“人食いバクテリア”過去最多 致死率3割…「死を覚悟」片足失った男性 感染経路は【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月22日)
  • 2 months ago
 いわゆる“人食いバクテリア”の感染症患者数が調査開始以来、過去最多となりました。番組では、感染して片足を失った男性を取材。謎の多い感染症の実態に迫りました。

■“人食いバクテリア”感染なら…致死率3割

森貴史さん(36)
「即入院して、夜だったが、即集中治療室にすぐ通されて。その時は、少し死を覚悟しました」

 男性が感染したのは、“人食いバクテリア”。感染すれば、致死率3割に達すると言われている感染症です。

東京女子医科大学病院 感染症科 菊池賢教授
「肝臓とか腎臓とか、内臓に致死的な障害をきたす病気」

 感染した男性が、壮絶な体験を語りました。

■原因は「A群溶血性レンサ球菌」 症状は…

 調査を開始してから最も多くなった感染者数の報告を受け、厚生労働省は各自治体に患者の検体を解析するよう指示しています。

 「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」、通称“人食いバクテリア”。去年、国内で941人の患者が確認され、調査を開始した1999年以降、最多となりました。

 今年に入っても、すでに劇症型を発症した人が全国で31人。東京が最も多く、7人確認されています。

 原因となるのは「A群溶血性レンサ球菌」で、通常、咽頭(いんとう)炎などを引き起こす程度で、子どもを中心によくみられる症状です。

 致死率が3割といわれる“人食いバクテリア”。番組が感染経験について複数の人に話を聞くと、初期症状における診断の難しさが見えてきました。

■異常な進行速度…教授「1秒でも早く治療を」

 “人食いバクテリア”の特徴は、初期症状による診断が難しいことです。

 宮城県に住む30代の女性は3年前、右肩に激しい痛みを感じ、医療機関を受診しましたが…。

感染した女性
「最初に行った病院でも、病名がつかなくて。確信的なものはないという状態。次の日にどんどん血圧も下がって、看護師さんとかが焦り始めていた」

 この女性は当初、医師の診断では“劇症型”とは診断されませんでした。そして、もう一つの特徴は、異常ともいえる症状の急速な進行速度です。

菊池教授
「発症して3分の1は、48時間以内に亡くなる。足の先、指がちょっと朝腫れているなと思ったと。それが昼には膝まで広がっているといったスピードですね」
「助けられるか、助けられないか。一刻でも1秒でも早く、病院で正しい診断と治療を受けられる。そこにかかってきます」

■わずかな傷から急速進行…40℃近い熱も

 新潟県に住む森さんが“人食いバクテリア”に感染したのは2015年、27歳のころでした。

森さん
「その日はバスケを一日していて、夕方から痛くなった。歩いている時に少しだけ痛いとかという感じ。多少赤みは出ていましたけど」

 感染経路は不明で、心当たりといえば、右足にあったわずかな傷しかないといいます。

 足の痛みを感じてから4日後の写真を見ると、右足は赤く腫れ、一部はわずかに紫色になっています。40℃近い熱が出ることもあったといいます。

 痛みを覚えた翌日から街医者にかかりましたが、血液検査などは行いませんでした。

森さん
「抗生剤、熱冷ましを出してもらった。あと、よっぽど痛ければ、痛み止めの薬打ちますよぐらい」
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