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ショートトランスクリプション
00:00ん 父公平の失踪により純子の運命は大きく狂い始めた
00:08車椅子の生活を余儀なくされた高子を抱え苦悩の毎日を送る純子 そんな生活の日々が
00:17純子の心臓を致命的に悪化させていった こんなに進んでいたとは
00:24父はこのままの状態が続けば あと2年だろうって言ってました
00:312年
00:46行こうか
00:49はいっ 公平の残した借金のために店を手放
00:54さざるを得なくなった高子と純子はどこへ行こうとするのであろうか
01:01果たしてどんな生活が2人を待っているのか 背後に迫りつつある死の足音に純子はまだ気づいていない
01:12先生 加賀純子はあと2年っていうのは
01:16確実なんでしょうか広沢くん 特発性心筋症という奴は遺伝的要素が強いということ以外
01:23まだその原因すらはっきりつかめていないという難病だ その辺のことは君だってよく
01:30知ってるはずだがねぇ 心臓移植人工心臓という手があると言えばあるが
01:37日本じゃまだまだ倫理面で問題が多いということは君だってよく承知のことじゃないか
01:42まあすぐに入院させて絶対安静を保ち 我々の管理のもとで生活をするなら
01:505年や7年は生きられるかもしれんな 気の毒だが
01:56感知ということはない まあいずれはねぇ
02:04まあそれはさとき広沢くん 代わりのやつ
02:08どうやら神速を君を好いているようだ 代わりの気持ちも考えてやってくれんか
02:14あいやだわお父さんだったらこんなとこで 君の将来のこともいろいろと考えているんだ
02:22まあ頼むよ はい
02:26じゃあ 失礼します
02:36愛する者の命があと2年と知った今信行は 医者という立場を忘れ動揺する心を抑えかねていた
02:47あのー ここどうなんですか
03:00スナックに改装するのじゃ スナック?
03:03かがさんがですか? いやいや 前の持ち主確かかがさんって聞いたけどね
03:08銀行ローンが払えなくて手放したらしいぜ ほらそれ違うんだそこほら
03:12それで かがさんはどこへ? 聞いてねーなー
03:16ん
03:19ん
03:20ん
03:22ん
03:24ん
03:26ん
03:28ん
03:30ん
03:32あああああああああ
03:37お母さんお父さんあのちょっと
03:40すいません
03:43あのね 純子のことが心配で かがさんのところへ電話してみたんですよ
03:49そしたら 変なんですよ
03:51変?
03:52えー 電話局がね この電話番号は使われていませんですって
03:56はっはっはっは 電話番号間違えたんだろうお母さんすごくしいから
04:00いいえ 5回も6回もかけ直してみたんですよ
04:03うーん
04:05うーん
04:06あなたがおかけになった電話番号は現在使われておりません
04:23番号をお確かめに
04:25ほんとだ
04:26ねえ どういうことなんでしょう一体
04:29うーん
04:31まさか また何かあったんじゃないでしょうか
04:33うーん
04:34やあ 君たち
04:36すまんが 少しだけ時間をもらいたい
04:38すぐに すぐに帰ってくるから すぐに
04:40お母さん
04:41お母さん
04:44またこれだ
04:45困ったもんだな 町長にも
04:47何かと言うと 東京 東京 娘 娘だ
04:50孔子 近藤と言うべきだな
04:55はい 私だ 何か分かった
04:58あ
04:59失礼しました 川田さんですか
05:03ええ そうなんです
05:05店を手放したようなんですが
05:08いや
05:09行き先は私にも
05:12ええ
05:13心配なものですから
05:15手の空いている学生に探してもらっているんですが
05:18今のところ何も
05:21分からないんですか
05:26三上先生
05:27あのほら 純子のあのお芝居の先生
05:29ああ そうだ
05:30あ 三上スタジオ
05:33一 二 三 四 五 五 五
05:37あなた
05:38はい
05:40おはよう お電話
05:41こっちに回した
05:48あい三上です
05:50川田さん
05:52ああ 純子の
05:54何ですって
05:59純子の行方が分からない
06:00何かご存知かと思いまして
06:04ご存知ない
06:06そうですか
06:08いやいや 私どもも何が何だかさっぱり
06:12はっ
06:13よろしくお願いいたします
06:14お願いいたします
06:23みんな
06:25すまんが今日はこれまでにしてくれ
06:27どうして
