ドキュメントJ「汐凪の花園~原発の町の片隅で」20191214

  • 4 年前
東京電力福島第一原発の事故から8年。自宅があった大・町を離れ、長野・白馬村で避難生活を送る木村紀夫さんは、震災で家族3人を亡くしました。当時7歳の次女・汐凪(ゆうな)さんは、行方不明のままで、立ち入りが制限されている福島・大熊町に通い捜索を続けています。遺骨の一部が見つかったのは、震災から5年9ヵ月後。撤去された瓦礫の中からでした。

長野一白馬村では、長女の舞雪【まゆ】さんと二人暮らし。この春、舞雪さんが東京の専門学校へ進学したのを機に、木村さんは福島・大熊町の近くで暮らすことにしました。汐凪さんの捜索を続けながら、自宅の周りを手入れして、菜の花を育てています。

自宅は中間貯蔵施設の敷地になっています。福島県内の除染作業で出た放射能に汚染された土や廃棄物を集め、30年間保管する計画で、環境省は土地の取得を進めています。しかし、木村さんは自分の土地を手放さないと決めています。

政府は、次々と福島県内の避難指示を解除し、「復興」が進んでいるような印象を与えています。その陰で置き去りにされていく原発の町の硯実を見つめ、「今も震災のなかで生きている」と話す木村さんの日々を追いました。

「2019年日本民間放送連盟賞」報道番組郡門優秀賞受賞
[制作]SBC信越放送(2019年5月29日放送)

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