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00:00記者としての取材経験を生かし経済や社会のリアルを描くベストセラー作家相葉秀夫が迫る人間が持つ五感中でも今大きなビジネスチャンスを秘めているのが匂いを嗅ぎ分ける嗅覚
00:25嗅いを操る驚きの技術大阪大学初のベンチャー企業がある驚きの装置の開発を進めていた
00:39たった五種類の液体から様々な匂いを再現
00:46さらに
00:48こいつさえ持っていれば例えば日本とアメリカであろうと
00:54受け取り手と送信側のインフラさえあればもうピュンと
00:58もうできます
00:58なんと匂いをどこへでも転送できる夢の技術を確立していた
01:05デジタルサイネージで音と映像以外に匂いを出す
01:11まさしくお金の匂いしかしないですね
01:14本当に
01:14今週は作家相場秀夫が匂いを操ることで世界に革命を起こし
01:22新たな未来を作り出す開拓者に迫る
01:25未知なる世界に挑む
01:30不屈の開拓者に迫る
01:33ブレイクスルー
01:35今回相場が訪れたのは大阪大学のスイタキャンパス
01:45今日はですね
01:48SFとかアニメの世界でしか見られなかった
01:52ワクワクするような技術
01:53そんな技術を開発している企業なので
01:55楽しみです
01:56本日の開拓者はこの人
02:00大阪大学初のベンチャー企業
02:04香味発光社長の久保健次
02:07新たな匂い産業を作り出す開拓者だ
02:12驚くような技術を開発していらっしゃるということなんですけど
02:17どんなことを具体的にできるんですか
02:19そうですね
02:20まず離れた場所でも匂いを送ったり送られたり
02:25あるいは同時に共有することができます
02:28なのでVRあるいはゲームの世界で匂いを転送したり
02:34匂いが出るテレビとか
02:37今まで誰もやってないですよね
02:39そうですよね
02:39なんと匂いが出るテレビを実現するかもしれないという
02:46夢にまで見た技術
02:48その研究の最前線へ
02:51まず見せてくれたのが
02:54こちらの方はそもそも人の匂い感じ方というのは
03:01非常に複雑ですので
03:03まずそのもの自体をダイレクトに測るセンサーは
03:08今のところはないので
03:09例えばバラの花の匂いとか
03:12そういったものも抽出して
03:15よりダイレクトに分かるように
03:18そのものの成分だけを濃縮しているという
03:21そういう作業になります
03:22こちらは様々な物質を加熱し
03:27出てきた蒸気から匂いだけを取り出す装置
03:30日々ここであらゆる匂いを取り出し
03:36独自の研究を行っているという
03:38その匂いを転送するというクボ
03:43それを可能にした
03:46世界初の技術がここに
03:50実はこれが我々の人工の花を
03:55小さなガラスプレート状に再現をしたという
03:58そういう技術なので
04:00これですか
04:01はい
04:01人工の花ですね
04:03人工ですか
04:03ここは人間が持つ匂いを感じる
04:07嗅覚需要帯というものがありますので
04:10それをこの中に埋め込んでいきます
04:12なので人間の花をこのまま再現していますので
04:17ここに測りたい匂いとか
04:19匂いの成分をかけると
04:22様々な反応が出ます
04:24じゃあ僕のこの奥に
04:26こういうものが本来のものが
04:28入っていると思っていただいて
04:29はい
04:29香味発酵が世界で初めて開発した
04:35人工の花
04:36人と同じように
04:41匂いを感じ取れるというセンサーだ
04:44人間の花には
04:48匂いを感じ取る嗅覚需要帯というセンサーが
04:52およそ400種類ある
04:54それを駆使して
04:55人は匂いを嗅ぎ分けている
04:58人工の花は
05:01人間が持つ400種類のセンサーを
05:04それぞれ再現し
05:05一マス一マス並べていったもの
05:07人の花と同じように
05:09匂いを嗅ぎ分けるというのだ
05:12例えばここに
05:14天然のバニラビーンズの匂いがあるんですが
05:18これを今ちょっと嗅いでいただきますと
05:22このような
05:25バニラです
05:27こうした匂いは
05:31これまで感覚的にしか表現できなかった
05:33しかし
05:35人工の花にあるセンサーが
05:37それぞれ分析することで
05:38初めて匂いをデータ化することに
05:42成功したというのだ
05:43ちょうどこの矢印のところ
05:46ここを見ておいていただくと
05:48400種類のうち
05:49人間というのは
05:507種類でバニラを認識しているんです
05:53光っていって消えていくサマラ
05:55これが匂い始めと匂いのピークと
05:59ピークの時が一番強く光りますので
06:02人工の花が匂いを可視化
06:08人はバニラの匂いを
06:10この7つのセンサーで感じているのが分かるというのだ
06:15400あるセンサーのうち
06:18反応した種類や
06:20どれほどの強さで反応しているのか
06:22その組み合わせが
06:24これまで見ることができなかった
06:27客観的な匂いのデータとなるのだ
06:29すごいですね
06:32匂いが見えるって全然矛盾しているけど
06:36すごい分かりやすいですよね
06:38ここは先ほどバニラではなくて