06:30どこいらっしゃるの
06:31加賀純子を探しに
06:33そうでしょ
06:35確かあの子
06:37ここを辞めたはずじゃなかったかしら
06:39三上スタジオとも
06:41あなたとも
06:42何の関わりもなくなったあの子を
06:45どうして探さなきゃなんないのかしらね
06:47分かってるのよ私には
06:51なぜあなたがあの子を探したいか
06:54あなたはあの子に惚れてる
07:02そうでしょ
07:04馬鹿なこと言うな
07:06うろたえるところが怪しいわ
07:08ねえみなさん
07:1210年のロリコン趣味
07:14よくあることだわ
07:17つまらんこと言うなよ
07:19演出家が素質もある役者の卵に売れるのは当然
07:22それだけだ
07:23あの子本当に素質があるのかしらね
07:26私にはただの田舎者にしか思えないけど
07:30俺の目に来るよね
07:35あなた
07:36あなた
07:44みなさん
07:46三上は何としても加賀潤子を連れ戻す気よ
07:50いいのそれで
07:52奥様私たちだって困ります
07:55人殺しの上強盗までするような人の娘がいなくなってほっとしてるんですから
07:59あんな人と一緒だったら私たちまで変な目で見られるものね
08:03うちのお父さんそんな人がいるならやめろってそりゃありさいんです
08:07私のお母さんも
08:08ちょっとみんな
08:10それいくらなんでもひどいんじゃないの
08:12まだ純子のお父さんが人殺しや強盗したって決まったわけじゃないんだよ
08:16そんなの言い逃れに決まってるわ
08:17ひろみさんあなた純子がいなければスター候補になれるからそんな意地悪いいんじゃないの
08:21ちょっと
08:23いつ私がそんなこと言った
08:24そうでしょ
08:25やめてやめて
08:27ゆげさんだって
08:29本気で加賀潤子の言うことなんて信じてるわけじゃないわ
08:33同級生だからちょっとかばってみただけ
08:36そうよね
08:38ねえ皆さん
08:40私と手を結ばない
08:42手を結ぶってどういうことですか
08:44馬鹿だな分かってるじゃないか
08:46人殺しの娘を追い出そうっていうのさ
08:48本当ですか奥さん
08:50その通り
08:52うわぁ面白そう
08:54加賀潤子はあなたたちにとってはこの神聖なレッスン場を汚す害虫
09:02私にとっては夫にたかる害虫
09:05一緒に害虫退治しよってわけ
09:09こりゃ面白や
09:11やりましょうみんな
09:15はぁ
09:17はぁ
09:19はぁ
09:25はぁ
09:27はぁ
09:29そろそろ議員と会う時間だから
09:31はしゃいかんと
09:32おじさん
09:34お母さん
09:35待ってたんだよ
09:37純子が行方不明になったって本当ですか
09:39うん
09:40まあいろいろあったようだから
09:42一時身を隠したってことなのかもしれんのだから
09:45すげぇよっちゃん
09:47悪いんだけどすぐ東京に立ってもらえないかしら
09:49お願いすか
09:51うん
09:53わしらは役場の仕事で行けるのだよ
09:55わかりました
09:56わしらも明日は行くから
09:58お母さん役場行ってくる
09:59頼むよ
10:00いってらっしゃい
10:02よっちゃん
10:04あのー
10:08これ
10:09旅費とホテル代
10:11こっちは
10:12キャッシュカードが入ってんの
10:14必要なときは
10:16遠慮なく使うようにいって純子に
10:18はい
10:20それじゃ
10:21お母さん俺も
10:23お願いします
10:31町長は香川浩平という男を知ってますな
10:36知ってるんですね
10:37え
10:40まあ
10:42殺人犯で強盗働いた男と地方自治の現場の責任したたる町長が
10:47こういうがあるというのはどういうことなんだ
10:50加賀浩平とはどういう関係なんです
10:55まさか強盗殺人犯をかくまったり逃亡の手助けをしてるんじゃないでしょうね
11:00違う
11:01それは違う
11:03確かに
11:05純子のいや
11:07娘のことで加賀さんと会い話をしたことはあります
11:10しかし
11:12囲まったり逃亡の手助けをしたことなど一度もありません
11:15町長
11:16なきゃいいってもんじゃないでしょう
11:18地方行政を司る個人が
11:21そんな疑いを受けるってだけでもこれ問題ですぞ
11:23この際きっぱりと辞任したらどうなんですか
11:26辞任
11:27辞任
11:28何なら葬儀会にリコール請求しましょうか
11:30辞任
11:42全て
11:44私の不得の致すところです
