これがやっぱりすごく感動するというか、その後衛星が信号を送ってきてくれるっていうのが、
17:32やっぱり衛星エンジニアしかやっぱり経験できない感動体験というか、これが癖になって結構のめり込んじゃうエンジニア多いですね。
17:42人工衛星による高頻度の撮影から開発運用までを手がけるアクセルスペースそんな彼らが途中産業の発展に向けて動き出した今後もしかしたら僕らだってね衛星を通したお仕事をする可能性だってありますもんね
18:03アクセルスペースが去年から新たに始めたサービス。それが。
18:13宇宙用の部品作る人たちって今結構増えてきてるんですね。自動車とか航空機とかやっていたメーカーが衛星向けあるいはロケット向けの部品とかを作りたいって言い始めるケースが出てきていて、
18:26ただそれをやるためにはこのまず宇宙で動かしたよっていう実績がないといけないのでその機会を提供するサービスです。
18:35人工衛星やロケットの部品が宇宙で正常に動くか確かめるためのサービス。それがアクセルライナーラボラトリーだ。
18:44普通はお客さんの例えば望遠鏡を1個ボンと入れるっていうイメージなんですけど、この中を部屋に仕切ってですね、その部屋ごとに異なるものを入れるバージョンっていうのも考えてまして、部屋で区切るので、1個あたりの価格は安くなりますので、だからコストを抑えながら、宇宙で動かした実績っていうのを得ることができます。
19:09これで宇宙のワンルームマンションみたいなもんだもうこの仕組みの活用を決めたのが長野県の信濃健市ここは精密モーターやロボティックス製品を手掛けるメーカーで5年前から宇宙産業にも本格的に乗り出したという私たちは人工衛星の向きを精密にコントロールするリアクションホイールと呼ばれる機関部品を開発制度しています。
19:37宇宙ならでは減少であるとか、基本的に行ったことない業者さんは私たち含めて非常に知見が弱いので、そのあたりはかなり頼りになりますよね。
19:49ロケットや人工衛星の部品の実証実験はJAXAでも行われているそうだが競争率が高かった。
19:58ただ、アクセルスペースの仕組みを使えば早期に実証ができるそうだ。
20:04日本とか世界での実証を加速すると、部品の標準化というのが進んでいくと思うんですよね。
20:10今はスペースX独り勝ちみたいな状態になっているので、彼らは割と部品内製しているんですが、これから宇宙がもっと発展してくると役割分断ができてくると思うんですよね。
20:20当然数が増えてくると、1個1個の部品をカスタマイズで作っていたらお金がかかっちゃうので、できるだけ標準化して活用すると。
20:29そのために今回のアクセライダーのモラトリーというのは非常に大きな役割を持っているんじゃないかなというふうに思います。
20:36いろんな企業さんに使ってもらうことで、中村さんの頭を超えたビジネスにどんどんなっていく可能性ありますね。
20:44そうなんですよ。やっぱり宇宙をずっとやっていると、宇宙ってこう使うもんだよねっていうステレオタイプみたいなのができちゃうんですけど、そうじゃない人がどんどん入ってくることによって、もっと自由な使い方が出てきて、利用の幅が広がる。
20:58これがこの産業の発展につながると思っているので、これが宇宙となるとすごく難しいことをしなきゃいけないって思うと思うんですけど、
21:06それだけじゃなくて、もっと楽しい音でもいいじゃないと私は思ってまして、何かこのマスコットのキャラクターを宇宙に持っていきたいんだと。
21:15そういったニーズもですね、応えられるようなサービスに将来的にしていきたいと思っていますね。
21:20宇宙にマスコットを持っていったらどうなるんですか。
21:23例えばカメラとか積んで、地球の背景に何か踊らせてみたのを動画で撮るとか。
21:33そんなこともできるんですか。
21:34そういったこともできます。
21:36逆にそんなオファーも来てるんですか。
21:38そういうニーズはすごくたくさんあります。
21:40まだ価格とマッチしないところがあって、空間を相乗り共有して他の人とコストをシェアすることによって、もしかしたら成立するようになるかもしれない。
22:22万博をきっかけに日本とポーランドで描く場所をシェア。
22:26ポーランドの政府から連絡が来て、詐欺的な要素じゃなくて。
22:33同じ話をしました。
22:35ご視聴ありがとうございました。
22:37ご視聴ありがとうございました。