06:41オレンジもこのように
06:42どこがどのように光ってどうなったかというのも
06:46このように取れていきますので
06:48こちらはオレンジを人工の花でデータ化したもの
06:55久保たちは今
06:59こうした様々な匂いのデータベース化を進めているという
07:04何種類くらいこのデータがあるんですか
07:08そうですね
07:08材料のデータベースをすでに2000円以上作っていっています
07:13莫大な量ですけど
07:15まだまだまだ増えますよね
07:16そうです
07:16これは最終8000種類くらいまでを
07:19でないと匂いの解像度が上がらないですね
07:22今はなんとなくコーヒーとか
07:25なんとなくバニラとか
07:27いや面白いですね
07:28匂いの解像度って
07:30それを見える化するっていうのが
07:31非常にイメージとつきやすいですよね
07:33そうですね
07:33こうした匂いのデータ化は
07:39企業にも大きなメリットが
07:41もともと匂いって
07:45今も大手メーカーですら
07:46観音試験って言って
07:48人がクンクンしながらやっているので
07:51非常にフレーバリストになるために
07:55何年も修行をしてっていう
07:57でも人間だんだん衰えていきますので
08:00そこですね
08:01肝は
08:02そうなんです
08:03なので全て記録をして
08:05それをデジタル化して
08:07そうするとずっと残っていきますよね
08:09そして確立した技術を応用し実現したのが
08:15この夢の箱
08:17これはまだプロトタイプなんですが
08:20通知化した匂いを
08:22アウトプットする用のディフューザー
08:25人工の鼻で取ったデータをもとに
08:30匂いを再現する装置だ
08:32わずか5つの香料を組み合わせることで
08:38なんとさまざまな香りを再現できるという
08:42実はこれ
08:44明日から開かれる
08:48大阪関西万博にも展示される装置なのだ
08:51一般の人が行って
08:55これかなりびっくりすると思うんですけど
08:57そうですね
08:57これ5月の末から
08:59これは一般公開もされます
09:01今回
09:04一足先に
09:06その実力を体験させてもらった
09:08もういいですか
09:09これ大丈夫ですか
09:11こうやって
09:11煙ができる
09:12かぶさるように
09:13あ
09:13順調です
09:16はい
09:16順調の香りですか
09:18順調
09:19え
09:20ほのかな
09:22でもジンジャープラス
09:25少し甘みもありますよね
09:27変な話ですけど
09:29この中で誰かこうやってやってるわけではないですね
09:31焼けではなくて
09:33生姜の成分を使わずに
09:36生姜の香りを再現
09:38今度は桜餅のデータを入力すると
09:43桜餅だ
09:45ちっちゃいおばあちゃん入ってたりしないですよね
09:48複雑な桜餅の香りも再現した
09:52その秘密を特別に見せてもらうと
09:59非常に複雑な電子部品が入ってますね
10:05なんかパソコンのような
10:06そういうことか
10:08そうですね
10:08でここにですね
10:10角
10:11ああ
10:11そうかな
10:12こいつを吸い上げて
10:15ちょっと見えにくいですが
10:16この奥に香料プールがあって
10:18そこで混ぜる
10:19いや
10:19で
10:19もっと複雑かと思ったんですよ
10:23はい
10:23ちっちゃいタンクが5個並んでて
10:25それを集合させるパイプがあってですね
10:28意外とシンプルです
10:30昔のインクジェットプリンターですね
10:34原理で言うと
10:36プリンターが5つのインクで
10:39様々な色を再現するように
10:41この装置も5種類の香料を組み合わせることで
10:46数十種類の香りを再現できる
10:48今後は全ての匂いの再現を目指すという久保
10:53さらにこの技術を使えばこんなことも
10:57将来的にはこいつとテレビを連動させて
11:02匂いが出るテレビであるとか
11:03デジタルサイネージで音と映像以外に匂いを出すという
11:09これまだちっちゃくなりますよね
11:10将来的にはもっとちっちゃくなりますので
11:13いわゆるVRゴーグルの中に
11:16例えば映画のタイトルごとに
11:19そのシーンに応じた匂いをカチャッとはめるような
11:22ここから違う場所にそれを飛ばすことができるというイメージですか
11:26こいつさえ持っていれば
11:30例えば日本とアメリカであろうと
11:32受け取り手と送信側のインフラさえあれば
11:36もうピュンと
11:36もうできます
11:37いろんな匂いのコンテンツを世界に広げていくための
11:41社長今匂いのコンテンツって
11:44まさしくお金の匂いしかしないですね
11:46本当に絶対ビジネスチャンスですよね
11:49そうですね
11:49この装置と匂いのデータがあれば
11:54世界中の人に匂いを転送できるという
11:57テレビやスマホ
12:00仮想空間で匂いを同時に共有する時代が迫っているのだ
12:05世界初となる匂いをデータ化する技術
12:10相葉が匂いビジネスの大きな可能性に切り込む今まで誰もやってこなかった匂いのビジネスどういう業界からどういう用途で何社くらい来てるのか今明かせる範囲でお話を伺ってもいいですか?