11:48出身身体は
11:50自分で決めます
11:5117年前の出来事が思わぬところに思わぬ形で波及していたのである
12:02禅之助は今更ながら
12:06地吹雪の吹き荒れる夜
12:08雪の中で泣いていた純子の背負った運命の過酷さに胸が痛んだ
12:12あ
12:14あ
12:15あ
12:16あ
12:17あ
12:18あ
12:19あ
12:20あ
12:21あ
12:22あ
12:23あ
12:25あ
12:26あ
12:27あの世順子を助けなければこうはならなかったかもしれない
12:31もしれない だっ
12:34人間としてそんなことはできない 善之助に後悔の念はなかった
12:41蝶々の座への未練もまたまるでなかった あるのはただ
12:47純子にのしかかる運命の十字架の重さを少しでも軽くしてやりたいという思いだけであった
12:56純子
13:04一体どこへ行ってしまったんだ
13:08純子
13:26純子
13:33純子
13:36純子
13:39純子
13:43純子
13:46純子
13:52純子
13:55純子
13:56純子
13:57純子
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13:59純子
14:00純子
14:01純子
14:02純子
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14:07純子
14:08純子
14:09純子
14:10純子
14:11純子
14:12純子
14:13純子
14:14もったいないよ昼間から そうね
14:19でお母さんお腹空いたでしょ すぐ作るからね
14:27どこ行ったの今日 買い物
14:31それから区役所の出張所 転入手続きや新証書手帳の申請までだったから
14:39新証車か
14:43おたか姉さんも邪魔ないね お母さん弱気はダメよ
14:48元気出すって約束したじゃないの リハビリにせいだ車歩けるようになるんだから
15:01さっきねー 何
15:05あんたが出かけた後 一人ぼっちで寝てたら
15:11なんだかもう純子ちゃんが帰ってこないような気がして
15:16何言ってるのよお母さん
15:19私の家はここよ
15:22ここしか帰るところはないのよ
15:25嫌よそんなこと言っちゃ
15:27あんたはまた私を安心させようとして 気を使って
15:32よく言うじゃない 一度都会の生活を味わってしまうと
15:38もう田舎暮らしはできないって
15:40あれ本当ね 私はもう都会人になっちゃったのね
15:45それじゃあ
15:48あんたずっとここにいてくれるのね
15:50もちろんや
15:54頼むね
15:57あんたに行かれちまったら
16:00私一人ぼっちに
16:02そんなことないよお母さん
16:04ほら
16:05もう一人頼る人がいるじゃない
16:08え?
16:09加賀光平
16:11あなたの最愛の夫です
16:14待ちましょ
16:20二人で
16:21ここでお父さんが帰ってくるの
16:24純子ちゃん
16:26さあ
16:28おいしいご飯作るからね
16:30お母さん
16:35水戸
16:36火鍵
16:37お父さん
16:38火鍵
16:40お父さん
16:41そしたら
16:43お父さん
16:44火鍵
16:45お父さん
16:46火鍵
16:47火鍵
16:48火鍵
16:49火鍵
16:50火鍵
16:51火鍵
16:52その頃
16:53航平は
16:54もはや逃亡生活に疲れ切っていた
16:57いった もうどうなってもいい
17:00いつを自主して警察の言いなりになってしまった方が気が楽かもしれない 何度そんな気になりかかったか知れない
17:09だぐっ その度に脳裏に浮かぶのは純子の顔であった
17:16どうもありがとうございました
17:20どうもありがとうございました
17:24またよろしくね お気を付けて
17:46焦るな あの女が独りになるのを待つのだ
18:00いつかは必ず
18:03そっちは先生 純子は高校も三上純一のスタジオも辞めちゃったんですか
18:22ああ 何か手がかりがないかと連絡してみたんだが
18:27どちらもとっくに辞めましたと言われたよ
18:29スタになるんだって
18:34ほんまにありきってたのに
18:37ちきしろ
18:40こんなことになるんだったら
18:44東京になんか来なきゃよかったんだ
18:47ぶなぐってでも起訴にいさせりゃ
18:52そしりゃ
18:54純子はずっとりの
18:56横取りされずに進んだんだ
18:59どうしたね
19:01別に
19:03吉戸君
19:06君の気持ちも分からないでもないが
19:10世の中