12:30当初我々はやっぱり匂いなのでやっぱり美容であるとか化粧品であるとか
12:38あとその様々なフレーバーを使ういわゆる飲料メーカーさんとか食品メーカーさんと最初は思ってたんですが
12:49車のメーカーさんであったりとか
12:51あとホテル業界であったりとか
12:54当然こういうエンターテインメントのところまで非常に範囲が広いので
13:00今実際共同研究ベースでNDAを巻いているいわゆる秘密保持契約を巻いている企業様が今168社
13:10上場企業だけで168社あります
13:12日本のほぼ全ての産業のジャンルが含まれているようなそういう感じですね
13:19それは嬉しい誤算って言っていいですか?
13:21そうですね
13:22世界ベースの市場規模というのはどのくらいの規模になるとお考えですか?
13:26これはあらゆる匂いのジャンルですよね
13:30それを合わせると約231兆円規模があると
13:34231兆円ですか?
13:36それは全部含めてですが
13:39これだけオリジナリティの高い個性の強い研究をなさって商品
13:46実際プロトタイプが作られて
13:48もう実際行きますよということになると
13:51逆に言うと資金力に物を寄せて
13:54丸ごと買っちゃうぞというような方法はないんですか?
13:57やはり我々と共同研究というよりも
14:01正直申し上げてMAの話であったりとか
14:04あと専属契約ですよね
14:06例えば数億の資金援助をする代わりに
14:12全てそのメーカーさんとしかできないっていう
14:15ただ私としては日本初世界へっていうこの技術をですね
14:19できるだけ100年続くような技術として
14:25企業としてやっていきたいので
14:27そっかプライドがあるわけですよね?
14:29そうですね
14:30久保が起業を決めたきっかけは9年前
14:37匂いの分析技術を研究していた大阪大学黒田教授との出会いだった
14:43その将来性に惹かれて2017年に香味八甲を設立
14:49誰も成し遂げていない社会実装を託されたのだ
14:54そして今この技術で悪臭退治に乗り出していた
15:01スタッフが3日間履き続けたツイッターなんですけれども
15:06本当にやるの?
15:07これ持ってきたんです
15:12ちょっときついです
15:12スーッときます
15:14人工の花で匂いをデータ化する久保
15:29世界で初めてその匂いを離れた場所に転送する技術が誕生
15:37今挑戦している新たなビジネスが
15:44こちらの方は特に悪臭を対策しているような部屋になります
15:49悪臭ですね
15:50先ほどの数値化のシステムに
15:57例えば僕らぐらいの世代になってきたらこの辺から変な利用がするので
16:02それをこう取って先ほどの濃縮のやつで測っていただいて
16:08確かに匂いですから数値化ができるわけですよね
16:10数値化したものがこうなります
16:13これがやばいやつですか
16:15いわゆるカレー臭のこの匂いの波形なんですね
16:18ここではそうした悪臭のデータをおよそ250種類保有
16:25例えば汗の匂いのデータ
16:30これがあることによって
16:32このデータでいうとここが悪臭の反応しているところなんですね
16:38こいつを下げてあげるといわゆるその匂いだけが下がっていきます
16:44突出した3つが悪臭を感じる汗の匂い
16:51鼻のセンサーをデータ化することで
16:53その匂いだけをピンポイントで封じることができるという
16:57その実力を知るためここである実験を行うことに
17:03この日のためにですね
17:06実はスタッフが3日間履き続けた
17:09つしたなんですけれども
17:11本当にやるの?
17:12これ持ってきたんです
17:13ここでかけばいいんですね
17:14もう一回
17:17あんまりいい感じじゃないですね
17:21実は靴下の悪臭の原因は
17:27国が悪臭防止法の規制対象にしている
17:30イソキッソウ酸の匂いだ
17:34そこで香味発酵が開発したのが
17:39悪臭のもとイソキッソウ酸だけを匂わなくするスプレーだ
17:44これをじゃあ社長がここで
17:49今ここにスタッフさんが入った汗臭
17:53それをこいつに分解するのではなくて
17:58今相葉さんが嗅いだ匂いをブロックします
18:02なので
18:03ちょっとトラウマになりそうな感じなんですけど
18:05大丈夫です
18:06これをこのまま
18:07これ本当はワンプッシュでいいんですけど
18:09これをもう
18:12これで嗅いでいただくと
18:16ない?
18:19そうですね
18:20今相葉さんの鼻をブロックしてます
18:23無臭な感じですか
18:25そうですね
18:27ちょうどこの悪臭を感じている状態だけを蓋をしているので
18:32ピンポイント消臭ですので
18:34嗅ぎたくない匂いだけを嗅がないで
18:37あとの匂いは普通にします
18:38市販されている多くの消臭剤は
18:43より強い匂いで悪臭をごまかしているだけだという
18:48一方
18:51香味発酵は
18:52イソキッソウ酸だけをピンポイントで消臭し
18:55それ以外の匂いは
18:57そのまま感じることができるというのだ
18:59そのため
19:03マスクにかけることで
19:05身の回りにある気になる生活中や
19:07匂いによるストレスが多い
19:09職場などでの活用が見込まれているという
19:12さらに
19:17匂いビジネスはこんなところにまで
19:20濃くなった
19:22匂いで味が変化
19:26さらに認知症対策にも
19:29ブレイクスルーはTVerで配信
19:33香味発酵が
19:37世界で初めて成功した
19:39匂いのデータ化
19:41他にも
19:44その驚きの活用法があった
19:46こちらは
19:50味を4倍に薄めた味噌汁
19:52ここに
19:55香味発酵が再現した
19:57鰹節の香料を吹きかけると
19:59濃い
20:06濃くなった
20:08なんと
20:11香りで塩味を増強
20:13この技術を応用すれば
20:18塩分を抑えた病院食や介護食も
20:20満足を得られるという
20:22さらに
20:27ヘルスケア分野でも
20:28匂いで認知症を早期に発見する検査キットなど
20:32様々な分野での活用が期待されている
20:35大きな可能性を秘める
20:42匂いビジネス
20:43そうした中
20:45久保が今目指しているのが
20:47匂いの知財家だ
20:53匂いに著作権を作り
20:58ビジネスに生かしたいと考えているのだ
21:01すごく将来広がりのあるビジネスだと思うんですが
21:08どういう風に
21:10お金の流れを太くするとか
21:13というようなビジョンはおありですか
21:14実はこれ今まで
21:16匂いって知財にならなかったんですが
21:20なるほど
21:21ここがきっちり
21:23先ほどお見せしたような波形であるとか
21:26そういったものがあると
21:27知財になるわけですね
21:29知財になるわけなんですね
21:30だからそう知財にするためには
21:32やっぱり皆さんが数値化をできないと
21:34全て込み発行を通じないとできないという話だと
21:38なかなかこう知財家にならないので
21:41そういった意味でもある程度技術を開示するという
21:45そこに踏み込まないと
21:48次のステージにはいけないのかなという風には思っております
21:52そこでおっしゃっている
21:53オープンにするという意義がそこにあるわけですよね
21:57そうです
21:58なのでやっぱりこれからオープンイノベーションで
22:01例えば食品メーカーさん
22:03飲料メーカーさん
22:04工業メーカーさん
22:05エンターテイメントの会社
22:06そういったところと
22:08いろんな共通のラボというか研究を持ちながら
22:11データベースを充実させていく
22:13そうすると本当に匂いの著作権協会みたいな
22:18なるほど
22:19例えばAっていう匂いは
22:211っていう会社と2っていう会社と3っていう会社が権利を持ってますよ
22:27なのでこのAっていう匂いを使ったら
22:30この3社に何かしらのリターンがある
22:33そういうようなビジネスをやっていかないと
22:36三方よしの考え方ですよね
22:38最後に作家相場秀夫が問う
22:45久保さんにとってブレークスルートは何ですか
22:49そうですね
22:51これからの新しい技術に
22:54皆さんでいろんな技術を作って
22:57いろんな新しいジャンルを作っていきたいっていう
23:00そこの気持ちの方が強いんですね
23:02本当に亡くなったベッドの匂いを再現してほしいとか
23:07やっぱり匂いっていうのは記憶に直結しているようなものなので
23:11やはりその人だけの匂い
23:14思い出もそうなんですけど
23:15例えば野外ライブ行った時の
23:17あのむせかえるような匂いであるとか
23:19全部記憶と連動しているので
23:22そういったものもちゃんと共有できるようなことをすれば
23:25全く新しいコンテンツがまたできるのではないのかなっていう
23:29そういうのがやりたいことですね
23:32ブレイクスルーはテレトービズ
23:44ユーネクストで配信
23:46テレトービズでは作家
23:49相葉秀夫の深掘りコンテンツも
23:51ここむちゃくちゃ広いんですけど
23:54広いですね
23:56こちらです
23:57わあ
23:59シートですね