19:11そう思い通りにはならないもんなんだよ
19:14しかし
19:18偉いと思うな純子さんは
19:20過酷な運命にじっと耐え
19:25実に立派にやっている
19:28しかも
19:30常に他人の気持ちを考え
19:33その人のためになるように行動しようとしている
19:37心の温かい人なんだね
19:41先生
19:44先生は
19:47純子と
19:49僕は
19:51純子さんと
19:53いえ
19:58いいんです
20:00ただいま
20:03お母さん
20:03おかえりなさい
20:04お母さん
20:06純子のことも何か分かったか
20:08たった今
20:09よっちゃんからお電話があったんですけど
20:11そうか
20:14お母さん
20:26わしな
20:28ちょうちょをやめるよ
20:32なんで
20:33もしかして
20:36加賀さんのことで
20:38議員の中に口うるさいのが何人か言ってね
20:41リコールされてやめるなんてのも恥だ
20:44人間
20:45引き際が肝心だからね
20:48そうですか
20:50これで
20:52人口のことを心置きなく見守ってやることができるというもんだ
21:08三上純一
21:14その様子じゃ何もわからんらしいな
21:20そっちはどうですか
21:22いかん
21:24心当たり全部当たってみたんだが
21:27純子の奴どこへ来いちまったんだ
21:31三上先生も純子探してくれてるんですか
21:35あの子にもし何かあれば
21:39俺は
21:47じゃあ
21:49人口は俺の金の卵だ
21:52誰にも渡さん
21:54三上さん
21:56大事な話があります
21:59ちょっと待って
22:01失礼するよ
22:02はい
22:11俺だけサジキか
22:13えっ
22:14俺だってもうガキじゃねえんだ
22:17何
22:19純子はと2年しか生きられない
22:22本当かそれは
22:25残念ながら
22:27貴様
22:28医者として何か水落ちたな
22:30やめてくださいよ
22:32医者として
22:33できることは精神整備やりました
22:362年か
22:48そう
22:502年
22:522年
22:542年
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30:22お父さんのためにも元気を出さなきゃいけないわ ジュカちゃん
30:27あんたやっぱり奇想に帰りなさいそのほうがいいよ こんなところにいたらあんたまでダメになっちまうよ
30:32嫌です 私はお母さんと一緒にここでお父さんを待つわ
30:43もう一度
30:52うん
30:55頑張ってお母さん
30:59大丈夫
31:01ああ
31:04ああああああ
31:08ああああ
31:11お母さんどうぞ
31:12足を前に出して
31:15しっかり
31:19ああああ
31:22ああああ
31:24ああ
31:26ええええええ
31:30ああああ
31:37ちょっとかまさん
31:40はい
31:47と何度新端やってんのよ赤ん坊が目覚まったじゃないか すいませんどんな御殿に住んでたか知らないけどこういうところは壁一つでそれもペナペナのベニヤ板の壁一つで隣は他人の家なんだよ
32:02少しは隣近所のことも考えてくれなく困っちゃないか 今度こんなことがあったら大谷に掛け合って出てってもらうからね
32:17怒られちゃう
32:20こういうところで暮らすっていうのも 結構難しいもんねー
32:25まいったまいった
32:28ごめんね純子ちゃん えっ
32:33ちょうちょうさんのお嬢さんとして 何不自由なく暮らしてたんたに
32:40こんな暮らしさせなきゃならないなんて
32:44ごめんねー 何言ってんのよお母さん
32:50私平気よ ゴミのことだって今のリハビリのことだって気が回らなかった私の方が悪いの
32:58隣のおばさんが怒るのが本当なのよ
33:02でもだんだん慣れればうまくやっていけると思う
33:06でもさ そんなあんた見てるのが辛くて
33:13じょうこちゃん 許してね
33:18このアッシャー動きは何とでもするんだけど
33:23だったらリハビリしなきゃ
33:33だったらリハビリしなきゃ
33:48そしたら歩けるようになるわ
33:51そうなったらお母さん また思いっきり甘えちゃうから
33:55じゅんこちゃん
33:59さあ もう一頑張りリハビリしましょう
34:02今度は表でね
34:08はーい
34:09ねえお母さん ちょっと待ってて
34:18じゅんこ
34:19じゅんこ
34:20どうしたんだじゅんこさん
34:23表で話しましょう
34:26おい
34:27じゅんこ
34:28じゅんこ
34:29じゅんこちゃん
34:31前之助 秋子 信行 芳との4人は
34:35前之助 昭子 信行 芳人の4人は
34:58各々の思いを込めた目で純子を見つめていた
35:02この純子の命が2年後には
35:064人が胸に秘めた思いは言語に絶する辛く苦しいものであった
35:13だが純子本人は4人の眼差しに秘められた思いの本当の意味をまだ知らない
35:21ねえみんなどうしてそんな目で私を見るの
35:27お父さん
35:28お母さん
35:32広沢先生
35:37ねえよっちゃん
35:40そりゃあ
35:45私の暮らしがあんまり変わってしまったので驚いてるのは無理ないけど
35:50だからってそんな憐れんぶような目で見ないでよ
35:54純子違うのよそうじゃないのよ
35:56お母さん
35:57行ってお母さん何が違うの
36:01純子
36:03純子さん
36:04お母さんの代わりに僕が話そう
36:06すぐ病院へ戻ってほしい
36:09もう一度入院して絶対安静の生活をしてほしいんだ
36:13でも先生あの時退院してもいいって
36:15確かにそう言ったしかしあの時とは事情が
36:20先生私の病気そんなに悪くなってるんですか
36:26そうなんですね先生
36:29どうしたねよみんな
36:33こんなことになるなら単位許可は出さなかったよ
36:37純子さん
36:38すぐ病院へ戻ってほしい
36:40そうしなさい純子
36:42病院が嫌なら
36:43基礎へ帰りなさい
36:45それも嫌だと言うなら
36:46わしと母さんが東京へ出てこよう
36:48わしらと一緒にいれば毎日安静にしていられるからね
36:53純子
36:55そうしよう
36:56ねえお願いだからそうしてちょうだい
36:58とにかく
36:59あんた日当たるのは日常に召しちゃった
37:02あんた
37:04純子
37:08俺
37:11詳しい情報はよくわかんないけどさ
37:14おじさんやばさん
37:16広沢先生の言うとりにしろよ
37:20みんな
37:21純子の旅を持って言ってくれてるんだぜ
37:24純子にはわかっていた
37:27病気の進行もあろう
37:30自分を地獄のような生活から救い出したいという
37:33温かい心もあろう
37:35それはよくわかっていたし
37:38涙が出るほど嬉しいことでもあった
37:41だが
37:43やめてよ
37:45やめてやめてやめて
37:47お父さんもお母さんも先生もよっちゃんも勝手だわ
37:51自分の立場だけで物事を言うなんて勝手すぎるわ
37:55今の私に
37:57木曽へ帰ったり
37:58入院して安静にしたり
38:00そんなことができると思うの
38:02たとえできたとしても
38:05したくないのよ
38:07私は好きでここへ来たのよ
38:10あのアパート選んだのは私なのよ
38:13自分の生き方は自分で決めるって言ったでしょ
38:16ごちゃごちゃ言ってないで
38:18私のことはほっといて
38:20純子さん
38:22純子
38:23待てよ
38:24純子
38:27待てよ
38:39離してよ
38:40川田のおじさんな
38:44ちょうちょうやめたんだぞ
38:48え
38:49新聞に出てるよ
38:51ほら
38:54辞任理由は健康上の問題とされているが
39:05実は殺身強盗の容疑で
39:09当局の追及を受けている人物との交友を
39:12庁議会で追及されたためと見られている
39:15純子
39:18お前こそ勝手すぎるんじゃないか
39:21関係ないわ
39:24何
39:25何よ
39:29お前なんかな
39:30お前なんか死にしばれ
39:33よっちゃん
39:51何かの足しにしてください
39:56暗証番号はあなたの誕生日です
40:00あきこ
40:01お母さん
40:06答えも橋
40:20また
40:20お前
40:23お前
40:30ご視聴ありがとうございました
41:00ご視聴ありがとうございました
41:30ご視聴ありがとうございました
42:00どうしてみんなそんなに優しいの
42:02私がいることでみんな不幸になるっていうのに
42:07どうしてそう優しいの
42:09もっと辛くあたってくれていいんです
42:12いいえそうしてほしいの
42:14その方がその方が
42:18私も諦めがつくわ
42:21順子は一人生えていた
42:4717歳の少女には重すぎる運命の十字架を両肩に背負い
42:53じっと耐えていた
42:55果たしてどこまで耐えきれるのか
42:58その背後には
43:01確実に一歩一歩迫りくる死の影がある
43:06ご視聴ありがとうございました
43:12ご視聴ありがとうございました
43:14ご視聴ありがとうございました